#7日間ブックカバーチャレンジの3冊目は
『悪い本』宮部みゆき 岩崎書店・怪談えほんシリーズ1
です。パチパチ!
当代きっての人気作家たちが、大人も怖がる絵本を作る!という鳴り物入りで始まった企画で、どれも期待を裏切らない作品ばかりです。ネタバレになりますが、シリーズのいずれの絵本たちも子どもが読んだらトラウマになるようなものなのに対し、『悪い本』は、読んでも大抵の子どもは怖がりません。それは恐らく『悪い本』なんて別に要らないと思っているからです。
だけど大人は思うのです。いつか自分もこういう気持ちになるときが来るのかもしれないと。悪とは遠くにあるものではなく、すぐそばにいつもいるのだと。
タランティーノの『デスプルーフ』という映画で、人気ラジオDJのジャングルジュリアから「今夜男に口説かれたら、あなたはラップダンスを踊るのよ」と言われ、「ふざけないで、そんなことする訳ないでしょ!」と一笑に付すバタフライ。ラジオでそんなことを言われてしまったので、今夜はアホな男どもがわらわらと寄ってくる?!
「バカにしないでよ!私がそんなはしたないことを行きずりの男相手にする訳ないから。ああ、ウンザリ!」
しかし、断る以前に、夜が更けても誰ひとりバタフライに声をかける男は現れない。そして、、、、、、、
ほとんどの人は、相手を罵ったり、貶めたり、ダークサイドに堕ちたりしません。しかし、絶望に打ちひしがれたとき、自分の尊厳を傷つけられたとき、逃げ回って選択肢がそれしか見つからないとき、、、、、自分でも思いもよらなかった内なる悪が『悪い本』を手繰り寄せ、ページをめくらせる。一度ページをめくると最後。次から次に読み進めていってしまう、、、
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