四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その9)

2021年11月10日 05時50分01秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その9)   短歌の投稿を歓迎します!!

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の投稿を歓迎します。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。




「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

☆秋風が 頬をかすめる 夕暮れに 
         馥郁とした におい香り立つ
☆ぬばたまの 夢の中しか 会えぬのも 
         ゆらゆらゆれて 姿はかなし
☆過ぎし夏 思い出深く 泪こそ
         滲む思いに 我は泣かん

                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 「悲しみのラプソディ」(過ぎし夏の日の思い出)の第二弾。
 いずれも作者が「想像の翼」を広げての作歌ですが、一段ステップを上げられた歌と考えます。
 「ラプソディ」(狂詩曲)としては三首目がよろしいですね。ただ、結句が「字足らず」に
 なっていますので、少し工夫してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★かの夏の 深き思いに 泪湧き
         滲む思いは 我を泣かせる


☆ふと見れば 鷺立ち尽くす 川の中
         細き足先 寒くはないか
☆目に映る 歩くこの道 下草の
         色の緑は 濃くも薄くも
☆車停め 窓に吹き入る 強き風
         助手席に居る モミジひとひら

                         さわやか♪さん

【解説】
 何れの短歌も、状況が良く分かる素直な歌と感じます。
 「鷺立ち尽くす」と、「濃くも薄くも」は、状況を適切に表現されています。
 三首目を「もみじひとひら」をメインにして、少し整理してみましたが
 いかがでしょうか。
【ご参考】
★車窓より もみじひとひら 吹き入るや 
        風のいたずら ほほ笑み誘い

 
☆夜明け前ISSの光点を追いて心よ宇宙(そら)越えて行け
                         ちがやねこさん

【解説】ちがやねこさん、ご自身の解説です。
 今年の6月頃に、地上からISS(国際宇宙ステーション)が見られる日時のサイトを
 見つけて、時々見ています。今(11月始め)は午前4時台とか5時台に見えますので、
 このような歌になりました。日本人宇宙飛行士の星出さんは11月8日ぐらいに地球に
 帰還するそうです。どうか無事にと祈りつつまた宙を見上げてみようかな、と思います。
【補足】
 ちがやねこさんは「水曜サロン」へ初めての出詠です。
 ISS(国際宇宙ステーション)は1等星より明るく肉眼でも見えるとの事ですが、私たちが住む日本から
 見える時間帯は限られます。そんな光点を追い求め、宇宙(そら)を見上げる、ちがやねこさんの
 ワクワク感が伝わる良い短歌と思います。
 なお、日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんにささげる一首とも言えます。
 ちなみに、11月9日 12:30頃、星出さんは無事地球に帰還されたとの報道がありました。拍手!です。

☆錦秋に染まる山々落ちる水両手に受けてしばし呑まれる
☆ぬばたまの夜の帳が下りるとき聞こえてくるよごろすけほーほー

                         あんりさん

【解説】
 霧降ノ滝は日光三名瀑のひとつに数えられていますが、今はまさに全山錦秋に埋まり、
 旬な情景に包まれていたことと思います。
 そんな情景を詠んだ一首目から、錦秋と滝のコラボレーションが伝わってきます。
 なお、「落ちる水両手に受けて」の表現を少し変えてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★錦秋を裂きて流れる滝川よ 霧降の滝 伸ばす手の先



☆宇宙への片道切符の打ち上げと六十四年後真実を知る
☆スプートニクに乗せられ宇宙をさ迷った帰還かなわぬ犬の命日
(十一月三日)
                         リコさん

【解説】リコさん ご自身の解説です。
 1957年11月3日にソビエトの宇宙船に乗せられてライカ犬は宇宙に打ち上げられました。
 この旅は地球に還れない片道切符でした。このことを最近知り、心を痛めていますが、
 私たちがクドリャフカ姫に心を寄せることが供養になると心を鎮めています。
【補足】
 東西冷戦時代、旧ソ連が世界初の“犬の宇宙飛行士”として人工衛星に乗せて送り出した宇宙犬「ライカ」を
 詠った短歌です。打ち上げ前からライカは科学の進歩のために犠牲になることが決まっていたという、
 冷酷な史実があります。大義をかざした人間の傲慢さと、無慈悲なまでの冷酷さと残忍さに心が痛みます。
 作者が言われるように「心を寄せることが供養になる」ことを、かみしめながら、このようなライカ犬が
 いたことを、私たち自身も心に刻んで参りたいと思います。
 二首の短歌から、ライカ犬に寄せる深い哀しみと、静かな怒りも感じ取れます。このような短歌にも、
 私たちは是非ウイングを広げて参りたいと思います。

☆激減の新型コロナ感染者このまま年を越すこと願う
☆宝くじ買うか買わぬか迷いつつ結局買わず販売終了

                         ものくろ往来さん

【解説】
 本年は、コロナに明け、コロナに翻弄された年となりましたが、一首目は、大半の方の願いですね。
 第六波が大波にならないためにも、今までの感染症対策をきちっと検証することが、今求められて
 いると感じます。二首目は、独特なユーモアと「ほろ苦さ」さえ感じさせる良い歌と考えます。

☆雲場池
   燃えるモミジにいだかれて 
     水面に映える
        カモのたわむれ

                         クロママさん

【解説】
 軽井沢・雲場池の紅葉は、今まさに旬な輝きをみせ感動を誘う情景が展開されている
 事でしょう。作者の短歌には、その感動が素直に表現されています。
 「水面に映える」のは紅葉でしょうから…、少し整理してみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
★雲場池 燃えるモミジにいだかれて
      群れなすカモも 染まるくれない

☆遠い昔
  君が出て行ってから
    頭の中では平和だが。。。
           ちょっと

                         自閑(jikan314)さん

【解説】自閑(jikan314)さんご自身の解説です。
 新古今和歌集の部屋と言うブログの亭主自閑と号しております。
 いつも拝見している歌の教室のプロの歌手の方のブログにご紹介していた、
 Albert HammondのFor The Peace Of All Mankind(邦名 落葉のコンチェルト)を聴いたイメージの
 YouTube短歌を作りました。
 昔、マチス展を、美術館で見た時の切り絵に、継ぎ足しが有りました。切り直せば良いのにと。
 でもマチスにとっては、継ぎ足しが必要だったのでしょう?今、この切り絵は、オークションでは、
 1億円から開始でしょうね。継ぎ足しのような「ちょっと」に、マチス風短歌と豪語しておりますので、
 下記ブログYouTubeを視聴頂きつつ、愚詠もお読み頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/e099aab409af9f9644ada5c210e31b72

【補足】
 落葉のコンチェルトに「僕の心から 消え去ってくれないか」との詞が繰り返し出てきますが…。
 君が去ったのちの寂寥感が「ちょっと」の言葉で暗喩されているように考えましたが、
 「継ぎ足し」の効果大と感じます。

☆乱れ吹く風に惑うや秋蝶の 舞いゆく果てにコスモスの群れ
                         ポエット・M

【解説】
 晩秋の日差しの中、乱れ吹く風に翻弄されるかのように、秋蝶は弱弱しく舞っています。
 それでも群れ咲くコスモスに向って舞うさまに、蝶の健気さと懸命さを感じて詠んでみました。



「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (10)

3.別れ (4)


 哀しくて
   薔薇一輪を
     瓶にさし
   グラスの虹を
     傾けてみる

     短歌って
       もしも私が
         女なら
       これを哀しき
         紅(べに)とよびます
       
         ある日ふと
           斜に構えて
             人を見る
         自分に気づき
           哀しくなりぬ

       ヴァイオリンの
         音色哀しき
           思い出は
         瞳もぬれる
           雨の神田川

     この胸の
       痛みをメスで
         えぐり取る
       どこかにそんな
         名医はなきや




【短歌入門・質問コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、さらに質問、
 諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からの提案、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、意見等も
 ありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。それが学びに繋がれば嬉しいです。

【帰り花】
 帰り花(かえりばな)は、「返り花」とも書き同一のものと考えます。
 11月頃の小春日和に、桜、梅、梨、躑躅、さつきなどの草木が本来の季節とは異なって咲いた花のことで、
 「狂い咲き」という表現もあります。
 これを「帰ってきた花」と表現するのは、俳句や短歌特有の趣きと思っています。
 ひとが忘れた頃に咲くので、「忘れ花」といった言い方もされます。
 俳句における帰り花
  俳句では冬の季語の一つとなっています。和歌や連歌には詠題としてはありませんが、
  俳諧に到って盛んに作られるようになり、
   「凩に匂ひやつけし帰花」(松尾芭蕉『後の旅』)
   「かへり花暁の月にちりつくす」(与謝蕪村『夜半叟句集』)
  などの例があります。


   「11月に4度目開花した 月下美人・・・下半分が開花しませんでした」

【ISS(国際宇宙ステーション)】
 国際宇宙ステーションは上空400kmもの上空を周回しています。ですから、その形が見られる訳では
 ありませんが、光る点がゆっくりと空を通過していく様子を肉眼で眺めることができます。
 見え方は高空を飛ぶ航空機に似た感じです。ただし点滅を繰り返したりはしません。
 また、流れ星が光るのは、1秒以下と短時間ですが、国際宇宙ステーションは、数分かけて光の点が
 ゆっくりと空を横切って行きます。ただし雲よりもずっと上空ですので、晴れている必要があります。
 晴れていさえすれば1等星より明るいので街中でも十分に見えます。天候や太陽電池パネルと太陽と
 自分との位置関係によっては、−2等星(シリウスなど)より明るくなるときもあります。 


     秋薔薇「マチルダ」
コメント (19)
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