四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その39)

2022年06月15日 05時13分43秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その39)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「薔薇 スブニール・ドゥ・アンネフランク」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】6月2日久しぶりにトムクルーズの新作を見て来ました。
    「トップガン~マーベリック」です。前作の続編です。前作は彼が23歳の時の
    作品で彼はこの作品でスターダムに名乗りを上げました。59歳になった彼は
    年齢を重ねても意気軒高で素敵な姿がありました。
☆続編は 歳を重ねた 名演技 息もつかせぬ 空中戦を
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】6月4日軽井沢レイクガーデンに行きました。入口付近の鉢植え販売コーナーの
    薔薇は咲いていましたが4つのローズガーデンの薔薇は蕾でした。
☆薔薇祭り 待たれる明日を 今日もまた 蕾や樹勢 じっと眺める
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】6月8日「世界文化紀行」でバラの権威が作ったバラ園デービッド・オースティン・
    ローズ・ガーデンズを詠みました。
☆憧れの ローズ庭園で 過ごす夢 薔薇尽くしの 贅を極める
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 一首目、トム・クルーズは年齢を重ねてもカッコイイですね。彼の主演で『ラスト サムライ』
 という映画がありましたが、その映画に息子の友人が出演し、日本での上映の際に応援に
 行った記憶があります。
 なお、「薔薇祭り」「ローズ庭園」等を含めて、三首の詠歌は、じっくり味わせて頂きました。
 三首目は、英国で著名な「イングリッシュ・ローズ」と総称されるバラの育種家デービッド・
 オースティン氏が手掛けたバラ園を詠んだ詠歌ですが、この庭園で過ごすのが夢との憧れが
 素直に歌われ好感が持てます。少し物語性を織り込んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★薔薇尽くし 贅を極める庭園で まどろむ夢も うつつに見える


【詞書】悲しき雨音 カスケーズを
☆真空管から聞こえる歌に悲しみが新たに雨の日曜
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 好きな曲を聴いて短歌を作っております。
 カスケーズの「悲しき雨音」は1962年リリースと言う事で、60年も前ですが、
 今でも流れるオールディーズの名曲ですよね。
 別れた恋人を雨の日に思い出すと言う歌詞ですが、曲調が明るく、子供の頃、意味も
 分からず聴いたとても好きな曲です。
 下記URLにYouTubeを張り付けておりますので、梅雨の退屈な日曜日にお聴きに
 なられてはと思います。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a79bfcf01f129f2a36fb8a16d8a29840/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0
【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんご自身のコメントです。
 関東地区が沖縄地区に次いで梅雨入りして、これから全国に雨模様になります。
 新古今和歌集にも五月雨を歌った
 〇藤原定家
  たまぼこの みち行人の ことづても 絶えてほどふる さみだれの空
 〇赤染衛門
  五月雨の 空だに澄める 月かげに 涙のあめは 晴るる間もなし
 などがあります。
 気温の差が激しくなる時期で、体調を崩しがちです。健康管理に十分御注意下さい。

【解説】
 カスケーズの「悲しき雨音」とは懐かしい曲ですね。私たちにとっては1979年頃の
 イギリス映画「さらば青春の光」のサウンドトラックが、身近に感じます。
 ひとりの熱狂的な青年が、対立する若者集団の間の確執で全てを失い、最後には自殺を
 企てるも思いとどまり、乗ってきたスクーターを断崖から落とす場面が印象的でした。
 この若者たちを通して、当時の沈滞したイギリス社会の閉塞感、さらに若者の疎外感を
 描いていたと記憶しています。
 おっしゃるように「悲しき雨音」は梅雨の日に聴くには、最適な曲とも感じます。
 また、新古今和歌集にある「五月雨」の短歌を紹介頂きありがとうございます。
 赤染衛門の「涙のあめは 晴るる間もなし」はいいですね。




【詞書】我が家の庭に子供の卒業記念に植えた梅の木があります。毎年梅の実ができ、
    青梅ジャムを作っています。かき混ぜるときに使う竹べらは、やっと見つけた
    もので、手に馴染みます。評判がよく、待っていてくれる人もたくさんいます。
☆手もぎした 青梅なべに ヘラまわす 待ちわびる顔 梅の香にみゆ
                         さわやか♪さん

【解説】
 お子さんの卒業記念に梅の木を植えるなんて素敵ですね。成長と共に梅の収穫も増え、
 親にとっても嬉しいものですね。
 青梅ジャムは評判も良く待ちわびる方が、多数いらっしゃるのも嬉しいものです。
 そんな思いを詠み込んで、良く分かる詠歌と思います。「梅の香にみゆ」を
 少し工夫してみましょう。「添削 その1」としていかがでしょうか。
 ★手もぎした 青梅煮立て ヘラまわす  梅の香に顕(た)つ 待ちわびる顔
 注)顕(た)つ:あらわれること。また、物事のあきらかなこと。
 との提案を行い、ネットで3回ほど交流し、次のように整いました。
【推敲結果】
 ★手もぎした 青梅煮つめ ヘラまわす  梅の香に顕(た)つ 待ちわびる顔


【詞書】梅雨入りですが、久しぶりに朝から晴れました。クロちゃんとのお散歩の
    際に、カルガモの親子のお引越しに出会い、詠んでみました。
☆初夏の川
   子ずれカルガモ
     お引っ越し
    ママに続けと
      ピョコピョコ歩く

                         クロママさん

【解説】
 久々に訪れた梅雨の晴れ間。愛犬クロちゃんとお散歩が出来て良かったですね。
 そんな時に出会ったカルガモの親子の、お引越しはほほえましく、和む風景でも
 あったことと思います。そんな思いが滲む温かな良い歌と思います。
 「ピョコピョコ歩く」の表現に、和やかな雰囲気が出ていますし、このままの
 表現でよろしいかと思います。


【詞書】今回は趣味の絵手紙に関して詠ってみました。
☆たのしみは 半紙拡げて筆を執り 思いどおりに描けたたとするとき
☆たのしみは 思案重ねた教室で わあっと上がる歓声きくとき
☆たのしみは 久しぶりねとごあいさつ 絵手紙談義止まらぬひととき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 絵手紙は作者の趣味の一つでありましょうが、人生を彩る生きがいとなっている
 のではないかと拝察しております。毎回ブログで拝見させて頂いていますが、
 その作品は「絵画」としての完成度は言うまでも無く、見る私たちをもほっこりと
 温かな気持ちにしてくれます。
 想いを伝えるにこれほどの優れた表現方法は無いとも感じます。そこには人に寄せる温かな
 眼差しが常に注がれ、それが作者の詠む独樂吟にも感じられ、いつも学ばせて頂いています。
 三首目、絵手紙を介して「絵手紙談義」が深まり、絆がさらに強く結ばれていくことを
 祈りたいと思います。


☆里山に新樹萌えゆく息吹満ち 人影なくも鳥影は濃く
                         ポエット・M

【解説】
 散歩で出かける里山には、若葉が芽吹いてみずみずしい新樹の息吹が満ち、森林浴に
 適した季節になりました。梅雨の晴れ間の森には訪れる人も少なく小鳥たちが自由に
 飛びかう姿と、さえずりが溢れています。そんな中に身を置くと、私たちも自然の一部
 なんだと改めて感じられますが、その想いを詠って見ました。



     「かしわ葉紫陽花」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (40)
 10.愛の亡霊(1)


    我がドッペルゲンガー
            『ハイネ』
     注)ドッペルゲンガー(独: Doppelgänger)とは、自分自身の姿を自分で
       見る幻覚の一種で、「自己像幻視」とも呼ばれる現象です。

   ビー玉の
     中に写りて
        泣く君の
      あわれ小さき
         夢の哀しさ

    夜の夢に
      君は小さき
        ビー玉の
       中に写りて
         なにかを告げぬ

      我が内に
        住まう瞳が
          ほろほろと
         青い涙を
           流す夜の夢

     吹く風を
       繋ぎ止めんと
          するごとく
        今も空しく
           君に恋する

    歌詠みに
      成ってたもれと
         夜の夢に
       白き衣の
          君がのたまう



     「薔薇 ニコール」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【破調について】要望により引き続き、今回も掲載致します。
 破調とは短歌・俳句などの定型詩で、音数に多少が生じることを言い、字余り・
 字足らずなどがあります。破調はあくまでも定型を遵守する上での例外的な措置と
 位置付けたいと思っています。
 なお、破調は、短歌会や結社によっては避けるよう指導されるところもありますが、
 一般的には広く許容されていると考えます。
 大切なことは調べ(リズム)が美しいか否かですが、名歌と呼ばれる歌歌に、
 極端な破調の歌は少ないと思っています。これは文語でも、口語でも同様と考えます。
 さらに破調でも字足らずの名歌というのは、知る限り少ないと考えています。

 例えば下記のように、字余りの名歌はかなりあり、有名な歌人でも正しく31音のみで
 詠う人は少ないと考えます。
 ・日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも    塚本邦雄(1句目)
 ・肺尖に ひとつ昼顔の 花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は  岡井隆(2句目)
 ・瓶にさす藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に届かざりけり 正岡子規(3句目)

 しかし、字余りには以下のようないくつかの法則があります。
 ・第1句は6音7音ぐらいなら許容され、かなり多用される字余りです。
 ・第2句~第5句は1音の字余りは許容範囲です。
 ・第4句は意外と桁外れな字余りを許しますが、例歌は少ないです。
 ・いくつかの字余りが混在する例は少ないです。

 一方、字足らずの名歌は少ないのですが、以下二首を例示します。
 ・さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも  弟橘媛(1句目)
 ・あたらしき墓立つは家建つよりもはれやかにわがこころの夏至 塚本邦雄(5句目)
                      参照: 現代短歌辞典「角川書店」等

【投稿外コメント】自閑さんからのコメントです。歌友各位の参考として掲載します。
 破調について、新古今和歌集にも有名な歌が一首有りますので、ご紹介いたします。
  ☆阿耨多羅三藐三菩提の仏たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ
 読み:あのくたら さんみゃくさんぼだいの ほとけたち わがたつそまに
    みょうがあらせたまえ

 伝教大師最澄の歌ですが、さすがに正岡子規も「九たび歌よみに与ふる書」の中で、
  「いとめでたき歌にて候。長句の用ゐ方など古今未曾有にて、これを詠みたる人も
  さすがなれど、此歌を勅撰集に加へたる勇気も称するに足るべくと存候。
  第二句十字の長句ながら成語なれば左迄口にたまらず、第五句九字にしたるは
  ことさらにもあらざるべけれど、此所はことさらにも九字位にする必要有之、
  若し七字句などを以て止めたらんには上の十字句に對して釣合取れ不申候。」

 と絶賛しております。和漢朗詠集などにも撰歌されて、我が立つ杣は、比叡山の
 異名ともなっており、天台座主の慈円も、おほけなく~の百人一首歌で
 本歌取りしております。
【読者からのコメント】チョウキチさんよりのコメントです。
 流石に最澄ですね。素直な祈りが伝わります、この気持ちをウクライナに。



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (23)
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