白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

蕎麦打ちの日々

2020年12月30日 18時02分31秒 | 日記
蕎麦教室の番外編、年越し蕎麦を打つ集いを29日に開いた。
5月から『年越し蕎麦を自分で打つ』を目標に月に一回蕎麦教室を開いてきた。
ここで各自自分で打てとおっ放しても心もとないので、集まって打つことにした。
自分も含めて3人。その他1人は連れ合いの手術のため、もう1人は終わるころに現れたため今回はパス。

今回からしっかり検温もして、コロナ対策にも万全を期す。全員36度前後で問題なし。
一応指南役なので、自分は打たないで見守る。前日に20人前、当日朝に10人前をすでに打ってある。
今回は地産地消の精神で、当地でできた蕎麦粉を使う。子で迄教材で使ってきたそば粉と違い、加水率の表示がない。蕎麦の加水率は非常にクリチカル。(あまり外来語は使いたくはない。が、この言葉に対応する日本語が見つからない。あえて訳せば、危機的なとか重大なとかの意味がある。言ってみれば、そこを誤れば致命的な事態を引き起こすというようなことだ。
一般的な蕎麦粉は二八蕎麦の場合44%~46%、粗挽きの場合は48%~52%なんてのもあるが、この粉は粗挽きではない。
「加水はどのくらい?」
「自分の目と、指先でそれを探り当てられれば、道の駅なんかで売っている蕎麦粉も打てるよ」
そうは言ってもまだそこまで求めても無理なので
「42%。試しに打ってみたけど41%でも大丈夫だった。」
水を加えて攪拌するが、なかなか纏まってこない。
「水が足りないんではないかな?」
2人ともそう言う。
確かにこの粉はこれまで使っていた粉とは違い、なかなか大きな塊になってこない。だが、粉には十分湿り気がある。



丸出し。


最初のころに比べれば、格段の進歩。


麵棒があまりにひどく反っていたので、ホームセンターで手すり棒を買ってきて磨いて自作することを勧めておいたところ、今回2本作ってきた。道具に愛着を持つことが職人の職人たるゆえん。道具の手入れなしではいい仕事はできない。


来年は振る舞い蕎麦をやると決意を語る。

蕎麦打ち教室はこれで終わる。
来年からは蕎麦の会として再スタート。
教える教わるという関係ではなく、みんなで蕎麦打ちを楽しむ。
蕎麦打ちを通じて人と人との交流を図る。
打つだけでなく、食べるだけの人もオッケー。
蕎麦談義を楽しむのもよし。
その中で自分も打ってみたいという風になっていく人が出ればなおよし。
会費なし。蕎麦打ちの材料代1回5人前1,000円。食べるだけの人は200円。当面このような方針でゆるーく運営していく。

参加者に話をして了解を得た。


午後は自分のそば打ちの時間。
年越し蕎麦を友人知人に配るのが恒例となっている。40~50人前を打つ。
自宅用にはお気に入りの粉で打つ。
粗挽きの『玄挽』という粉。この粉で打った蕎麦は弾力があってとてもうまい。


これで10人前。
普段は5人前しか打たないが、年末だけは10人前を一度に打つ。なんだか、本物の蕎麦打ち職人になったような気分になる。

蕎麦を打ち終わったころ、天気が急変して、予報通りに吹雪になった。
温泉に行きがてら年越し蕎麦を配って回った。今年一年お世話になったこと、来年もよろしくとご挨拶も兼ねて。年賀状は出さないがこういうところは律儀なのだ。

年末から年始にかけて大雪の予報が出ている。
元旦に飯綱山(1,917メートル)に登るのは今度で42年目になる。雪の状況はとても気になるが、まあなるようになるさと割と平然としている。


ゴローの登山靴もほぼ同じ年月を刻んできた。
靴クリームを塗りこんで手入れをしていると、この靴とともに歩んできた数々の山のことなど思い出す。幸せな、とても幸せな時間。






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