気配を感じるという事は、実際にあるのだろうか。
長い間、何となく考えるともなく思っていた。
つい先日のことだ。
北側斜面の林の中、まだ雪が残る斜面を下っていた。
滑らぬよう、転ばぬよう足元に注意を払っていた。
その時、ふと足を止め、左45度上方を見た。
どうしてそこを見たのか自分でも説明できない。
音がしたわけでもない。動いたわけでもない。
敢えて言えば、気配を感じたというしかない。
後から降りて来たカミさんはまったく気が付かなかった。
じっと見ていても、カモシカは微動だにしない。
神々しさを感じて、長い間見ていた。
中野市と山ノ内町の境にある箱山。
標高695メートルの里山。
山頂からは妙高をはじめ、信越国境の山々が見えた。
春が近い。