四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その11)

2021年11月24日 05時01分10秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その11)   短歌の投稿を歓迎します!!

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の投稿を歓迎します。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。



    晩秋に咲く薔薇「ジュビレ デュ プリンス ドゥ モナコ」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

☆初雪が浅間の山に降る頃に冬到来と我思うなり
☆タカトオのコヒガンザクラ落葉しモミジ色づき季節を愛でる
☆松原湖 湖を渡る 冬の風 北風小僧 歌いはじめる

                        浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 浅間山の新雪、高遠城址公園、松原湖とそれぞれの景勝地を読み込んだ短歌は、
 日ごろの作者の確かな歩みを示す「足跡」となっていると考えます。
 二首目の短歌の「タカトオコヒガンザクラ」は固有名詞ですが、「落葉しモミジ色づき」の
 飛躍を少し整理してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★高遠の 桜もみじは散り急ぐ 「江島」を想い殉じるごとく

☆大量の短歌の本をだうするかゴミのやうでもゴミではあらぬ
☆生きてゐる限りはおいておきたきと思ふ短歌のもろもろの物
☆積読がつもりて山脈なしてゐるわれの蔵書はわれそのもので

                        びこさん

【解説】
 「つもりて山脈なしてゐるわれの蔵書」との表現は、凄いの一語ですね。
 いずれも、作者の短歌と「人」の背骨を作ってきた書籍でもあったと思っています。
 「われそのもので」の句に、書籍一冊一冊への歌人としての想いが滲む、
 学ぶべき短歌と思います。

☆もみじ葉や 眼下に見えし 渓流の 白きしぶきに 秋は深まり
☆晩秋の 池に映りし モミジ葉は 岸より優(すぐる)おもむき深し」
☆高遠の 城跡の木々 眺むれば 歴史の重さ 錦秋に化す」

                        さわやか♪さん

【解説】
 出詠頂いた いずれの短歌も、作者の短歌への取り組みの真摯さが表れていると感じます。
 一首目の「白きしぶきに 秋は深まり」の表現を整え、少し工夫してみました。
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★渓流の しぶきも隠すもみじ葉は 木漏れ日さえも紅に染め

☆虫食いの穴も景色と洒落てみる
        朱の桜葉は詩心さそう

                        リコさん 

【解説】
 「桜もみじの落ち葉」は、その一片一片が創造主の妙を感じさせる、芸術作品のような
 趣があり素敵ですね。そんな落ち葉に心を寄せて詠まれた短歌に作者の「詩人」としての
 繊細さを感じます。まさに「詩心」を誘われます。
 なお、「景色と洒落てみる」の表現もお洒落です。



ヴォルガ川の夕日の沈む向こうにある思い出とともに今日、明日
                        自閑(jikan314n)さん

【短歌説明】自閑(jikan314n)さんご自身の解説です。
 YouTubeの映像、音楽を聴いて、自由律短歌を作っております。曲は、ラフマニノフ 
 ピアノ協奏曲第2番で、題は、「ボルガ川の夕日」としております。雄大な流れの
 イメージだけなので、ロシアに行った事はありません。
 下記blogで音楽をお聴きになり、愚詠もついでに御覧下さい。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/ac350b4cb300a3fcf61468ff63ff4dfa

【投稿外コメント】自閑(jikan314n)さん
 題詠について
 新古今和歌集を学んでおりますので、定数歌や歌合の数百の題を見て来ました。
 皆様の題に対する自分に無い感性は、とても興味があります。
 ただ、題のうち、「桜」、「紅葉」、「ほととぎす」、「時雨」などは、万葉集以来
 1500年、数万首の歴史を越えるのは、難しいかと、素人ながら思っております。
 出題頂ければ、恥ずかしながら、参加させて頂きます。

【補足】ポエット・M
 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番といえば…、2014年に、ロシアのソチで開催された
 冬季オリンピックで、前日のショートで大きく出遅れていた浅田真央選手が、
 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で力強く舞ったフリーの演技を印象深く記憶して
 います。荘重な曲調は「ヴォルガ川の夕日の沈む向こうにある思い出」を静かに思い出させ、
 今日と、さらに明日への歩みを促してくれるかのように響いてきます。この短歌からそんな
 想いが浮かびました。
 なお、題詠について「とても興味があります」との賛意を頂き、ありがとうございます。
 「難しさ」はあろうかと思いますが、皆さんにお諮りしながら挑戦してみたいと思います。

☆軒下の
   吊るした柿に
     遠き日を
       幼い姉の
   むく皮まだら

                        クロママさん

【解説】
 クロママさんも含めて、我が子のように育ててくれたお姉さまへの感謝の想いが
 滲む良い短歌と思います。
 おっしゃるように注釈せずにわかるように、少し工夫してみましたが、
 いかがでしょうか。視点を変えて二首詠んで読んでみました。
【ご参考】
 ★姉のむく まだらの柿を 思い出す
     幼き我は 姉に守られ
 ★干柿に 姉に守られ 育ちたる
     幼きわれの 温き思い出


☆詩読みが 集まり集う 場所見つけ
    弾む心を 詩に詠む

                        和輪~Warin~さん

【解説】
 作者は今回新たに、本サロンに参加して頂きましたが、その想いを
 「弾む心を 詩に詠む」と表現して頂きました。皆さんと共に楽しく
 「詩読み」、「歌詠み」を続けていきたいと思います。

☆安曇野に燃えるもみじよ アルプスの 白銀さらに際立たせゆく
                        ポエット・M

【解説】
 安曇野は晩秋というより、既に冬の季節を迎えています。わずかに残るもみじ葉も
 紅に染まり終焉の輝きを見せています。その葉陰に覗く北アルプスの峰々は既に
 白銀に覆われ鈍い光を放っています。正に白銀の嶺を際立たせる、燃えるもみじの
 存在。その様に魅了されて詠んでみました。

   

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (12)

3.別れ (6)
  誰もいない
    海にひとりで
      あの日あの
    時のあなたの
      幻を追う
    
    海の青
      空の青さえ
        哀しかり
      砂に涙の
        九十九里浜

        「砂山」の
          歌を唄えば
        はらはらと
          砂に涙の
        こぼるるものを

     「白鳥」の
       歌を唄いて
         哀しめり
       去りゆく秋の
         九十九里浜

     次々と
       押し寄す波が  
         消してゆく
       砂に記した
         君のイニシャル


     
【短歌入門・質問コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、ご意見等も
 ありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。それが学びに繋がれば嬉しいです。

【表記について】
 歌を詠む場合、声に出して詠じていた万葉集の時代などとは異なり、現在では文字によって書き、
 それを読み手に読んで頂くために、先に述べた「調べ・響き」とおなじくらいに、表記の仕方も作品の
 完成度に重要な影響を与えます。
 これも「こうしなければいけない」というような、定まった決まりはなく、人それぞれなのですが
 「読みやすさ」などを指標としながら、著名な歌人の作品などを参考にして、皆さんご自身で
 視覚的な美しさ等も考慮し工夫しながら、学んで頂ければと思います。

【短歌そのものの表記について】
 表現上の表記とは別に、短歌を書くときのルールとしての表記についても、少し触れてみます。
 石川啄木の三行書きや、「五行詩」などの一部の例外はありますが、短歌は基本的に縦書き
 一行で表記します。ですので、新聞歌壇などに応募される場合なども、特別な指定がない場合は
 縦書き一行で書きましょう。

 ただし、ネット上では縦書きが表現し難いという理由で、例外的に横書き一行により表記されます。
 また、一句ごとにスペースなどでの区切りを入れることも基本的には行いません。
 最初のうちは一行書きの基本に沿って表記されたほうが無難かと思います。
 ちなみに、スペースや句読点は漢字続きなどでつなげて書くと意味が把握しにくくなる場合や、
 読み手に一拍おいて読んでほしい場合などに、意図的に入れたりします。
 スペースや句読点については個人の好みもあって、こうしなければいけないという決まりは
 ありませんので、これらも著名な歌人の作品などをたくさん読み、皆さんご自身で効果的な
 使用法を身に着けていただければと思います。

【ご検討依頼】 引き続き掲載します。
 リコさんからの「題詠」についてのご提案(11月17日付け「水曜サロン」)につき、
 ご意見をお寄せください。
 その際、「創立祭」実施の可否、企画内容、題詠、お題等についてのご意見を合わせて
 頂ければ幸いです。
 まずは12月3日(金)頃までにご意見を「水曜サロン」のコメント欄にお寄せ
 頂けましたら幸いです。
 なお、現在、自閑(jikan314n)さんから、「賛同」のご意見を頂いています。

                             了

    晩秋に咲き初める「皇帝ダリア」
コメント (21)
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