今から7年前、こどもを幼稚園に送り迎えしていた頃、たくさんの椿の木が植えられている小道を毎日通って通園していた。
瑞々しさを感じる艶やかで深い緑色の葉。
透明感のある花びら。黄色い糸のような雄しべが筒状に集まっているその可愛らしい姿。
椿の木達は日陰に楚々と慎ましく植わっているのだが、白に赤を散らした大輪の花をつけていたり、幾重にも重なる品の良い薄い桃色の花びらをお椀の形に整えて咲いていたり、花々を溢れんばかりに咲かせて壁のような生垣になっていたり、姿形もそれぞれ違ってたいへん魅力的である。
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そんな素敵な小道を通りながら、実は私は虎視眈々と狙っていたのである。そう、眺めるだけでなく手に入れたくなる強い欲望をかきたてられていたのだ…!
花はたくさん咲いているからといって摘んでいいものでは断じてない、と思っている。
挿し木とか言って人んちに咲いた花の枝を切って自分ちに移植してる方もいらっしゃいますが、された方としては毎年咲いてるのを見る度に何だかちょっと釈然としないものです。
しかし手を出して許されるものが唯一あるんじゃあないかな、とも常々思っていて、何かと言うとそれは種子。実の状態もやはり手を出してはいけなくて、からからに乾いたタネがもうすぐ地面に落ちますよ、あるいは落ちている、その状態の種なら手に入れても構わないのではないかという、マイルールに則るわけである。だって落ちてるもん。ほっとくと芽吹いちゃうから。すでに芽吹いてるやつがほらあっちにもこっちにも。
日時を見計らったある日、団栗を拾うかのごとく落ちまくっているタネを園児に集めてもらい、一目見ただけでそのタネの価値がわかる保護者にも「おっいけるクチですね」みたいな調子でそれを譲り、何種類かのタネを手に入れた。
拾った椿のタネは水に沈めておくと発芽率がいいと教えて貰い、小さな庭に植えて今年で7年。毎年葉のみを愛でる形になっていたのだが、ようやく、ようやくひとつだけ蕾をつけたのである!
しかし咲く前に何かに食べられてしまった。僅かに残った花色の部分からみて私のいちばん欲しかった椿ではなさそうなのだが、来年は無事に咲かせられたら、と思う。
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瑞々しさを感じる艶やかで深い緑色の葉。
透明感のある花びら。黄色い糸のような雄しべが筒状に集まっているその可愛らしい姿。
椿の木達は日陰に楚々と慎ましく植わっているのだが、白に赤を散らした大輪の花をつけていたり、幾重にも重なる品の良い薄い桃色の花びらをお椀の形に整えて咲いていたり、花々を溢れんばかりに咲かせて壁のような生垣になっていたり、姿形もそれぞれ違ってたいへん魅力的である。
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そんな素敵な小道を通りながら、実は私は虎視眈々と狙っていたのである。そう、眺めるだけでなく手に入れたくなる強い欲望をかきたてられていたのだ…!
花はたくさん咲いているからといって摘んでいいものでは断じてない、と思っている。
挿し木とか言って人んちに咲いた花の枝を切って自分ちに移植してる方もいらっしゃいますが、された方としては毎年咲いてるのを見る度に何だかちょっと釈然としないものです。
しかし手を出して許されるものが唯一あるんじゃあないかな、とも常々思っていて、何かと言うとそれは種子。実の状態もやはり手を出してはいけなくて、からからに乾いたタネがもうすぐ地面に落ちますよ、あるいは落ちている、その状態の種なら手に入れても構わないのではないかという、マイルールに則るわけである。だって落ちてるもん。ほっとくと芽吹いちゃうから。すでに芽吹いてるやつがほらあっちにもこっちにも。
日時を見計らったある日、団栗を拾うかのごとく落ちまくっているタネを園児に集めてもらい、一目見ただけでそのタネの価値がわかる保護者にも「おっいけるクチですね」みたいな調子でそれを譲り、何種類かのタネを手に入れた。
拾った椿のタネは水に沈めておくと発芽率がいいと教えて貰い、小さな庭に植えて今年で7年。毎年葉のみを愛でる形になっていたのだが、ようやく、ようやくひとつだけ蕾をつけたのである!
しかし咲く前に何かに食べられてしまった。僅かに残った花色の部分からみて私のいちばん欲しかった椿ではなさそうなのだが、来年は無事に咲かせられたら、と思う。
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(さな)
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