銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

東芝未来科学館ー世界をリードした物作り企業

2021-09-23 06:19:00 | 博物館





基本データ
2021年4月~

開館時間火~土 9:30~17:00

休館日
日曜日・月曜日・祝日・特定休館日

入館料
無料(事前予約制)

〒212-8585
神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34
スマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)2F


以前から行きたいと思っていた川崎にある東芝未来科学館に行ってきました(訪れたのは6月下旬頃です)。
なぜ東芝の企業博物館が川崎にあるのかといいますと、もともと東芝は東京電気株式会社と芝浦製作所が合併した会社で、その前身である東京電気株式会社が川崎を拠点にしていたからです。
東芝の中央研究所もこの川崎に作られ、多くの時代を切り開く家電製品がここから生まれました。



JR川崎駅です。中央改札口をでると



左にラゾーナがあります。



そのラゾーナに向かった途中の左手に東芝未来科学館への道があります。



テスラを横切り



もう東芝の建物です。



エレベーターで下ると入り口があります。



横には東芝ラグビー部の映像。ラグビーファンから言わせると、東芝といえばラグビーです。日本代表のジャージにもTOSHIBAのロゴが入ってます。
入り口では女性スタッフが立っていて案内してくれます。
とにかくここのスタッフはプロ意識が高く、接客の素晴らしさに震えました。
受付では予約した際の番号(メールに登録されている)を確認してもらってゲートを通ります。



最初に目に飛び込んでくるのが、体験ゲーム。ここはゲーム要素を強くして子どもでも楽しめる工夫がなされています



最初の順路が東芝の歴史。もともと一番興味あったところです。



東芝は創業者が2人いて、そのうちの1人が田中久重。元々からくり人形を作成していた人物です。







のちに実用性のある商品を開発していきます。それが芝浦製作所へと発展していくのでした。





もう1人の創業者が、藤岡市助。白熱電球を国内ではじめて作成することに成功させた電気の父と呼ばれた秀才です。学業も非常に優れた人だったようです。







白熱社を作り、やがて東京電気株式会社に至ります。のちにマツダランプというブランドを作ります。



そしてここからが凄い。東芝が作ってきた数々の品。日本初はもとより世界初の製品もあって、東芝がいかに偉大な企業であるか知ることができます。



日本初の発熱電球。



日本初の扇風機。



日本初のエックス線。



日本初の洗濯機。



初期の頃なので仕方ないと思いますが、この形状だと洗濯物を相当痛めたのではないかと思います。



日本初の冷蔵庫と掃除機。





やがて会社が合併して東芝が誕生します。



日本最初の蛍光灯。



白黒テレビとブラウン管メモリ。



最初は画面がこんなにちっちゃかったんですね。7インチほどで、いまのスマホとそんな大差ない画面の大きさです。



やがて進化していきます。



こちらはなにか分かるでしょうか?



なんと日本初の電子レンジ。でかっ!
これはちょっと大きすぎて一般家庭の台所には置けない代物です。



日本初のマイクロプログラミングコンピューター。いよいよ情報製品が発明されていきます。



ようやく今の大きさと同じぐらいの電子レンジが作られるようになります。


驚いたのがこちら。左にあるのが世界初のインクジェット式ファクシミリ。従来は感熱紙だったらしく、今のプリンターの原型と呼べるものではないでしょうか。



そして日本語ワードプロセッサー。今では当たり前となった日本語入力の嚆矢となった商品です。



世界初のラップトップパソコン。





世界初のノート型パソコン。東芝はいまのモバイル機器の基礎をほぼ作った会社といえそうです。



世界初のNAND型フラッシュメモリー。世界に先駆けてこれを作ることができたのは日本の誇りだと思います。



世界初のDVDプレイヤー。この手はてっきりソニーあたりが最初に作ってると思ってました。


ここまでが東芝が一番最初に作った商品の数々です。こうして見ると、いかに東芝が日本をリードしてきたのかよく分かります。



そして、次は現在の作っているものになります。未来科学館とうたっているように、製品紹介だけでなく科学的な原理も分かるように解説してあり、純粋な科学館としても楽しめる場所です。







発電の仕組み。





蒸気タービン用ブレード。なかなか見ることができない品物。







こちらはオゾン発生装置です。





昔の水道水は、カルキ臭いとか評判がさんざんだったのですが、オゾン発生装置を使用するようになると、美味しいと言われるようになります。
有機物や臭いを分解するため、従来と較べて水質がだいぶ良くなりました。いまやミネラルウォーターと較べても遜色ないぐらいです。









重粒子線ガン治療機器。



かなり大がかりな製品です。





そしてこちらは面白い。



みなさんが日々お世話になってる半導体の素材です。加工前のインゴット(シリコン)になります。



インゴットを作るための材料



原料です。



このインゴットを作り輪切りにします。



こうなります。



それに回路を焼き付けてエッチングしてアルミニウムで配線してチップの形に切り離してフレームを装着して半導体のできあがりです。



こんなレースゲームもあります。



光の原理を解説したもの。








東芝というと今は粉飾決算やラグビー部の低迷など残念イメージでしたが、現在でもインフラに関して重要なものを沢山作っており、なによりもその足跡は世界に先駆けて発明してきた偉大な会社でした。