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文楽(「伊達娘恋緋鹿子」 八百屋お七)

 文楽(人形浄瑠璃)にはとても惹かれる。

 なにか人の絵を描くのと、根本に共通するものがあるような気がする。

 ただの人形に魂を込める人形遣いと、さらの紙面に人を描きこんでいく絵描きと、

どこか共通するものを感じているからだろう。

 パソコンで、文楽の画面を見ながら、紙に移してみる。

 有名な「八百屋お七」を描いた「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」の舞台である。

 恋人のために死罪を覚悟で半鐘を鳴らすお七。雪で滑る梯子を必死で登り、やっと上に辿り着いた瞬間、ふと後ろを向いて江戸の町を見やる姿の、狂気に満ちた美しさ。

 こんな舞台を作り上げた人々の情念の凄まじさを思う。

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女性像(ラフスケッチ 3)

何となくスケッチしたものが、捨てる踏ん切りもつかずに溜まってしまうことがある。

とくにテーマもなく描くので、タイトルも付けられない女性像などである。

でもずっと取っておくと、見ているうちにそれは一つのキャラクターと化してしまって、妙な愛着が湧いてくる。

で、そういうものも時にはアップしようと思う。

本当にラフなものである。

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岡野雄一さん新作CD

若い頃、一緒にマンガの同人誌(?)をやっていた岡野雄一氏から、最新作のCDを送っていただきました。
岡野さんは昨年『ペコロスの母に会いに行く』という、認知症の母上の介護を主題にしたマンガが大ヒットして映画化され、その映画がキネマ旬報1位になるという、超大ブレイクした漫画家さんです。長崎在住ですが、若い頃東京で暮らしていた時期もあり、その時期に私は人の紹介で知り合ったのでした。
30年ほど前、荻窪の南口からほど近い所に「元気」というスナックがあり、そこで夜な夜なマンガ好きや作家、編集者、文化人的人物が集って酒を飲み、深夜に百人一首のカルタ取りをしたりするうちに、ついにそこで同人誌を作ろうという話になったのでした。
編集長が岡野さん(編集者だったので)で、同人は自分の作品掲載ページを自腹で買い(文章は1ページ500円、マンガ・イラストは1000円)、製作費としました。プロの作家も例外ではありませんでした。
タイトルは『げんまん』(「元気マンガ研究会」の略だと人には言っていましたが、たぶん語感がいいので決めたのだと思います)。
私もそこにマンガを載せ、岡野さんももちろんマンガを描きました。年1回、6号まで出しました。
今から思うと、楽しい経験でした。ある意味「青春」だったのかもしれません。
さて昔話はこのくらいにして、なぜCDかというと、岡野さんはその頃からすでに音楽をやっていて、ギターを引いて歌っていました。こちらの道もベテランです。すでにCDは3枚リリースしていて、今回が4作目です。
サウンドが厚くなっていて、岡野さんらしさがとても良く出ています。岡野ワールド炸裂です。
興味をお持ちの方のために、CD番号を記します。

FRCD-7038
fracture recordsからのリリースです。

岡野さんの『ペコロスの母に会いに行く』もよろしく。現在「週刊朝日」でも連載継続中。
絵は、岡野さんのイメージを(30年前ですが)自分なりに。
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茶摘み

茶摘みの季節である。
そのニュース写真を見ていたら、不思議な違和感を覚えた。
「茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠(かさ)」と言われる茶摘み姿を期待していたら・・・
確かに笠はかぶっていないが、襷をかけた姿で茶摘みをしている女性たち。
しかし何かそれらしくない。
良く見ると、全員ロン毛か茶髪である。
あまりにも今風すぎて、しかも作業姿とはとても思えない。
まあ茶摘みイベントのための「ミス〜」といった人たちなんだろう。
ネイルなんかもしたままかもしれない。
まあいいけどさ。季節感を過剰に期待しなければいいんだよね。きっと。
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女子野球マンガイラスト 6 スライディングキャッチ!

また普通の記事に戻りますね。
いつもの野球イラスト。
取れるか取れないか、一か八かのスライディングキャッチ。
決まると格好いいですが、失敗すればブーイング。
そこを敢えてやる。
そこがまた格好いい、と思えるんですね。
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寒い寒い

寒いよう。
ついこの間まで、いつまでこんな暑さが続くんだ、と
文句を言っていたのに、
こんなに寒いと、またぞろ暖かい日が恋しくなって来る。
勝手なものだけれど、この繰り返しがあるから、
暑さ寒さも我慢できるんでしょうね。
このリズムが失われるほど温暖化が進まなければよいのですがね。
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時代物の考証の難しさ


時代物のマンガを描こうとすると、どうしても衣服・髪型などの時代考証が必要になる。
 とはいうものの、こちらも専門家ではないから数少ない書籍で探ったりするわけだが、結構これが大変である。
 昔、溝口健二監督の「山椒大夫」に感激して、マンガに移してみたことがあった。当時はビデオすらまだ無かったから、映画館で見た記憶と、日本服飾史や日本結髪史の本を読み、そこの写真や挿絵から何とか真似事をした。楽しかったが大変だった。公的な場に出る衣装は資料が比較的あるのだが、平安時代の日常生活で来ていたものとか庶民の髪型とかは、恐らく資料自体が少ないのだろう、ろくに出ていないのである。
 「扇面法華経」という、下絵の上に経文を書いた平安時代の扇があって、その下絵に当時の子供の姿などがあり、資料にもそれが出ていたりするのだが、他にもそれに似た資料はあるのだろうか。恐らくそんなに残ってはいないのだろう。古い建築物に描かれた落書きなどが大量にあれば、もっとはっきりしたことが分かるのだろうが、とにかく古い時代を描こうとすると大変である。ここに描いたのは、平安時代の上流家庭の女児の単(ひとえ)姿である。子供だからこんな感じの格好で遊んでいたらしい。扇面法華経の絵から、少し想像もまじえて描いてみた。
 明治時代も、意外と資料が少ない。江戸時代の方が資料は豊富ではないだろうか。例えば『坊ちゃん』や『吾輩は猫である』の世界を描こうとすると、意外に分らないことが多いと思われる。「日本風俗史料館」みたいなものがあればよいのだが。そしてそこで編纂された図版集や写真集などがあったら随分と絵を描く者には便利だろうな。贅沢言っているのは分ってるんですけどね。
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似顔絵(クセーニャ・マカロワさん)

同じくNHK杯に出場したロシアの若手選手。
大柄で美形で見栄えのする選手で、伸びてきたら怖い。
ロシアはここのところ力を付けてきた。
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「日本の面影」のこと──子育て幽霊

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の生涯を描いた「日本の面影」というドラマを昔NHKで放送した。私はビデオに録画して見たが、素晴らしい出来栄えで、ハーン役のジョージ・チャキリス、妻・小泉セツ役の檀ふみの好演が光った。
その中に、「子育て幽霊」という怪談を大雄寺(だいおうじ)の墓地で、セツがハーンに語って聞かせるシーンが出色だった。
大雄寺のそばに水あめなどを売っている飴屋があった。そこへある夜から、蒼白い顔の女が一厘だけ水あめを買いに来た。
あまりの顔色の悪さに主人は、どうしたのかね、と訊くが、女は何も答えない。
そうして或る晩、女は店に来たが、お金が尽きたと見えて、ただ立っている。
「どげしたかね。」主人が声をかけると、女は黙ったまま店をでる。主人が追うと、手招きをするかのような素振りで、大雄寺までやって来る。そしてそこの小さな墓の前でふと消えた。
不思議に思った主人が、人を呼んで墓を掘り起こさせると、女の死骸の横に、生きている赤ん坊がいる。そして提灯の明かりを見て笑っている。その横には小さな、水あめの入ったお椀があった。
早まって葬られた墓の中で、赤ん坊が生まれていた。そして女の幽霊は、三途の川を渡るためにと持たされた六厘の金で、水あめを買い求めてわが子を養っていたのである。

この話を語り終えたセツの目に、背中を向けたまま孤独な物思いに沈むハーンの姿が映る。ハーンは幼くして生き別れた母の面影を、子育て幽霊の話の中に見ているのである。
そのハーンを見つめるセツの瞳が切なく、美しかった。

あんな素晴らしい作品がDVDにもならず埋もれているとは実にもったいない話である。
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スウィングする(クラリネット)

以前描いたスウィングガールズ風のイラストを
利用したいというお申し出を受けて、
もちろん喜んでご協力したのですが、
何か少し刺激されて、別のイラストも描いてみようと思い、
クラリネット演奏のイラストを描きました。
それにしても、楽器の構造は複雑ですね。
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おつりの渡し方

店や医者などでお釣りをもらう時、
レジや窓口の人が異常に接触を嫌って
お釣りをトレイにグシャッと置かれたりすると、
あんまりいい気持ちのものではない。
なにも手を握って渡してくれなくてもよいけれど、
まあ手の平に、触らない程度に硬貨を置いてくれたらいいのだ。
昔、中国旅行をした時には、横を向いたまま釣銭を放り投げられたりしたから、
それに比べればまだましだけれども。
喫茶店などで、店の教育なのか、ほとんど手を添えるようにして渡すところもある。
それはそれで、オッサンにそうしなければならないお嬢さんたちが気の毒ではある。
ほどほど、というのは結構むずかしいものだ。
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