四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その20)

2022年02月02日 05時33分07秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その20)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「陽だまりに咲く 熱海桜」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】1月23日NHKで「高木美帆の強さの秘密特集」をやっていました。
    彼女の強さの秘密は「一瞬を捉えた一蹴り」にあるそうです。

☆高木美帆 さまざまな挫折 乗り越えて その一蹴りに 全てをかける
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【詞書】1月23日大相撲初場所長野県出身力士、関脇御嶽海優勝13勝2敗で
    大関昇進決める。

☆御嶽海 弱い自分に 打ち勝って 大関昇進 更なる高みも
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【詞書】朝日に照らされ、空に浮かぶ浅間山、そして冬山の美しさにいつも
    感動しています。

☆あかねさす 朝日に染まる 浅間山 気品を備え 心癒される
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 最近の時事を踏まえながら、それぞれへのご自分の想いを詠われていて、
 いずれも分かりやすい短歌になっています。なお、三首目の「気品を備え
 心癒される」を、具体的な事象を織り込み表現してみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★あかねさす朝日に染まる浅間山 うつむく我の背筋も伸ばし


☆ホスピスの相談室の冬薔薇(ふゆそうび)母の余命を共に聞きしか
☆なだらかに春を待つやに涅槃像春を待たずに逝きし母かな
☆母看取る月日偲べば母は今我が現身(うつしみ)のそばにゐるやに

                         みっちっちさん

【短歌説明】みっちっちさんご自身の説明です。
 4年前に逝った母を詠みました。ホスピスで一週間の余命を告げられましたが、
 それから三ヶ月母は痛みも苦しみもなく穏やかに共に生きてくれました。
 ホスピスの景色の良い個室で母と暮らせた三ヶ月は幸せだったと思います。
 今はコロナ禍で付き添いも出来ないと聞きます。それはつくづく辛い事だと思います。

【解説】
 お母様の余命を告げられながら、共に過ごした日々。悲しさ、無念さを押し包み
 ながらも、それをおくびにも出さず静かに寄り添った作者の深い想いが詠歌には
 滲んでいます。お母様への挽歌であり、ご自身への魂鎮めの歌とも思っています。
 このような想いを詠い盛るには短歌は適していると考えます。




【詞書】やっと満開になった蝋梅。とってもかわいく綺麗でした。蝋梅の香りは
    柔らかいのですが満開となった今、しっかりマスクをしていても香りを感じました。

☆散歩道 花開きたる 蝋梅の 香りほのかに マスクを越えて
                         さわやか♪さん

【詞書】広々とした広場にいた時、飛行機の音が聞こえてきました。雲一つない青空に飛ぶ
    飛行機が印象的でした。

☆冬空に ごう音響き 見上げれば 青きキャンパス 飛行機一機
                         さわやか♪さん

【詞書】枯れ枝と思って近寄ってみると、蕾があちこちについています。花が咲くのは
    楽しみですが、今はまだ寒いのでもう少ししてから咲いてねと声をかけました。

☆冬木立 小さき蕾 あちこちに 急ぎ咲くなよ 春はまだ先
                         さわやか♪さん

【解説】
 いずれの短歌も、作者の優しさが滲み、温もりと共に好感が持てます。
 特に三首目の短歌は、このまま絵本のセリフになりますね。早咲きの花たちが背負う
 厳しい冬を想う時、思わずつぶやきたくなるセリフですね。
 なお、一首目の短歌を、詞書に添って少しアレンジしてみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★散歩道 咲き満ちてなお蝋梅の 甘き香りよマスクつらぬき
 ★蝋梅の 咲き満ちてなお香り立つ マスクを縫いて清しきままに


☆冬枯れの 黄色い落ち葉 拾いつつ
       小春日和に 汗ばむ散歩
☆北風に 向かって走る 愛犬の
       脱がせたくなる 防寒の服

                         クロママさん

【解説】
 お気に入りの防寒服を着て散歩を楽しむ愛犬クロちゃんと、それを慈しみつつ
 見守る作者の、温かな眼差しが感じられる優しい歌と思います。
 情景の的確な描写と、リズムもあり短歌の進歩が感じられ嬉しいです。
 一首目にクロちゃんを登場させてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★小春日に 黄色い落ち葉 拾いつつ クロと歩めば 汗ばみてくる
 


☆屈強なラガーメン散る競技場楕円の軒にマスクが座る
                         楕円と円さん

【短歌説明】楕円と円さんご自身の説明です。
 正月は大昔にやっていたRugbyのシーズンです。TVでコロナ禍の国立競技場での一戦を
 観た時の一首です。
 大きな楕円形の屋根の下で激しくぶつかり合う選手と静かにマスク観戦するファンの姿の
 コントラストが印象的でした。

【解説】
 観戦に当たって諸々の注意事項が「お願い」として事前に徹底されている故でしょうか。
 その中で「声を出さないで」が、どの会場でも守られていて「凄い」と感じることが
 在ります。日本人の美質でしょうが頭が下がります。
 「ぶつかり合う選手と静かにマスク観戦」の場面。そのコントラストを鋭角に切り取り
 短歌に紡ぐ、作者の感性に学んで行きたいと思います。




☆月の雫が一滴氷に落ちたら
     ほんの少し春になった

                         自閑(jikan314)さん
      
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です
 YouTubeの音楽を聴いたイメージで、自由律短歌を作っております。
 題は、アラベスク 第1番 (ドビュッシー)です。ちょっと前に作ったのですが、
 来週は、旧暦の正月、そして立春と言う事で、投稿いたします。
 大雪警報やコロナ感染拡大で厳しさが続きますが、春の来ない冬は無いと言う意味を込めて。
 下記URLの拙blogに、曲と共に愚詠を掲載しておりますので、御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/bd15abf1d9ca1d8c523115394dea5e06/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0

【補足】ポエット・M
 「アラベスク第1番」はフランスの印象派と言われた作曲家クロード・ドビュッシーの
 日本でも人気の高い曲ですね。印象派ならではの柔らかい響きや、和声が魅力的な作曲家
 との印象があります。アラベスク第1番の柔らかい響きから「ほんの少し春になった」への
 歌の展開に、短歌の妙を感じます。
 来週は、旧暦の正月、そして立春となりますね。「春は名のみ」でしょうが、北風の吹く
 寒い季節でも春の兆しが、そこかしこに見えます。オミクロンの感染爆発のさ中ですが、
 確かな「春」を待ちたいと思います。


☆親切な医師が受難をせる御代が来たりて狂ひゆけるこの国
☆ときどきは心の中の散弾銃撃ちまくりつつ歌は詠むべし

                         びこさん 

【解説】
 埼玉県ふじみ野市の住宅で銃を持った男性が立てこもり、人質の医師を撃ち殺害した
 事件で、男性が医師に死亡した母親を蘇生するよう求め、断られると、犯行に及んだ
 との報道がありました。身罷った医師、犠牲になられた方々の無念を思い、心から
 お悔やみ申し上げます。
 作者はこの事件に「母恋事件」との側面もあると推測され、母親を失いたくなかった
 「犯人の気持ちはわからないではありません」とも言われています。
 しかし、お世話になった先生を殺すとは…とも。作者の詠われた一首目の短歌は、
 今回の事件の本質と、社会の在りようを象徴的に表現していると考えます。

☆北条の滅亡の地に白梅は 無念秘めるか密やかに咲く
                         ポエット・M

【解説】
 今、大河ドラマで注目を集める鎌倉。その鎌倉の宝戒寺は、白萩が咲き乱れる「萩寺」として
 知られていますが、鎌倉幕府滅亡の地とも言われています。北条九代滅亡の後その霊を
 慰めるため、後醍醐天皇が足利尊氏公に命じ建立させたお寺でもあります。滅亡に向う戦、
 その血に塗られた凄惨な歴史とは裏腹に、冬の日差しの中に咲く白梅は微かな香りを
 漂わせています。あまたの激しく哀しい歴史を見つめながらもそれを秘め、北風に真向かい
 咲く老木の白梅。その凛として匂い立つ花の姿を、言の葉に留めようと短歌に詠んでみました。



「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (21)

5.再会 (1)

  大輪の 
    薔薇が突然
       眼前に
     現成せしか
       君の出現

    恋人よ
      君は神秘の
         メドゥサか
       我はすくみて
          恍惚地獄

      我が打ちし
         反対側の
           頬おさえ
         「ああまだ痛い」と
            にらむ君の瞳

     君の瞳を
        にらみかえして
          「ぶったのは
         左頬よ」と
           反論すれば

   にらめっこ
      しましょの二人
          たちまちに
        くすくす笑い
           ついに爆笑



 
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【詞書(ことばがき)とは】
 「口語短歌・水曜サロンの会」(その3) 2021年 9月29日 付けで、少し触れましたが…。
 再録します。

 詞書は「題詞(だいし)」とも言われ、単に「詞(ことば)」とも言います。主に、短歌の前に
 置かれ、歌の題や歌を詠んだ事情などを述べたものを言います。短詩形のために表現不足と
 なりやすく、詞書を借りることが効果的な場合があります。
 『万葉集』は漢文で記してありますが、『古今和歌集』以後はほとんど和文で記述されて
 います。比較的短いのが普通ですが、『後撰和歌集』や『伊勢集』で長い詞書をもつものも
 あり、これらは物語的であるといわれています。また、歌集で、歌の成立事情や異伝などが
 歌のあとに書かれていて、詞書と補い合って歌の理解に資するものもあり、これを
 「左注」といいます。          日本大百科全書(ニッポニカ)「詞書」参照



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
コメント (24)
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