知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

裁判公判の傍聴に行ってきました。その2

2016年02月16日 | Weblog
昨日、例の友人の裁判の公判4回目があり、前回に続き傍聴に行ってきました。

今回は、証人が2名ということで、1名は事件当時の担当医、もう1人は事件当日に勤務していた同僚の方です。

裁判所も2回目ということで、要領も雰囲気にも慣れ、スムーズに行動できましたが、前回とは違う法廷で、傍聴席が少し少な目の20名程度でしたが、すでにいっぱいになっていました。(結構、法学部関係の学生の見学も多いみたいですね。)

午後1時30分、公判開始です。
最初に、証拠品の提出やら、準備にバタバタとしていて、スムーズに始まりませんでしたが、裁判所というところは、一刻を争う感じの場所ではないようですね。のんびりしたものです。

最初に、1人目の証人、担当医が来られました。
もうすでに16年以上医者をされているようで、まあベテランでもあるのでしょう、ときどき医学用語を混ぜながら尋問に応じていました。(医学用語が出るたびに、裁判官が説明を求めており、最初から分かるように話したら・・・と思いましたが。)

結局、被害児童の傷の件での尋問が多かったですが、問題は今回の事件が「はさみ」で切られた・・・となっていることについて、傷口が鋭利な包丁や刃物、カッター等で切った傷になっていることを言っていました。「はさみ」でも出来ないことはないが、片側の刃を強く押し当ててすれば、出来るかも・・・と、可能性的には低い感じに思いました。
(この段階で、今回の事件がおかしいことになりますが・・・)

次に2人目の証人で、被告人(友人)の同僚で、事件当日に一緒に勤務していた方でした。一番の問題がある方です。
(※証人に上がるのを嫌がり、診断書等を出したりして、拒否もあったようです。)
なぜか?前回も使われた遮蔽版が・・・。

まあ、前回は保護者ということもあり、遮蔽版の使用の理由は明らかなものだったのですが、今回は裁判官も「なぜ?」としつこく説明を求めておられました。(同僚であるため、氏名等はすでに明らかになっており、あらためて顔を隠す必要性は見当たらない・・・)
本人からその説明があり、「被告人と同僚であるため、被告人の顔を見ながらは話しにくい。また、今回の証言で、被告人から後で仕返しされるかもしれない・・・?」とのこと。(このあたりが、おかしな理由であることが明白) 同僚であるため、被告人がどういう性格であることは分かっているはず・・・仕返しをするタイプの人間ではない。また、当初は傍聴席に対しては、遮蔽版の使用はなくてもかまわない・・・と言っていましたが・・・。(後で、やはり多くの方の目があると、ストレスで証言が出来なくなるかも・・・と、最終的に最後まで遮蔽版を使っていました。多くの目と言っても、たかだか20名程度なんですが・・・これには、裁判官も結構怪訝な表情をしていたのが印象的です。)

結局、自分自身の証言が、被告に不利に働くことを分かっているようでした。ただ、証言に入ると、全く事件の現場を見ていないし、逆に被告との関係性が悪いことを、自ら証言していました(先ほどの、”仕返し”という言葉でも分かると思います)。この部分で、証人側の味方であるはずの検察側が、厳しい尋問をしており、だんだんと化けの皮がはがれてきた・・・という感じでした。

勤務時間の動きの不自然さ、その事件当日の状況を、被告人が行った行動しか言わず(それ以外の事象もあったにも関わらず、他のことは覚えていない・・と)、一番の問題は、マスコミにも取り上げられた「ちんちんをはさみで切るぞ」という部分だけを強調しており、これが最終的に独り歩きして、今回の事件の発端になったわけですね。
よく政治家が発言した内容を、マスコミが前後関係なく”その部分”だけを抽出して記事にすると、全然意味が変わってきます。今回もそれに近いものを感じました。

おそらく、今まで事件後に、この証人(同僚)は、何度も検察や関係者等に経過を話し、同じ話を何度もするうちに、自分の言ったことが既成事実化し、自分でもその部分しか覚えていない・・・みたいな感じになったと予想出来ます。

当日、被告人と一緒に勤務していたのは4名(被告含め5名)で、他の職員は、全く違う証言をしているらしいです。つまり、検察やマスコミは、その協調された部分を抜き出して事件化し、既成事実化していった・・・というのが、今回の事件・裁判の筋書きのような気がします。
(先程の医者が、傷について、傷を付いた段階で、痛みは伴うため、出血も多少ある・・・と言っていました。また、この同僚は、部屋から出てきた被害児童は、その際に何も訴えておらず、痛みも見せていなかった・・・と自分で言っています。つまり、事件はこの段階で起きていなかった・・・?? すべてが、つじつまが合わない・・・ことになります。)


今回感じたのは、同僚の方が被告人のことを「よく思っていない」、お互いの支援方針に大きな違いがある・・・部分から、最初(事件当初)からこの同僚の証言が、悪意に満ちたものであることは想像できます。(それが証拠に、もう一人の同僚の証言は、ニュアンスが全然違うものだったようです。)

どれだけ同僚(というより大先輩)の行動・言動を、悪く伝え、これほど大きな事件になり、同僚が裁判にかけられ(すでに拘留されている)、マスコミに取り上げられ・・・という事態を、最初は考えていなかったのでしょうね。
そのため、余計に今回の証人に立つことが、大事になっているという自覚になり、(本人もそれが大きなストレスになり、精神科受診をしていることを言っていましたが)証人に立つことも、拒否していた・・・のでは?と考えます。

普通の職員(嫌いな人でも一応同僚です)なら、そうですよね。


公判後に、今回の弁護士さんと話す機会があり、今後の経過等を聞きました。

やはり、この事件がすでに既成事実化している部分が大きいため、くつがえすのはなかなか難しいみたいです。大きな証拠品や、くつがえすような証言、被害児童本人の虚偽の撤回等がない限り、このまま進んでいく可能性が高いようです。
裁判って(検察も含め)ある程度「筋書き」があり、よほどのことがない限り、淡々とそのまま進むらしいですね。そう思うと、検察側は裁判に勝つ前提で、準備してくるので、相手が検察だと勝つにはよほど強力な武器?が必要なようです。

今回も、このままではおそらく悲しい結果になると思われます。時間は残り少ないようです(おそらく最終的に、4月に被告に最終尋問があり、その後結審の流れみたいです。弁護士さんに「少し先ですね・・・」と言ったら、「違うよ、全然時間がない」と注意されました。この世界では、1年や1か月の経過の仕方が違うみたいです。反省。
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