上野駅に向かうと、ちょうど札幌行き寝台特急「北斗星」の入線時間。僕は2度の乗車を果たしているが、沼津の親子にとっては憧れの列車の一つ。旅情を掻き立てられるのは僕も同じで、後のことなどすべて忘れて飛び乗りたい衝動に駆られる。現代に残った数少ない正統派ブルートレインで、末永く活躍してくれることを願う。
特急乗り比べのラスト2本は、常磐特急「フレッシュひたち」で柏まで往復。同じ「フレッシュ」だが、往路の土浦行きは「スーパーひたち」型の651系電車だ。真っ白な車体は褪せることなく、スマートな姿で出迎えてくれた。
車内はリニューアルが施されているものの、基本的な部分は登場時のまま。JR特急としては九州の783系に続く89年デビューで、もう20年選手になるのに、きわめてよくデザインされた電車だということが分かる。783系では細かな部分に「ごつさ」が見られ、この時点では東日本のデザイン力が勝っていたのかなと思う。
座席の座り心地もゆったり、重厚。グリーン車に至っては大柄な3列シートで、東日本の在来線特急では「異例」といえる。土浦まで50分のショートランナーにはもったいない感じで、いつか上野から仙台まで乗りとおしてみたい。
「ライナー」的性格の列車だが、走りも特急としてはもどかしく、快速に前後を押さえられ、思うように走れない。スピードが乗り始めた頃には、もう柏に到着。反対ホームに移り、もう一つの「ひたち」を待つ。
上り列車は元来の「フレッシュ」型・E653系の運用で、通勤特急としての送り込みを考慮してか、14両もの長編成。上りといえどもそこそこ混んでいるのだから、さすがは首都圏である。
車内はビビットな色使いやロゴが目立ち、1997年登場のこの車両から、今も続くJR東日本特急のトレンドを形作った車両といえそう。特に黄色い枕カバーが印象的で、これがなければ車内の華やかさも一段、トーンダウンすることだろう。
シートピッチは910mm。座席を薄くすることで、国鉄車両並みでも居住性を向上させた…との触れ込みだったが、やはり狭い。回転させればなおさらで、定員確保が主眼に置かれた車両である。
足はさすがに早く、余裕ある上り線を軽やかに駆けていく。下りの24分に比べ、上りはわずか19分で上野まで走破。あっという間の2都市間だった。
さて、雄介君も明日は学校。9時前とあらば、もう沼津へ帰る時間だ。東京駅まで出るのに、何も山手線で行く必要はなし。パスの「使い納め」に、上野から東京までMax1階席の旅を楽しんだ。東海道新幹線ホームで「こだま」を見送れば、「鉄分」満載の僕らの一日が終わった。
僕は明日の午前中まで年休を貰っており、明日の1番機のフライトに備え、蒲田のカプセルホテルを予約している。広い湯船に浸かり、ぐっすりと眠った。
つづく
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特急乗り比べのラスト2本は、常磐特急「フレッシュひたち」で柏まで往復。同じ「フレッシュ」だが、往路の土浦行きは「スーパーひたち」型の651系電車だ。真っ白な車体は褪せることなく、スマートな姿で出迎えてくれた。
車内はリニューアルが施されているものの、基本的な部分は登場時のまま。JR特急としては九州の783系に続く89年デビューで、もう20年選手になるのに、きわめてよくデザインされた電車だということが分かる。783系では細かな部分に「ごつさ」が見られ、この時点では東日本のデザイン力が勝っていたのかなと思う。
座席の座り心地もゆったり、重厚。グリーン車に至っては大柄な3列シートで、東日本の在来線特急では「異例」といえる。土浦まで50分のショートランナーにはもったいない感じで、いつか上野から仙台まで乗りとおしてみたい。
「ライナー」的性格の列車だが、走りも特急としてはもどかしく、快速に前後を押さえられ、思うように走れない。スピードが乗り始めた頃には、もう柏に到着。反対ホームに移り、もう一つの「ひたち」を待つ。
上り列車は元来の「フレッシュ」型・E653系の運用で、通勤特急としての送り込みを考慮してか、14両もの長編成。上りといえどもそこそこ混んでいるのだから、さすがは首都圏である。
車内はビビットな色使いやロゴが目立ち、1997年登場のこの車両から、今も続くJR東日本特急のトレンドを形作った車両といえそう。特に黄色い枕カバーが印象的で、これがなければ車内の華やかさも一段、トーンダウンすることだろう。
シートピッチは910mm。座席を薄くすることで、国鉄車両並みでも居住性を向上させた…との触れ込みだったが、やはり狭い。回転させればなおさらで、定員確保が主眼に置かれた車両である。
足はさすがに早く、余裕ある上り線を軽やかに駆けていく。下りの24分に比べ、上りはわずか19分で上野まで走破。あっという間の2都市間だった。
さて、雄介君も明日は学校。9時前とあらば、もう沼津へ帰る時間だ。東京駅まで出るのに、何も山手線で行く必要はなし。パスの「使い納め」に、上野から東京までMax1階席の旅を楽しんだ。東海道新幹線ホームで「こだま」を見送れば、「鉄分」満載の僕らの一日が終わった。
僕は明日の午前中まで年休を貰っており、明日の1番機のフライトに備え、蒲田のカプセルホテルを予約している。広い湯船に浸かり、ぐっすりと眠った。
つづく
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