四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その40)

2022年06月22日 05時08分15秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その40)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。




「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】6月10日18号線を走っている光景を詠みました。
☆入道が 浅間の尾根に たなびいて 梅雨入り近く 頂き見えず
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】6月17日18日東京旅行に出かけます。15日現在の気持ちです。
☆東京へ 旅行間近と 荷物詰め 笑顔が溢れ 喜びみつる
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】私は家では通称「麺太郎」です。うどん、そば、パスタ等冷温どちらを作っても
    美味しいです。麺打ちも出来ますが、通常は常温・冷凍のうどん・蕎麦を活用
    して作ります。
    レパートリーは恐らく10種以上あると思います。友達が来た時でも振るまいます。
☆麺太郎 お昼の食事 シェフ役で 笑顔弾ける ぶっかけうどん
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 三首目、作者のさっそうとした「麺太郎」ぶりを見てみたいですね。
 麺打ちからパスタまでこなすとは、そのレパートリーの広さには驚かされます。
 奥様のためにも「良きシェフ役」を果たされることを祈っています。
 なお、一首目の「入道」は「入道雲」と表現するよう工夫してみましょう。
 ご参考に、即興ですが詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★浅間嶺に 入道雲は 立ちのぼり 頂きおおい 梅雨迫りくる


【詞書】梅雨に入り連日の雨。雨が止んだその後、散歩に出ました。川の水量が増えて
    いるので、いつも以上に川の音がはっきりと聞こえ、気持のよい散歩道です。
☆せせらぎを 右手に聞きて 道行けば 若葉に光る 梅雨の雫よ
                         さわやか♪さん

【解説】
 雨上がりの散歩の、弾む心が表現された良い詠歌と思います。
 なお、「右手に聞きて」の情報が、この短歌に必要か否かを検討してみましょう。
 ご参考として、即興ですが詠んでみました。いかがでしょうか。
 ★せせらぎの 水も増しいる 梅雨晴れに 若葉の雫 きらりと光る

 との問いかけを行い、三度ネットでの交流・添削、推敲を行い、 
 「晴れた日のキラキラ光る水滴でなく、雨の足跡みたいな、さりげない水滴を
  表現したかった」との作者の想いを盛り込み、次の短歌に整いました。
【推敲結果】
 ★雨あがり せせらぎ響く 林道で 雫をまとい 若葉が揺れる




☆たのしみは 梅雨の晴れ間に紫陽花の 色鮮やかな花に会うとき
☆たのしみは 我が庭に咲くくちなしの 白き一輪見つけたるとき
☆たのしみは 飛んでくる種子拾い来て 自然の凄さ 図鑑で識るとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 三首の独樂吟は、今の季節を題材にし紫陽花、クチナシの花が詠われ良く分かる、親しみのわく
 詠歌と思います。
 一首目は、梅雨あがりの雫をまとった紫陽花の様子が鮮明に描かれ、どなたにも共感を呼ぶ
 詠歌です。「くちなしの花」「飛んでくる種子」等、さりげなく詠われていますが、抑えた
 技巧と、感性の光る良い歌と考えます。


【詞書】6月のある日、ふじの花が見頃の公園に出掛けました。棚から下がった沢山の大きな藤の
    花房の下で写真を撮りあう年配のご夫婦を見かけ、人生の歩みを感じるひと時でした。
☆ふじ棚の下で老夫婦照れながらハイチーズと今を撮りあう
                         I.SATOさん

【解説】
 「ふじの花の房の下で写真を撮りあう」老夫婦に目を留めて、その姿に「人生の歩み」を
 感じ、即興で詠む作者の「確かな眼差し」を感じます。また、「今を」の表現が秀逸です。
 私たちが日常出会う様々な場面は、思えば感動の種を秘めています。しかし、そこに
 フォーカスし確かな眼差しを注がなければ、単なる風景として記憶にも残らず流されて
 行くものと思います。作者の温かな眼差しと、感性が覗く微笑ましい詠歌と考えます。

【詞書】チャップリン モダン・タイムズ SMILEを
☆今日曇って雨が降りそうでも
    とりあえずsmile☺️
          君との約束

                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 中学生になって一人で映画を観られる様になって近くの観たチャップリンのモダン・タイムズの曲。
 ストーリーはほとんど覚えていませんが、この曲と機械化され、ノルマに振り回され、人間らしさを
 失ってしまうチャップリンだけは覚えています。
 今日も曇空で雨が降りそうで、気分が優れず、仕事のノルマに追われている人へsmileの曲を聴かせ
 たいと思った。20年後に歌詞が出来、ナット・キング・コールの歌で又ヒットしました。
 映画と歌をblogにアップしておりますので、御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/e6eb3f3ad4a7d24be5b1b2af1f2b672c

【解説】
 「モダン・タイムズ」はチャップリンがユナイテッド・アーティスツで製作した5作目の映画と
 記憶しています。当時のアメリカで勢いを付けつつあった資本主義社会や機械文明を題材に
 お笑いの要素も取り入れた作品で、チャップリンのコミカルな姿が強烈な印象として残っています。
 働く人々の「個人の尊厳」がないがしろにされ、機械の一部分のように扱われる世の中を痛烈に
 皮肉った表現は、当時としては斬新なものであったと思っています。
 また、「スマイル」はこの映画で使用されたテーマ曲で、チャップリン自身が作曲した曲で
 マイケル・ジャクソンなど多くのアーティストにカバーされて、私たちにもなじみの曲と思って
 います。作者の言われるように、「スマイル」は時節柄、今の季節に聴くにはぴったりの曲で、
 詠歌の「とりあえずsmile☺️」の句が「さび」として利いています。

☆散ることを拒み朽ちゆく紫陽花の 生が羨(とも)しと 妻はつぶやく
                         ポエット・M

【解説】
 梅雨晴れの空の下、小さな一つ一つの花が健気に咲き、紫の大輪となり輝きを放つ紫陽花。
 雨に叩かれてもなお冴え冴えと咲くその花は、散ることを拒み陽に照らされながら立ち枯れ、
 朽ちることで自身の生を全うする花でもあります。紫陽花のもつそんな花の執念にも似た
 力強さ、「生」を遠い青春の日に私に教えてくれた細君の感性を、思い出し詠ってみました。



「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (41)
 10.愛の亡霊(2)

    我がドッペルゲンガー
            『ハイネ』
     注)ドッペルゲンガー(独: Doppelgänger)とは、自分自身の姿を自分で
       見る幻覚の一種で、「自己像幻視」とも呼ばれる現象です。

   静かなる
     我の心の
       湖に
      君が投げたる
         薔薇の波紋よ!

    もし我れが
      男ならずば
        短歌もて
       これを哀しき
         紅と称さん

      短歌とは
        我が哀しみの
          避雷針
         渦巻け雷雲
           轟け雷鳴

     吹く風を
       繋ぎ止めんと
          するごとく
        今も空しく
           君に恋する

    哀しみの
      国に住まえば
        哀しみの
       星の王女と
          会う日もあらん



     「ガクアジサイ(白)」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【破調について】要望により引き続き、今回も掲載致します。
 破調とは短歌・俳句などの定型詩で、音数に多少が生じることを言い、字余り・
 字足らずなどがあります。破調はあくまでも定型を遵守する上での例外的な措置と
 位置付けたいと思っています。
 なお、破調は、短歌会や結社によっては避けるよう指導されるところもありますが、
 一般的には広く許容されていると考えます。
 大切なことは調べ(リズム)が美しいか否かですが、名歌と呼ばれる歌歌に、
 極端な破調の歌は少ないと思っています。これは文語でも、口語でも同様と考えます。
 さらに破調でも字足らずの名歌というのは、知る限り少ないと考えています。

 例えば下記のように、字余りの名歌はかなりあり、有名な歌人でも正しく31音のみで
 詠う人は少ないと考えます。
 ・日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも    塚本邦雄(1句目)
 ・肺尖に ひとつ昼顔の 花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は  岡井隆(2句目)
 ・瓶にさす藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に届かざりけり 正岡子規(3句目)

 しかし、字余りには以下のようないくつかの法則があります。
 ・第1句は6音7音ぐらいなら許容され、かなり多用される字余りです。
 ・第2句~第5句は1音の字余りは許容範囲です。
 ・第4句は意外と桁外れな字余りを許しますが、例歌は少ないです。
 ・いくつかの字余りが混在する例は少ないです。

 一方、字足らずの名歌は少ないのですが、以下二首を例示します。
 ・さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも  弟橘媛(1句目)
 ・あたらしき墓立つは家建つよりもはれやかにわがこころの夏至 塚本邦雄(5句目)
                      参照: 現代短歌辞典「角川書店」等

【投稿外コメント】自閑さんからのコメントです。歌友各位の参考として掲載します。
 破調について、新古今和歌集にも有名な歌が一首有りますので、ご紹介いたします。
  ☆阿耨多羅三藐三菩提の仏たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ
 読み:あのくたら さんみゃくさんぼだいの ほとけたち わがたつそまに
    みょうがあらせたまえ

 伝教大師最澄の歌ですが、さすがに正岡子規も「九たび歌よみに与ふる書」の中で、
 「いとめでたき歌にて候。長句の用ゐ方など古今未曾有にて、これを詠みたる人も
  さすがなれど、此歌を勅撰集に加へたる勇気も称するに足るべくと存候。
  第二句十字の長句ながら成語なれば左迄口にたまらず、第五句九字にしたるは
  ことさらにもあらざるべけれど、此所はことさらにも九字位にする必要有之、
  若し七字句などを以て止めたらんには上の十字句に對して釣合取れ不申候。」
 と絶賛しております。和漢朗詠集などにも撰歌されて、我が立つ杣は、比叡山の
 異名ともなっており、天台座主の慈円も、おほけなく~の百人一首歌で
 本歌取りしております。
【読者からのコメント】チョウキチさんよりのコメントです。
 流石に最澄ですね。素直な祈りが伝わります、この気持ちをウクライナに。



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (26)
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