Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

関東ローカル私鉄めぐり[2-3]大原から桐生へ普通乗り継ぎ

2010年01月10日 |  □鉄道ジャーニーBlog編
 大多喜からは本数も増え、始発の区間列車で大原へ。観光客の姿も消え、乗客はまばらだ。上総中川駅ではホームに2人の乗客の姿が…と思いきや、正体は案山子。洒落にもならない。

 外房線の線路と合流し、大原着。ホリデーパスの区間からは飛び出した駅なので、境界駅の茂原まで切符を別途購入。千葉行き普通電車は113系、それも10両の長い編成だったので、余裕で座れた。ぱっと見、九州の地方部と変わらない風景なのだが、さすがは首都圏、流動は多いようだ。

 千葉までは1時間半ほどの道のりなので、手持ちの本を取り出し読書タイム。これが209系のロングシートだったらと思うと、ぞっとしない。日ごろ本を読むようなまとまった時間は取れないが、あっという間に1冊を読み終えてしまった。成人式帰りの若者で賑わい始め、ネオンまばゆい千葉に到着。

 千葉からは総武快速線へ。快速線とはいえ、途中駅では特急の通過待ちがあって、緩行線に対して圧倒的に早いというレベルではなさそう。錦糸町で緩行線に乗り継ぎ、更に秋葉原で山手線に乗り換え上野へ。都内には戻ってきたものの、今夜は、明日乗る予定のわたらせ渓谷鉄道の始発駅、桐生まで出なければならないので、まだまだ長い道のりだ。

 桐生へは高崎経由の方が短いようだが、小山経由の方がホリデーパスの飛び出し区間が短いので、宇都宮線を選択。駅弁とビールを買い込み、750円也を投じてSuicaにグリーン券情報を書き込んだ。小山まで1時間少々、少しの贅沢だ。

 宇都宮線・快速ラピッドのグリーン車は、7時台とあって満席近い盛況。いくらグリーン車とはいっても、弁当を広げて浮きはしないかと思ったが、隣の親子連れのお母さんも車内販売でビールを買って空けており、なごやかな雰囲気。値下げされたとはいえグリーン券は安くないが、親子連れにとって逃げ場があるというのはいいことだ。

 1時間ばかりくつろぎのひと時を過ごし、小山で両毛線に乗り換え。オールロングシートの107系電車だったが、トイレ横に前向きの座席を見つけて、転がり込む。通勤電車のような車両で車窓も見えず、電車好きとはいえ、延々1時間以上乗り続けるのは苦痛だ。早く着いてほしい。
 思い扉をよいしょと開けて、桐生駅に降り立つ。単線上の駅なのに、立派な2面4線のホームを持つ高架駅だ。ただし駅も駅前もがらんとしており、きれいな駅前のイルミネーションが輝くのみ。早めに宿に入って、寝るのがよさそうだ。

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関東ローカル私鉄めぐり[2-2]小駅で出会う、二つの私鉄

2010年01月10日 |  □鉄道ジャーニーBlog編
 駅前で蕎麦をすすり、渓谷ハイキングに出発。五井駅ホームに置かれてあった観光案内に示されている、養老渓谷一周・1時間40分コースが手ごろそうだ。ただ距離を見れば7kmとあり、1時間4kmと山道としては早いペース。次の列車に間に合うよう、少し足早に歩みを進める。列車の旅はのんびりしていそうだが、特にローカル線では時間の束縛を受けてしまう。

 季節はずれのキャンプ場を抜ければ、きれいなせせらぎに。少し道に迷いつつも、舗装された林道をしばらく歩けば、渓谷に出た。斜めに縞の入った岩場が、独特の景観を作っている。水は川底が見えるほどの透明度だが、泡が浮いているのは少し気になった。

 ぐるりと、休憩なしで一回りして1時間半。休みつつ、景勝地での時間を取ろうと思えば、2時間半は欲しいコースだった。欲を言えば3時間取って、養老渓谷温泉で一浴びしたいところである。

 代わりといってはなんだが、疲れた足を癒すのに嬉しいのが、駅の足湯。列車の切符を持っていれば、無料で浸かれる。ホームを見ながらの足湯は、鉄っちゃんにも嬉しい癒しの時間だ。せっかくの温泉、できれば、全身浸かりたいものだとは思った。

 わずか1日5本の中野行き列車を待つ人は多く、賑わいを載せて残り一区間の列車が出発。1駅間とはいえ4km以上あり、トンネルから谷へと変化に富んだ車窓だ。

 いすみ鉄道と出会う終点・上総中野は、ターミナル駅という気負いとは無縁の、最小限の無人駅。連休中とあって上下方向とも列車を乗り継ぐ人は多く、列車にカメラを向ける人で賑わいが生まれた。接続時間は18分。以前は、相互の乗り継ぎはほとんど考慮されていなかったという両鉄道だが、今は乗り継ぎ時刻表も掲示されるなど、連携が取られるようになってきたようだ。

 いすみ鉄道は、旧国鉄木原線を受け継いだ第三セクター鉄道で、発足から22年。車両は発足当初からのレールバスタイプで、他社では老朽取替えの対象にされるような車両だ。車内外には「ムーミン」のラッピングが施され、大好きなキャラクターだけに楽しい。

 やはりロングシートをほど良く埋めて、中野を発車。うちらうつらしているうちに、沿線最大の街で、い鉄本社もある大多喜に着いたので、途中下車してみた。

 売店では、「い鉄揚げ」なるオリジナル菓子を売っていて、試食してみたらうまかったので、3袋1セットを売り上げ貢献。「ぬれ煎餅」で再起をかける銚子電鉄を連想させる。キャラクター列車といい、他の鉄道会社での成功例を、貪欲に取り入れているようで、頑張る姿勢は好ましく思う。

 実はい鉄、年間当たり億単位の赤字を出しており、存廃の岐路に立たされている会社でもある。とにかく、やれることはやってみようという、背水の陣とも言える状況のようだ。い鉄揚げについて言えば、お土産にするにはちょっと安っぽいのが遺憾。銚子電鉄のぬれ煎餅は、個別放送で職場のお土産には最適だった。い鉄揚げも職場での反応がよかったし、包装を変えるだけでもぐっとお土産向きになりそう。

 大多喜は、大多喜城のおひざもとだった城下町。駅前から1本入った街中にも、昔ながらの建物が残っている。かなり「歯抜け」になっている上、木造で建替えられた建物も駐車場を確保するためセットバックしているものが多く、軒の連続感がないのは残念。それでも住宅や酒蔵など、古いながらも手を入れられ、きれいに使われている建物が多いのは良かった。中でも登録有形文化財の大屋旅館は、いつか泊まってみたい。

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関東ローカル私鉄めぐり[2-1]時代離れした小湊鉄道

2010年01月10日 |  □鉄道ジャーニーBlog編
 明けて東京での朝。新郎と朝食を食べた後は、一人旅のスタートだ。東西線で大手町まで出て、東京駅のコインロッカーにスーツと引き出物を預け、まずは身軽に。自動券売機で、ホリデーパス2300円なりを購入した。関東一円のJR線とモノレール、りんかい線で利用できる、関東近郊の気軽な日帰り旅には欠かせない切符だ。青春18きっぷと違って、料金券を買い足せば優等列車も利用できるのがミソ。

 総武線地下ホームへと降り、総武快速線のE217系快速電車で、千葉へ。狭いボックスシートに耐えること40分、千葉で内房線に乗り換えた。

 房総半島の普通電車といえば、紺とクリームのツートンカラーに身をまとった113系の活躍舞台だったが、京浜東北線を追われた209系が大挙移籍。5両編成のうち前後の1両はクロスシートに改造されているものの、「延々と続く通勤」的な旅に変貌してしまった。もっとも千葉近郊は総武線の続きといった都市景観で、209系の方がむしろお似合いかもしれない。

 千葉から約20分の五井駅で、接続する小湊鉄道に乗り換え。小湊鉄道乗り場は改札内でつながっているので、ここまでSuicaで来た人は、こ線橋上の簡易リーダーにタッチする。小湊鉄道の切符売り場は、こ線橋から降りる階段の下にあり、存在に気付きにくい。

 手にしたのは、「房総半島横断乗車券」。上総中野でいすみ鉄道に乗り継ぎ、房総半島の反対側の五井まで乗れる、片道乗車券だ。通常運賃2,070円が1,600円になる上、途中下車自由というのも嬉しいポイント。片道券でありフリー券ではないので後戻りはできないが、うまく使えば沿線観光にはもってこいである。ただし上総中野まで入る列車は1日5本に過ぎず、駅員さんからは、
 「列車が少ないですが、大丈夫ですか?」
 と念を押された。

 ホームに待っていたのは、キハ200形気動車。国鉄のキハ20系列に似た、JRではほとんど見られなくなったタイプの気動車だ。塗装も時代を追うことなく、昔ながらのオレンジ系のツートンカラーでまとめられている。今の小湊鉄道で活躍する車両は、これがすべて。今の日本で、それも東京からほど近い場所でこんな車両が活躍しているとは、奇蹟のようだ。

 しかも驚いたことに、鞄を携えた女性車掌が乗務。ドアの開閉と、切符の販売に当たっている。時代離れとは、まさにこのこと。ハイキング客と地元の人でほどよく賑わう車内も、好ましい。唯一残念なのはオールロングシートであることで、トイレ付き、ボックスシートなら旅気分もひときわと思う。

 五井を離れた列車は、エンジン音を轟かせて広い平野に飛び出す。途中駅も、昔ながらの木造駅舎ばかり。ホームのひなびた雰囲気もいい。

 のんびりした汽車旅を楽しむ乗客とは対照的に、車掌は忙しい。JRから乗り換えた人の多くは切符を持っていない上、企画きっぷの説明を行ったり、Suicaタッチをしなかった人には不使用証明と始発駅からの運賃を収受したりと、大わらわだ。駅間距離は短く、せわしく車掌室に戻りドア扱いもせねばならない。もう少し、五井のホーム切符売り場の存在を目立たせないと、遅れの原因にもなりそうだ。

 区間列車の折り返し駅、上総牛久からはぐっと減るかと思われた乗客も、ハイキング客中心なのでさほど減らない。少しずつ勾配が急になり、トンネルも現れ始めれば、渓谷観光への入り口・養老渓谷駅に到着した。

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