四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その27)

2022年03月23日 05時04分42秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その27)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
   ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
        皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。        ☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「三浦海岸周辺に咲く 河津桜」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】3月13日北京冬季パラリンピックは閉幕しました。特筆すべきは村岡選手が滑降・
    スーパー大回転・大滑降で金メダルを3個獲得しました。彼女は座位ですがどの
    選手よりも滑らかな滑りで上手いと思いました。あっぱれという他ありません。
    凄い選手です。
☆その滑り 誰よりも早く なめらかで 得意のコーナーワーク 他者寄せ付けず
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】パラリンピックの選手たちに私たちも胸うたれ学ぶことは多くありました。
    それは「自分を信じる」「信じる力」が凄いと言うことです。
☆健常者が 障害者に学ぶ パラリンピック それは自分を 信じる力
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】「独楽吟を」久しぶりに私も詠んで見ました。朝のコーヒーはキリマンジェロか
    ガティマラを飲んでいます。二つの香りが格別でそれぞれ味も違い交互に楽しく
    飲んでいます。
☆楽しみは 朝からコーヒーの 豆挽いて キリマンジェロの 香りかぐ時
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 いずれも内容の良く分かる短歌と思います。特に二首目は、彼らがこの舞台に立つまでに
 経てきた道のりを想う時、涙なしにはいられません。それぞれが背負った運命のドラマと、
 それを乗り越える過程ではらわれた努力、苦悩、葛藤は、我々の理解を遥かに超えていると
 感じます。その中でこそ培われた「自らを信じる力」であったと思っています。それゆえに
 耀いているのだと思います。
 何よりも「人の持つ可能性と未来」を指し示してくれている、彼らの誠を詠った感動的な
 詠歌と思っています。少し表現を工夫してみましたがいかがでしょうか。
 ★葛藤を乗り越え挑むパラリンピック おのれ信じる極みがここに


【詞書】私の悪口を書き連ねたblog記事は、幸か不幸か抹消されたようですが。
☆気がつけば空は春空とりたちは飛びて恋歌鳴き交わしゐき
☆春の花咲き満ちてゐる道ゆけば鬱も少しは和らぐらむか
☆屋内にゐるより屋外あたたかく春来にけらしと気づくわたくし

                         びこさん

【解説】
 まだまだ悪質な書き込みが続いていることに私自身も憤りを感じます。スルーしようと
 しても中々平静で居られないことは十分理解できます。
 国家も戦略としてフェーク情報を垂れ流す時代ですが、それに染まらず揺るがない
 「固」の確立が、私達一人一人に求められているとも感じます。
 六首出詠頂きましたが、「春」を色濃く感じさせる上記の三首を選定させて頂きました。
 一首目、小鳥たちの恋の季節が既に始まっていますね。そんな華やぎに私たちも
 あやかりたいと思っています。そんな気にさせる明るく前向きな良い歌と思います。

【詞書】毎年3月頃から、私の散歩コースの川沿いに産卵の為に鯉が数百匹あつまります。
    その様子が生命の神秘を通り越して、生き抜く命です。
☆体長の小、大、巨大鯉の群れ春の川面にしぶきの跳ねる
☆三月の川面に黒く波の立つ恋のさや当て鯉の産卵
☆バシャバシャと水面波だつ産卵の数百の鯉の命の乱舞

                         リコさん

【解説】
 川沿いに「産卵の為に鯉が数百匹」集まる景観は、壮観でしょうね。
 鮭の産卵への遡上場面も「命の営み」の厳粛さを感じさせますが、鯉の産卵もそれ
 以上の迫力があろうかと拝察いたします。
 まさに「生き抜く命」「命の乱舞」を表現した、迫力のある詠歌と考えます。
 そんな「命の乱舞」中でも想いを遂げることなく、自らの子孫を残しえなかった鯉の
 存在もあるやも知れませんので、二首目を「恋に破れる鯉」として詠って見ました。
 ドラマ性を少し組み込み、恋と鯉とを掛けてみました。
 なお、ご参考は、リコさんとネットで意見交換した結果を掲載いたしました。
【ご参考】
 ★黒々と河面波立つ産卵に 恋に破れる鯉の叫びも


【詞書】ワクチンのデメリット情報を出したくない思惑が最近はうっすら見えてきました。
    そのことを詠みました。
☆真実を 示せぬ訳の 気配あり 闇夜の烏 何処に居るや
                         さわやか♪さん
【詞書】メリットとデメリットの攻防戦が繰り広げられている気がします。中国の故事を
    使って正しく理解することを詠いました
☆情報は 命守りし 盾となる 盤石を期し 矛もつかめよ
                         さわやか♪さん
【詞書】情報の比較検討を政府は言っています。実際はデメリット情報が出されていない
    ので役不足の情報のことを詠いました。
☆比べよと 声高らかに 唱えおる 示されしもの 絵に描いた餅
                         さわやか♪さん

【解説】
 『「詩情」的なものに心を配りました』と作者は言われていましたが、その姿勢は、
 抒情詩でもある短歌を詠むうえで大切な心構えと思います。私も未だ出来ていませんが…。
 いずれも難しい題材を扱い、すっきりとした詠歌に仕上げており、分かりやすい歌と
 思います。三首目を少しアレンジしてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★比べよと 声高らかに 唱えおる 示されぬもの あまたあるのに




【詞書】イマジンを 二首
☆Imagine 
   今日も軛と足枷と重荷を背負っている
             夢すらみない
☆変わったかって?
   耳を澄ましてご覧?
      全て希望のままではないが

                自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 ウクライナの進攻を思う時、ジョン・レノンのイマジンを聴きたくなる。
 進攻するロシアの兵士も、守るウクライナ兵士も、砲撃に怯える市民も、とても寒く
 辛い中にいる。
 停戦協定が成立して、ロシア軍が撤退する事を世界中の人々が願っている。
 以下URLにImagineのYouTubeを貼り付けているので、愚永も併せてご覧頂ければ
 幸いである。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a2c91307fe1995433f08bbf8e14c55c6

【解説】
 偶然でしょうか。私も他のブログで「イマジンを聴きたくなる」との短歌を
 アップしました。想いを共有出来て嬉しいです。
 ジョン・レノンの唄う「殺す理由も死ぬ理由も無く」の歌詞が、いま痛切に
 心に響きます。何よりも「即時停戦」を実現したいですね。
 なお「耳を澄ましてご覧?」の句に、微かではありますが、希望を感じます。


☆春霞 桜前線 聞こえ来る
      平和の声と なって届けよ

                         クロままさん

【解説】
 ウクライナの人々に、桜前線を「平和の声と」して届けたいですね。そんな思いを
 起こさせる詠歌と思います。
 春を待ちわびて慎ましく暮らす人々。その平和な日々が一方的に奪われ、戦禍の下に
 投げ出された人々の生活を思うと心が痛みます。停戦が一日も早く実現することを
 心から祈りたいと思います。


☆たのしみは いらないからねと言いつつも 姉の宅配待っているとき、
☆たのしみは 探し歩いた樹に会えて 咲けし花など見つけたるとき
☆たのしみは 心つながる絵手紙が ポストの中に一枚あるとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 独楽吟の良さと、その描き、表現する世界の広がりを改めて感じています。
 「探し歩いた樹に会えて」「心つながる絵手紙が」の核心をなす言葉のもつ
 重さと、喚起力に学びたい想いです。
 なお、三首目の「一枚あるとき」の句の「一枚」に作者の奥ゆかしさを
 感じます。


【詞書】北国も太陽の軌道が高くなって、ふと春の始まりを感じました。
☆彼岸入り野鳥の台の餌米を春よ早くと大盛りにする
                         『楕円と円』さん

【解説】
 「春は光から」と伺ったことがあります。立春から春分にかけての時期を「光の春」と
 呼ぶようですが、事実この時期は日差しを見るとすっかり春と感じることが あります。
 「光の春」はもともとはロシアで使われていた言葉とのこと。ロシアでは長く厳しい冬が
 終わりに近づき少しずつ日が長く、空が明るくなっていくのを感じる2月を「光の春」と
 呼ぶようです。
 ロシアでは今、心ある方がこの国を後にしているとのニュースに触れましたが、大統領の
 暴走を一刻も早く止めないとウクライナはもとより、世界の破綻が危惧されます。
 「春よ早くと大盛りにする」との句に『楕円と円』さんのお人柄と、優しさが滲む
 温かな詠歌と思います。


☆イマジンを今こそ唄う さざ波もやがてうねりと 成るを信じて
                            ポエット・M

【解説】
 ロシア政府のウクライナ侵略戦争に反対するために、投獄される危険を冒して街頭に
 出たロシアのデモ参加者たち。ウクライナの人々を同胞と見るロシアの真の心をもつ
 彼らへの連帯を込めて、さらに理不尽な侵略に身を賭して闘うウクライナの人々への
 連帯を込めて「イマジン」の歌声を届けたい。その想いで詠ってみました。
 国連が機能不全を起こしている中で、この戦争を停める手段はかなり限定されて
 いますが、私たちの「小さな声」が「さざなみ」になればと思っています。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (28)
7.折々の歌 (2)


   あるおりおり、ふと心におぼえしを、・・・・
                   「建礼門院右京太夫」
 キリストも
   知るや知らずや
       今の世の
     ユダ子のかかる
       キスの苦さを

   もう泣くな
     涙を拭いて
       立ち上がれ
      裏切り者に
        牙をむけ

       ヌーボーは
          虫と草木に
            恋をして
           デコの幾何学
             模様のとりこ

     ブランディ―
       グラスを取りて
           この地球(ほし)へ
         近づく赤き
           火星(ほし)に乾杯

    我が歌も
      我が人生も
         破綻調
       恩師よゆるせ
         他に道なし
 
   しんまいの
     カラスが鳴くか
        かあ~かあ~と
      鳴かずに区切って
        カッカッと鳴くは




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【万葉集以降の歌集】
「万葉集」前回説明していますので、概要のみ記します。
 〇作成時期:奈良時代
 〇特徴:現存する日本最古の歌集(全20巻 約4500首)で、天皇から防人、農民まで
     様々な階層の人々に関わる和歌が収録されています。
     なお、元号「令和」の出典元となったのが万葉集第5巻で、そこに収録されて
     いる「梅花の歌(梅花歌三十二首并せて序)」から引用されました。

「古今和歌集」
 〇作成時期:平安時代
 〇特徴:日本最初の勅撰和歌集(天皇や上皇の勅命によって編集された和歌集)
     (全20巻 約1100首)醍醐天皇の勅命で,紀貫之らが編集。
 古今和歌集は勅命により国家の事業として和歌集を編纂する伝統を確立した作品であり、
 八代集・二十一代集の第一に数えられています。平安時代中期以降の国風文化確立にも
 大きく寄与しました。
 また、古今和歌集は仮名で書かれた仮名序と真名序の二つの序文を持ちますが、仮名序に
 よれば、醍醐天皇の勅命により万葉集に撰ばれなかった古い時代の歌から撰者たちの
 時代までの和歌を撰んで編纂し、延喜5年(905年)4月18日に奏上されました。
 ただし現存する古今和歌集には、延喜5年以降に詠まれた和歌も入れられており、
 奏覧ののちも内容に手が加えられたと見られ、実際の完成は延喜12年(912年)ごろと
 の説もあります。撰者は紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の4人です。

「新古今和歌集」
 〇作成時期:鎌倉時代
 〇特徴:勅撰和歌集(約2000首)後鳥羽上皇の勅命で,藤原定家らが編集
 新古今和歌集は鎌倉時代初期、後鳥羽上皇の勅命によって編まれた勅撰和歌集。
 古今和歌集以後の8勅撰和歌集、いわゆる「八代集」の最後を飾っています。
 古今集を範として七代集を集大成する目的で編まれ、新興文学である連歌・今様に
 侵蝕されつつあった短歌の世界を典雅な空間に復帰させようとした歌集でもあります。
 古今以来の伝統を引き継ぎ、かつ独自の美世界を現出しました。
 「万葉」「古今」と並んで三大歌風の一である「新古今調」を作り、和歌のみならず
 後世の連歌・俳諧・謡曲に大きな影響を残しました。
                      参照: ウィキペディア日本語版 等



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                       了
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