四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その157)

2024年11月13日 05時59分35秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その157) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 プリンス ドウ モナコ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「12.須磨(すま)紫の上」
 源氏は自分をとりまく政情の悪化から自ら須磨へ退去する決意をした。
 都へ残る紫の上は悲嘆にくれるが、源氏は後ろ髪を引かれる思いで邸や
 所領の管理を託す。藤壺、東宮をはじめ、親しい人々と別れの挨拶を
 交わした源氏は、故桐壺帝の御陵を訪ねる。そこで源氏は故桐壺帝の
 幻が立ち現れるのを見た。紫の上と最後の別れを済ますと、源氏は
 ごく少数の供とともに須磨へと向かった。須磨での生活が落ち着くと、
 源氏は閑居のわびしさを痛感する。語らう相手もいないため、源氏は
 紫の上や六条御息所に手紙をしたためるが、源氏の不在を都の人々も
 また嘆いていた。源氏は須磨で秋を迎えた。帝や東宮は源氏を恋しく
 思うが、弘徽殿の大后を恐れ源氏に便りを出すことさえできない。
 そんな状況下、今や宰相となったかつての頭の中将が源氏を訪ね、
 久方ぶりに語り合った。一方、明石の入道は源氏の噂を聞き、娘を
 源氏に捧げようと思いつめていた。三月、禊ぎをしていた源氏を
 暴風雨が襲い、源氏は命からがら逃げ出した。
〇身はかくて さすらへぬとも 君があたり 去らぬ鏡の 影は離れじ 光源氏
  私の身はたとえ都を離れ、はるかな地をさまよったとしても、
  この鏡に映った私の影はあなたのそばを離れることは決してありません
〇別れても 影だにとまる ものならば 鏡を見ても 慰めてまし   紫の上
  たとえお別れしても、あなたの影がとどまっているのでしたら、
  その鏡を見てお会いできない寂しさを慰めていることにいたします。
(返歌)
☆自分こそ 身体はどこを 彷徨うも あなたのそばを 離れることなし
☆鏡にも あなたの魂 宿るとは いつも支えに よりどころにして
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「須磨の巻」における紫の上は、光源氏への深い愛情と、困難な状況の中で
 成長していく姿が印象的に描かれています。彼女の存在は、物語に深みを
 与え、感動的でもあります。さらに、紫の上は須磨へ流罪中の光源氏を慕い
 ながらも直接会うことができず、寂しく苦しい日々を送りながら、手紙の
 やり取りなどを通じて、光源氏との絆はますます深めていきます。
 これらの経緯を踏まえ、光源氏と紫の上の歌を味わい、作者の返歌を鑑賞
 したいと思います。
 作者の一首目の返歌は、光源氏の立場で、都から離れていく身ではあっても
 心は常に紫の上、あなたのそばにいますよ…と詠い、慰める歌になっています。
 「鏡に映った私の影」以上に、心はいつもあなたと共にありますよと強調して
 いるところが「にくい」ですね。
 二首目の歌は、紫の上の立場から詠んでいますが「鏡にとどまるあなたの影」を
 心のよりどころにして、寂しさに耐えていきます…との健気な歌となっています。
 作者の想いを汲みつつ、それぞれの立場から返歌を詠んでみました。
【ご参考】
 ★遥かにもわが身は須磨にさすらうも わが影君と 離るるはなし
 ★君が影 鏡にやどる魂(たま)ともに 逢えぬつらさを 慰め忍ぶ

【詞書】霜月に夏日が来ることを詠ませて頂きました。
☆霜月といえど夏日が訪れる 山は紅染む気配なし
【詞書】アメリカの大統領選挙を詠ませて頂きました。
☆アメリカに民主主義の危機迫る ハリス氏勝利 神に祈らむ
【詞書】木枯らし1号を詠ませて頂きました。
☆燻炭を燻す煙をはこびつつ 木枯らし1号谷の間に間に
                         西BOOさん
【解説】
 今回も追加分も含めて「霜月の夏日」「アメリカ大統領選」「燻炭」の
 今日的なテーマで三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、まさに霜月になっても夏日が続き、紅葉も大分遅れて
 いました。しかし、立冬の日には、いきなりの冬を思わせる寒い日と
 なり秋の短さを実感させられました。このような異常気象の実態を
 歌で、詩情を込めて記録していくのも良い試みと感じます。
 二首目の歌、祈りも空しく「またトラ」が現実のものとなってしまい
 ましたね。詠われているように「民主主義の危機」が懸念されますが、
 アメリカ国民の選択ですので…、受け入れざるを得ませんね。
 世界の情勢にとっても、日本にとっても不確実性とともに予測不能な
 状況が生まれそうですが、それぞれで対応していくしかないですね。
 三首目の歌、もみ殻等を用いて燻炭を作る季節になりましたね。
 その燻す煙が木枯らしに乗って、谷間を流れている様子が詩情豊かに
 詠われ、風物詩が巧みに表現されています。今ではこのような風景が
 中々お目にかかれなくなりましたが、歌に詠むことにより日本の
 原風景が記録としても残っていき「時代の証言」を編む貴重な営みに
 繋がっていくことと思います。

【詞書】銀杏散るで二首、冬の波で一首、出詠いたします。
☆晴れ晴れとなほしみじみと銀杏散る静寂(しじま)の中にただ立ち尽くす
☆音もなく光を散らし銀杏散る ひらり野点の紅き傘へと
☆海光の二番ホームに佇みて 冬の波へと捨てたきことを
                         みっちっちさん
【解説】
 今回も、俳句の季語「銀杏散る」「冬の波」を詠みこみ三首の歌を印象深く
 詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌は、銀杏の葉が散る様子、紅い野点の傘、そして静寂の中で
 葉が舞い降りる様子が、一幅の絵画のように目に浮かびます。

 また、視覚だけでなく、聴覚にも訴えかける言葉が用いられており、私たちは
 五感を使ってこの情景を味わうことができます。
 さらに、下の句の「ひらり野点の紅き傘へと」の表現が余韻を残し、印象深い
 味わいのある歌になっています。
 三首目の歌は、一編の短編小説にも似た物語性のある歌になっています。
 「捨てたきこと」の「こと」を限定しないところが、読者の想像をかき立てて
 おり、心憎い
歌になっています。

【詞書】戸棚を整理していたら奥の方から箱に入ったビードロが出てきました。
  数年前長崎で求めたものです。今でもそっと吹いてみるとポッペンと鳴る
  音に楽しかった旅が思い出されます。
☆ビードロはかの日の記憶ポッペンと石の坂道転がりてくる
☆懐かしのビードロは鳴るポッペンと異国の匂い耳をくすぐる
☆長崎で求めしブルーのギヤマンに水を満たして薬を2錠
                         夕庵さん
【解説】
 坂の街、長崎の懐かしい思い出を秘めた「ビードロ」「ギヤマン」をテーマに
 三首の歌を味わい深く詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌は作者の豊かな感性と想像力が感じられ、まるで古い映画を
 見ているようなノスタルジックな雰囲気とともに、異国への憧れも感じられます。
 また、ビードロの光、ポッペンの音、異国の匂いなど、五感を刺激する言葉が
 効果的に使われ印象深い歌となっています。
 なお、下の句の「異国の匂い耳をくすぐる」の表現が素敵です。一般的に、
 匂いは鼻で感じるものであり、「耳をくすぐる」は聴覚に訴えかける表現です。
 しかし、文学表現においては、五感を混同させることで、より深いイメージや
 情感を呼び起こすことがあります。この歌の場合も、作者は「異国の匂い」が、
 単に鼻を刺激するだけでなく、聴覚的なイメージや、それらを通して心の奥底を
 揺さぶるような、複合的な感覚を表現したかったのかもしれません。
 「異国の音色耳をくすぐる」などとの表現もありますが、作者の表現を是と
 したいと思います。
 三首目の、「薬を2錠」の転換に、上質なユーモアが感じられます。


     「モミジの競演」

【詞書】立冬も過ぎ軽井沢は益々寒くなったようです。雲場池に行ってきました。
  ピークには少〜し早かった?けれど 今年も綺麗でした❗️❗️
☆雲場池 緑と黄色 更に赤
       今日より明日 モミジの競演
☆喧騒の 中を悠々 雲場池
       赤き水面に カルガモ家族
                         クロママさん
【解説】
 軽井沢の雲場池は紅葉の「聖地」とも言われていますね。イロハモミジを
 始め、色とりどりの紅葉が、池の周辺と水面に映る様は「聖地」と呼ぶに
 ふさわしいとの想いにさせてくれます。

 二首の歌は、何れもその趣を表現した、味わいのある歌と感じます。
 一首目の歌は、緑から黄色、そして赤へと変化していく紅葉の色合いを、
 鮮やかに描き出し、日々変化していく紅葉の様子を、時間の流れと
 ともに表現しており、命の躍動を感じさせてくれます。さらに、様々な
 色の紅葉が競い合う様子を、まるで舞台の上での華やかな演劇を見て
 いるように表現し印象深い歌となっています。
 下の句の「今日より明日へ モミジの競演」と、助詞「へ」を加えて
 見てはと思いますが…。
 また、二首目を少し添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★人波と もみじを映す 雲場池
         みなも悠々 カルガモ家族

【詞書】YouTube短歌:葬送の帰り 冨田勲 展覧会の絵9 死せる言葉に
  よる死者への話しかけを聴いて
☆色のなく吹く風
  誰も振り返らない
     友もいなくなった道
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 展覧会の絵 死せる言葉による死者への話しかけは、プロムナートの主題を、
 ロ短調で寂しく作曲しております。ムソルグスキーは、親友故ヴィクトル・
 ハルトマンとの様々の事を、絵を見つつ、思い出したのでは無いかと思って
 おります。彼の体調不良に気がついていても何もしてやれなかった。自身は、
 バレー曲が上演中止となり、酒に溺れていた。せめてもの償いに彼の
 遺作展をと。ここまで来て涙が止まらなくなったと思います。
 曲を様々な演奏で聴いても友を亡くしたとしか聞こえませんでした。
 色のなく吹く風は、新古今和歌集卷第八 哀傷歌 久我太政大臣
  物思へば色なき風もなかりけり身にしむ秋のこころならひに
 から。
 下記URLに、曲を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d8f8c30481a111dbf3d94842c00dfa09
                         自閑さん
【解説】
 前にも触れましたが、冨田勲氏の「展覧会の絵」は、ムソルグスキーの
 同名の組曲にインスパイアされた電子音楽作品として、世界中で高い
 評価を得ていますが、その中に収められた「死せる言葉」という楽曲は、
 特に印象深いものの一つと考えます。
 紹介頂いたYouTubeを改めて聴かせて頂きました。この曲は、タイトル
 からも想像できますように、死と別れをテーマとしています。荘厳で
 ありながらも寂寥感漂うメロディーは、心に静かに語りかけてきました。
 作者の説明にもありますように、葬儀を終え、故人を偲ぶ気持ちを
 抱きながら帰途につく時、この楽曲は心の奥底に哀しみとともに痛切に
 響くのではないかと感じました。
 この曲を聴きながら、新古今和歌集の哀傷歌を思い浮かべるのは作者の
 博識と、優れた発想力、さらには感性故と感じました。
 下の句の「友もいなくなった道」に篭もる、底なしの寂しさと、悲しみが
 歌から響いてきます。おそらく作者の実体験を踏まえた歌とも感じます。

【詞書】隣の家は、時折息子さんが庭の木を剪定したり伐採したりされて
  ますが、道に面した柵のそばにある槿の木は、今んとこ枝の先に二つ、
  三つ実が付いていて、丸々とした薄緑の実(弾ければ“種”が出るん
  でしょうが11月12日現在、まだしっかり閉じている“実”の状態です)が
  何だか可愛らしいんですね。同じムクゲ(宗旦)がうちにもあるんですが、
  そのような実が付いたのを見たこと無いんで、初めて見た(気付いた)と
  いう事もありますが、隣家のムクゲの実が「主無しとて」律義に季節を
  経ていっているのに可愛らしさというか健気さというか…を感じる
  訳です。上手く言えませんが。
☆可愛らし ぷっくり丸々 ムクゲの実
          ゆらゆら揺れる 枝の先かな
【詞書】11月12日昼頃。テレビと大きい窓がある居間から見える、庭の
  サルスベリや、その隣にあるサザンカとかにメジロがやたら来て
  いました。枝をつついていたりするので小さい虫でも居るのを食べて
  いるのかは判りませんが、枝にぶら下がるようにゆらゆらしていたり
  するのが可愛いんで、なかなか楽しめます。(母も「よおけ来てるなあ」と
  言ってました。ほんまにひっきりなしに来てました)ただ、11月も半ばに
  なろうというのに、サザンカが咲かんなあと…。これも気候の変化の
  せいなんかなあ…。なんて、いろいろ考えてしまいます。
☆枝揺らし 飛び交うメジロは何故集う?
          サザンカの花もまだ咲かぬのに
【詞書】2日くらい前に、その前に姉と買い物に行った時に買っておいた
  (「これは買いやで」と買わされた😅)ぶりの(はまちやったかも…😓)
  頭の部分の切り身で“ぶり大根”を炊きました。以前からやっている
  (作り方を見て書いておいたメモを見て)“湯通し”をしてから
  炊いたのですが、イマイチ味が決まらないなあ…と思ってたので、
  昨日姉の家に行った時「昨日(晩に)何したん?」と聞かれて「(“かま”の
  切り身で)大根と炊いたんやけど味がイマイチ決まれへん…」とぼやき、
  「書いてあるから湯通しとかしたんやけど」と言うと、料理人だった
  義兄が「炊く前に(オーブントースターとかフライパンで)皮が少し
  焦げ目付ける程度に焼いてみ」と言い、姉も「ぐじ(甘鯛)とかでも
  少ーし焼いてから鍋とかに入れても美味しいんやで。出汁も出るし」と
  言いました。正月の鯛の焼いたのを後で雑炊とかに使う事を思えば
  「成る程なあ」と思ったので、素直に「次、やってみます」と言うと、
  「少しやで。皮にちょっと焦げ目付けるぐらいで」と義兄が念押しの
  アドバイスをくれました。味沁みの昨日食べたのでも微妙~に
  生臭い感じがするので次作る時は、義兄や姉に言われたやり方を
  やってみようかなと思います。…母は「まずい」とも「生臭い感じする」
  とも言ってませんが、私が納得いってないし…。
  (料理下手なりに頑張らんとなあ…)
  こんな感じです。炊きもんの美味しい季節ですね。料理下手の
  不器用な私は鍋で何とかなる今頃からの季節は助かります。😅
☆ぶり大根 「味、決まれへん…」とぼやいたら
            義兄が「ぶりを少し焼くんや」
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は「むくげの実」「メジロ」「ぶり大根」と、日常の身近なテーマを
 選んで、手堅く三首詠んで頂きました。

 一首目の歌、韻を踏んだ歌いぶりは、童謡にも通じる楽しい歌と感じます。
 ムクゲの実は紡錘形や円錐形で、熟すと5つに裂けて
種子が現れるようですが、
 日照や、肥料の関係で実を付けない
ものもあるようですね。隣家のむくげの
 健気さに寄せる作者の
優しい眼差しが感じられる良い歌と考えます。
 二首目の歌、サルスベリや、未だ咲かないサザンカにメジロが群れるのは
 分からない、との素朴な疑問を詠みながら、詩情
漂う良い歌になっていると
 感じます。

 なお、サルスベリは花期が長く、11月になってもわずかながら蜜が残っている
 可能性があり、メジロは鋭い嘴で花の奥深くまで届き、
残った蜜を吸っている
 のかもしれません。また、山茶花の枝や
葉の裏には、小さな昆虫や虫の卵などが
 残っていることがあり、
メジロはこれらの虫を捕食するために、木々をくまなく
 探して
いるとも考えられますね。鳥たちの何気ない仕草や、疑問を歌に詠みきる
 感性に歌人としての資質を感じます。

 三首目の歌、これも身近な「ぶり大根」の調理法を詠い、その基礎をしっかりと
 表現した歌になっています。お義兄様の
アドバイスも的確にポイントをついて
 いて参考になりますね。

☆木犀の 香り甘いと妻の言う その背に登る十六夜の月
                         ポエット・M
【解説】
 今年の金木犀の開花は、他の花々と同様にかなり遅れ10月の中旬にずれ込み
 ました。先月、たまたま細君と外出からの帰り道、咲き
初め故でしょうか、
 金木犀の甘やかで濃密な香りが、暗闇に漂って
いました。そのとき
 「香りがあまいわ」との呟きが耳に入り、そちらを
みると細君の上空に登る
 月が、雲間から煌々と輝いて見えました。

 満月から若干過ぎていましたが、後で調べると十六夜の月とのことでした。
 十三夜の月と比べ、少し寂しげでしたが…、そんな
金木犀と月との情景を
 詠んでみました。

 
 
     「金木犀」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(63)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

44.「短歌の章」 三十三間堂(1)

   清盛の営みし堂は焼け失せて
            此処にも盛者必滅はあり

   法印湛慶、運慶が命かたぶけし
            千一体の観世音菩薩 

   一掌に一眼をもてあまねくぞ
          みそなはし給ふ 観世音菩薩 

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】先週に引き続き掲載します。
 チョウキチさんのコメント
 〇はかりなき千尋の底の海松(みる)ぶさの 生ひゆくすゑは我のみぞ見む 光源氏
 〇千尋とも いかでか知らむ 定めなく 満ち干る潮の のどけからぬに  紫の上
  ある時は自分自身の願望、ある時は現実、どんな時でも独占欲が強く
  口上手な男性、しっかりと男性を見抜く女性という人生観、紫式部の
  人生観そのもののようです。
  華々しい平安貴族の裏側が空けるような気がします。

 ポエット・Mの返答コメント
  いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
  お寄せ頂きありがとうございます。
  おっしゃる通りですね。「源氏物語」は平安貴族の華やかな世界を
  描きながら、その舞台で雅に舞うかに見える女性達の哀しみや、
  苦悩に寄り添いつつ、光源氏を始めとする男性たちの身勝手さや、
  権謀術数を駆使する様を、冷徹に描き切っていると感じます。
  貫かれている人間観や人生観は作者の紫式部そのものの思想を反映して
  いますし、物語の執筆の過程で、その進化や深まりも感じられます。
  これは作者が、宮廷女房として宮使いしながら様々な経験を積み、
  成長しつつ、世界観も鍛えられていった結果とも考えます。
 
【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了


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5 コメント

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短歌投稿 (knsw0805)
2024-11-13 06:53:09
24年11月13日分短歌を「水曜サロンの会その156」に3時50分頃投稿致しました。よろしくお願いします。
返信する
ポエット・Mさんへ (西BOO)
2024-11-13 07:12:45
おはようございます。
早速、二首出詠させて頂きたいと思います。

秋の空を詠ませて頂きました。
秋の空澄んだ星の瞬きに 亡き親からの囁きを聞く

秋の夜を詠ませて頂きました。
寒暖の差の激しさや秋の夜 君寒かろと布団をかける

よろしくお願い致します。
返信する
Unknown (みっちっち)
2024-11-13 07:30:49
おはようございます。

「冬日和」、「冬うらら」は冬の晴れた暖かい日の事をいう季語です。
亡き母と冬日和、冬うららで三首出詠いたします。

⭐️亡き母の待針使ふ冬日和 彩りの玉ほのと光りて

⭐️戻りきし娘(こ)にふるさとの冬日和 優しき妣(はは)の面影繋ぐ
(娘が帰ってきた時に優しい母との日々を思います)

⭐️須磨浦にきらら波寄せ 冬うらら 妣と貝殻拾ひしことを
(らの音を多用し光るリズムを感じさせました)

よろしくお願いいたします。
返信する
今週の詠草です。 ( 夕庵)
2024-11-13 11:05:37
秋の夜長での三首です。

詞書
眠れない夜にベッドの脇の壁にキツネを作って気をそらせてみます。

☆壁際の指のキツネがコンと鳴く 午前3時の眠れぬ夜に

☆1章ごと句読点のように欠伸して 本を閉じては番茶を啜る

詞書
最近時々耳に違和感を覚えることがあります。
前向きに捉えて・・

☆耳鳴りを円舞曲(ワルツ)と聞きて寝返りぬ 内耳の迷路くぐりて来たか

よろしくお願いいたします。
返信する
ポエット・Mさんへ (西BOO)
2024-11-13 16:12:04
こんにちは。
一首、追加で出詠させて頂きたいと思います。

三重県のニュースを見て詠ませて頂きたいと思います。
コスモスの香に誘われて霧降る 風伝おろし幻想の里

風伝おろしのニュースは、
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241112/k10014636081000.html

よろしくお願い致します。
返信する

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