「悩みによって初めて知恵は生まれる。
悩みがないところに知恵は生まれない」
-- アイスキュロス(ギリシアの詩人)--
どうして悩みを感じるのでしょうか。
たとえば、一度にいくつものものを持とうとしているときに悩みは生まれます。
「結婚したいが、今の独身の気楽な生活も捨てがたい」
「会社を辞めたいが、安定した収入も持っていたい」
ひとつのものを持とうとしたら、もうひとつのものは手放さなければなりません。
どちらかに決めることができないから、悩むことになってしまうのですね。
決めてしまえば、前に進んでいくことができます。
その道の途中での出来事から、さまざまなものを学ぶこともできるのです。
自分を否定しているときにも悩みを感じます。
今の自分に満足できないと、「こんなところがダメだ」「これが足りない」
と、自分を小さくしてしまうことになります。
すると、本当はできることもできなくなりますし、
新しいことにチャレンジする気もなくなるでしょう。
そんなとき、あなたはどこを見ているのですか?
誰か他の人と比べたり、今よりもっと高い基準を持っていて、
そこに自分が達していないからダメだと思ってはいないでしょうか。
そう……確かに、今は、もう一段高い新たなステージに上がるときなのでしょう。
しかし、そのためには、今の段階の自分を認めて、受け容れる必要があるのです。
それができないから、悩みは生まれるのでしょうね。
まず、自分に目を向けて、いいところ、達成したことを見てみることから
始めてみましょう。
悩みは、安全地帯に身を潜めているときにも感じます。
確かに、外は険しい道が続いているのかも知れません。
尖った岩が突き出ていたり、
茨のトゲが肌を切り裂こうと待ち受けているように思えたりもするでしょう。
だけど、ずっと安全地帯にいたままではどこへも行けません。