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ブログ版 シュプリッターエコー

負けるべくして負けた日本野球

2008-08-22 00:03:00 | スポーツ、オリンピック
 野球の日本代表が決勝トーナメントで韓国代表に負けました。
 藤川、岩瀬の両リリーフがそろって打たれて逆転されたというのが表面に現れた敗因ですが、これはひとつの局面の現象で、もっと深い原因が背後にあると思います。
 予選リーグの最終戦となったアメリカとの試合を、“負け合い”ゲームにしてしまった、そこに原因があると思うのです。

 予選リーグの最終戦は、すでに決勝トーナメントへの進出を決めていた日本とアメリカの対戦になりました。
 そこで勝ったチームが準決勝でキューバとと戦い、負けたほうが韓国と戦うことも決まっていました。
 日本もアメリカも準決勝では韓国のほうが組みしやすいと考えていましたから、どちらも負けることを望むという、奇妙な戦いになったのです。

 試合はですから当然ダラダラと進んで、0-0のまま延長戦になりました。
 延長10回はゲームを速めるためにランナー1塁、2塁から試合を開始するという野球では珍しいタイブレーク方式でプレーが始められました。
 本来ならまずバントで2,3塁に進めておくのがセオリーですが、勝つ気のないアメリカは作戦もなくいきなり打ちに出て、しかし皮肉なことにこれがクリーンヒットとなり、思ってもみなかった4点が入ってしまうことになったのです。
 勝ったアメリカは内心舌うちしたでしょうし、負けた日本はいちおう青写真どおりにうまくいったというわけです。

 しかし勝負事というのは、どこかでスキができると、そこからドドッと崩れます。
 一瞬でも負けたほうがいいと思ったチームはその時点で、「負」のエネルギーを抱え込んでしまいます。
 野村監督や落合監督のような、ああいう海千山千のプレーヤーが現役選手としてそろっていれば、こういう作戦も実るかもしれませんが、星野監督にしてもコーチにしても出場選手にしても、みんなマジメ人間ですからねえ、「負」のエネルギーをうまくあしらえるような人ではありません。
 とくに短期決選では、いちどテンションを下げてしまうと、ちょっとやそっとではもう立て直すことができません。
 韓国とは力も拮抗(きっこう)していますから、ちょっとでも引けばもうそれで負けですね。

 それはアメリカも同じことで、結局こちらもキューバに歴史的惨敗を喫することになりました。
 日本もアメリカも予選リーグでつまらない試合をしてしまったそのツケを、準決勝できっちり償わされたというわけです。

 やっぱり勝負の女神にほほえんでもらうためには、姑息(こそく)な計算などしないで、全力で戦い抜かないといけないということでしょう。
 あしたの3位決定戦(日本―アメリカ)は悔いのないゲームにしてもらいたいものですね。

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