四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その22)

2022年02月16日 05時46分40秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その22)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。




「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】2月3日冬季北京五輪開会式、演出全てにおいてセンス抜群で夏季東京五輪の
    演出より勝っていると思いました。
☆北京五輪 開会式は 鮮やかで 演出効果 夏季よりまさる
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】郷土には大内人形雛があります。漆塗りでとても素敵なお雛様です。
    毎年2月節分を過ぎたら飾り付けしますが、大内雛を出すと二人に自然と
    笑みがこぼれます。
☆大内雛 郷土の人形 飾り付け 節句の準備 笑みこぼれるも
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】BSテレビ番組で「大聖堂のモザイク絵画」の説明がありまして感動しました。
☆一つとして 同じものはない モザイクは 完成すれば 眩い輝き
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 風雅なたたずまいを見せる漆塗りの雛人形。大内人形は「大内の殿様と姫君のむつまじい仲を
 しのぶ一対の内裏雛」とのこと。二首目の歌から、その雛人形を飾りつつほっこりとする、
 作者ご夫妻の様子が偲ばれる温かな詠歌と思います。「自然と笑みがこぼれます」との、素敵な
 ご夫妻の様子を詠み込んでみましたが、いかがでしょうか。
 ★ふるさとの 想い連れ来る大内雛 節句に妻と笑みて飾らん

【詞書】散歩道の白梅が思いのほかたくさん咲いていました。花は小さく蕾と共にとても
    かわいく咲いています。以前見つけた紅梅も、後ろの方に見えたのでそのさまを
    詠みました。
☆白梅が 私を見てと 咲き出した 奥の紅梅 私もここに
                         さわやか♪さん
【詞書】わが家に小鳥のためのエサ台があります。シジュウカラは素早い動きで餌をくわえ
    側の木の枝に止まり、餌をくちばしで枝にたたきつけ一心不乱にヒマワリの皮を
    はがして食べます。その時に聞えるリズミカルな音を詠みました。
☆音させて 餌を食べてる しじゅうから ヒマワリの種 枝にととトン
                         さわやか♪さん
【詞書】広い広い公園。木立の下には冬枯れしない緑の下草が茂っています。太陽の光を受けると
    葉っぱの表面がつやつや光りとても綺麗です。その葉っぱの上にできる木の影もなかなか
    素敵なのでその状況を詠みました。
☆西日受け きらめく緑 広がりて 木の影長く 夕暮れ近し
                         さわやか♪さん

【解説】
 季節の移ろいを映しとる手並みの光る短歌と思います。しかも物語性もあり
 共感も誘われます。三首とも、じっくり味わいたい短歌です。
 三首目の「きらめく緑」は下草と明確にしてみましたが、いかがでしょうか。
 ★夕映えに緑きらめく下草に 木立の影も長く伸びいる

 なお、作者からのコメントに寄せて、少し注釈させて頂きます。
  短歌は、「心に浮かんだ言葉のままを詠む」が、基本と思います。同じ事象を見ても
  「心に浮かぶ言葉」もない場合もありますが、感性が研ぎ澄まされているときは次々と、
  情景が言葉になってあふれ出ることがあります。そんな時は言葉をメモしておき、
  時間のゆとりが出た時に、「自分は何に感動したのか」を振り返ると、感動を芯とした
  歌が生まれることがあります。

  一人の方が感動することは、単にその方のみにとどまらず、多くの方も感じることでもあり、
  共感することであると思います。一人称の文学と言われる短歌が、千年を超える歳月の中でも、
  生きながらえてきた秘密の一端も、そのあたりにあると感じます。


【詞書】短歌は俳句と違い、腹に据えかねる時事問題等を詠み、訴える事もできるのですね。
    国の卑怯な「認諾」に対し「ふざけんな」との魂の慟哭を吐き出した赤木さんの妻に寄り
    添いたい気持ちを詠みました。
☆「認諾」という大鉈(おおなた)で赤木氏の妻と正義を切り捨てた国
☆切り捨てた公僕の血を知れ国よその妻の血の涙を国よ
☆「ふざけんな」正義を捨てた国へ問う私の初の口語短歌で

                         みっちっちさん

【解説】
 短歌は「腹に据えかねる時事問題等を詠み、訴える事もできる」と、私も思っています。
 短歌は抒情の文学と言われますが、同時に歴史の今を詠み、その表現者としての側面もあると
 思っています。短詩型と言う容量の限られたの器ですが、事象に秘められた人の持つ深い想いと
 哀しみ、さらには訴えを感情をこめて「盛る」ことが出来ると思っています。
 その意味で、作者の挑戦と、表現に賛同したいと思います。




☆物置の屋根に降り積む新雪を嬉々として登る 子と降ろし日々
☆窓からの眺めで測る雪の丈この冬もあとひと月と知る

                        『楕円と円』さん

【解説】
 一首目の短歌ですが、雪は降る時も、降り終わった後も諸々の物語を作ってくれますね。
 一夜にして白一色に街並みも野原も染める雪の凄さは、それを味わったものしか解らない厳しさと
 感動があると思います。特にお子さんも幼いころは、作者ご自身も若く元気で雪を楽しむゆとりも
 あったことと思います。
 お子さんと共に、新雪の降り積もる屋根に登った懐かしい思い出は、雪が降るたびに鮮明な記憶と
 なって思い出される物語と思います。作者の良きパパぶりも覗く温かな詠歌と思います。


☆初雪に 目を輝かし クロ散歩
      急ぐ足どり お味見タイム
☆小春空 クロとゴロンの 日向ぼっこ
      腕に顎乗せ 至福の時を

                         クロママさん

【解説】
 いずれの短歌も、愛おしい愛犬クロちゃんとの日々が詠まれていて、ほっこりとする
 詠歌と思います。
 なお、二首目の「小春空」は小春日和の空を表す言葉ですが、秋から冬に移行する時期の、
 まるで春のように穏やかな陽気の空を表しています。この短歌は詩情に溢れ、クロちゃんとの
 ほのぼのとした様子が伺える良い詠歌と思います。
 一首目の「お味見タイム」は、初めてこの短歌に接する方には意味が読み取れない場合があるかと
 思いますので、「雪を味わう」と解釈し次の通りに詠んでみましたが、いかがでしょうか。
 ★初雪に 目を輝かし クロ散歩
       足どり確かに 雪の味見も


【詞書】消えぬ雪 「和奏 戦場のメリークリスマス」を聴いて
☆ふれば消(け)ぬ
    思いし
      雪のことのはも
  つまびく
     たびに庭に落ち
          けり

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 YouTubeの音楽、映像を見たイメージから短歌を作っております。琴、尺八で、坂本龍一の
 戦場のメリークリスマスを演奏し、満開の桜の中を散策すると言うものです。
 消えぬ雪とは、桜の落花を意味します。新古今和歌集風なので、定型で、降ればと触れば、
 言の葉と琴の弾、妻びくと爪弾くの掛詞にしております。
 魅力的な映像ですので、下記URLを御覧頂くと共に、愚詠も笑覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/45c7b9bb0f5f8f9bd2bca6d1f8022c82/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b

【解説】
 大島渚が監督を務めた『戦場のメリークリスマス』は、1983年に制作された映画ですが、
 坂本龍一は「俳優も初めてなら、映画音楽も初めての素人」として参加したと言われています。
 この映画音楽として使われた曲は、和声進行の動きが多く見受けられ、日本の民謡・演歌などに
 取り入れられている音階も使われたとのこと。その意味で私たちにとってはなぜか懐かしさを
 感じる曲であったとの印象があります。
 YouTubeの曲、琴、尺八での演奏は「和声進行」と相まって曲想に合っていると感じます。
 今回の短歌はまさに「新古今和歌調」で、掛詞を自在に使った技巧も光る詠歌と考えます。
 このような詠歌にも学んで行きたいと思います。


☆歌詠みは 初めてなれど 高揚は 公園超えて 天上までも
☆ 雨上がり 短歌入門 気がつけば はるか道のり 天上にあり
☆むずかしさ 我襲うなり 和歌の道 三日坊主が 脳にきらめく

                         ベトナムのKenさん

【解説】
 作者はベトナム在住の方ですが、短歌を熱心に学ぼうと、びこさんと交流を深めています。
 今回は昨夜・深夜の投稿でしたが、その熱意により今回の分に掲載させて頂きました。
 六首を出詠頂きましたが、内容の良く分かる三首を選ばせて頂きました。
 一首目の「公園超えて」を、「公園の木々を越えて」と少し修正して見ましたが
 いかがでしょうか。引き続き出詠をお待ちしています。
 ★歌詠みは 初めてなれど 高揚は 木々を越えて 天上までも

☆風すさぶ 淡き冬陽に花ひらき 椿一輪 そこのみの春
                         ポエット・M

【解説】
 三浦半島の東端に観音崎と言う景勝地があります。その海沿いの周回道路に藪椿の並木が
 あります。海からの風になぶられながらも、椿が咲き初め、淡い冬陽を受け、紅の花弁と
 黄金色の蕊が耀いています。そんな姿に「そこのみの春」を感じ詠んでみました。



「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (23)

5.再会 (3)
  いやっ!やめてっ!
    甘くとろけし
      君の声
     調べのごとく
       心に響く

   我れならぬ
     我れが夢には
       現われて
      我れの未来の
        運命(さだめ)を告げぬ

         切り取りて
           君に与えん
             どす黒き
            闇に真紅の
              血を流すとも 

     夢の夜の
       哀花は時に
         ワザリング・
        ハイツのヒース
          クリフのごとし

   なにもかも
     捨てて闇路を
        翔けてこい
      めざすは愛の
        炎の地獄     
   

 
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【ブログ友からのコメント】fumiel-shimaさんからのコメント(「水曜サロン」2月9日付けへ)です。
 何事にも行動の早い浅間山明鏡止水(knsw0805)さん。
 ブログ仲間たちの繋がりや拡がりに労を厭わないkenさんの行動力にはいつも驚かされますが、
 経験豊富な思い出からの発想だけではなく、二首目、三首目のように現実の世界の動向にも常に
 目を向け耳を傾け、そこにも大きなアンテナを張る姿に敬服しています。

 さわやか♪さんからはいつも感じる優しさや、温かさが溢れた言葉に誰もがあの幼き日の思い出を
 懐かしく、思い出されるでしょう。

 みっちっちさんの歌によってお母さんへの想いの深さと大きさをあらためて知ることができました。
 そんな瑠璃色の実を作る「竜の玉」を愛したお母さん・・・。宝石にも勝る素晴らしい色と形の玉を
 実らせても目立つことのない竜のひげのように人知れず地道に努力を重ねるお母さんの姿と重ね
 合わせるみっちっちさん・・・。お母さんが編んだセーターを手にした時に思わず零れ落ちた涙が、
 射し込む柔らかい陽射しの下で瑠璃色に光っている映像が浮かびました。

 自閑(jikan314)さんの短歌からは、過ぎ去った日々が鮮明に甦り、懐かしく思い出される姿は多くの
 人にも共通する想いがあり、共感を呼ぶのではないでしょうか。

 『楕円と円』さん 凍てつくような極寒の中でも期待に羽も夢も膨らませて春を待つ雀の姿に
 『楕円と円』さん自身の自分も・・という力強い意思、意欲を感じました。

 クロママさんの果てしなく広がるような一面の雪の光景を複雑な思いで詠嘆しながらも春の兆しを
 感じながら福寿草に近付き膝を折り曲げる姿が浮かんできます。

【コメントへの返信】ポエット・M
 コメントと言うより、励ましと核心を突いた歌評に学ばせて頂きました。
 特にみっちっちさんの歌に寄せた「お母さんが編んだセーターを手にした時に思わず
                 零れ落ちた涙が、射し込む柔らかい陽射しの下で
                 瑠璃色に光っている映像が浮かびました。」
 の文章は、映像描写の美しさもあり、作者の心象風景も表現しきり圧巻と思います。
 これからも「水曜サロンの友」として、コメント、歌評等お寄せ頂ければ幸いです。



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
コメント (23)
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