四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その26)

2022年03月16日 05時00分31秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その26)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
   ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
        皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。        ☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】2月23日cookieと星野温泉トンボの湯村民食堂で昼食を取り、その後目の前の
    ハルニレテラス遊歩道を散策しました。湯川渓流は残雪が残り日射しの中で
    キラキラと素敵に輝いていました。
☆残雪の 湯川渓流 キラキラと 日射し照らして 春風(しゅんぷう)感ず
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)
【詞書】3月3日風越公園で散歩しながら童謡「ひなまつり」を夫婦で歌いましたが、
    ぐっと込み上げて来るものがあり涙腺が緩みました。「人生の黄昏」に
    想いを馳せました。
☆風越の 二人で歌う ひなまつり 黄昏感じ 涙腺緩むも
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)
【詞書】過日NHKで北海道鶴居村のタンチョウヅルの特集をやっていました。
    二羽が一緒になって宙に浮く姿は癒されますしとても感動的でした。
☆タンチョウの 恋の季節に 舞う姿 繰り広げるは 求愛ダンスも
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)

【解説】
 いずれも、春浅い今の季節を描写し、詞書ともマッチした素直な詠歌と思います。
 特に「ハルニレテラス遊歩道」は、春浅い信濃路の景観を素敵に表現しています。
 二首目の短歌について、詞書がなくても「一首自立」で、分かって頂けるよう
 少し工夫してみましたが、いかがでしょうか。参考として見て頂ければ幸いです。
 ★散歩道 二人で歌う ひなまつり 人の黄昏 思いて泪

【詞書】2011年4月に
☆ほら見て!春になったよ
     海がこんなにきらきら輝いているもの

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 当時、兄一家は三陸に住んでおり、一家全員の無事が確認出来た時に、先祖に
 感謝した。しかし、その後、上の姪の友達はみんな波に飲まれ、兄一家の家は
 全て流され、下の姪の小学校は泥の中にあった。
 そんな時、姉夫婦が急遽、援助物資を車で届けた時、姪たちの笑顔の写真が
 送られて来た。とても嬉しかった。
 全てを失って、途方に暮れる人々に、春になったと告げたいと思った。

【解説】
 「先祖に感謝した」との安堵の想いは、おっしゃる通りですね。多くの奇跡の
 累積の上に得られた「無事」であったことと思います。
 その僥倖を、縁在るものの一人として喜びたいと思います。
 その「無事」の奇跡から漏れた1万5900人(2022年3月9日現在)の方々。その御霊の
 ご冥福を改めてお祈りしたいと思います。
 2011年3月から、未だ「春」が到来しない多くの方々がおられます。その方々に
 一日も早く「春」が到来し、心から喜べる状況になりますことを、祈りたいと
 思います。そんな想いを改めて思い起こさせる詠歌でもあります。


【詞書】現在一連の騒動で体調を崩して寝たり起きたりの生活をしています。
    身体は正直です。
☆善きことのあらむ兆しかかくまでも悪く書かれて有名人に
☆わたくしを痛めつけゐる人あらばこれから幸運弥(いや)増す兆し
☆笑ふしかあらざる虐め受けにつつ身体は真面目に反応すらし

                         びこさん

【解説】
 十首出詠頂きましたが、いずれも作者の今の心境を率直に詠まれた短歌で、選歌の
 難しさを改めて感じています。
 SNSに書き込まれた心無い言葉に傷つきながらも、打ちひしがれることなく、
 前を向き、ゆとりさえ感じられる三首を選歌させて頂きました。作者の心情を
 十分くみ取っていないとのご批判は覚悟の上で、私の想いを優先し三首の歌を
 選歌させて頂きました。
 三首目の「身体は真面目に反応すらし」の下の句が、心に痛く刺さります。

【詞書】日本より先行接種の海外からたくさん情報が入って来ています。
    マスコミが流す情報だけにとらわれることなく、正しい情報キャッチが大事な
    時です。治験中のワクチンですので「わからない」そのことを詠いました。
☆世の流れ どこへ進むか日本丸 情報の海 灯台みえず
                         さわやか♪さん
【詞書】専門医が作るデータは気をつけないと違った解釈ができてしまいます。
    分数の分母が違ったり上限の値を変えたり等々素人には難しいですが、小さな
    文字で(注釈)目立たないように書いてあることに驚いたことを詠みました
☆情報は 命守るる蜘蛛の糸 歴史に学べ 騙しのテクを
                         さわやか♪さん
【詞書】グーグル傘下のユーチューブはグーグルの指令で「ワクチンデメリット情報削除」
    そのため世界が混乱してしまいました。多くのデメリット情報が一瞬に削除され、
    その削除のさまを目撃した驚きを詠みました
☆ユーチューブ 削除の嵐 なに語る リスク情報 電波の彼方
                         さわやか♪さん
【短歌説明】さわやか♪さんご自身の説明です。
 私のブログでは、政府が広報している自己判断・自己責任に役に立つようマスコミで
 出すメリット情報でなく、比較検討のためにデメリット情報を発信しています。
 今まさに5歳からの子供の接種も推奨され、3回目接種も同じくすすめられています。
 与えられた情報だけでなく、自分から情報を取りに行ことが求められる時代だと思います。

【解説】
 「マスコミで出すメリット情報でなく、比較検討のためにデメリット情報」の発信は
 ワクチン接種の「自己判断」にとって必須のデータと思います。十分な検証を経ず
 接種に前のめりの世の動きに「立ち止まって先ず検討を」との広報は、本来マスコミの
 役割ですが、残念ながら十分と言えません。
 そんな思いの籠った三首の社会詠は、貴重な問題提起の短歌と思います。

 なお、社会詠は、その訴える内容が明確に読んで頂く方に伝わること、そして
 そこに調べと共に、そこはかとない詩情が滲むことを目指したいと思います。
 中々難しいのですが、三首目を「内容が伝わる」との視点から、少し工夫して
 みました。いかがでしょうか。ご検討いただければと思います。
【ご参考】
 ★ワクチンの 不都合情報消し去るは グーグル汝(なれ)も ブルータスかと




【詞書】ウクライナ問題で辛い毎日の状態です。
☆本気度が米ソ戦争避けさせた 若きケネディのキューバ危機避け
☆核戦争世界の破滅避けるため 互いの理解愛の伝達
☆世界には人命よりも大切な 物などないよ話し合おうよ

                         ベトナムのKenさん

【解説】
 五首の短歌を出詠して頂きましたが、そのうち主張が明確で、かつ内容の良く
 分かる三首を選定させて頂きました。
 一首目は「キューバ危機」を詠っています。1962年10月22日ケネディ・アメリカ大統領は
 ソ連がキューバに中距離ミサイル基地を建設中であることを発表し、その撤去を要求し
 艦艇183隻、軍用機1190機を動員してキューバを海上封鎖した事件を指します。
 ソ連フルシチョフ首相と、ケネディ・アメリカ大統領とのギリギリの折衝で危機は
 避けられました。この件での首脳の在り方を「本気度」と表現した良い歌と思います。
 ウクライナを侵略したものへの弾劾と、各国首脳の停戦への「本気度」が必要な時と、
 この歌から改めて教えられます。


【詞書】最近、庭の餌台に来る野鳥が少ないなと思っていたら、これでした。
    自然界の生存競争を目の当たりにしました。焼き物の「飛び鉋」のような模様で
    ハヤブサと知りました。
☆羽毛散る雪面の上ハヤブサの「飛び鉋」の 模様飛び去る
                         『楕円と円』さん

【解説】
 ハヤブサは私たちが散歩で行く観音崎公園でも、灯台わきの高い木の頂におり小鳥や、
 小動物を狙って舞い降りる姿が確認されます。正に、飛び鉋(とびかんな)の模様を
 あしらった胸と、羽を広げた姿は精悍そのものとの印象があります。自然界の厳しさを
 詩情を滲ませながら詠った、考えさせられる詠歌です。


☆たのしみは 恥じらいがちにそっと咲く うす紅色の 侘助見るとき
☆たのしみは 葉っぱ落としたもくれんに ぷっくり膨らむ 蕾見るとき
☆たのしみは あちこち悪いと待合で 薬並べて笑い合うとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 「独楽吟」三首、いずれも「そうそう・・・納得」と言える短歌ですが、
 温かな観察眼に裏打ちされた写生と、詩情、さらに上質なユーモアを備えた
 確かな詠歌と考えます。特に二首目は、春を待つ人々の期待と喜びを、うまく
 表現して共感が持てます。「ぷっくり膨らむ」の表現も効いています。


☆初夏日 やっと咲きだす しだれ梅
   春夏(しゅんか)の乱れ
      時世(じせい)に似たり
☆山の峰 雲と重なる 水蒸気
   久しく降った
      雨は夜中に

                         クロママさん

【解説】
 三月にして、気温28℃と夏日も観測されるご時世ですが、まさに「春夏の乱れ」を
 感じます。一首目はそんな異常気象を詩情豊かに歌った素敵な詠歌です。
 二首目は久々に嬉しいお湿りでしたが、そんな喜びが歌われて共感を呼びます。
 表現を少し工夫してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★峰はるか 雲と霞のたなびくは
    昨夜の雨の
       名残りやうれし


☆春暁に はるか鐘の音ひびきくる ほころび初める 梅の香もつれ
                         ポエット・M

【解説】
 少し前に詠んだ短歌ですが…、春の曙を縫って時を告げる寺の鐘の音が響いてきます。
 そんな時に仄かに梅の香が漂ってきます。遅咲きの臥竜梅の香りかも知れませんが、
 まさに、鐘の音が運んだかに感じ詠んでみました。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (27)
7.折々の歌 (1)

   あるおりおり、ふと心におぼえしを、・・・・
                   「建礼門院右京太夫」

 ただ一言
   「泪」と茶碗に
       記したる
     利休よ汝れの
       死の哀しさよ

   ありがたや
     老師自ら
       手彫りたる
      愛花の二文字
        芸術の印

       「人生は
          短しされど
            芸術は
           長し」と言うも
             哀しかりけり

     我が義母と
       言えどもかかる
            嘘八百
         閻魔大王
           舌抜き給え

    一期とは
      夢よと言うに
         歌人すら
       平々凡々
         平々凡々
 
   精神の
     光も影も
        無き女
      自業自得か
        恋せし男




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【万葉集及びそれ以前の和歌について】
「上代歌謡」

 和歌が現れる以前に、感情の高まりから発せられた叫び、掛け声が次第に成長して、
 祭や労働の際に集団で歌われるようになった歌謡があったといわれています。しかし、
 多くは文字に記されることなく失われてしまったと言われています。
 それら歌謡が現在見られる五音七音でもって構成される和歌となるまでには、その
 形式に様々な過程や変遷を経たと見られます。現在『古事記』『日本書紀』
 『風土記』『万葉集』『古語拾遺』『琴歌譜』『仏足跡歌碑』などに収録される
 韻文を上代歌謡と称しています。その多くは五音や七音の句で構成されるなど、
 すでにかなり洗練された内容となっています。

「記紀歌謡」
 『古事記』『日本書紀』に採られた上代歌謡を、特に記紀歌謡と言います。独立した
 歌謡ではなく、物語の効果を高めるために用いられていることが多いのですが、
 宮廷人が歌った儀式の歌謡や、創作もあるとされています。片歌、旋頭歌、短歌、
 長歌などの五音と七音を標準とする歌体に、対句、繰り返し、枕詞、序詞などの技法が
 用いられています。
 上代歌謡は神楽歌や催馬楽などの楽器を伴う儀式歌の源流となりますが、その歌体、
 技巧は後の和歌の母胎ともなっています。

「万葉集」
 大和朝廷の日本統一が確立してゆく中で、大陸から漢詩が入ってきた影響もあり、個人の
 気持ちや感情を表現する歌が盛んに作られるようになりました。それらを集大成したのが
 『万葉集』です。万葉集の注記によりますと、万葉集以前にも『古歌集』『笠金村歌集』
 『柿本人麻呂歌集』『高橋虫麻呂歌集』『田辺福麻呂歌集』『類聚歌林』などがあったと
 されていますが現存していません。『万葉集』は長い期間を経て多くの人々によって
 纏められましたが、最終的には大伴家持が現在の二十巻の形に編集したと言われています。
 約4500首が収められており、その最も古いものは仁徳天皇の代のものですが、大部分は
 飛鳥時代から奈良時代中期にかけての約100年弱のもので占められています。
 貴族の歌のほかに東歌、防人歌など民衆の歌もあり、現実的、写実的な歌風が多いと
 されています。
                   参照: 「上代歌謡と万葉集」 岡本雅彦著 等



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
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