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似顔絵(高峰秀子さん・野村芳太郎監督「張込み」)(portrait Hideko Takamine in "The Chase")

時間が無いのもさることながら、絵を描くときの気持ちがゆるんできているような気がするので、

原点に返って、高峰秀子さんのスケッチをする。

映画「張込み」(1958年)の主人公、横川さだ子。

刑事に24時間張込みで監視される女の役。

昔の恋人が殺人事件を犯し、この女の所に現れるのではないかと刑事が見張っている。

さだ子は、遥かに年上の夫と不本意な結婚生活を送っている。

そんな女の所に、本当に犯人は現れるのか。

しかし男は現れた。

男と密会するときのさだ子は、いつもの目立たない主婦ではなく、

きらきらとした表情の「女」になる。

しかし常に不安と隣り合わせである。

その張りつめた陶酔と不安を、高峰さんが見事に演じている。

この写真をスケッチしていて、その感情が手に取るように分かるのに驚く。

自分が描きたかったものを、思い出す。

原点に返る、というのは大切である。

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うたのイラスト(童謡「おつかいありさん」)

「おつかいありさん」は、アリがお互いに急ぎすぎてぶつかってしまう、という情景を歌っています。

しかしアリは実際には触覚や 前足でコミュニケーションを取っていて、

決してこっつんこ、とぶつかっているわけではないそうですが、

そんな風に見えるのを掬い上げて歌うのが詩人というものでしょう(作詞は関根栄一)。

ぶつかったおかげで「わすれた わすれた おつかいを」となるのもユーモラス。

しかしせっかちに動いて物にやたらぶつかったり、

何の用事でここに来たのか忘れる、というのは

日常の私自身ではありませんか。

まさか中高年のアリを歌ったわけではないでしょうが。

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女性像(昔見た中国の劇を思い出して)

 忙しくて絵を描く時間がないので、鉛筆スケッチ。

 35年前に初めて中国旅行をした時に、桂林で地元の伝統劇・桂劇というのを見た。

題目は「西廂記」という昔の恋愛劇だった。もちろんセリフは分からないが、とても美しい舞台だったのを覚えている。

 昔の中国の風俗にはちょっと惹かれる。時々描きたくなる。思い出しつつ1枚。

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うたのイラスト(童謡「みかんの花咲く丘」)

 戦後すぐに作られた童謡。

 みかんの花が咲く丘で、母親と海を眺めた思い出を歌っている曲。

 その情景がまず目に浮かびますが、本当は3番の歌詞が今現在の状況です。

 お母さんと来た丘の上から遠くの島を見ていると、母さんのことが思い出される、と歌っているのです。

 お母さんはもうこの世にはいない。ただみかんの花だけが昔と同じに咲いている。

 一人でたたずんでいるのは、娘さんでしょうか。私はそんなふうに受け取りました。

 川田正子さんという少女歌手(有名だった)が歌った、その声がまたこの歌にぴったりです。その歌と全体の歌詞はネットで味わえます。歌の成立にまつわるエピソードも面白いです。

 懐かしさと悲しみを湛えた、やはりこれは名作でしょう。

 

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