四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その38)

2022年06月08日 05時17分13秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その38)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。




「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】5月22日植物園散策に行って来ました。つつじが満開でした。
☆風越に 浅間おろしが 爽やかに 風心地よく つつじ鮮やか
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】5月25日まきば公園に行きました。
☆まきばでの ポニーと戯れ 遊ぶ妻 喜ぶ顔が 今日の幸せ
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】5月25日八ケ岳倶楽部、昨年の11月20日前後に訪問、6か月ぶりに見る景色は
    一変し故「柳生博さん」が丹精込めて作った景色の神髄がそこにありました。
☆新緑の 景色の神髄 皐月こそ 倶楽部の木々は 眼にも爽やか
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 「植物園」「まきば公園」「八ケ岳倶楽部」は、いずれも新緑が萌え命溢れる
 素敵な場所ですね。
 二首目、まきば公園では「喜ぶ顔が 今日の幸せ」と詠まれるように、奥様との幸せの
 ひと時を過ごされたことと思います。このような一齣を詠むために短歌は存在するのだと、
 改めて思いました。下の句を少し添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★まきばにて ポニーと戯れ 笑む妻の しぐさに我も 幸せ感じ


【詞書】今年は我が家の梅の新梢がことのほか勢い良く伸びています。葉っぱの陰に隠れて、
    梅の実もたくさんなっているのを発見しました。そのことを詠いました。
☆春風に戯れそよぐ新梢の 葉陰に実る青梅たわわ

                         さわやか♪さん
【解説】
 「葉っぱの陰に隠れて」たわわに実る青梅の様子が爽やかに詠まれていて好感の持てる
 詠歌と思います。
 「戯れ」は主観として感じたことでしょうが、ここはなるべく写生にとどめて
 次のように添削しましたが、いかがでしょうか。
 ★春風にそよぐ新梢葉の陰に 青梅(おうめ)密かに たわわに実る
 との問いかけを行い、ネットで三回ほど添削、推敲を繰り返し、以下に整いました。
【推敲結果】
 ★風そよぎ 揺れる新梢木漏れ日に 青梅ひそと たわわに実る



     「たわわに実る 青梅」

☆たのしみは つつがないこと願いおり 十年日記 求めしとき
☆たのしみは 痛みに堪えてリハビリに 師の手に言葉に安らぐひととき 
☆たのしみは リハビリ室で先生の 言葉に和みほっとするとき

                         shima-千恵子さん

【作者質問】
 一首目の「願いおり」を「願いつつ」とも考えたようですが・・・。

【解説】
 三首の独樂吟には、日常の生活の中にある新たな発見や、「気づき」「示唆」を頂き
 いつも楽しみにしています。
 一首目、「十年日記」を継続されているとのことですが、凄い事ですね。この粘り強さも
 見習わなければと思っています。「願いおり」と、「願いつつ」の件ですが「おり」「つつ」
 いずれも同じ動作が継続する意味ですので、どちらでも良いかと思います。ただ、この歌の
 内容からすると「願いおり」がしっくりとするかと思います。願いを込めてとの想いも滲み
 ますので…。ちなみに、「おり」は動詞で、「つつ」は接続助詞となりす。
 また、五句は「字足らず」になっていますので7音の「求めたるとき」とされたらと思います。


【詞書】井上陽水「結詞」を
☆とおい、とおい昔に
    君と出逢った
  とおい、とおい道の途中で

                         自閑(jikan314)さん

【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 好きな曲をYouTubeで聴いて、そのイメージを短歌にしています。北原白秋童謡風に作って
 みました。井上陽水の結詞は、私の好きな曲です。「浅き夢。淡き恋。遠き道。青き空」と
 何の脈絡も無い詞を並べ、全体的なイメージを作り上げていると思います。
 絵画で言うと、パピエ・コレpapiers collés 紙を張ると言う意味のピカソやブラックらの
 キュビスムの画家が新しい材質を求め,画布に印刷された紙や布を張る新手法を試み,
 コラージュに発展した技法に似ていると思います。。
 YouTubeを貼付したblogを作ったのですが、著作権で切れてしまいました。
【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんのコメントです。
 新古今和歌集にも、以下の歌があります。
  〇うちしめり あやめぞかをる 郭公 啼くやさつきの 雨のゆふぐれ(九条良経)
 古典の授業で習った句切れなら三つは切れています。
 それらが、全て雨の夕暮れに掛かっていると思います。
 情景だけを並べて、いったい何が言いたいのかは、読者に委ねられています。
 古来名歌とされ私も、こう言う短歌が作れたら良いなあ?と思っております。

【解説】
 井上陽水の「結詞:むすびことば」は、おっしゃるように「浅き夢~青き空」に始まり、
 「春を想い出すも 忘れるも 遠き遠き道の途中での事」で結ばれていますね。
 人生という長い旅路の途中で何が起きても、それは一つの通過点でしかないんだよ…、と
 陽水の歌の行間に、つぶやきが聴こえてきます。
 「君と出逢った」の句が、詠歌の物語性にふくらみと、ロマンを盛っていると感じました。
 また、九条良経の「何が言いたいのかは、読者に委ねられて」の詠いぶりも凄いですね。
 五月雨と、ほととぎすの声が重なり、アヤメの香りが漂う「雨のゆふぐれ」の静けさが
 感じられます。古今集からの本歌取りとも思いますが、本歌よりも一層深い情趣を秘めて
 いると考えます。




【詞書】紫陽花が至る所で色ずき始めましたが、今朝の散歩風景です。
☆爽やかに 紫陽花ゆれる 散歩道
        雄川にサギの 遊ぶ公園

                         クロママさん

【解説】
 紫陽花の冴えた花毬が随所で見れる今の時期は、散歩も楽しいですね。
 「爽やかに 紫陽花ゆれる」の表現に、クロママさんとクロちゃんの弾んだ心が
 上手く表現されていると思います。
 なお、歌の中にご自分の存在を詠み込み込んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★爽やかに 紫陽花ゆれる 散歩道
        雄川にサギの 遊ぶを眺め


☆葉桜の空の果てにはミサイルの 飛びかうもとに 子らの悲涙(ひるい)も
                         ポエット・M
【解説】
 水無月の空の下、桜吹雪の記憶も遥かになる中で、葉桜が微かな風にそよぎ
 陽をはねています。その空の果て、ウクライナの地では今も止まぬミサイルや
 砲弾が飛び交っています。自分の意思を、泣く事でしか表現できない多くの子供たち。
 子供達の涙をこれ以上流させる権利は何人ももっていない。たとえロシアの大統領でも…。
 そんな想いを込めて詠ってみました。



「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (39)
 9.帰らざる河(5)


    逝くものはこのようなものだろうか
                『論語』

   哀しきは
     夢にながるる
         ドナウ川
      忘れな草の
        小島を浮かべ

    まぼろしの
      ホタルのごとく
         るり色の
       忘れな草が
         夜霧に光る

      瑠璃色の
        忘れな草に
          細々と
         雨ふりやまず
           日は暮れゆきぬ

     哀しみは
       忘れな草の
          花に咲け
        流す涙も
          瑠璃色をして  
 


     「薔薇 ブルーバュー」
   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【破調について】要望により引き続き、今回も掲載致します。
 破調とは短歌・俳句などの定型詩で、音数に多少が生じることを言い、字余り・
 字足らずなどがあります。破調はあくまでも定型を遵守する上での例外的な措置と
 位置付けたいと思っています。
 なお、破調は、短歌会や結社によっては避けるよう指導されるところもありますが、
 一般的には広く許容されていると考えます。
 大切なことは調べ(リズム)が美しいか否かですが、名歌と呼ばれる歌歌に、
 極端な破調の歌は少ないと思っています。これは文語でも、口語でも同様と考えます。
 さらに破調でも字足らずの名歌というのは、知る限り少ないと考えています。

 例えば下記のように、字余りの名歌はかなりあり、有名な歌人でも正しく31音のみで
 詠う人は少ないと考えます。
 ・日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも    塚本邦雄(1句目)
 ・肺尖に ひとつ昼顔の 花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は  岡井隆(2句目)
 ・瓶にさす藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に届かざりけり 正岡子規(3句目)

 しかし、字余りには以下のようないくつかの法則があります。
 ・第1句は6音7音ぐらいなら許容され、かなり多用される字余りです。
 ・第2句~第5句は1音の字余りは許容範囲です。
 ・第4句は意外と桁外れな字余りを許しますが、例歌は少ないです。
 ・いくつかの字余りが混在する例は少ないです。

 一方、字足らずの名歌は少ないのですが、以下二首を例示します。
 ・さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君はも  弟橘媛(1句目)
 ・あたらしき墓立つは家建つよりもはれやかにわがこころの夏至 塚本邦雄(5句目)
                      参照: 現代短歌辞典「角川書店」等

【投稿外コメント】自閑さんからのコメントです。歌友各位の参考として掲載します。
 破調について、新古今和歌集にも有名な歌が一首有りますので、ご紹介いたします。
  ☆阿耨多羅三藐三菩提の仏たちわがたつ杣に冥加あらせたまへ
 読み:あのくたら さんみゃくさんぼだいの ほとけたち わがたつそまに
    みょうがあらせたまえ

 伝教大師最澄の歌ですが、さすがに正岡子規も「九たび歌よみに与ふる書」の中で、
 「いとめでたき歌にて候。長句の用ゐ方など古今未曾有にて、これを詠みたる人も
  さすがなれど、此歌を勅撰集に加へたる勇気も称するに足るべくと存候。
  第二句十字の長句ながら成語なれば左迄口にたまらず、第五句九字にしたるは
  ことさらにもあらざるべけれど、此所はことさらにも九字位にする必要有之、
  若し七字句などを以て止めたらんには上の十字句に對して釣合取れ不申候。」
 と絶賛しております。和漢朗詠集などにも撰歌されて、我が立つ杣は、比叡山の
 異名ともなっており、天台座主の慈円も、おほけなく~の百人一首歌で
 本歌取りしております。
【読者からのコメント】チョウキチさんよりのコメントです。
 流石に最澄ですね。素直な祈りが伝わります、この気持ちをウクライナに。



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする