銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

当り湯(横須賀・県立大学)

2021-09-11 07:17:00 | 銭湯
#当り湯


・横須賀を代表する銭湯
・風格と貫禄漂う建物
・銭湯物語で一番最初に紹介された銭湯





京急本線
#県立大学駅


▲京急の県立大学




▲ここは横須賀の地形を存分に感じることができる場所だ


▲横須賀中央と堀ノ内に挟まれた場所


▲出口を降りる


▲降りたら右に進み




▲改札口


▲駅を振り返る


▲改札口をでて左に向かう


▲そのまま進んで








▲このトンネルに入る




▲道なりに歩く












▲ここで立ち止まると


▲左折する


▲しばらくずっとまっすぐ








▲ここを無理やり入って










▲分かれ道が見えるが、右に進む。目の前に小学校があるが、その小学校の校門前に当り湯がある


▲右の横断歩道を渡り


▲左折する




▲当り湯がみえてくる


▲横には駐車場










▲振り返ると、右に小学校。左に当り湯だ






▲到着




入り口のエントランスは台形(ハの字)の形をしており、横須賀でしかみたことのない作り。
右側が男湯で左側が女湯になる。
中に入ると人とすれ違えないほど狭く、靴を入れてのれんをくぐれば左側に番台だ。
座るのは20代前半ぐらいの若い男性。
受付のまわりはコロナ対策でアクリル板が覆っている。
この手の銭湯は決まって受付がおばあちゃんなのだが、ここは三代目が協力しているのだろうか。手元をみると、教科書なのか難解そうな本を読んでる様子だった。
「貸しタオルありますか?」と訊ねると、入り口横にタオルが山積みになっており、「そこから自由にとってください」とのことだった。返す時は足下にあるカゴに入れて返す。
2枚までが無料で、さらにもう1枚必要な場合は100円が追加料金とある。


脱衣場をザッと見渡すと、昔の銭湯で共通するレトロな雰囲気を色濃く残しており、当時の片影が手に取るように感じられる
周囲の空間は飾り立てで覆われ、全体的に雑多感はあるが、しっかり清掃していることが伺える。
右に目を転じると外には中庭があり、扉が外されているのでほぼ室内と地続きのような作りだった。外にも椅子が置いてあり、小さいながら生け簀のような池も目に止まる。中では小さな金魚が元気よく泳いでいた。
中庭の奥隅っこには貸しタオルが干してあり、銭湯らしく気取らない日常を垣間見ることができる。


脱衣場の間仕切り壁は大きな鏡が鎮座し、右隅にはロッカーが並ぶのだが、なんとその数は合計で5つしかない。
古い銭湯は原則的にカゴを使うのが前提らしく、おそらくロッカーを使うのは一見さん向けなのだろう。
浴室入り口の上には相撲取りたちのサインが並び、相撲の番付も張られてあった。こうした経営者の趣味がにじみ出ているのは銭湯らしくていい。


浴室の扉を開けると基本的にシンプルな作りではあるが、ことのほか色使いがビビッドである。
天井が薄紫色で、このような単色で派手なのは珍しい。
真ん中にカランがあり、左右の壁にもカランがあるが、ハンドシャワーは一つだけ右手前にある。
これは身体が不自由な人向けのもののようだ。あとは固定シャワーで、古い銭湯の割には水回りの設備がしっかりしていた。


奥に浴槽があり、均等に2つに分かれている。
左が深浴槽で、ジェットバスのような設備は一切なし。水面がとても穏やかで、静寂な佇まいを一層引き立てる。
右が浅浴槽でバイブラ仕様。バイブラで底がハッキリとは見えないが、それでも所々床が割れているのが分かる。なにせ建物が昭和初期に建てられてものらしく、どうしてもそうなるだろう。
砂利を蹴るようにザラついた感触を足の裏で感じながら、湯船の中にゆっくりと体を沈めると、熱めではあるが肌を焦がすほど熱くは感じなかった。
せいぜい45℃。直感的には44℃程度かなと感じる。こうした古い銭湯だとお湯を熱くすることが自分たちのアイデンティティかのようにこだわるところがあるが、これは意外だった。
この温度は深浴槽も同じで、よほど熱いのが苦手な人でない限りほとんどの人が入れる温度ではないかと思う。
昔からこれぐらいだったのか、それとも時代とともに変化していったのかは分からないけれども。


浅浴槽と深浴槽の間には溶岩で作られたモニュメントがあり、かなり小さめだったが、開店当初からあったとすればかなり先駆的な(当時としては)銭湯だったようである。
今ではその溶岩のところにウサギやドラゴン、機関車トーマスといった関連性のないフィギュアが所々置かれてあった。
壁絵は山を背景に、田舎の家が描かれている。牧歌的な景色だ。


戦前からあった銭湯ということで、全体的に設備のガタがきてるのは当然であるが、そこをノスタルジックと感じるかメンテナンス不備と感じるかは人それぞれだろう。
当たり湯は神奈川全体を見渡しても突き抜けて古く、いつまでも残ってほしいと願う建物だった。



出典:銭湯ホームページ引用


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 県立大学
経路 西へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 牧歌的風景のペンキ絵
統一感 あり
置物 水槽
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 綺麗
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 バイブラ
サウナ なし
温度 44℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(2枚まで0円)
備え付け なし

◆人
受付 20代前半の男性
客層 高齢者


【案内】
住所
〒238-0017 
横須賀市上町4-99

電話
046-822-2857

営業時間
14:30〜21:00

定休日
金曜日

神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ転載