四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その23)

2022年02月23日 05時44分24秒 | 短歌
口語短歌・水曜サロンの会」(その23)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「観音崎公園の陽だまりに咲き初める 河津桜」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】BSNHKイタリア紀行で(ベローナ、ロミオとジュリエットの物語場所・
    2月11日~14日愛の祭典が開催)をやっていました。聖バレンタインディーの
    愛の三連発に惹かれ詠って見ました。
☆恋人たち 愛の祭典に 訪れる 愛の都で 愛の誓いを
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】2月10日関東全域雪となり朝からしんしんと細雪、雪が大好きな妻が喜ぶ姿を詠みました。
☆庭に置く 犬の彫刻 雪積り 埋もれる姿に 妻喜ぶも
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】2月11日午後11時45分平野歩夢が人類史上初めてのトリプルコークを、3回目3度飛び
    金メダル獲得、時あたかもアメリカショーンホワイトが引退発表、まさに新しい時代の
    幕開けです。
☆異次元の 大技決めて 金メダル 時代受け継ぐ 歩夢の世界
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 三首目の短歌ですが、競技後ショーンホワイト選手は「次は君の時代だ」と、歩夢選手に
 ハグしつつ告げる場面が印象的でした。正に「勇者は勇者を知る」場面であり、次の時代を
 託すに足りる勇者を見出した瞬間とも言えますね。そんな想いを詠み込んだ歌は、圧巻です。
 なお、ショーンホワイト選手の目指した夢を託された歩夢選手を、具体的に詠んでみましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】 
 ★異次元の大技決めて金メダル 歩夢は継ぐや ショーンの夢を


【詞書】今私のブログでワクチンのデメリット情報を発信しています。情報の取捨選択など
    時間がかかりますが伝えたい人たちに届けたい思いで書いています。for youの
    気持ちを詠みました
☆伝えたい 思いをここに 書き連ね 君に届けと 願いを込めて
                         さわやか♪さん
【詞書】厚労省の通達で病気で亡くなった方もPCR検査で陽性になれば「コロナ死」とする。
    おそろしい状況にがくぜんとしたことを詠みました。
☆老衰を コロナ死となす 現実よ 検証いかに 未来に託す
                         さわやか♪さん
【詞書】ワクチン接種は 自己責任・自己判断です。マスコミ報道の偏りを感じましたので、
    それを詠みました
☆それぞれに 選びて進む 道がある 悲しきことは 情報操作
                         さわやか♪さん

【解説】
 短歌の世界では「時事問題等を詠む」ことは、山川草木、花鳥風月等の自然を詠みこんだ
 いわゆる自然詠と対照され、「社会詠」と言われています。
 先に「水曜サロン」や、ブログ等でも書かせて頂きましたが、短歌は抒情の文学であると
 ともに、現代と言う時代と歴史の証言者、記録者としての側面を持っていると考えます。
 その意味で「時事問題」へ関与する意味で、自らの想いを短歌に表現していくことは
 「有り」と思っています。

 作者が使命感を持って取り組まれている「ワクチン情報の負の側面」も、マスコミ等で
 意識的にネグレクトされている状況もあり、意味のある活動と思っています。
 作者の想いと叫びが伝わる、意義ある社会詠と思います。


【詞書】昨日2月16日は、4年前に亡くなった母の命日でした。
    お墓参りをし、ゆっくりと母を偲ぶ一日を過ごしました。
    あの朝、最期の朝になるとは知らず、母にアイスクリームを少しだけ口に
    含ませました。母はありがとうと言うように少し微笑み、でも笑みを残したまま
    目を瞑ってしまいました。その後、呼吸はゆっくりになり、夕方止まりました。
    安らかな最期でした。私はずっと母の顔を見守り続けたのです。
☆母の忌の朝はあの朝偲ばるる 最期と知らず笑みし吾(あ)と母
☆父母の墓を参れど現身(うつしみ)のそばにゐるやにいつもゐるやに
☆亡き母は山の端(は)にある朧(おぼろ)月 亡き父春の大海原や

                         みっちっちさん

【解説】
 「親思う心にまさる親心」ではありませんが、お母様との濃密な3か月は、なにものにも
 代えがたい日々であったことと思います。お母様にとっても…。
 お母様の忌日に「お墓参りをし、ゆっくりと母を偲ぶ一日」を過ごされた故、娘として、
 何よりの親孝行と思います。娘にとって母の存在は、逝って後さらに大きな存在として
 残るものと思います。
 折に触れ母との日々が偲ばれ、「母恋」にも似た想いが湧くものと思います。そんな想いを
 詠み、作者の切々とした想いの籠る、味わい深い詠歌は泪を誘います。


☆言い訳をせずに現役貫いたそんな貴方は誇らし愛し
☆良い方を君にあげよう焼きすぎたニ枚のパンにバター塗りつつ

                         リコさん
【短歌説明】リコさんご自身の説明です。
 30年前に「きんは100歳、ぎんも100歳」と言うテレビコマーシャルを当時、50歳の主人が、
 「100歳なんて凄い、自分は80歳も無理かも知れない」と言ったので、リコは主人の体調を
 ずっと気にかけてきました。
 主人はこれまでに心筋梗塞、糖尿病、胃腸炎で3回、入院し、毎日、朝晩で10錠の薬を
 飲んでいますが見た目はとても元気です。1月に主人が80歳に成った時は本当に嬉しかったです。
 こんな思いを詠んでみました。

【解説】
 ご主人は「心筋梗塞、糖尿病、胃腸炎で3回、入院し・・・」とは、ご本人もさることながら、
 作者も大変な想いをされてこられたものと思います。でも、見た目はとても元気で過ごされて
 いるご様子で、作者のフォローのたまものと拝察しています。
 二首の短歌は、そんな思いを抱きつつも、共に歩まれた足跡が偲ばれる確かな詠歌と思います。
  特に「良い方を君にあげよう」から、作者の優しさと、深い愛情が感じられます。
 また、この短歌は文語(歴史的仮名遣)を専門とされる作者の、「口語短歌」分野で示された
 豊饒さの証明とも考えます。

 文語(歴史的仮名遣)での短歌の詠みは、雅な世界を表現するには適していますが、時事詠等、
 今日的な課題を詠む場合にもどかしさを感じます。自閑さんのように口語・文語・自由律を
 自在に行き来できる表現力を身に着けるのが理想ですが…、中々難しいですね。
 でも、詠う内容で表現形式を変えるのも有りと思っていますので、実験の場として、この
 「水曜サロン」が役立てれば幸いと思っています。

【詞書】コロナ禍の下、近くの広場へ散歩した時に沢山のアイスキャンドルを観て日常を感じ
    詠みました。
☆この街の暮らしが灯る雪広場四方八方アイスキャンドル
                         『楕円と円』さん

【解説】
 広場一面を埋め、灯る「アイスキャンドル」は、雪国の冬の風物詩であり幻想的な世界への
 いざないでもあります。
 また、雪に閉ざされた街の人々の心意気も感じられる、アイスキャンドルの群れでもありますね。
 そんな光景を喚起させる素敵な短歌と思います。「暮らしが灯る」の句が秀逸と思います。


【詞書】繰り返す ラベルのボレロを聴いて
☆奏でるものは違っていても何時も繰り返す永遠にボレロよ
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 YouTubeの映像音楽を聴いて、短歌を作っております。
 ラベルのボレロのバレエ映像のイメージで、クラリネットやオーボエ、トロンボーンなどが、
 同じ曲をそれぞれ奏で、その繰り返しに、バレエダンサーのJorge Itovich Donnが自分の解釈で
 踊って行くと言うものです。このJorge Itovich Donnのバレエを見ると、芸術だよねと思います。
 自分の解釈では、漢詩の
 年年歳歳花相似 年年歳歳花あい似たり
 歳歳年年人不同 歳歳年年人同じからず
 のイメージです。
 以下URLに映像を貼付しておりますので、愚詠とともにご覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/482d0d174045a37d9dfb3fce0319a22b
【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんご自身のコメントです。
 口語と文語を自在とか畏れ多い事です。新古今和歌集は、短歌の感性、技法を学ぶ為。そうしたら、
 伊勢物語、源氏物語、無名抄の歌論を学ぶ必要があっただけです。まだまだ勉強途中です。

【解説】
 ボレロは、モーリス・ラヴェルによってバレエ曲として作曲されましたが、世界中の多くの方に
 愛されている曲と思っています。
 直近では、宇野昌磨選手が北京オリンピックのフリーの際に、この曲で演技していたと記憶しています。
 その曲で、バレエダンサーのJorge Itovich Donnが自分の解釈で踊るとは、それだけでワクワクします。
 このユーチューブを視聴させて頂きましたが「舞い」はまさに「芸術」ですね。
 なお、『愛と哀しみのボレロ』 での彼のイメージが未だ新鮮です。
 「歳歳年年人同じからず」ですが、色あせない記憶もあろうかと思っています。
 なお、作者の短歌への探求心には、常々学ばせて頂いています。




☆コロナ禍のさなか行くのに最適の人の少なき能勢町に行く
☆わが夫(つま)は積み木で遊ぶ幼子のやうに小屋を建てるを楽しむ
☆わたくしはいつも田舎の能勢町を散歩するなり楽しみながら

                         びこさん

【解説】
 能勢町で、山荘を手作りされているご主人の、楽しそうな様子が思い浮かぶ短歌と思っています。
 いくつになってもロマンを胸に、挑戦する具題的なものを持っている方は、精神的にも瑞々しく、
 感性も若々しい方と思っています。
 ご主人は、まさに、ウルマンの詩をそのまま実践している方とも思っています。
 お互いに、それぞれの目指すものを持ちながら、深いところで相手を認められる関係性こそ、
 これから私たちが目指すべき道とも考えます。
 そのような想いにさせられる、三首の短歌と思っています。


☆如月の 流れる雲と 強い風
      寒の戻りに かさね着のクロ
☆ふきすさぶ 雪間に覗く ふきのとう
      やがて来る春 若き芽ぶき

                         クロママさん

【解説】
 作者は「短歌の奥行きの深さを・・・感じて」と言われていますが、この言葉は、
 短歌に関わる私達共通の想いと考えます。
 それだけ短歌に向き合う作者の、覚悟が深まった表れとも感じます。
 なお、いずれの短歌も、今の季節を詠み込み、共感を誘う短歌と考えます。
 二首目の短歌の下の句の表現を少し変えてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★ふきすさぶ 雪間に覗く ふきのとう
        浅い春告げ 柔らかな芽も


☆プーチンが 欧米向けて 核ボタン 押せば地球の 消滅不安
☆ありがたし 日越離れ 返歌する 天地差ありも 師匠に感謝
☆締切日 和歌を詠み終え 嬉しかな 待ち遠しきは 水曜サロン

                         ベトナムのKenさん

【解説】
 出詠して頂いた6首のうち、上記の三首を選定させて頂きました。
 いずれの短歌も、ベトナムのKenさんのウクライナ情勢への危機感や、ブログ友の優しさ、
 さらには短歌を作り終えた達成感等を素直に詠んで好感が持てます。
 三首目の上の句の「嬉しかな」等の表現を少し変えてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★締切に和歌詠み終えし嬉しさよ 待ち遠しきは水曜サロン


☆枯野にも菜の花ひとつ萌えたつや こぼれ実の意地 示すがに咲く
                         ポエット・M

【解説】
 散歩に行く観音崎公園の一角に、広大な草原が広がっています。今の季節、草も萌えず
 まさに荒れ野の状態ですが、菜の花が一本すっくと立ち、黄色い花を付けています。
 鳥が運んだのか、風が運んだかは定かでありませんが、こぼれ実の意地を示すかに
 咲く、そんな花の姿に寄せて詠んでみました。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (24)

6.故里慕情 (1)

    ふる里は遠きにありて思ふもの
          そして悲しくうたふもの
              「室生犀星の詩の一節」
 
 幼日に
   夢遊ばする
     春の野は
    スミレ タンポポ
      鳥のソプラノ

    野の薔薇に
      もみじのごとき 
        手と頬を
       触れしあの日も
         遠きまぼろし

        花嫁の
          金襴緞子の   
            姉さんの
           頬にこぼれし
             かの日の涙

      遠き日の
        晩夏(なつ)の夕暮れ
            カナカナと
          共に泣きしは
            何の哀しみ
  
    野に遊び
      野いちご食べて
         野の花を
        摘みしあの日の
          夕焼け小焼け




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【「社会詠」等の説明 】
「社会詠」

 人の生活する場である社会と、社会に対する認識等を主題として詠んだ短歌のことをいいます。
 短歌の対象を分類する概念で、山川草木、花鳥風月等の自然を詠みこんだいわゆる自然詠と
 対照される分野であるとされます。
 近代以後、個人の感情生活や心理を掘り下げることが短歌の中心的テーマでしたが、
 実社会への批評精神の欠落を危ぶむ声は古くからありました。
 狭義の社会詠は、インフレやストライキなど社会事象そのものを直接に歌った短歌を言います。
 広義には、素材や詠風の具体性の有無によらず、社会の現実を客観的に見て、問題意識を持ち、
 批判的に表現した作品を社会詠といいます。

「時事詠」
 ときどきの政治的あるいは社会的問題を歌った作品を指しますが、その範囲はかなり
 あいまいであり社会詠と似ています。しかし、社会詠の方が同じ時事問題を捉えても
 批判精神、問題意識をもって詠んでいる点に違いがあると言えます。
                     参考:「岩波現代短歌辞典」(岡井隆監修)



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする