最後の瞽女(ごぜ)と呼ばれた小林ハルさんを題材とした映画『瞽女GOZE』を観てきました。パチパチ!
小林ハルさんについてはこちら
平成17年(2005年)に105歳で亡くなった小林ハルさんは、国の無形文化財いわゆる人間国宝に認定され、黄綬褒章を授与されてもいます。しかし、その生涯は辛く厳しい、壮絶なものであったそうです。
この写真のシーンは、真冬に薄着で大声を出して歌い、喉を鍛える訓練。ガクブルガクブル。
以下、ネタバレあり(反転させて読んでください)
とりあえずですね、想像通りの展開です。予告編を見れば、まあ、こうなるだろうなと。それにしても、、、、いやあ、やりすぎですよ~。いくらなんでも、もうちょい丁寧に教えるでしょうってくらい、つっけんどん。目の見えない娘を、一人で生きていけるようにと、心を鬼にして厳しくしつける母トメ。
「おめえは弱音を吐いたな!」
「カカ様、勘弁してくんなっしええっ!」
「何度言ったら分かるんだ!まんまは抜きだよ!」
「カカ様~っ!」
ランプの明かりに寄ってくる虫の羽音を聞いて、「あの虫は明るい目を持ってるんだろうなあ(目が見えるんだろうなあ)」と言います。
それを聞く母トメは娘が不憫で仕方ないのですが、決して抱き寄せたりはせず、ハルには、気づかれないように声を押し殺して泣きます。
もうですね。始まって5分で涙腺崩壊。母親の気持ちを思って涙、ハルがかわいそうで涙、いい人に助けられて涙、、、、、
2歳で父親に死なれ、やがて母亡きあとは、サワ親方を母と慕うが、やがてサワにも逝かれ、、、ストーリーはべた過ぎるのですが、ホントの話なんだから仕方ない。カメラワークも平々凡々。だけど、新潟の野山の景色が美しい!
どうでもいいけど、小林綾子が出ると未だに「あ、おしん!」と思ってしまう、、、本人はイヤだろうけど(^^;)
やがて、自分も盲目の少女を弟子にとることになり、7歳のハナヨを厳しくしつけます。目の見えないハナヨが、針に糸を通せないと駄々をこねるが、ハルはそれを許しません。それは、かつてハルも通ってきた道だからです。
「手だけに頼るな!おめえの身体は全部が目なんだ!」
「ううっ、親方は鬼だ、、、」
幼いハナヨに言われ、ハルは、かつて自分が母トメに同じ思いを持ったことを思い出します。そして気が付くのです。
ああ、カカ様は自分が憎くて厳しく躾けたんじゃない、すべて私のために鬼になってくれたんだと、、、、
ひたすら泣かされっぱなしでした。いやはや、まいった。
「もし次の世に生まれたら虫でも良い、明るい目を持って生まれてぃなぁ」の言葉が重いです。
映画の最後に、96歳の小林ハル本人の歌が写真と共に流れるのですが、今流行りの言葉じゃなくて、本当に尊い、思わず手を合わせたくなるような尊さが、そこにありました。
それと、観に行ったのが、『シネマ・チュプキ・タバタ』という、とっても素敵な映画館なので、その話はまたいずれ。
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