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ブログ版 シュプリッターエコー

華麗なり、ブルボン

2019-05-21 01:45:00 | くらし、商品


ブルボン、この流麗な響き
ブルボン、彷彿させる栄華隆盛

ブルボンが好きでたまりません。

ブルボン、今でこそ耳に馴染んでいるものの、我々はそのブランド名の特異性に気付くべきなのです。
日本に製菓メーカーは多いものの、森永製菓、明治製菓などの日本語名を固辞する会社があれば、横文字で元気の素・グリコーゲンから文字ったグリコ、カルシウムとビタモンBから取ったカルビー、『若きウェルテルの悩み』のヒロイン=シャルロッテから、永遠に愛される存在を目指したロッテなどなど、意味や思いの籠った大手菓子メーカーが並ぶ中、何故にブルボンなのか。

ブルボンと言えば14世紀のフランスでメディチ家の財力を引継ぎながら興された王朝。ルイ14世の代ではハプスブルグ家と手を結んで栄華を極め、絶対王政を築き上げた程の隆盛を見せた。
公式サイトではブルボンの名称の由来は不明とされているものの、同社の代表する製品を見ればフランス風の名称が並ぶところから、やはりブルボン王朝とは決して無縁とは言えないのではないか。

ルマンド:ブルボンの珠玉の名作。定冠詞 Le に「世界」を意味するような Monde。高級菓子に劣らない、むしろ勝るとも言えるお洒落なクレープに、ココアをコーティングした紫色にも見える高級感。安易にチョコレートでコーティングしなかった発案は未来永劫に語り継がれるべき名案。それでいて庶民にも気軽に手の届く安心価格。大学時代にコンビニでルマンドを手に取った時の驚きは今でも鮮明に思い出す―――え、150円!?唐草模様のパッケージがもうたまらなくお洒落。

シルベーヌ:チョコレートケーキを彷彿させる高級感。お茶会に並べられるお菓子の中にシルベーヌがあるだけで一気に華めく存在感。

チョコリエール:ショコラという言葉が人口に膾炙していなかったからか、あるいは開き直ってチョコと名乗った方が分かりやすいと判断したのか。ほろ苦いチョコレートに塩味の効いたクッキー生地の組み合わせという妙味。後に塩キャラメルが流行するものの、時代を先取りした名作。

ホワイトロリータ:は流石に英語でないと伝わらないか。白人の女の子。これも不朽の名作。

その他にも、アルフォート、ラシュクーレ、ルフィール、ショコラセーヌ、ロアンヌ、ブランチュール……などなど、数え切れない程の華麗な名前の製品が並ぶ。


確かに「木こりの切り株」や「ちょこあーんぱん」等のいただけない名前のお菓子もあるが、きっと部門が違うに違いないと思いたい。


ところでブルボンは前身を北日本製菓と言う。
関東大震災で物流が途絶え北陸地方に菓子の流通が止まったことを契機に、「北陸にも菓子を」と大正13年新潟県に設立されたそう。
新潟と言えば亀田製菓や三幸製菓、越後製菓などの米菓メーカーが並ぶものの、これらの準大手メーカーはいずれも第二次世界大戦後の設立。北日本製菓は一早く設立され、北陸地方ではどこよりも先駆けて製菓ラインのオートメーション化を確立した。もう流石としか言えない。


なぜ「ブルボン」なのか。


やはりブルボン朝と言えば、オーストリアからルイ16世に嫁いで来たマリー・アントワネットの存在が大きいでしょう。
重税に苦しみ「我々にパンを」と訴える民衆を見た彼女のあの名台詞。


 「パンが無いならお菓子を食べれば良いじゃない」


そう、お菓子を食べれば良いじゃない。

戦後日本、時は高度経済成長期の昭和40年代にブルボンというブランド名が誕生。
北日本製菓が、食べるに困らない大衆が手軽にお菓子も食べられる幸福を願っての名付けだったのではないでしょうか。
ブルボン、さすがです。

ええ、飽くまでも贔屓にしているだけです。

ブルボン、大好きです。

アサオケンジ


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