ココロとカラダを繋げる
ボディコンシャストレーニング
第7回 「トレーニングで私たちの体に起きること」
文●大久保圭祐さんより
https://www.ko2.tokyo/archives/6585
★とかく悪者扱いされる「活性酸素」ですが、免疫細胞である白血球が働くためには活性酸素であるスーパーオキシドなどが必要な他、血管を弛緩させたりシグナル伝達・排卵・受精・細胞の分化など、私たちが生きていく上でなくてはならない存在です。
★脂肪燃焼に一番有効なのは「ピルビン酸や疲労物質が発生しないように長時間取り組める運動」と言い換えることもできます。ちなみに、このピルビン酸は乳酸へと変わって血液中に運搬されて、前述の酸化系のエネルギープロセスで再びピルビン酸へと戻って再利用することが出来ます。少し前までは「乳酸」というと「疲労物質」というレッテルが張られていましたが、現在では実は私たちの体を効率良く動かすために欠くことのできない存在だと言うことが分かっています。
★多くの人が悩む足の冷えは、現代人が靴や靴下を履いているため、積極的に足部を使うことがないことが要因の一つです。また、足部は心臓で熱を得た血液を送り出す心臓から一番離れていることもあって、栄養や酸素を運ぶ血液の流れが悪くなれば足部まで届かず、これもまた冷えを感じる原因です。こうした冷え性を改善するには足部を積極的に動かすことを心掛けることがお薦めです。例えば、ヨガや太極拳に取り組むと、裸足でバランスを取るシーンが多く、全身を動かす中で普段使わない足部の筋肉をしっかりと使うことができ効果的です。
★体を動かすことは血液循環だけではなく、内分泌系のホルモンの作用にも関わります。体内で発生したホルモンは血液に乗って目的地に辿り着くことで作用します。ホルモンは代謝や発育成長の調整をしていて、体内の環境をコントロールしています。また多幸感、やる気、落ち着き、安らぎなど気分にも影響しているので、血液がスムーズに流れてホルモンが作用しないと、何をやっても幸福感が得られなかったり、イライラしたり落ち込んだりしてしまいます。「スポーツでストレス解消」というのは、ホルモン調節から考えればとても理に適ったお話なわけです。ダイエットや健康増進といった具体的な目標がなくても、運動すること自体にココロとカラダにたくさんのメリットがあるわけです。