簡単に説明すると、おなじ常磐線なのに降りる駅によって強制的に途中下車させられ、他社の路線に乗せられ、再び常磐線に合流する。
こんな訳の分からないことはない。
当初は亀有駅に行くため路線図を見ると、JR常磐線の駅として表記されていた。なので、JR山手線に乗って日暮里駅まで行き、常磐線に乗り換えた。
ここまでは問題なし。
ところが亀有駅は各駅停車駅なのに、やってくる電車はすべて快速。なんと常磐線はオール快速電車なのだ。じゃあ、各駅停車の駅はどうやって降りればいいんだ!という話になる。
案内板をみると、各駅停車は北千住で乗り換えて下さいとあった。
なので常磐線の快速に乗って、仕方なく北千住に降りる。
ところがどっこい。
ここでも常磐線の快速しかない。いつ各駅停車が来るのか? そう永遠に来ない。しかも不親切なことに、この謎解きの説明がまったくなかった。
北千住駅をうろついていると、Googleマップの検索であることに気づいた。乗り換え案内がすべて東京メトロ千代田線になっていたのだ。
亀有や金町に降りるためにはJR常磐線で北千住に降りると、JRの各駅停車を肩代わりしている東京メトロ千代田線に乗らなくてはいけない。
この答えを導くのにまったく無駄な時間を要してしまった。
北千住駅の構内は東京メトロ千代田線と直接つながっている通路があるので、そこを通って千代田線に乗り換える必要がある。千代田線に乗り換えるからとJRの改札口をいったん出てしまうと、千代田線に乗る際に再び初乗り運賃を払う羽目になる。とんでもないトラップだ。
自分の場合は、JRを使う場合に東京の遠方なら決まって「都区内パス(760円)」を購入している。
それだと東京23区内の路線を何度も乗り降りできるので、一度JR北千住駅を降りて東京メトロの千代田線に乗るという方法も問題なかったが(北千住駅の千代田線改札口はJRのきっぷが使える)、そうでなかったら無駄なお金を払うことになっていた。
そして、千代田線に乗ると北千住→綾瀬→亀有→金町と各駅停車が続いているのでそれでおしまいと思いきや、綾瀬駅からも北綾瀬行きの路線が分岐しているので、北綾瀬行きの千代田線に乗ってしまうと綾瀬駅でも降りないといけない。
日暮里駅から三つ目の駅を降りるのに、二度も乗り降りしなければならない。
超めんどくさくないですか?
よく亀有や金町の住民たちは猛抗議しなかったなと思ったら、開業当初から相当な苦情があったようだ。
なぜこんな訳の分からない仕組みになったのかというと、千葉方面から爆発的に増えた都心に向かう乗客をさばくために編み出した裏技だったのだが、開業当時は当然ながら混乱の極みだったようである。50年間もの間耐えてきた住人たちがついに訴訟を起こし、2022年1月半ばには裁判の口頭弁論がはじまった。
専門家からすると明らかな負け戦らしいのだが、それでも抗議の意志を示したかったのだろう。
色んな事情が交錯しているのである程度は仕方ない面もあると思う。
しかし、迷路のような路線を少しでも親切に案内することができなかったのかと思うのと、亀有駅を東京メトロに売却してしまったほうがよっぽど混乱がなかったのではないか?
既得権にしがみついて住人に理不尽さを強いたという点においては、鉄道における現在進行形の黒歴史である。
渋谷なんかもずっと工事中で、小さいときから工事中であるのが当たり前ですからね。
最近のダイヤモンドオンライン記事で、住民が26980円の訴訟を起こしたことを紹介されていて、自分がちょうど亀有駅に行った直後だったので、住民たちの気持ちはすごく理解できました笑
おなじ池袋へ行くにしても、日暮里経由なら308円。西日暮里経由ですと390円。ほぼ80円の差があります。
また乗り換えが面倒で、時間も掛かるようになったことが訴訟に踏み切った大きな理由のひとつだったようです。
自分みたいな片田舎に住んでる人間からすると、東京は鉄道会社が多すぎるうえにほぼ直通化されているのでかなり複雑で、ストレスを感じることが多いです。