「口語短歌・水曜サロンの会」(その94) 短歌の投稿を歓迎します!!
☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。
「ダリア」
「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」
【詞書】2023年7月3日ハルニレテラス遊歩道、トンボの湯、村民食堂に散策を
兼ねて行って来ました。遊歩道は若木と緑の葉っぱが美しく、そよ風が
とても気持ちが良かったです。そしてイベントは「アンブレアスカイ」と
いうフェスティバルをやっていました。余りにも気持ちよかったので
3首詠んでみました。
註)「遊歩道」
☆白秋も歩いた古道雑木林 清流寄り添う木立の中で
註)「トンボの湯」
☆いにしえの湯に身を任せゆったりと 時は遥か想いは彼方へ
註)「アンブレアスカイ」
☆カラフルな傘が彩るハルニレテラス 雨上がりの虹浮かび上がる
浅間山明鏡止水さん
【解説】
詞書にも記されていましたが、ハルニレテラス遊歩道は新緑に覆われ散策には
最適な季節ですね。
「ハルニレテラス」は自生していた100 本を超える春楡の間を縫うように、
清流に寄り添って連なる9棟の建物をウッドデッキでつないで作った「小さな街」
とのこと。自然の息吹を存分に取り入れ、計算し尽くして作られたおしゃれな
街並みですが、演出を感じさせない上質さは流石と感じます。
三首の歌は、このエリアの魅力を、それぞれ余すところなく引き出し詠いきって
いると感じます。なお、表現力が一段と増したとの印象があります。
また、三首目は「雨上がりの虹をイメージしたシャボン玉」の演出と、その景観を
見事に表現していると考えますが、少し視点を変えて添削させて頂きました。
【ご参考】
★虹さえも超えるいろどり傘の波 ハルニレテラスの空に揺れ咲く
【詞書】sonyのαcafeに、「少し派手かなぁ」と思って載せた写真に『いいね!
(bravo!)』が多く付き、「渋い」と思って載せた写真は、『いいね!(bravo!)』が
皆無に近く、どの様な写真を撮れば良いか迷いがある状態を詠ませて頂きました。
☆「少し派手」
思いて載せて『いいね!』付き
「渋い」は『いいね!』皆無に近し
西BOOさん
【解説】
「sony α cafe」には、プロ級の方の作品があまた並び、私もフアンとして拝見
させて頂いています。いずれも力作ぞろいで、私達初心者が安易な評価をしては
いけない雰囲気も感じます。
作者のような素敵な作品を撮られ、高い技術水準の方が撮り方について葛藤して
いることを詠って頂きましたが、その事実に少なからぬ感動を覚えました。
この葛藤こそ高みへのモチベーションとなると考えますし、学びたい姿勢です。
「渋め」の作品は私は好きですが、作者のもっている素敵な感性を信じ、
ぶれることなく進まれることをお勧め致します。なお、作品に記されている
絞り値等、撮影データで色々学ばせて頂いています。
☆石仏に寄り添うように桔梗さく 頭に肩に風とささやく
☆風吹けば桔梗はやさしく語りかけ 石の仏に笑みのこぼれる
夕庵さん
【解説】
いずれも奈良の元興寺への再訪の際に詠まれた歌とのこと。
歳月の波に洗われ角の取れた石仏群と、微かな風にも揺れる桔梗。その景観は、
まるで石仏と桔梗が微笑みを交わし語り合っているかに見えます。
そんな情景を詠われた二首の歌は、石仏と、桔梗に心を添わせた作者の心根の
優しさが、そのまま表現された心和む歌だと考えます。
また、風の音や桔梗の花の揺れ、石仏の質感など、五感を使って映像を想像させて
くれる描写力にも優れていると思います。
【詞書】青春時代、京都のジャズ喫茶が好きでした。マスターがレコードに針を
置いた時の音のわくわく感と共に、連れて行ってくれた人のことも思い出
されます。
☆レコードに針置きし夜のしじまさへ 懐かし 京のジャズ喫茶の君
【詞書】大きなVの字を空に掲げる試合の日の朝です。
☆Vの字にジーンズを干す 夏空へ 今日の試合の勝利を誓ふ
みっちっちさん
【解説】
「京のジャズ喫茶の君」「Vの字にジーンズを干す」という、ジャンルの異なる
二首はいずれも多面体として輝く作者の、一つの貴重な側面を詠っていますね。
一首目は、夜の静けさの中にジャズが響き、心が和みます。また、心許せる彼と
共にジャズの響きに包まれるのは、至福のひと時だったとも言えますね。
「懐かし 京のジャズ喫茶の君」というフレーズが、そんな過去の思い出を呼び
起こし、甘酸っぱさと共に懐かしさを感じさせてくれます。
こんな場面にはビル・エヴァンスのジャズ「枯葉」が似合うように感じましたが…。
全体的に、懐かしさや穏やかさ、さらにはドキドキ感も滲ませながら、心が和む
歌だと思います。
二首目の「Vの字にジーンズを干す」と言う表現には、インパクトがあります。
「芙蓉の花」
【詞書】ハイキング サウンド・オブ・ミュージック ドレミの歌を聴いて
☆山路を歌いながら
ソ・ド・ラ・ファ・ミ・ド・レ
エーデルワイスだけが側に
自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
暑中見舞い申し上げます。相変わらず猛暑の中で、うだっています。
サウンド・オブ・ミュージックの映像でも見て、高原をハイキングしている
気分で作りました。
先週は、最高気温30℃なので、今日は涼しいと挨拶していたが、梅雨明けと
共に、また猛暑日が増えそうです。
気分的には、花より他に知る人も無しで、私の音痴の歌も聞く人もいないと
大声で歌って登って行く。
下記URLにサウンド・オブ・ミュージックを貼付しておりますので、少しでも
涼しい気分になれば?
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d45158f4218ed31cd6a287016f85f9d1
【解説】
作者の短歌説明では「サウンド・オブ・ミュージックの映像を見て、高原を
ハイキングしている気分で」詠まれたとのこと。
詠歌からは、マリア・ライナー先生がトラップ一家の子供達と共に歌う
「ドレミのうた」が聴こえてきます。
エーデルワイスは、高山に生える白い花で高貴な花として知られていますが、
詠歌に美しさと、ほのぼのとした雰囲気を醸し出す役割も果たしています。
高原の冷気を吸いながら大声で「ドレミのうた」を歌うことは、魂と命の洗濯に
とっても良い事と思いますし、そんな場面を想像するだけでも楽しくなりますね。
そんな想いにしてくれる楽しく、味わい深い歌と感じました。
【詞書】例えば、私の好きなオールドファッションドーナツは、値段はそんなに
変わらないものの、6個入りが5個になってましたし、冷凍の魚の切り身は、
3つ入りだったものが2つになってるのがいくつもあるし…。
スーパーの商品にしても、「わっ、ちっちゃなってる!」というのもよくあります
し…。何だかなあと、思いつつも、買い物はせんとあかんし。生協のカタログの
「次回から値上げします」の文言が悲しい…。
☆生協のカタログを見てつい思う
数量は減り値段は上がる
【詞書】7月24日の「後祭」の中継をKBS京都で見てました。大船鉾と鷹山はまだ
白木の部分があったり、懸装品(けそうひん)がこれからだったりで未完成なんだ
とか。見る人も「今年はあの部分が漆塗りされたんやて」「懸装品は来年らしいね」
とか、変化が楽しめますね。この先も山鉾の文化を歴史を紡いでいく人達は大変
でしょうけど…。(頑張って下さい)
☆「後祭」(あとまつり)復活の山鉾進化する 年々繫いで完成させる
【詞書】宇治川生まれの“ウッティー”達と鵜匠さんとが育んできた絆が、今年の秋に
始まる「綱を付けずに鵜を操る“放ち鵜飼”」として、花開きます。鵜飼い用に育て
られているウミウから初めて生まれた卵を人工孵化した時からの、鵜匠さんを
はじめとする関係者の方々の何年もの努力の結晶です。楽しそうなので、見に
行ってみたいなーと思っています。興味ある方は宇治にいらして下さいませ♪
☆宇治川の鵜飼の歴史にまたひとつ
“放ち鵜飼”が加わるそうな
ちがやねこさん
【解説】
「生協のカタログ」「山鉾進化」「放ち鵜飼」と、いずれも、ホッとな時事を
詠み作者の観察眼と高い見識が覗えます。鋭いながらも温かな眼差しの感じられる
詠歌で、これらは、私たちの学びにつながる貴重な視点を提示しています。
三首目の歌は、「放ち鵜飼」の舞台裏の努力にも触れ、鵜匠さんを始めその実現に
尽力された方々の、歴史的経緯も踏まえた興味深い歌となっています。観光宣伝の
陰で、ともすれば華やかな表舞台のパフォーマンスのみがとりざたされる昨今、
このような視点での詠歌は貴重な存在と思います。
これからも「取材短歌」の出詠を期待したいと思います。なお、詞書の一部を
文字数制限の関係から割愛せざるを得ませんでしたが、ご容赦願います。
「酔芙蓉の花 八重」
☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
注) ☆:元歌 ★:返歌
☆「少し派手」
思いて載せて『いいね』つき
「渋いは」『いいね』皆無に近し
西BOOさん
★気にしない「いいね」の数の少なくも日記代わりのわがブログなら
夕庵さん
☆カラフルな傘が彩るハルニレテラス 雨上がりの虹浮かび上がる
浅間山明鏡止水さん
★破れ傘で 置いてけぼりの登校の 弟(おとと)の泣き顔今も忘れず
夕庵さん
☆道端の目鼻欠けたる野仏へ和草(にこぐさ)そよと科戸(しなと)の小風
みっちっちさん
★野仏は傾きつつも微笑みを忘れず鳥の声聞いている
★野仏へ召しませ今朝の和草の朝露ふくみし清(すが)し色こそ
夕庵さん
★さみどりの色を深むる和草のそよぎは笑みと野仏知るや
みっちっちさん
★知る知らぬこと多かりし 世の中の流行(はやり)言葉が駆け足で来る
夕庵さん
★流行のドレスも靴もマニキュアもなけれど今し我が道楽し
みっちっちさん
★あれこれと惑いの多き歳なれば我が道照らせ夏のジュピター
夕庵さん
★ジュピターを聞けば涙がこぼれちゃう ひとりじゃないよ 自分信じて
みっちっちさん
☆Vの字にジーンズを干す夏空へ今日の試合の勝利を誓ふ
みっちっちさん
★ホームラン浴びて球児はくずおれぬ滴る汗の砂握りしめ
夕庵さん
★接戦の九回裏の逆転打 紙一重なる勝負に泣けり
みっちっちさん
☆咲き初める芙蓉にまどう蝶二匹 舞い立つかなたに夕映えの海
ポエット・M
★風の盆今年も咲くや酔芙蓉 坂のある町八尾の家に
夕庵さん
★風の盆 笠に隠して見る君の 八尾の闇に うずくがに顕(た)つ
ポエット・M
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆
☆一朝の 夢紡ぐ間に むくげ散り 梅雨明けの夕 いまだ暮れずに
ポエット・M
【解説】
「槿花一朝の夢」と言うことわざがあります。槿花(むくげ)の花が朝に咲いて
夕方には散ってしまうように、人生ははかないことをたとえた言葉ですが、この
ムクゲの花をテーマに詠ってみました。
梅雨明けの夕暮れは中々暮れませんが、ムクゲは既に萎み散っていく花もいくつか
ありました。
はかない人生の中でも夢を紡ぐことで、人生に彩りを添え、生きる力を得ることが
できます。夕暮れは、そんな日々の一瞬を永遠に繋げるひと時を感じさせて
くれます。そんな想いを詠ってみました。
「宗旦むくげ」
「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(1)
「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、
小説、短歌等を著者により厳選されものを集めた著書です。
つまり個人的な好みが反映された著作渾身の著書でもあります。
私の短歌の師の一人で、人間的にも尊敬する方でもありましたが、
その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
1.「短歌の章」 花(1)
沙羅の花ふくよかに今朝咲き出でぬ
ひと日の花の命さやけく
沙羅の花華やかにしていさぎよし
あした開きて夕べには落つ
沙羅の花 露の命のはかなきを
白き花弁に紅ふふみ咲く
「ホウボウの花」
【短歌入門・質問・提案コーナー】
fumiel-shimaさんからのコメント
皆さんの目の前に広がっている光景、風景とも言えるような眺めを私もその場で
体験しているような感覚になりますね。そしてその情景までもが伝わってくる
ようです。
西BOOさんの詞書で紹介された、エンニオ・モリコーネの曲とは本当に懐かしい
ですね。私たちが若いころ、テレビの「ローハイド」などの影響もあり、西部劇を
よく見ましたが1960年代、私たちが20代の後半ごろ、「荒野の用心棒」「夕陽の
ガンマン」「続・夕陽のガンマン」などマカロニウェスタンと呼ばれる映画も
流行りましたね。
私がエンニオ・モリコーネの名前を知ったのはこれらの映画を何度も繰り返し見る
ようになってからでした。
今日久々にこのエンニオ・モリコーネの名前を見て「荒野の用心棒」の口笛が
流れるシーンや、「続・夕陽のガンマン」の最後の墓場での決闘シーンなどが
浮かんできました。
「ガブリエルのオーボエ」はヴァイオリンなどの楽器で演奏したものも心に沁み
ますがやはり西BOOさんの短歌のイメージには「オーボエ」の音色がピッタリだと
感じました。
そして「ネット歌会」の夕庵さんとみっちっちさんの歌の元歌と返歌に私の名前が
出るとは?・・・、ブログ友との交流がこんな形でも出るとは・・・驚きと共に
小躍りしたい気分になりました。ありがとうございました。
ポエット・Mの返信コメント
いつも「水曜サロン」と、その参加メンバーへの温かな励ましのコメントを頂き
ありがとうございます。
私はもとより、皆さんにとっても大いなるエールと感じていますし、「やる気」
スイッチが入ります。
fumiel-shimaさんのように温かく見守ってくれる方がおられることは、作品を詠む
際に励みになるばかりでなく、もっと学ばねばとのモチベーションにもなります。
なお、私達世代にとって「マカロニウェスタン」と、エンニオ・モリコーネの
映画音楽は懐かしい青春の思い出となっています。
これからも「水曜サロン」等を通して、多いに交流して頂ければ嬉しいです。
【ネット歌会について】
「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
(1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
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(3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
(5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
了