投稿に少し時間があきました。連休は家族と過ごし、連休明けはかなり無茶な超過密状態のスケジュール。何とかこなして、ようやく週末を迎えることができました。
さて、テキストの紹介が途中でした。先月4月1日にKindle版テキスト第2巻を出版しました。今回はその第1~6章の目次詳細を紹介します。
拙著『教師・保育者論―研究する教育者』は、第1部(第1~9章)を「教師・保育者論」、第2部(第10~13章)を「教育学入門」として、学校教師と保育者を「教育者」として関連付けて論じ、特にその「研究」する側面を強調するように編集しました。なぜ教師・保育者は必要か。これから教師・保育者はどのように生きていくべきか。AIの進歩が著しい現代、教師・保育者の仕事はAIにとってかわられるかもしれないと言われています。教師・保育者という職業とは何か、どうあるべきか、今その存在や理想像が揺らいでいます。教師・保育者そのものの研究は、いま必要な研究です。
本書は、教師・保育者の現職や志望者にはもちろんですが、一般の国民・市民にとっても有益だと考えます。教育政策・制度の在り方を決めるのは有権者ですし、これからの学校改革や運営において、コミュニティスクール制度や地域学校協働活動が重要な役割を果たすことになります。その担い手は一般の国民・市民です。そのため、教師・保育者ではない一般の国民・市民が、教師・保育者の専門性や特性に関する理解を進めることはとても大事なことです。
さて、第1部第1章では、日本で学校教員・幼稚園保姆が誕生した歴史を踏まえて、教師・保育者とは何かを考察する手がかりをつかみます。そして、第2~6章では現代日本において求められている教師・保育者の役割とそれにまつわる課題(難題)について考察します。すなわち、第2章では「学び続けること」、第3章では「長時間労働」、第4章では「子どもを愛すること」、第5章では「奉仕すること」、第6章では「子どものモデル」という問題をそれぞれ取扱います。現代日本の教師・保育者は、子どもを愛し、子どもの生き方のモデルとしてふるまい、子ども(または保護者)に奉仕することを求められ、それゆえに学び続け、長時間労働もいとわないことを求められています。このような教職・保育職の知的かつ感情的な労働という諸側面を踏まえて(教育はもちろんですが、「ケア」の面も含めて)、現代日本の教師・保育者のあり方を論じていく構成になっています。
白石崇人『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle、2022年。
序 章 教師・保育者のあり方を考える視点
第1部 教師・保育者論
第1章 教師・保育者とは?―日本における教師・保育者の誕生
1.学校教員の誕生
(1)学校教員以前における寺子屋師匠の誕生
(2)学校教員の誕生と根源的課題
2.保姆の誕生―「子守」から「教員」へ
(1)保姆養成の開始―見習いによる速成的養成
(2)教員養成における保姆養成
(3)キリスト教系の保姆養成施設
第2章 教師・保育者はなぜ「学び続ける」か?―「学び続ける」の系譜
1.「学び続ける教員」を求めて
(1)教師・保育者が「学び続ける」ことの法的根拠
(2)2012年中央教育審議会答申の「学び続ける教員」像
2.学び続ける教師・保育者の起源 (明治期から戦後までの教員史を見通して)
第3章 教師・保育者はどのように生きるか?―長時間労働問題
1.公立小中学校教員の長時間労働の問題化
2.教員の労働時間の法的基準
(1)公立学校教員に適用される給特法
(2)教員の労働時間に関する労働基準法の規定
(3)「自発的行為」をどう扱うか
第4章 「教育愛」とは?―教育的関係における機能
1.教育愛とは?
(1)教育的関係と教育愛
(2)愛の一種としての教育愛
(3)教育愛の機能
2.倫理と教育愛
3.教師・保育者の倫理―全国保育士会倫理綱領を例に
(1)「子どもの育ちを支える」という倫理
(2)「子育てを支える」という倫理
第5章 公教育における「奉仕」とは?―教育サービス論の再考
1.公立教員(教育公務員)はサービス業か?
(1)「公の性質」を有する学校教育
(2)公教育=サービス論が見落とすもの
2.公教育=サービス論を乗り越える
(1)「サービス」概念を乗り越える
(2)学校教員と塾講師の比較
第6章 人間形成に関わる教師・保育者とは?―モデル、受け止める
1.子どもを「受け止める」ことの意味
(1)子どもの主体的活動を受け止める
(2)子どもを主体として「あるがまま」を受け止める
(3)相互主体的に受け止める
2.子どもとの関係を描くエピソード記述
……
さて、テキストの紹介が途中でした。先月4月1日にKindle版テキスト第2巻を出版しました。今回はその第1~6章の目次詳細を紹介します。
拙著『教師・保育者論―研究する教育者』は、第1部(第1~9章)を「教師・保育者論」、第2部(第10~13章)を「教育学入門」として、学校教師と保育者を「教育者」として関連付けて論じ、特にその「研究」する側面を強調するように編集しました。なぜ教師・保育者は必要か。これから教師・保育者はどのように生きていくべきか。AIの進歩が著しい現代、教師・保育者の仕事はAIにとってかわられるかもしれないと言われています。教師・保育者という職業とは何か、どうあるべきか、今その存在や理想像が揺らいでいます。教師・保育者そのものの研究は、いま必要な研究です。
本書は、教師・保育者の現職や志望者にはもちろんですが、一般の国民・市民にとっても有益だと考えます。教育政策・制度の在り方を決めるのは有権者ですし、これからの学校改革や運営において、コミュニティスクール制度や地域学校協働活動が重要な役割を果たすことになります。その担い手は一般の国民・市民です。そのため、教師・保育者ではない一般の国民・市民が、教師・保育者の専門性や特性に関する理解を進めることはとても大事なことです。
さて、第1部第1章では、日本で学校教員・幼稚園保姆が誕生した歴史を踏まえて、教師・保育者とは何かを考察する手がかりをつかみます。そして、第2~6章では現代日本において求められている教師・保育者の役割とそれにまつわる課題(難題)について考察します。すなわち、第2章では「学び続けること」、第3章では「長時間労働」、第4章では「子どもを愛すること」、第5章では「奉仕すること」、第6章では「子どものモデル」という問題をそれぞれ取扱います。現代日本の教師・保育者は、子どもを愛し、子どもの生き方のモデルとしてふるまい、子ども(または保護者)に奉仕することを求められ、それゆえに学び続け、長時間労働もいとわないことを求められています。このような教職・保育職の知的かつ感情的な労働という諸側面を踏まえて(教育はもちろんですが、「ケア」の面も含めて)、現代日本の教師・保育者のあり方を論じていく構成になっています。
白石崇人『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle、2022年。
序 章 教師・保育者のあり方を考える視点
第1部 教師・保育者論
第1章 教師・保育者とは?―日本における教師・保育者の誕生
1.学校教員の誕生
(1)学校教員以前における寺子屋師匠の誕生
(2)学校教員の誕生と根源的課題
2.保姆の誕生―「子守」から「教員」へ
(1)保姆養成の開始―見習いによる速成的養成
(2)教員養成における保姆養成
(3)キリスト教系の保姆養成施設
第2章 教師・保育者はなぜ「学び続ける」か?―「学び続ける」の系譜
1.「学び続ける教員」を求めて
(1)教師・保育者が「学び続ける」ことの法的根拠
(2)2012年中央教育審議会答申の「学び続ける教員」像
2.学び続ける教師・保育者の起源 (明治期から戦後までの教員史を見通して)
第3章 教師・保育者はどのように生きるか?―長時間労働問題
1.公立小中学校教員の長時間労働の問題化
2.教員の労働時間の法的基準
(1)公立学校教員に適用される給特法
(2)教員の労働時間に関する労働基準法の規定
(3)「自発的行為」をどう扱うか
第4章 「教育愛」とは?―教育的関係における機能
1.教育愛とは?
(1)教育的関係と教育愛
(2)愛の一種としての教育愛
(3)教育愛の機能
2.倫理と教育愛
3.教師・保育者の倫理―全国保育士会倫理綱領を例に
(1)「子どもの育ちを支える」という倫理
(2)「子育てを支える」という倫理
第5章 公教育における「奉仕」とは?―教育サービス論の再考
1.公立教員(教育公務員)はサービス業か?
(1)「公の性質」を有する学校教育
(2)公教育=サービス論が見落とすもの
2.公教育=サービス論を乗り越える
(1)「サービス」概念を乗り越える
(2)学校教員と塾講師の比較
第6章 人間形成に関わる教師・保育者とは?―モデル、受け止める
1.子どもを「受け止める」ことの意味
(1)子どもの主体的活動を受け止める
(2)子どもを主体として「あるがまま」を受け止める
(3)相互主体的に受け止める
2.子どもとの関係を描くエピソード記述
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