教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

日本教育学会大会参加、8月始末記

2009年09月01日 19時19分50秒 | Weblog
 28日・29日、日本教育学会第68回大会(於・東京大学)に参加してきました。実は、日本教育学会の大会に参加したのは、これが初めて。教育学の諸分野の研究者が一堂に会する学会は、やはり規模が違いました。挨拶しなきゃいけない友人や先輩も多く参加しており、発表以外にも忙しい日々でした。総会での報告によると、第1日目の来会者数だけで500名を超えたそうです。
 発表「大日本教育会単級教授法研究組合報告の内容」はまずまず。昨年『教育学研究』に載せていただいた内容の続きです。同研究組合の研究成果を、高等師範学校附属学校編『単級学校ノ理論及実験』と比較しつつ内容分析し、学級制導入後の教師の資質のあり方を示すものとして捉えようとしました。フロアからは、単級教授法と多級教授法との違い、単級学校教師に求められた「才幹」は養成できるのか、教師教育の文脈における単級教授法研究組合報告の歴史的意義などについて、質問が出ました。思ってもいなかった指摘もいただくことができ、非常に有意義な研究発表になりました。
 私が参加したのは教師教育関係の部会や課題研究などでした。そのため、今教育学会でホットな話題として、とくに現職の力量形成に関する教師教育問題があるのかもしれない、と感じました。今は、反省的実践家としての教師像の普及、不適格教師、免許更新制など、現職教員の力量形成が重要な問題として浮上しています。なるほど、教員養成・研修よりも広く教師の力量形成を捉える「教師教育」が、もてはやされるのももっともだ。この傾向は、常々考えていた研究の方向性と合致するものであり、今後の研究活動への意欲をわかせてくれました。忙しい毎日を割いて、参加したかいがあったと思います。
 研究の向かう先に思い悩む学徒は、まずいろいろな学会に参加してみるといいかもしれません。学会でいろんな指摘を受けたり、発表を聞いたりするうちに、突破口が見えてくるかも。

 昨日、8月末日〆切の原稿も、ひとまず仕上げました。8月は地味に忙しかったです。8月前半は、試験・学生指導に追われっぱなし。机に座って研究できるかなと思ったら、電話がかかってきてお仕事追加。お盆だけ実家に帰りましたが、お盆明けはすぐに8月前半の続きのお仕事。このままでは発表がヤバいと思って、時間を縫うように発表準備に取り掛かり、最終週が始まる前になんとか形にしました。また、最終週からは実習が始まり、実習園へ訪問指導に行きました。そんな中の学会発表。そして、原稿〆切。常にギリギリ綱渡り、スケジュール繰りの難しい月でした。
 何はともあれ、何とか8月は終わり。これで後期の授業づくりに力を割くことができます。また、突発的に大学の仕事が忙しくならなきゃいいのだけど…
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