伊藤計劃「虐殺器官」をAmazonオーディブルで聴いた。
伊藤計劃の3作、書籍を買ってあるんだけども。
前にさわりを読み、アニメ化されたものを見て、そのまま書籍は放置してた。
アニメ見たけど内容は全然覚えてないので、新鮮な気持ちでオーディブルで聴いた。
「虐殺器官」、衒学的なラノベって感じだった。
何でこの作品がそんなに評価されてるの?
著者が早世したからって変に評価高くなってない?とひどいことを思う。
いやいや、自分が良さを分からないからって、そんなことを思ってはいけない。
SF的なガジェットは面白かった。
主人公はずーーっと母親の延命治療をやめたことを気に病んでいて、そういうキャラ
設定だから仕方ないけど、暗殺を任務にしている軍人がこんなにベタベタした感傷的な
人間なのはピンとこなかった。
主人公が執着するヒロインの魅力も私にはわからないので、主人公の行動にも全然
共感しないまま。
主人公とヒロインの会話は寒々しい。何でもかんでも会話で進めるのはやめてほしい。
ジョンポールの語ることは厨二病だし(ジョンポールと聞くたびに駆逐艦を思う。
あちらはジョンポールジョーンズ)、それを引き継ぎ?、最後に主人公が自分を罰する
ためにとった行動が超絶大迷惑で、何だそれ…と白けてしまった。
みんな薄っぺらい。
終盤の展開の不自然さに、本来盛り上がるべきところなんだけど、こちらはどんどん
醒めてしまってねぇ。
暗殺目的を主人公だけ知らされてないっておかしいじゃん。なぜその任務に主人公を
参加させてるのか意味不明…そのことについての説明がない。
そういうところがラノベな感じ。
でもラノベならもっとキャラに魅力が欲しいけど、どのキャラにも魅力を感じない。
ラノベでもなく、文学的でもなく、ハードSFでもなく。中途半端。
いろんなことを詰め込んでるけど、それぞれ私がわかる程度の浅いネタで、そういうの、
痛い感じがしてしまう。
もっと硬いの作品かと思ったらそうでもなくて残念だった。