どうも、人間は誰でも、自分がすこし励んでいると、
おれはかくの如くやっていると、
すぐ自負してしまう所がある。
それが、何事に於いても、
修業の止まりになってしまうのである。
以来、私は、いつでも、
自分が努力したと自分でゆるす心になる時は、
いやまだ自分の先には、
自分以上やっている人間が無数にあるぞ
─ と云う事を自誡として胸に思い出すことにしている。
─ 吉川 英治 ─
(『窓辺雑草』)
どうも、人間は誰でも、自分がすこし励んでいると、
おれはかくの如くやっていると、
すぐ自負してしまう所がある。
それが、何事に於いても、
修業の止まりになってしまうのである。
以来、私は、いつでも、
自分が努力したと自分でゆるす心になる時は、
いやまだ自分の先には、
自分以上やっている人間が無数にあるぞ
─ と云う事を自誡として胸に思い出すことにしている。
─ 吉川 英治 ─
(『窓辺雑草』)