四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その8)

2021年11月03日 05時06分58秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その8)   短歌の投稿を歓迎します!!

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の投稿を歓迎します。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。




「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

☆美しい 夏の陽炎 去っていく 
     悲しい恋を 忍んで涙
☆ひさかたの 夏の思い出 いまもなお 
     心に残る 愛の傷跡」
☆あなたとの 思い出残す 海岸を 
     今夜も一人 さびしく歩く
                 浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 「悲しみのラプソディ」と題した「口語2行詩」で、作者は「言霊の世界で冒険」を
 したと言われていますが、まさに冒険心に満ちた「挑戦」の短歌と思います。
 かつて、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」がトレンドになりましたが、
 ラプソディは、狂詩曲とも言いますね。この「狂」という字は、仏教用語では
 「面白おかしい」「絵空事」という意味がありますが、作者の冒険心と、詩人としての
 感性に拍手をおくりたいと思います。
 なお、作歌の次のステップでは「美しい」等の形容詞を、他の言葉で置き換える工夫を
 してみましょうか。一首目、「美しい」をかえてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★またも夢 夏の陽炎 去っていく 
          悲しい恋を 偲んで涙

☆国民の誹謗中傷攻撃し世界は二人のためにあるらし
☆国民のまつとうな疑義封殺し誹謗中傷と誹謗せし姫
☆国民の支へによりて存在の皇族いつか国民が敵
                          びこさん

【解説】
ご結婚された眞子さんの記者会見にまつわる、ホットな話題の三首ですが、
「まつとうな疑義封殺し」との表現は、多くの方の想いに重なると感じます。
「お二人の会見」内容は、これからもマスコミをにぎわせて行くことに
なるでしょうが・・・、静かに見守って参りたいと思います。

☆楽しみは端切れ集めて昼下がり家族の思い縫いつなぐとき
                          あんりさん

【解説】
 早速「独樂吟」に挑戦され、見事な一首に仕上げられましたね。
 「パッチワーク」は、「家族の思い出が詰まった古着や端切れ」を
 用いて、ふたたび「縫い繋ぎまた新しい思い出」を作る作業でもありますね。
 そんな楽しい想いを詠んだ短歌は、しっかりと韻も踏み「縫いつなぐとき」の
 結句が良いと思います。これからが楽しみです。

☆英文法
  必要ないわ
    あかちゃんは
   でも大人には
      最短の道
                          すずさん

【解説】
 英語教師でもある作者は「会話マスター」の王道を、短歌で示してくれました。
 曰く「大人になって語学を学ぶ場合は、英文法を学ぶことが、会話マスターには
 最短の道」とのことです。
 「道歌」という和歌が在りますが、道徳的な教訓や、仏の教えを短歌にしたものですが、
 このように「会話マスター」等への道歌があってもいいですね。
 再び語学を学ぶ方たちの啓発になるし、良き導きとなると考えます。

☆行く人の 背にもヒラリと 涼しげな
    空の青さに もみじが萌える
                          クロママさん

【解説】
 もみじは赤く燃えながら、既に散り始めていますね。そんな情景を良くとらえた
 短歌と思います。なお、「萌える」は若葉等が芽ぐむ場合に、主として使いますので、
 ここでは「燃える」を使って、少し整理してみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
★行く人の 背にもヒラリと 舞い散るや 空の青さに 燃えるもみじは



☆噴石が沖縄の海埋め尽くす漁業被害に心痛むよ
☆楽しみは植えて五年の初蜜柑色づくを待ち収穫する時
                          ものくろ往来さん

【解説】
 実がなるまで「桃栗三年柿八年」とよく言われますが、ミカンは約5〜6年と
 言われています。5年目に3つとは言え、先ず収穫が出来たことは嬉しいですね。
 まさに楽しみの瞬間を詠んだ、ほほえましい旬の「独樂吟」です。なお、一首目
 「漁業被害」への視点の確かさに、学んでいきたいと思います。

☆とりあえず寝ていようサバンナの昼下り
     風も少し出て来た
                          自閑 (jikan314)さん

【解説】自閑 (jikan314)さんご自身の解説です。
 YouTube短歌なるものを考案しております。題「ライオンは寝ている」、
 副題「緊急事態宣言解除」です。
 歌詞をそのまま使うと、著作権に触れるおそれがある為、ジャングルをサバンナに変えるなど、
 曲から受けるイメージのみを短歌にしております。
 新型コロナウイルス写真のコロナ冠のイメージとしてライオン、焼け付くサバンナの 昼下がりは
 感染爆発。新型コロナが、寝ている間にやっと私も安心して眠れるし、少し人々も心地よく
 流れていると言うものです。
 私自身が、そう思いながら作歌しただけですので、そのニュアンスすらありません。
 YouTubeをご覧になりながら、愚詠も笑覧頂ければ、幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/45c62c57b05cf71d0a1cd2d57d997c8d
【補足】
 新型コロナウイルスの突起を、ライオンのたてがみに例え、感染爆発後の小康状態を詠った短歌は、
 「風も少し出て来た」との警告も含む、味わい深い自由律短歌と考えます。このような分野が
 広がっていくことは「短歌界」にとっても喜ばしい事と思います。

☆人生に 近道いくつ ありますか してはいけない したい気持ちも
          オライ&kencyanさん(上の句オライさん、下の句kencyanさん)

【解説】
 写真とのコラボ蓮歌も、新たな分野の開拓に繋がっていくことと考えます。
 お勧めにより、即興連歌に参加させて頂きます。
【参加詠】
★人生に 近道いくつ ありますか でも怖いわよ おいしい道は

☆かさかさと 一足ごとの 心地よさ
        落ち葉楽しむ 今日のこの道
                          さわやか♪さん

【解説】
 kenさんからのご紹介で、今回から参加された作者の、最初の作品です。
 散歩の途中の情景を詠われたとのことですが、動きのある爽やかな短歌と 思います。
 「挑戦するのは大好き」と言われる作者のこれからの健詠が楽しみです。
 「落ち葉楽しむ」を「落ち葉踏みゆく 心地よさ」として少し整理してみましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
★かさかさと 落ち葉踏みゆく 心地よさ
          風無き空に もみじ散り敷く


☆帰り咲く さつきひと花 楚々として 狂えるものの命愛しく
                         ポエット・M

【解説】
 艶やかに咲き競った酔芙蓉も中秋の日差しのもと、散り時を迎えていますが、初夏に
 鮮やかに咲き、散っていったサツキの花が、返り咲き楚々とした姿を見せています。
 「返り咲き」は「狂い咲き」とも言われています。楚々とした花から想像できない花の命が
 秘める凄み、狂気とも言えますが…を滲ませています。そんな花に寄せて詠んでみました。



「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (9)

3.別れ (3)
   君ゆえに
    宗旨を変えて
     バッカスの
    信徒となりぬ
     深夜の酒宴
   
     君待てど
      君はきたらず
       白雪の
      桜花(はな)散るごとく
        降るが哀しき

      甘美なる
       君が声かと
        目覚むれば
       夜半吹く風の
        ただ泣くばかり
    
    岸壁の
     一歩手前で
      手を合わし
     空を仰げば
      母の顔顕(た)つ

     音もなく
      けれど確かに
       哀しみが
      心の壁を
        青白く塗る





【短歌入門・質問コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、さらに質問、疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からの提案、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【掛詞(かけことば)】
 掛詞とは、枕詞とおなじ短歌の修辞技法のひとつです。
 掛詞は簡単に言いますと「ひとつの言葉にふたつの意味をかける」ことです。

 ☆花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに (小野小町)

 小野小町のこの歌は、掛詞を使った最も有名な歌のひとつです。
 この「ながめ」には「長雨」と「眺め」が、また「ふる」には「降る」と「経る」が
 掛けられています。

 この歌を「長雨」「降る」で訳しますと…
  「美しい花の色はいつの間にか色あせてしまったことよ、いたずらに長雨が降り
   続いているうちに」このような意味になり
 「眺め」「経る」で訳しますと…
  「私の容貌も衰えてしまいましたよ。ぼんやりと世を眺めて物思いにふけている間に」
   このようにひとつの歌で、二通りの意味を持っていることになります。

 ただ、この歌もそうですが掛詞は明確に二つの意味に分けるのではなく、どちらもが密接に
 かかわりあって、一首の歌としての魅力を高めるようなものでなくては意味がないと思います。
 つまり掛詞とは、言葉遊びで単純に二つの意味を持たせればいいのではなく、
 二つの意味がお互いに重なり合って、一首の歌としての魅力を引き立たせるところに
 その真髄があるわけです。
 掛詞も枕詞などと同じで、簡単に使いこなすというわけにはいかないと思いますが、
 ひとつの伝統ある技法として知り、味わいつつ挑戦してみたいものです。



【記紀万葉とは】
 「古事記」「日本書紀」「万葉集」はいずれも奈良時代に完成したとされ、当時の出来事や、
 歴史的背景等を知るには欠かすことのできない文献です。3つとも原本は伝わっていませんが、
 後世の写本を経て、その内容については現代にまで伝えられています。

 古事記(こじき)
 日本最古の古典。現存するわが国最古の歴史書。神代の物語や、国の成り立ちにまつわる
 出来事を記した書物です。

 日本書紀(にほんしょき)
 わが国最初の勅撰の史書とされます。神代から持統天皇(697)年までの出来事などが 
 記されています。帝紀・旧辞、諸氏族の記録、寺院の縁起、中国の史書、百済の関係記録など
 当時の文献を幅広く参考にしまとめられました。

 万葉集(まんようしゅう)
 現存する日本最古の歌集で、20巻約4500首が収録されています。そのうち奈良の地名が
 詠み込まれた歌は約900首にも及びます。約100年間にわたり、天皇・貴族から兵士や、
 農民、防人等、さまざまな身分の人が詠んだ歌が幅広く採られているのが特徴です。
 奈良時代の貴族であり、歌人でもあった大伴家持が編纂に関わったと考えられており、
 最後の歌は759年に詠まれました。


コメント (25)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする