白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

涼を求めて

2011年07月24日 11時49分26秒 | 日記

我家の東は南志賀高原。

車で1時間も走れば万座温泉を越え、群馬の白根山駐車場に着く。

ここは標高2,000mくらいあって、じっとしていれば肌寒いほどの気温だ。

ちょっと高いが410円の駐車代を払って車を停める。

今は隣の本白根山のコマクサが最盛期を迎えて、それを見に来る人も多い。

途中までシャトルバスも出ているが、1.3kmの距離なのでもちろん歩く。

高原の風。青い空にくっきり浮かんだ雲が流れる。澄み切った水をたたえた弓池。それらすべてが待っていたよと迎えてくれる。

コマクサを見に行くのは毎年の恒例行事。

カモシカだって迎えてくれる。

 

 

花はコマクサだけじゃないんだよと控えめに告げるヒメシャジン。

 

おっと、おいらも忘れてもらっちゃ困る、とかなり目立つコキンレイカ。

 

今年はもう、見頃を少しすぎたかなという時期。一週間遅かったかな。

 

それでも2,150mの高原に花は咲き、人々は訪れる。

夏の短い高山では、数日の違いが大きな違いに増幅される。

三日前に咲いてた花が今日は無いということがある。

一日一日の重みが凝縮されて平地の何倍にもなる。

 

 

シャトルバス、そしてゲレンデの夏山リフトを乗り継いでくれば、そんなに苦労しなくてもここに来れる。

ツァーで来る人もたくさんいる。

 

先週は白馬岳に登ろうと登山基地の猿倉に向かったのだが、かなり下の方で止められて、駐車場が満車なのでタクシーで行ってくださいと言われ断念。

ここ何年も白馬も登山者が減ったなあと感じていたので、ちょっとほっとしたりもする。

白馬山荘で、かつて長男も長女も高校生の時バイトをしていたのだ。

登山ブームで白馬にも人が押し寄せるようになったのかもしれない。

そんな訳でこの時は雨飾山に変更したのだが、この山も百名山のひとつ、人がいっぱいだった。

 

涼しくカラッとした空気の中で、下界はアツイだろうなあ、帰りたくないなあと思う。

こんなに気持ちのいいところだから人も押し寄せてくるのだろう。

 

 

駐車場近くの弓池にはワタスゲが白い花を咲かせていた。

緑の中の白い綿毛はいかにも涼しげで、夏の高原の風情を漂わせていた。

 

 

盆過ぎには定年退職の身。

零細企業なので、退職金など無いに等しい。年金だっていくらももらえない。

そんなことを考えれば不安はいっぱいあるが、まあ、なんとかなるだろう。健康でさえあれば。

体を作り、これまでの人生でやり残してきたことをやろう。もちろんときたま仕事もしながら。

そういう意味では本当の人生はこれからだ。

 

 

 

 


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