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『プロトタイプガンダム』(RX-78-1)【設定】

2021-06-12 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は『プロトタイプガンダム』について、です。

この記事ではアニメ版『機動戦士ガンダム(以下、「ファーストガンダム」)』及び『MSV』と、アニメ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN(以下、「オリジン」)』の2種の設定を共生させた場合の矛盾を解決し、パラレル感を解消し、同世界感のものとしていきます。

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<おことわり> 
『オリジン版』は「パラレル」という概念がありますが、「パラレル」ではない事を前提に記事にしています。
『オリジン版アニメ化プロジェクト』が終了(安彦氏とカトキ氏が「オリジン劇場版パンフレット」で明言)した今、『ファーストガンダム』と物語が被らない(*1)となれば、他の外伝・サイドストーリー(*2)と立ち居地は一緒。
つまり、物語の理不尽な「上塗り否定」が少なく(*1)、多少の差異は他の映像化した外伝ガンダム同様に設定の改変で対応可能(*2)。
それであれば、『オリジン』『ファーストガンダム』の共生を「背景設定」をすり合わせて考えいていく・・・という見方です。

また、『オリジン』はアニメ以降も物語は「コミック版」で継続しますし、その設定もあります。
しかし、「ガンダム世界はアニメ版の設定が優先する」という大原則が、あります。
そのため「アニメ版オリジン」以降(「ガンダム大地に立つ」以降)の物語は、『アニメ版ファーストガンダム』が優先するので、その後の物語である『コミック版オリジン』設定は(ファーストガンダム版設定に抵触する部分は)無視します。

<*注釈>
*1 「ガンダム大地に立つ」以前が「オリジン」、以降が「ファースト」。物語の時期の住み分けができている、の意。
*2 ファーストガンダムで、「ジャブローにホワイトベースが到着し、その時期に「連邦軍の量産モビルスーツ・ジム開発・実戦初投入」と解釈されていたが、その遥か前に「ジム初期型」が登場し、連邦軍のモビルスーツ開発時期・設定を大きく改変した「08小隊」等。

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上述「おことわり」説明の私の方針から考えれば、『プロトタイプガンダム』は、「オリジン(アニメ版)」で映像化されておらず、「MSV」設定優先で良いと判断し、記事にする必要が無いんです。
しかし、記事にしたのには理由があります。

実は以前、「オリジン」と「ファーストガンダム」で、こちらをテーマにしました。


「ランバ・ラル専用ザクⅠ (MS-05B)」

私は、この「ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)」が、「オリジン」設定を加味しても「存在する」可能性を記事にしました。
でも、この「ランバ・ラル専用ザクⅠ (MS-05B)」は「戦略戦術大図鑑(書籍)」の「文字設定」だけで、「アニメ映像(*)」に出演どころか、「MSV」のような「ビジュアル設定」すらないんですよね。
(*ゲーム「ギレンの野望」アニメムービーには「ラル専用ザクⅠ」が出てきますが、このムービーは「アニメ版で初登場シーンまで地球に行ったことの無いハモン氏が、地球降下作戦の祝勝パレードで地球に降下していた描写があった」りと、信憑性に欠けるので無視してます。)

強いて言えば「ガンプラMG(と、Zeonography)」で、公式商品として立体化(ビジュアル化)されているくらい。

と、なると「オリジン版プロトタイプガンダム」も同様に「公式商品化」されているんですよね。


『GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE <ガンダム試作一号機(RX-78-01)>』


カトキ・ハジメ氏は本製品にあたりビジュアル設定を描きおこしていますが、
「局地型ガンダム(RX-78-01(N)設定のために描きおこしたものですが、公式(オフィシャル)設定ではありません」
とコメント。

しかし、この『ガンダム試作一号機(RX-78-01)』の余剰パーツで製作されたという設定の「局地型ガンダム(RX-78-01(N))」が「ガンプラHG」で大々的に展開されているので、無視できないですよね。
(この設定って、「ガンダム(RX-78-2)」に対する「陸戦型ガンダム(RX-79G)」のパクリだよなあ。)


『局地型ガンダム(RX-78-01(N))』

という訳で、「オリジン版プロトタイプガンダム」である『ガンダム試作一号機(RX-78-01)』をみていきます。


『ガンダム試作一号機(RX-78-01)』 ※wiki
『地球連邦軍のRX-78シリーズの1号機。ガンダムの前身にあたる機体である。
媒体によっては「ガンダム試作1号機」「ガンダム試作機」「プロトタイプガンダム」と表記にバラつきがある。
機体カラーはテスト用の黄色を基調とし、機体各部にラインが施されている以外はガンダムとほぼ変わりないが、頭部のカメラアイがツインアイではなくゴーグル型である点が異なる(MSD設定の場合、ツインアイが防塵・対閃光用のバイザーで覆われている)。
また、ランドセルは高機動タイプを装備している。 』

それでは、次に「MSV版プロトタイプガンダム」をみてみます。


『プロトタイプガンダム (RX-78-1)』
『地球連邦軍が開発した試作型モビルスーツ。
RX-78 ガンダムの原型であり、ガンダム系MSの1番目の仕様となる。
黒を基調に銀や赤で塗装された機体は1号機として有名であるが、後にアムロ・レイが搭乗することになる2号機も当初は、塗装が白を基調としている他はこのプロトタイプと同じ外観であった。
本体の外見上の違いとして、ビーム・ライフルを前腕に固定するための窪み、足の甲の装甲のスリット状の模様等がある。
ジャブローで8機製造されたRX-78のうち、前述のように1号機と2号機の二機がこの外観で完成したが、小惑星基地ルナツーやサイド7に送られた後に二機ともRX-78-2型として改修され、塗装もサイド7に到着した後、1号機は白地に青と赤のアクセントでトリコロールのデモカラー、2号機は当初銀地に1号機と同様(青の部分のみ赤)の塗り分けを経て、銀地を白に変更されている。
つまり、『機動戦士ガンダム』第一話の時点でコンセプトとしてプロトタイプガンダムは宇宙世紀上には存在しておらず、最初からRX-78式2型として完成された3号機を含めて、サイド7には3機のRX-78-2型ガンダムが存在していたことになる。』

両者は「外見」「設定」と、比べるべくも無く別物です。

別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)

この「2種の別機体」が同じガンダム世界に共生するための設定を考えてみます。
ポイントは以下の点でしょうか。

①外見・性能面
「オリジン版」
・「左肩ガトリング砲」「背部キャノン砲」等、固定武装が目立つ。
・ザクマシンガン(ハイパーライフル)で装甲材に傷が付く描写がある。
・「コアブロック」が無い。
「MSV版」
・比較的無駄無くスリムな印象。
・装甲材は「ガンダム」と同じ「ルナチタニウム合金」の為、「ファーストガンダム」の描写どおりならば、ザクマシンガンでは装甲材に傷もつかない事になる。
・「コアブロック」が有る。

②開発系譜
「オリジン版」
・「一号機」としての扱い。
HPの「開発系譜」を見ても「一号機」の完成を元に「二号機(ガンダム)」を製作したものとなっている。
「MSV版」
・2機の「プロトタイプガンダム」を製作(完成時期はズレ有)。
2機とも「RX-78-2」に改修され、うち1機が「ガンダム(アムロ搭乗機)」となる。

③「オリジン版」特記事項
・完成した2号機(ガンダム RX-78-02)は、当初「ロールアウトカラー」でアンテナ形状もガンキャノンと同じタイプだったが、改修されて「V字アンテナ」「トリコロールカラー」となる。

④「MSV版」特記事項
・「RX-78-2」に改修され、「トリコロールカラー」となる。
・「サイド7襲撃」時に大破。公式設定上はその後不明。
・ゲーム「スピリッツ オブ ジオン」では、「ジャブロー攻略戦」で、従来の「プロトタイプガンダム」の「形状・カラー」で防衛線に運用されている姿が確認できる。

⑤余剰パーツ
「オリジン版」
・余剰パーツで「局地型ガンダム(RX-78-01<N>)」が開発された。
「MSV版」
・特に設定は無いが、「RX-78-2」の設定同様「余剰パーツで「陸戦型ガンダム」が開発された」可能性有。

「オリジン版」「MSV版」を共生させるには、以下にするしか無いでしょうか。


①『ガンダム試作一号機・戦術実証機(RX-78-01)』開発。
主に実戦と戦術兵装に開発の主眼がおかれ、コアブロックは別のプロジェクトが開発する事となった。
この機体は従来の「チタン合金」を装甲材に使用しており、「ルナチタニウム合金」は試験的に一部の装甲材に使われるに留まっている。
ビームライフルは完成形より若干大型(オリジン・初期版)なものが開発された。

②①に追いかける形で、パイロットの生存率を高める目的でコアブロックシステムを搭載した『プロトタイプガンダム(RX-78-1)』を開発。
この機体から、装甲材は全面「ルナチタニウム合金」となる。
ビームライフルは①より小型化したもの(MSVデザイン)が開発された。

③型式番号は「戦術実証機」の末尾を「01」「02」、「コアブロック実証機」の末尾を「1」「2」として区分した。

④「コアブロック実証機」の開発が遅延。「戦術実証機」の完成が早く、「二号機(RX-78-02)」も開発された。

⑤「コアブロック実証機」完成。

⑥「戦術実証機・二号機」に「コアブロック実証機」で成功した「コアブロック」を内臓する開発が進められる。
この時、コアブロック内臓による重量増の問題から、左肩の「ガトリング砲」や前腕部「甲」等は全てオミットされた。

⑦「二号機(RX-78-02)」が、コアブロック内蔵した「ガンダム(RX-78-2)」として完成。
ビームライフルも実用的なものが装備された(ファーストガンダム版)。
また、本機を元に後の「G3ガンダム」の素体となる2機目も製作された。

⑧「サイド7襲撃」により、「試作一号機・戦術実証機(RX-78-01)」は消息不明。
「プロトタイプガンダム・コアブロック実証機(RX-78-1)」は大破。「G3ガンダム・素体」は小破。

⑨「プロトタイプガンダム・コアブロック実証機(RX-78-1)」はジャブローへ輸送。余剰パーツで復元。
但し、余剰パーツが当初の「RX-78-1」仕様だった為、「RX-78-2」と同型にはならなかった。
仕様に合わせ、カラーは当初の「黒を基調に銀や赤」として塗装された。

⑩「G3ガンダム・素体」はモスク・ハン博士により、「マグネットコーティング」仕様の「G3ガンダム(RX-78-3)」として改修された。

これで、多少の改変はありましたが「オリジン」と「MSV」の「ガンダム系」共生できます。

オリジンには「ガンダム中期型」「ガンダム後期型」設定もあり、カンプラ化もしてますが、当初は「コアブロック」が無かった為、アムロ搭乗の「ガンダム」にしてしまうと「ファーストガンダム」の物語の大半で大陸分裂並みの変更を強いられます。
その為、以下にするしかないでしょうか。

①「ガンダム中期型(RX-78-02)」
「サイド7襲撃」により、コロニー外へ吸い出され消息不明となった「試作一号機・戦術実証機(RX-78-01)」が発見され、改修されたもの。
カメラアイのバイザーは除去され、カラーリングは「トリコロールカラー」へ変更される。
コクピットは「RX-78-2」同様にコアブロックに改修。
ただし腹部スペースの問題から「コアファイター」より小さい「コアポット」内臓となる。
ガトリングガンが両肩口に装備され(左前腕部甲は撤去)、肩アーマーにフックを追加された。
運用実績は不明。
②「ガンダム後期型(RX-78-02)」
中期型に「マグネット・コーティング」「宇宙戦闘用の高機動バーニア」等の改修を施したもの。
「RX-78-2」がマグネットコーティング化した際、本機にも導入されたという経緯。
運用実績は不明。

これなら、なんとか「オリジン版ガンダム」も「ファーストガンダム」に共生できます。

本日は以上です。
これで、とりあえず「オリジン」と「ファーストガンダム」の共生テーマは一区切りです。

次回は閑話休題。
「GFT」について、ですYo!

『V作戦』(遠・中距離・支援機)【設定】

2021-06-05 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は『V作戦と遠・中距離支援機』について、です。

この記事ではアニメ版『機動戦士ガンダム(以下、「ファーストガンダム」)』及び『MSV』と、アニメ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN(以下、「オリジン」)』の2種の設定を共生させた場合の矛盾を解決し、パラレル感を解消し、同世界感のものとしていきます。

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<おことわり> 
『オリジン版』は「パラレル」という概念がありますが、「パラレル」ではない事を前提に記事にしています。
『オリジン版アニメ化プロジェクト』が終了(安彦氏とカトキ氏が「オリジン劇場版パンフレット」で明言)した今、『ファーストガンダム』と物語が被らない(*1)となれば、他の外伝・サイドストーリー(*2)と立ち居地は一緒。
つまり、物語の理不尽な「上塗り否定」が少なく(*1)、多少の差異は他の映像化した外伝ガンダム同様に設定の改変で対応可能(*2)。
それであれば、『オリジン』『ファーストガンダム』の共生を「背景設定」をすり合わせて考えいていく・・・という見方です。

また、『オリジン』はアニメ以降も物語は「コミック版」で継続しますし、その設定もあります。
しかし、「ガンダム世界はアニメ版の設定が優先する」という大原則が、あります。
そのため「アニメ版オリジン」以降(「ガンダム大地に立つ」以降)の物語は、『アニメ版ファーストガンダム』が優先するので、その後の物語である『コミック版オリジン』設定は(ファーストガンダム版設定に抵触する部分は)無視します。

<*注釈>
*1 「ガンダム大地に立つ」以前が「オリジン」、以降が「ファースト」。物語の時期の住み分けができている、の意。
*2 ファーストガンダムで「ジャブローにホワイトベースが到着し、その時期に「連邦軍の量産モビルスーツ・ジム開発・実戦初投入」と解釈されていたが、その遥か前に「ジム初期型」が登場し、連邦軍のモビルスーツ開発時期・設定を大きく改変した「08小隊」等。

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そもそも「地球連邦軍・モビルスーツ開発」設定上、「ファーストガンダム」と「オリジン」には以下の違いがあります。

①「ファーストガンダム」では「UC.007年3月 V作戦開始」。
「V作戦」により「遠・中・近の3タイプのモビルスーツ開発開始」。
「遠」はすでに開発されていた「ガンタンク」の前身となる機体の仕様変更。
「中」はガンキャノン、「近」はガンダムとして、新規モビルスーツ開発。
②「オリジン」では「一年戦争」開戦前から「ガンキャノン最初期型(RCX-76)」として「モビルスーツ」は実動しており、「ガンダム」も開戦前年(UC.0078)には開発に着手。

この2つを共存させる場合、ガンダム世界は「2つのアニメ作品の設定に矛盾が生じた場合、最新の作品を優先する」法則があります。
(「ファーストガンダム」に対する「08小隊」がそうです。)
とすれば、「オリジン」を優先して考えるべきです。

とはいえ、「オリジン」でも「V作戦」は存在したでしょうから、「遠・中・近の3タイプのモビルスーツ開発開始」までは一緒なんでしょうね。

(A)『ガンタンク』の開発。
まず、「遠距離支援タイプのモビルスーツ(実際はモビルタンク)」となる、『ガンタンク』についてみてみます。
「MSV」の文字設定では、「ガンタンク」の祖先は『RTX-44』でした。


(※画像は『RTX-44』を改修して完成した『陸戦強襲型ガンタンク(RTX-440)』。イメーシとして掲載したもので、『RTX-44』では無い。)

*『RTX-44』 
『モビルスーツバリエーション (MSV)』の文字設定が初出。
公国軍の地球侵攻作戦に際し、対ザク用重装甲兵器としてジャブロー基地を管轄として開発される。
実質的な開発は、61式戦車の後継となる次世代MBT(主力戦車)開発プロジェクトが発端であるが、RX計画の実施にともなって開発部門ごと統合され、基本仕様も「対MS戦にも対応可能な車両」に変更され、宇宙世紀0079年3月20日に4両程度が完成している。
MSではなく、「対MS用重戦車」とされ、戦闘車両に区分される。

武装は240ミリ砲2門、対空ロケット砲4門と十分な火力をもつが、総重量は97トンあり機動性が極端に低い。
のちのガンタンクと同様、車体制御用のコックピットのほかに頭部に当たる部分に「砲座」をもつ。
実戦に耐えうるものではなく、制式採用は見送られるが、戦争に反対して地球連邦に亡命して来た数名の公国軍のMS技術者の協力のもとに、本車をベースにコア・ブロック・システムや反応炉動力システムを追加し、全面的に再設計がおこなわれたのがガンタンクである。 』

次に『オリジン版』の「ガンタンク」の祖先『RTX-65』を見てみます。


『ガンタンク初期型(RTX-65)』 ※「オリジン公式HP」より転載。
『U.C.0065年に地球連邦軍が制式採用した大型戦闘車両。
実体弾砲撃能力を持つ、大口径砲2門を装備。
さらに対地対空戦闘にも対応した攻撃が可能なマニピュレーター装着型の4連装機関砲を採用。
これまでの戦車の概念を大きく飛躍した発想から誕生した同機は、大型戦車という新機軸により、各コロニーに配備された当初から威圧的な存在感を発揮。
治安維持として活用される。』

この2つは、以下の矛盾があります。

①『RTX-44』と『ガンタンク初期型 RTX-65』は、型式番号・末尾の数字が「44」と「65」。
常識的に考えて、『ガンタンク初期型 RTX-65』は『RTX-44』の21代後の後継機。
しかし、『RTX-44』は開発時期が『UC.0079年』、『ガンタンク初期型 RTX-65』の採用時期は『UC.0065年』と時系列が逆。
②機体評価も『実戦に耐えられない為、正式採用されなかったRTX-44』と『各コロニーに配備された当初から威圧的な存在感を発揮したガンタンク初期型 RTX-65』の開発時期が、『RTX-65』が先としいうのは矛盾。

これら矛盾は、
「『RTX-44』は『ガンタンク最初期型 RTX-44』と呼ばれ、『ガンタンク初期型 RTX-65』が正式採用された『UC.0065年』より以前に開発された連邦軍・最古のモビルタンク」
と設定すれば、筋が通ります。

そして、「ガンタンク(RX-75)」は、は既存フォーマット「ガンタンク最初期型(RTX-44)」の後継である「ガンタンク初期型(RTX-65)」を仕様変更したんでしょうね。


(B)「ガンキャノン」の開発。
次に「中距離支援タイプのモビルスーツ」となる「ガンキャノン」について。

『ファーストガンダム』の「ガンキャノン」を見て見ます。


『ガンキャノン』 ※wikiより転載。
『一年戦争のV作戦により開発されたRXシリーズの1機で、同じRXシリーズであるガンダムやガンタンクと共通規格のコア・ブロック・システムが採用されている。
地球連邦軍では二足歩行型試作ロボット「RXM-1」が開発されていたため、このデータを基に開発が進められた。
「ガンキャノン初期型 RX-77-1」が開発され、その改善型として「ガンキャノン RX-77-2」が完成する。』

次に「オリジン版」の「ガンキャノン最初期型」を見て見ます。


『ガンキャノン最初期型 RCX-76』
『地球連邦軍が主力兵器として運用していたMBT(メインバトルタンク)RTX-65 ガンタンク初期型の後継機として開発していた機体。
ガンタンク初期型は戦車の砲撃性能に加え、フレキシブルな攻撃を可能とするマニピュレーター装着型の4連装機関砲を両腕に装備した人型の上半身を持つ戦車の発展型の兵器として誕生した。
ガンキャノン最初期型は、ガンタンク初期型の砲撃性能をそのままに、下半身はより不整地走破性を向上させ、状況に応じて動きやすい歩兵的な運用を可能とする2足歩行型の兵器として開発されることとなった。
そのため、人型機動兵器ながらあくまで火砲による攻撃を重視した兵器として開発されており、地球連邦軍における兵器としてのカテゴリーはガンタンク初期型と同じMBTとなっている。』

「オリジン」の「ガンキャノン最初期型」は「モビルスーツ」では無く、「MBT(メインバトルタンク)」扱いなんですね。
その点でも、史上初の「モビルスーツ同士の実戦」は「ガンダム、大地に立つ」の「アムロ搭乗・ガンダム VS ジーン搭乗・ザクⅡ」に矛盾が出ないんだなあ。

この「ファースト版ガンキャノン」と「オリジン版ガンキャノン最初期型」は、

「ファースト版ガンキャノン」の祖先的モビルスーツ(設定上MBT)が「オリジン版ガンキャノン最初期型」

とすれば、矛盾が出なさそうです。
尚、『二足歩行型試作ロボット「RXM-1」』は設定上「摂取したジオンのザクを元に開発した人型ロボット」とあります。

そこを踏まえれば「ガンキャノン(RX-77)」は、

①一年戦争開戦前、ジオン軍でモビルスーツの開発をキャッチした連邦軍は、アナハイム・エレクトロニクス社へ委託し、「ガンタンク初期型 RTX-65」を参考としながら、「ガンキャノン最初期型 RCX-76」を開発。
②派生する試作機「ガンキャノン火力試験型」「ガンキャノン機動試験型」等も開発。
③「スミス海の虐殺」で、「ガンキャノン最初期型 RCX-76-02」惨敗。
④「RCX-76」後継機である「RC-77」は試作機まで完成していたが、「スミス海の虐殺」の結果を受け、計画は一時凍結。
⑤「一年戦争」開戦。ジオン軍モビルスーツにより初戦で大敗。
⑥「V作戦」発動。
⑦ジオン軍のモビルスーツ「ザク」を連邦軍が入手。
⑧「ザク」を元に人型ロボット「RXM-1」を開発。
⑨一年戦争・開戦前から完成していた「ガンキャノン RC-77」に「RXM-1」のデータを盛り込んで「ガンキャノン初期型 RX-77-1」を完成。
⑩「RX-77-1」を改修し「ガンキャノン RX-77-2」を完成。

といったところでしょう。


(3)「V作戦」について

(1)遠距離支援型「ガンダンク」、(2)中距離支援型「ガンキャノン」についで、近距離用モビルスーツ「ガンダム」の開発をもって「V作戦」のモビルスーツ開発は完成となります。
 
だだし、「V作戦」は「ジオン軍のモビルスーツ」を遥かに凌駕する「遠・中・近モビルスーツの開発」を目的としていました。
過去の「スミス海の虐殺」の経験から、開発する「遠・中・近の3タイプのモビルスーツ」は、ジオン軍モビルスーツ装備の銃器に耐えうる装甲を装備する事を最低限の条件が付されました。
そのため、新モビルスーツ「ガンダム(RX-78)」「ガンキャノン(RX-77)」「ガンタンク(RX-75)」全てにの装甲材に「ルナチタウム合金」が採用された。

といったところでしょう。

また、「v作戦」の3種、遠距離支援型「ガンダンク」、中距離支援型「ガンキャノン」、近距離用モビルスーツ「ガンダム」に共通する機構である「コアファイター」も、パイロットの生存率を高める点と、3種同時運営の互換性を高める点で、共通の開発条件として盛り込まれた。

この設定なら、当初の「v作戦」以降に単体で製造された「ガンキャノン」「ガンタンク」などには、3種同時運用の互換性は必要無い為、「コアファイター」が内蔵されていないタイプも存在したかもしれません。

「機動戦士ガンダム クロスディメンジョン0079 死にゆく者たちへの祈り」の「アルバトロス中隊」ガンキャノンとか、「機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに」の「サラブレット隊」ガンキャノンとかは、ピクシーやガンダム4号機・5号機にコアブロックシステムが廃止されてるので、「コアブロックシステムのないガンキャノン」かもしれません。
単体運用された「ジオニックフロント」のガンキャノンもそうですね。

しかし、この説はゲーム「ギレンの野望」のガンキャノンを否定する事になるので、触れないほうが良いですね。

次回は、いよいよ「プロトタイプガンダム」について、です。

次回は来週6月12日、土曜日更新です。


『高機動型ザクⅡ』(MS-06R-1A)【設定】

2021-05-29 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は「MS-06R-1A」いわゆる『高機動型ザクⅡ』について、です。

『高機動型ザクⅡ』は「オリジン版」と「ファーストガンダム版」で開発時期が異なっています。

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<おことわり> 
『オリジン版』は「パラレル」という概念がありますが、「パラレル」ではない事を前提に記事にしています。
『オリジン版アニメ化プロジェクト』が終了(安彦氏とカトキ氏が「オリジン劇場版パンフレット」で明言)した今、『ファーストガンダム』と物語が被らない(*1)となれば、他の外伝・サイドストーリー(*2)と立ち居地は一緒。
つまり、物語の理不尽な「上塗り否定」が少なく(*1)、多少の差異は他の映像化した外伝ガンダム同様に設定の改変で対応可能(*2)。
それであれば、『オリジン』『ファーストガンダム』の共生を「背景設定」をすり合わせて考えいていく・・・という見方です。

また、『オリジン』はアニメ以降も物語は「コミック版」で継続しますし、その設定もあります。
しかし、「ガンダム世界はアニメ版の設定が優先する」という大原則が、あります。
そのため「アニメ版オリジン」以降(「ガンダム大地に立つ」以降)の物語は、『アニメ版ファーストガンダム』が優先するので、その後の物語である『コミック版オリジン』設定は(ファーストガンダム版設定に抵触する部分は)無視します。

<*注釈>
*1 「ガンダム大地に立つ」以前が「オリジン」、以降が「ファースト」。物語の時期の住み分けができている、の意。

*2 「ガンダム外伝作品」による最も有名な「ファーストガンダム」設定改変の1つに「08小隊によるジム開発設定改変」がある。

「ファーストガンダム」では、
『ガルマ戦死し、ギレンが追悼演説。
その遙か後に、ジャブローにホワイトベースが到着。
その時期に「連邦軍の量産モビルスーツ・ジム」初登場』
の描写。
「ガンダムの量産型であるジム」も、「ホワイトベースで活躍するガンダムのデータをマチルダが持ち帰り、ジム開発にフィードバック」し、「ホワイトベースがジャブローに到着する直前にロールアウトし、ジャブロー攻略戦に初めて実戦投入」と「ファーストガンダム」放映当時は解釈された。

しかし、後年に制作された「ファーストガンダム」の外伝的作品である「08小隊」では、
『ガルマ戦死し、ギレンが追悼演説。
その遥か前に「ジム初期型」が登場』
の描写。
「ファーストガンダム」と「ジム初登場」時期が大きく乖離。
当時の解釈とも矛盾が生じる。
しかも、「ジム」のデザインが「ジム」の後継機である「ジム改(後にジムEと設定)」に酷似。
開発系譜にも矛盾が発生。

また「08小隊」では、「ジャブロー攻略戦」以前の「オデッサ作戦」以前から、「陸戦型ジム」が実戦配備される描写がある。

これらを踏まえ、アニメ映像化してしまった「08小隊」に合わせ、それまでの「連邦軍のジム開発時期」解釈を、大きく改変した設定を発表した。

「08小隊」による設定の改変以降、様々な「ガンダムの外伝作品」で、いろいろな「ジム」タイプのモビルスーツが「ジャブロー攻略戦」以前の各戦線で登場する事になる。

またガンダムは「後発で映像化した作品」に合わせ公式設定を改変する方針が生まれた。

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「オリジン版」の「高機動型ザクⅡ」はこちら。


『オリジン版・高機動型ザクⅡ(MS-06R-1A)』※以下、「オリジン公式HP」抜粋。
『ジオン公国軍の主力として活躍することになるMS-06 ザクⅡは、初期生産型となるC型、その後に登場するF型をはじめ、さまざまな戦況に合わせて運用可能な「汎用性」を求める形で開発が行われた。
独立戦争開戦に向けて、汎用性の高いC型の量産体制が整いはじめると、ジオン公国軍は特定の戦闘状況に特化した、局地戦対応のMS-06 ザクⅡの開発を始める。
その中で最も早い時期に完成したのが、MS-06R-1A 高機動型ザクⅡである。
この機体は、汎用性を排除し、宇宙空間での戦闘に特化すべく、より高い機動性を求めて改良が施されている。
背部の大型化したランドセル(バックパック)に大量に消費する推進剤をより多く積み込むことができるプロペラントタンクを増設。
脚部には増速用の大型スラスターを3基ずつ計6基設置し、機動力の増強を図っている。
この機体は、独立戦争初期の大規模艦隊戦となったルウム会戦において、かつてモビルスーツ開発にテストパイロットとして関わっていたガイア、オルテガ、マッシュら黒い三連星によって運用された。
彼らは対艦戦闘用のフォーメーションを組んだ三位一体の攻撃を得意としており、役割に応じて異なる兵装も特徴となっている。
チームを率いるガイア機は両肩にシールドを装備することで、バズーカの携行弾数が向上。
射撃能力に優れるマッシュの機体は中・長距離射撃が可能なMS用対艦ライフル ASR-78を装備。
そして、近接での格闘戦を得意とするオルテガの機体は、ガイア機とマッシュ機の攻撃の仕上げとして、ジャイアント・ヒート・ホークの直接攻撃でとどめを刺すという連携を行い、ルウム会戦において高い戦果を挙げることになる。 』

次に『ファーストガンダム(MSV)版』です。


『高機動型ザクⅡ・黒い三連星専用機(MS-06R-1A)』 ※以下、wiki抜粋。
『ザクII F型 (MS-06F) をベースとして、ザクIIの陸戦能力をほぼ完全に廃し、宇宙空間用に特化された高機動型。
背部・脚部以外は従来のザクIIとほぼ同じ形状だが、フレームやジェネレーターなどの内部構造は大幅な設計変更が加えられており、事実上別のMSとなっている。
当初は『試製高機動型ザクII(RP型)​』が2機試作され、『R-1型』として量産開始。
『R-1型』の推進剤消費量の問題を解決するため、背部と脚部の燃料タンクを「チューブ式」から「カートリッジ式」に改修された「R-1A型」が開発された。
「R-1A」型として最も有名な機体が、「黒い三連星専用機」。
黒い三連星がドムとともに地球に降りる直前まで使用した機体で、ザクII S型からチームカラーとなった黒、紫、グレーの3色で塗り分けられている。
(「黒い三連星」は「ルウム会戦」時は「C型」を運用。)
右肩のシールドには黄色いパーソナル・エンブレムが描かれているが、これは本来は突撃機動軍章であるものの、黒い三連星のMS以外には使用されていないといわれる。
機体番号はガイアが「03」、マッシュが「02」、オルテガが「06」。
グラナダ工廠でR-1型の基礎フレームを用いて製造されており、ほかの同型機とは細部の意匠が多少異なる。
ガイア機は頭部にブレード・アンテナが装備されることもある。』

「運用時期」「開発系譜」等、設定、多数の相違があります。


次に外見的特長を比較していきます。

しかし、オリジン版(カトキ先生デザイン)」と「ファースト版(大河原先生デザイン)」では、頭身からスタイルから違い過ぎて比較ができません。

なんで、スタイルが今風でモールドも追加された『ファースト版(ガンプラRG)』と『オリジン版』で比較してみます。


左『オリジン版』、中央『ファースト版(ガンプラRG)』、右『ファースト版(大河原先生デザイン』です。

さて、違いですが、
まず、目を引くのが、左肩スパイクアーマーの大きさ。
これは、他の、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』でも見られる差(ザクⅠ等)なので、『スタイルの違い』として割愛します。

しかし『オリジン版』は解説にもありますが、

『ガイア機(03)は、両肩にシールドを装備』

と、「固定武装」装備が違う点は、明らかな相違です。

それを除いても『頭部・胸のモールドの違い』があります。


『設定の相違』、『固定武装』の相違、『頭部』『胸』モールドの差異と見逃せない違いがある事から、あきらかに別物です。

別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)
それでは、2種の違いを改めてみてみます。

(1)「外見」


①「ガイア機」の「ブレードアンテナ」の有(ファースト版)無(オリジン版)。
②「頭部2本モールド(装甲板)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
③「ガイア機」の「左肩シールド装備」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
④「胸・突起モールド(チ○ビモールド)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。


(2)設定

①「オリジン版」は「C型」の局地戦対応として、最も早い時期に開発された機体。
「MSV版」は「F型」の宇宙空間用に特化された高機動型。「RP型」「R-1型」と開発され、その改善機として、「R-1A型」が開発された。

②「オリジン版のガイア機」は、「左肩に固定シールド装備」。
「MSV版のガイア機」は「ブレードアンテナ装備」する場合もある。

③「オリジン版の黒い三連星」は「ルウム会戦に「R-1A型」を運用」。
「MSV版の黒い三連星」は「ルウム会戦はC型を運用」。その後「S型」に乗り継ぎ、「R-1A型」を受領。


(3)特記事項
・「オリジン版」劇中描写で「黒い三連星・オルテガ」が「ブレードアンテナ」を羨ましがる描写がある。
・「オリジン版」では「黒い三連星」はドズル配下。「ファーストガンダム版」ではキシリア配下。
・U,C,0079.3「黒い三連星」は「教導機動大隊」で演習をしている。

これらの事を開発順に年表にすると以下のようになります。



ここで一つ疑問を感じます。
「ジオン十字勲章」授与される程の戦力である「黒い三連星」に、開戦3カ月と間も無い時期に
「教導機動大隊」で演習させるでしょうか?
強力な戦力であれば、もっと重要な戦線に送り込んだほうが、効率が良いと感じます。
勿論、新人パイロットの育成と士気高揚は大事ですが。
このあたりと「オリジン版」「ファーストガンダム版」の「黒い三連星」の所属の違いを結び付けて説明すると面白そうです。
例えば、

①開戦当初「黒い三連星」はドズル配下として戦果を上げ「ジオン十字勲章」授与。

②キシリアはグラナダ制圧に成功。

③当初より「継戦」を画策していたキシリアは「南極条約」締結後、ドズルに抜きんじて「地球降下作戦」の軍組織を主導。

④キシリアはドズルに比べ、この時点で配下のパイロットに突出した能力のある人材が不足している事を問題視。

⑤キシリアの要請により「地球降下作戦」指令となるマ・クベも同じ認識であり、優秀なパイロット補充の為、シャアへ引抜き勧誘するが、断られる。

⑥マ・クベを通じ水面下での交渉に失敗したキシリアは、「地球降下作戦」や制圧した「グラナダ」の防衛戦力不足を盾に、ドズルに人的支援を要請。

⑦ドズルには「ソロモン防衛」があるとはいえ、キシリアには「グラナダ防衛」もある上に大規模侵攻作戦となる「地球降下作戦」もあり、キシリアの要請に応じざるを得なかった。
まず、「人的資源」の支援の核として、パイロットを養成する「教導機動大隊」のキシリアへの譲渡を決定。
更に「人的支援」の目玉として、「ジオン十字勲章」授与した「黒い三連星」のキシリアへの転属という苦渋の決断をする。

⑧キシリアは「黒い三連星」を「単なるエースパイロット補充」で終わらせる事を良しとはせず、「教導機動大隊」の中核に据える事で「多数の優秀なパイロットの養成」を図る。

⑨「地球降下作戦」での負傷パイロット本国帰還増加により、「教導機動大隊」教官補充に目処がつき、「黒い三連星」は戦場復帰。

⑩一方、「黒い三連星」を失ったドズルは優秀なパイロット補強の意味もあり、「ランバ・ラル」の予備役からの復帰を認める。

⑪「ランバ・ラル」は「陸戦型デバイス」「格闘特化型戦術MS」の試験運用で開発協力していた「ラル専用ザクⅠ」の実績から、「プロトタイプグフ(戦術実証型)」開発に参加。

・・・なんてどうでしょう。
物語性もあって、面白いですよね。

もともと「オリジン版」では、ドズルがモビルスーツの原点から関わっていた為、自然に優秀なパイロットが集まったでしょうが、開戦当初のキシリアはそこが薄かったのは想像に難くありません。
「オリジン版」ではマ・クベがシャアを引き抜きしようとしたりしてましたから、ドズル以外の組織が優秀なパイロットを欲しがっていることは間違いないでしょうし。
そんなキシリアからすれば、優秀なパイロットをドズルから引き抜き、そのパイロットに他パイロットの指導をさせ、全体の底上げを図ると考えるのは自然な流れです。

以上をまとめ、詳細設定の解釈説明として、機体解説していきます。



『高機動型ザクⅡ Rタイプ』

①「C型」ベースの開発
『「ザクⅡC型」の局地戦対応として、最も早い時期に開発された機体。
開戦当初は「南極条約(戦争で「核使用禁止」等の条件を締結した条約)」締結前だった為、ジオン軍主力機にも「耐核装備」された『ザクⅡC型 MS-06C』が主力機として導入された。
「高機動型ザクⅡ MS-06R-1A」も、「耐核装備」された「C型」をベースとして開発された。
この機体は、汎用性を排除し、宇宙空間での戦闘に特化すべく、より高い機動性を求めて改良が施されている。
背部の大型化したランドセル(バックパック)に大量に消費する推進剤をより多く積み込むことができるプロペラントタンクを増設。
脚部には増速用の大型スラスターを3基ずつ計6基設置し、機動力の増強を図っている。
但し、「通信・索敵強化用のブレードアンテナ」は、当初「三位一体行動」する彼らには不要として取り付けられなかった。
この機体は、独立戦争初期の大規模艦隊戦となったルウム会戦において、かつてモビルスーツ開発にテストパイロットとして関わっていたガイア、オルテガ、マッシュら黒い三連星によって運用された。
彼らは対艦戦闘用のフォーメーションを組んだ三位一体の攻撃を得意としており、役割に応じて異なる兵装も特徴となっている。
チームを率いるガイア機は両肩にシールドを装備することで、バズーカの携行弾数が向上。
射撃能力に優れるマッシュの機体は中・長距離射撃が可能なMS用対艦ライフル ASR-78を装備。
そして、近接での格闘戦を得意とするオルテガの機体は、ガイア機とマッシュ機の攻撃の仕上げとして、ジャイアント・ヒート・ホークの直接攻撃でとどめを刺すという連携を行い、ルウム会戦において高い戦果を挙げることになる。
ちなみに型式番号『R-1A』は、「F型ベースのR型」の類似機体と同じ番号を後年付与されたもので、当時は単に『高機動型(一部では便宜上「R型」)』と呼称。
正式な型式番号が無かった上、『C型』の派生機だった事もあり、「黒い三連星」の「ルウム会戦」で運用されたモビルスーツが『C型』として伝わっている。

②『F型』ベースへの移行
『南極条約」締結に伴い、「耐核装備」が不要となり、同装備の無い『ザクⅡF型 (MS-06F)』が開発。
「高機動型ザクⅡ MS-06R-1A」も、「耐核装備」が外された「F型」をベースとして開発される事になるのだが、当時の「制宙権の大半を支配した」ジオン軍は「地球」が主戦場になると判断。
「F型ベースのS型」が優先して開発される事となり、「F型ベースのR型」開発は一旦凍結される。
「C型ベースのR型」搭乗パイロットも、先行して開発された「F型ベースのS型」を受領し乗り換える事なる。
「黒い三連星」も例外では無く、「C型ベースのR型」から「F型ベースのS型」へ乗り換えている。
UC.0079年4月、「F型ベースのS型」完成後に「F型ベースのR型」の試作機となる「高機動型ザクⅡRP型 (MS-06RP)」2機がロールアウト。
背部と脚部の燃料タンクを「C型ベースのR型」時の「カートリッジ式」から、燃料積載能力の高い「チューブ式」に改修される。
『頭部・装甲』もメンテナンス重視」「衝撃分散設計」だった『3分割・装甲板』を廃止し、「運用中の故障の激減」「重要なセンサー部の保護」の観点から、「剛性強化設計」の「単一・装甲板」へ変更。
運用試験も良好だった為、R型の量産機「R-1型」の量産が開始される。
但し、この時『黒い三連星』はキシリアの要請でドズルからキシリアへ配置転換されており、キシリア配下のパイロット技術の底上げとして「教導機動大隊」に着任。
UC.0079年3月より教導機動大隊の特別演習に参加し、パイロット教育に専念。
この時の「黒い三連星」は「雨の海海戦」で使用していた「MS-05A」のジェネレーターや外装を「MS-05B」へ改修。
「C型ベースのR-1A型」「F型ベースのS型」同様、黒、紫、グレー3色のパーソナルカラーへ塗り替え、指導に望んでいる。
これらの事情から「黒い三連星」は、「R-1型」を受領していない。
彼らに配備される事の無いまま、「R-1型」は運用パイロットからの「燃料補給効率の悪さ」を指摘され、生産を一度凍結。
最大積載量の高い「チューブ式・燃料タンク」から、当初の「C型ベースのR-1A」が採用していた燃料補給効率の高い「カートリッジ式」へ戻す形で「R-1A型」が開発される。
なお、「RP」「R-1」「R-1A」ともに、パイロットの要望によって『ブレードアンテナ(F型から移行したS型準拠)』を装備する機体も散見される。
頭部・装甲』も「単一・装甲版」へ変更している機体が多いが、一部「メンテナンス重視」した「3分離型・装甲版」を採用している機体もあった。』

③『黒い三連星専用機』
『「F型ベースのR-1A型」は「教導機動大隊」でのパイロット教育任務を終えた「黒い三連星」も受領。
「頭部・装甲」に以前の「C型ベースのR-1A」と違い、「一体型・装甲板」を採用。
「ガイア機の左肩」は「固定シールド」では無く、通常の「スパイクアーマー」が採用された。
「ルウム会戦」のような大規模戦闘では、「予備弾倉」装備も兼ねて「固定シールド」としていたが、通常戦闘を想定した為、格闘とのバランスも良い通常仕様にしたというい経緯である。
「黒い三連星」は地球に降りる直前まで本機を使用。
「C型ベースのR-1A型」「F型ベースのS型」同様、黒、紫、グレーの3色で塗り分けられている。
右肩のシールドには黄色いパーソナル・エンブレムが描かれているが、これは本来は突撃機動軍章であるものの、黒い三連星のMS以外には使用されていないといわれる。
機体番号はガイアが「03」、マッシュが「02」、オルテガが「06」。
グラナダ工廠でR-1型の基礎フレームを用いて製造されており、ほかの同型機とは細部の意匠が多少異なる。
ガイア機は頭部にブレード・アンテナが装備されることもある。』


この設定なら、『MSV設定』に大きな改変を加える事無く、「オリジン版R-1A型が一年戦争開戦時に別に存在した」と説明できます。

ただ、この作品まではカバーできなかったのが悔やまれます。


『ガンダムレガシー(1巻)』著・夏元雅人(角川書店)

こちらの『episode 01(1巻record 01) ルウムの影と光』では、ガッツリ「ルウムでの黒い三連星」を描いているため、「黒い三連星」がルウムで「(紫・黒の)パーソナルカラーではないザクⅡC型」に搭乗してるんですよね。
しかも「黒い三連星」が(紫・黒の)パーソナルカラーになるのは、ルウム以降「ザクⅡS型」受領から、と明言されています。



文字設定のみの「MSV」は私の説明で補完できましたが、「ビジュアル・台詞」付きのコミックは、アニメ版「オリジン」が「完全にルウム戦役を上塗り」している為、どうにもできません。
「ガンダム設定は、アニメ版が優先」定義により、完全に消されてしまいます。

夏元先生のコミックは大好きなだけに、無念です。

という訳で、今日は以上です。

今日の記事で「オリジン版」「ファーストガンタム版」の共生をテーマした「ジオン側」の記事に一区切りつけれます。

次回は「連邦側」で気になる点について。

更新は6月5日、土曜日です。


『指揮官用ザクⅡ』(MS-06S)【設定】

2021-05-22 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は「MS-06S」いわゆる『指揮官用ザクⅡ』について、です。

『指揮官用ザクⅡ』は「シャア専用ザクⅡ」が有名です。
「オリジン版」の「シャア専用ザクⅡ」はこちら。


『オリジン版シャア専用ザクⅡ(MS-06S)』

『指揮官用ザクⅡ(MS-06S)』 ※以下、wiki抜粋。
『アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「シャア専用ザク」に、『ガンダムセンチュリー』や『MSV』などでの設定が付加されたもの。
主に中隊長以上の士官に配備されたためにこの名称で呼ばれ、中隊長用、士官用などとも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06S」からS型とも呼ばれる
中隊長クラスのパイロットの要望に応えて開発された。
F型から派生した機体で、20パーセントの性能向上が行われている。
F型とは80パーセントの部品を共有する。
30パーセント増強した130トンクラスの推進器を2基装備する。推力の向上に伴って燃料積載量は増加したものの、基本的に少なく後々まで大きな問題となった。
また、指揮官用として通信・索敵能力を強化するため、ブレードアンテナ基部には改良が施されている。
また、推進器の出力向上に伴い、ジェネレーターもチューンナップされた。
オリジン版もほぼ同様の設定だが、R6キットの30ミリ肩部バルカン砲を装備している(S型の場合は型式番号に変更はない)。
オリジン版では、シャアの指示により各部スラスターのリミッターが解除された描写があり、
操縦性の悪化や機体損傷のリスクと引き換えに、機体の限界性能を引き出している。』

一方、『ファーストガンダム』のザクを見てみます。


『ザクⅡ(ファーストガンダム版)』

私的には、『これぞ!シャアザク!』って気分です。
しかし「オリジン版(カトキ先生デザイン)」と「ファースト版(大河原先生デザイン)」では、頭身からスタイルから違い過ぎます。
何処が同違うか、比較しようにも比較ができません。

なんで、スタイルが今風でモールドも追加された『ファースト版(ガンプラRG)』と『オリジン版』で比較してみます。


左『オリジン版』、中央『ファースト版(ガンプラRG)』、左『ファースト版(大河原先生デザイン』です。

最近(でも無いか)のガンプラは素晴らしいですね。
今風のスタイルの上、ディテール等の情報量も半端無い。

さて、違いですが、
まず、目を引くのが、左肩スパイクアーマーの大きさ。
これは、他の、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』でも見られる差(ザクⅠ等)なので、『スタイルの違い』として割愛します。

しかし『オリジン版』は解説にもありますが、

『R6キットの30ミリ肩部バルカン砲を装備している』

と、「固定武装」装備な点は、明らかな違いです。

それを除けば『細かなモールドの違い』となります。

それと、左『オリジン版』と右『ファースト版(大河原氏デザイン)』では同系色ですが、確実に「色の違い」があります。

『固定武装の有無』の相違、『頭部』『胸』モールドの差異と見逃せない違いがありますし、色設定は明らかに別物です。

別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)

ところで、『オリジンHP』には『ザクⅡC6/R6型』のコメントに以下の説明があります。


『ザクⅡC6/R6型』
『シャアが指揮するファルメル隊所属のモビルスーツ部隊の小隊長であるデニム曹長の搭乗機。
特殊任務を受けたシャアの部隊へ配備されたザクⅡも特別仕様となっている。
デニム機をはじめ、ファルメル隊所属のザクⅡは、一年戦争開戦に向けて生産された初期生産タイプのC型と開戦後に量産されて一般的となるF型の間に、少数生産されたC-6型と呼ばれる機体。
C-6型は、C型から胸部装甲の形状変更がされ、胸部にバルカンが配置されたことで装甲と武装の強化がなされた機体となっている。
さらに、腕部には2連装マシンガンを内蔵し増加装甲的な役割を果たす追加装備「R6キット」を装着(そのため、型式番号がMS-06C-6/R6と表記)。
腰部にはファルメル隊所属を示すエンブレムが描かれている』

コメントとして見て頂きたいのは、
『一年戦争開戦に向けて生産された初期生産タイプのC型と開戦後に量産されて一般的となるF型』
の部分。
『オリジン』で、この『ザクⅡC6/R6型』が登場するのは、ルウム戦役後でした。
具体的には、キシリアが立てた『極秘作戦・青い鳥』により、レビルがジオン公国から脱走。
そのレビルが連邦へ逃亡する際に乗艦した戦艦を、ファルメル隊が検閲する際にデニム機として登場したものです。
この時期に、最新機『ザクⅡC6/R6型』が実戦配備したと考えると、『MS導入時期』は、以下のようになります。


①『開戦前夜(UC.0078年12月)』・・・『MS-06R-1A(黒い三連星)』テスト運用。
②『一年戦争』直後・・・量産が間に合わず『MS-06C』配備されず、『MS-05』が主力。シャアも『MS-05S』に搭乗。
③『ブリティッシュ作戦』・・・『MS-06C』導入される。(「コロニー落とし」の有名なシーン)
④『ルウム戦役』・・・『MS-06C』が主力。『MS-06S(シャア)』『MS-06R-1A(黒い三連星)』も確認。
⑤『極秘作戦・青い鳥』・・・『ザクⅡC6/R6型』を確認。

この時期まで『ザクⅡF型 MS-06F』は確認されていません。
『ザクⅡF型 MS-06F』は『MS-06C6/R6』以降に開発されているので、

つまりは、

『MS-06S』は『MS-06F』開発前に開発された。

という事がわかります。
(実は、昔の『オリジン公式HP』には『ファーストガンダム』になぞらえて、
「『シャア専用ザクⅡ MS-06S』は『ザクⅡ MS-06F』より改良」
という説明文があったのですが、現時点で抹消されているんですよね。
オリジン版ガンプラには、名残として
『「MS-06S」は「MS-06F」より改良』
のコメントが残っているみたいですが。)

こうなると、「オリジン版の「シャア専用ザクⅡ MS-06S」は、「ザクⅡC型 MS-06C」をベースに派生した性能向上型となります。

逆説的に「ファーストガンダム版」の「シャア専用MS-06S」は、、「ザクⅡF型 MS-06F」をベースに派生した性能向上型となります。

それでは、2機の違いを改めてみてみます。

(1)「外見」


①「ブレードアンテナ」の長(ファースト版)短(オリジン版)。
②「頭部2本モールド(装甲板)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
③「左肩R6装備」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
④「胸・突起モールド(チ○ビモールド)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
⑤「脚部スラスタ」の有(ファースト版)無(オリジン版)。※これは「大河原版」には無い。
⑥「色設定」の濃(オリジン版)淡(ファースト版)。

(2)設定

「オリジン版」・・・「耐核装備」仕様の「C型」の能力向上機。
「ファースト版」・・・「耐核装備」無しの「F型」の能力向上機。


これらの事を説明すると以下のようになります。



『指揮官用ザクⅡ MS-06S』

①「C型」ベースの開発
『「MS-06」ザクⅡの性能向上機。
主に中隊長以上の士官に配備されたためにこの名称で呼ばれ、中隊長用、士官用などとも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06S」からS型とも呼ばれる。
中隊長クラスのパイロットの要望に応えて開発された。
開戦当初は「南極条約(戦争で「核使用禁止」等の条件を締結した条約)」締結前だった為、ジオン軍主力機にも「耐核装備」された『ザクⅡC型 MS-06C』が主力機として導入された。
「指揮官用ザクⅡ MS-06S」も、「耐核装備」された「C型」をベースとして開発され、「C型」の20パーセントの性能向上が行われている。
C型とは80パーセントの部品を共有する。
30パーセント増強した130トンクラスの推進器を2基装備する。
また、指揮官用として通信・索敵能力を強化するため、ブレードアンテナ基部には改良が施されている。
また、推進器の出力向上に伴い、ジェネレーターもチューンナップされた。
R6キットの30ミリ肩部バルカン砲を装備している。(S型の場合は型式番号に変更はない)。
また、シャア搭乗した「シャア専用機」には、シャアの指示により各部スラスターのリミッターが解除された描写があり、操縦性の悪化や機体損傷のリスクと引き換えに、機体の限界性能を引き出している。』

②『F型』ベースへの移行
『南極条約」締結に伴い、「耐核装備」が不要となり、同装備の無い『ザクⅡF型 (MS-06F)』が開発。
「指揮官用ザクⅡ MS-06S」も、「耐核装備」が外された「F型」をベースとして開発され、「F型」の20パーセントの性能向上が行われている。
「C型」改善時と同様、「F型」ベースの「S型」も、『F型と80パーセントの部品共用』『ジェネレーターもチューンナップ』『F型比で30パーセント増強した130トンクラスの推進器を2基装備』。
しかし、推力の向上に伴って燃料積載量は増加したものの、基本的に少なく後々まで大きな問題となった。
『ブレードアンテナ』は実戦経験したパイロットの多数の要望があり、「より高い通信・索敵能力」を求められ、『C型』より強化され、外見上もアンテナ延長等の差異が見られる。
『R6オプション』は使用頻度の低さと重量問題から撤廃する機体が増えた。(一部の機体は継続装備)
『頭部・装甲』もメンテナンス重視」「衝撃分散設計」だった『3分割・装甲板』を廃止し、「運用中の故障の激減」「重要なセンサー部の保護」の観点から、「剛性強化設計」の「単一・装甲板」へ変更する機体が増えた。
外部塗装も「C型」から「F型」に変更した際の「標準塗装色」の変更されたが、「S型」も「F型」準拠に変更。(一部の機体は「3分割・装甲板」を継続)
シャア専用機もボディカラーの濃淡が変更され、「サーモンピンク」へ変更された。
また、「F型」ベースの「シャア専用ザクⅡ」には「R6オプション」は撤廃。『頭部・装甲』も「単一・装甲版」へ変更している。』

この設定なら、『MSV設定』の「ルウム戦役にシャアは「C型」で出撃した。」記録も、「C型ベースのS型の為、C型として記録が残った」と説明できます。

ちなみに、紛らわしいから「C型ベースのS型」を「MS-06CS」とでもすれば良いんでしょうけど、そうすると「F型ベースのS型」が「MS-06FS」、となり、本来の「FS型」と区別付かなくなります。
『「R6キット」装備すると「MS-06C」が「MS-06C/R6」になるが、「S型」の場合は型式番号に変更はない。』
と前述説明にもあるとおり、「S型」は「型式番号」はむやみに変更しないんでしょう。

余談ですが、コチラの「ルウム戦役」を題材にした映像作品にも「ザクⅡS型」が登場します。


『MS-Igloo 大蛇はルウムに消えた』

この「S型ザク(シャア専用ザク)」も「C型ベース」って事で良いんじゃないでしょうか。
頭部に2本線のモールドありますし。カラーリングも「ファーストガンダム版」より「オリジン版」寄りです。
まあ、胸に「チ○ビモールド」は無いですが、単なる描写の違いって事で・・・。

ぶっちゃけ、MS-Iglooのザクは、ガンプラMGのデータを使って制作してるので、多少の相違は仕方ないです。
むしろ頭部2本線モールドやカラーリングが酷似してたってだけでも、今日の記事の補完材料になって良かった。(自己満足)
デザイン上の共通点は、「オリジン」も「Igloo」も今西氏が監督してるから、カトキ氏がデザイン時点で配慮した?とか、邪推したくなりますね。

今日は以上です。

次回は「MS-06R-1A」について。
更新は来週29日、土曜日です。



「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」(「ザクII」)【設定】

2021-05-15 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今回は「ザクII」について、です。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の「ザクⅡ」といえば、こちらです。



「オリジン」アニメ版は、全部『C型』系です。

『オリジン』の『C型』には「C5型」や「C6型」、「C6型」に「R6キット」装備した「C6/R6」なんていうバリエーションも設定されています。


『ザクⅡC6/R6』

いずれも「C型」の派生です。

ここで、『ザクⅡC型』について解説(wiki)見てみます。

『ザクⅡC型』
『A型に次いで試作機が完成。
ただちに量産が開始されたザクIIであり、ジオン公国軍の一年戦争開戦時点における主力機となる。
いずれは連邦軍もMSを配備する可能性を想定し、A型に近接戦能力がないことを不安に思ったキシリア・ザビの提言により、右肩のシールドと左肩のスパイクアーマーが固定装備、さらに標準兵装としてヒート・ホークが携行されている。
核攻撃で併用されることを前提としており、コクピット周辺の三重複合装甲裏側に放射線遮蔽液が注入され、自重は72トンに達した。
しかし、後に南極条約によって核兵器の使用が禁止されるとデッドウエイトとなると判断され、耐核装備を外した量産型(F型)に移行する。』
(ファーストガンダム設定が主だが、オリジンでもほぼ同義)

『C5型』
『C型を宇宙と地上の両方で運用できるように改修したタイプ。
コックピット・ハッチが右胸から左胸に変更され、形状も異なる。
ハッチ上部に小型のレーザー銃、胸部左右の下部に小型スラスターが増設されている。』

『C6型』
C-5型の改修機で、C型とF型の間に少数生産されている。
右胸に3連装バルカン砲(R6キットとは別)が1基増設されている。

『R6キット』
『ザクⅡC型系MSに装着できるオプション装備。
胸部(肩口)左右の30ミリバルカン砲と、左前腕部の20ミリ機銃ポッドの2つからなり、両方あるいは一方を装備した機体は型式番号末尾に『・・・/R6』表記となる。』

一方、『ファーストガンダム』のザクを見てみます。


『ザクⅡ(ファーストガンダム版)』

私的には、『これぞ!ザク!』って気分です。
しかし、同じ「ザクⅡ」でも「オリジン版(カトキ先生デザイン)」と「ファースト版(大河原先生デザイン)」では、頭身からスタイルから違い過ぎます。

何処がどう違うかを比べようにも、デザイナーが違うので比べられません。

なんで、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』『ファースト版(大河原氏デザイン)』と、3つを並べてみます。


左『オリジン版』、中央『ファースト版(カトキ氏デザイン)』、右『ファースト版(大河原氏デザイン)』です。

流石に同じカトキ氏のデザインだと、比較しやすいですね。
まず、目を引くのが、左肩スパイクアーマーの大きさ。
これは、他の、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』でも見られる差(ザクⅠ等)なので、『スタイルの違い』として割愛します。

それを除けば『細かなモールドの違い』となります。

それと、左『オリジン版』と右『ファースト版(大河原氏デザイン)』では同系色ですが、確実に「色の違い」があります。

モールドは(後述しますが)一部『頭部』『胸(俗にいうチ○ビモールド)』と見逃せない差異がありますし、色設定は明らかに違います。

別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)

設定について、まず明確なのが、『オリジン版ザクⅡ』。
最初にも書きましたが、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式HPにおいて、アニメ『オリジン版ザクⅡ』は、全て『C型(系)』と設定されています。
逆説的に、『ファーストガンダム版ザクⅡ』については、以下の事が言えます。

①『ファーストガンダム版ザクⅡ』は「オリジン版ザクⅡ」とは「別機体」。
②アニメ版に限っては、「オリジン版(アニメ)」と「ファーストガンダム(アニメ)」は別の時期を描いています。
「オリジン版(アニメ)」は、「ファースト版」の冒頭「ガンダム、大地に立つ」直前までを描いており、「この後、ファーストガンダムに繋がる」ような演出で幕を落とします。
「ザクⅡ」も「オリジン版」より未来である「ファースト版」の方が、より新型であると推測できます。
③上記②から、『ファーストガンダム版ザクⅡ』は「オリジン版ザクⅡ」の後継機と判断できます。

『オリジン版ザクⅡ』=『C型』の後継機とすれば、『ファーストガンダム版ザクⅡ』=『F型』となります。

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<おことわり>
『オリジン』はアニメ以降も物語は「コミック版」で継続しますし、その設定もあります。
しかし、「ガンダム世界はアニメ版の設定が優先する」という大原則が、あります。
そのため「アニメ版オリジン」以降の物語は、『アニメ版ファーストガンダム』が優先するので、その後の物語である『コミック版オリジン』設定は(ファーストガンダム版設定に抵触する部分は)無視します。 
また、『オリジン版』は「パラレル」という概念がありますが、「パラレル」ではない事を前提に記事にしています。
『オリジン版アニメ化プロジェクト』が終了(安彦氏とカトキ氏が「オリジン劇場版パンフレット」で明言)した今、『ファーストガンダム』と物語が被らない(「ガンダム大地に立つ」以前が「オリジン」、以降が「ファースト」)となれば、他の外伝・サイドストーリー(「08小隊」等)と立ち居地は一緒。
(物語の理不尽な「上塗り否定」が無い)
それであれば、『オリジン』『ファーストガンダム』の共生を「背景設定」をすり合わせて考えいていく・・・という見方です。

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『C型』と『F型』の相違点をまとめると、

①『色設定』基本色「緑」の濃(C型)淡(F型)
②『文字設定』耐核装備の有(C型)無(F型)
③『装甲デザイン』上の『モールド』

この3つが主な相違点でしょう。
ただし①②と違って、③『装甲デザイン上のモールド』については、公式・商業レベルの「F型」デザインで最も精密なモールドのデザインと比較しないと公平になりません。
そこで、商業ベースで最もモールドの多いデザインの『ガンプラ(RG)のF型』と『オリジンC型』を比較してみます。



左『オリジン版(C型)』、中央『ファースト版(カトキ氏デザイン)(F型)』、右『ガンプラ RG(F型)』です。

①脚モールド・脚部スラスタ
『オリジン版(C型)』と『ファースト版(カトキ氏デザイン)(F型)』比較して最も目立っていた『脚・全般』のモールドは、『オリジン版(C型)』と『ガンプラ RG(F型)』では大差ないですね。
強いて言えば「下腿」にある「姿勢制御スラスタ」の有(F型)無(C型)ですね。
しかし、『ファースト版(カトキ氏デザイン)(F型)』には無いので判断の難しいところです。
『ガンプラ MG』では、『脚部スラスタ』の有無は、『F型』にあって『J型』無い、「背部バーニア」と並んで「F型のシンボル」的な部位ですし。
でも『ファーストガンダム』アニメ映像には、脚部スラスタ描写は無いんですよね。
個人的には、有無「両方」を尊重して、
『C型からF型に移行した際、多数のパイロットの要望で「脚部スラスタ」が増設された機体が多く存在した。但し量産コストが嵩む為、全てのF型に装備されているものではなかった。』
とか、どうでしょう。

②「頭部デザイン意匠」

『オリジン版(C型)頭部』中央には、2本のモールド(装甲板のつなぎ目)があります。


左『オリジン版(C型)頭部』、中央『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)頭部』、右『ガンブラRG(F型)頭部』です。

『オリジン版(C型)頭部』中央に2本あるモールド(装甲板のつなぎ目)は、『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)頭部』や『ガンブラRG(F型)頭部』にはありません。

これは、明らかな相違であり、頭部2本モールド(装甲板のつなぎ目)が無い事が『F型』の特徴と言ってもよいと思います。

・C型「装甲板の分割・細分化」=『実体弾の被弾時の衝撃を吸収』する設計

・F型『頭部(センサー)』のような重要な箇所等を限定して、「装甲板の一体・簡略化」=『装甲の剛性が強化』する設計

へと装甲板への設計コンセプトを変えた。

そして、

『装甲一体化』=「装甲パネル減少」から「組立簡素化=生産スピード向上」も図った。

・・・といったところでしょう。

ちなみに、『第08小隊』の『ザクⅡJ型・JC型』と呼ばれる「陸戦型ザクⅡ」には、「C型」と同じ「頭部2本モールド」が存在します。


『08小隊版・陸戦型ザクⅡ・頭部』

これは、アジア方面にある「湿地帯」「砂塵」等の過酷な環境で活動する『陸戦型ザクⅡ』の場合、『装甲パネル簡素化による組立・生産スピードの強化』より、過酷な環境に対応した『装甲パネル細分化=故障時のメンテナンス重視』を選択したって事なんでしょう。

個人的には「頭部2本モールド」は、「Zガンダム」のハイザックみたいで、好みじゃないんですけど。


『ハイザック・頭部』



③『胸モールド』

『オリジン版(C型)胸部』には「突起モールド」があります。


左『オリジン版(C型)胸部』、中央『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)胸部』、右『ガンブラRG(F型)胸部』です。

『オリジン版(C型)胸部』にある突起モールドは、『カトキ氏デザイン・ファーストガンダム版(F型)』や『ガンブラRG(F型)頭部』にはありません。

「胸の突起モールド(俗に言う「チ○ビモールド」)」は、「オリジン・ザク系MS」のシンボル。
言い換えれば「ザクⅡ」に限定すれば、「C型のシンボル」と言って差し支えないです。
逆説的に「胸モールドが無い」のが「F型」の特徴となります。

以上をまとめると以下になります。



①ジオン軍は次期主力MSとして「ザクⅡC型 (MS-06C)」を開発。
当期は、「南極条約」締結前の時期に開発された為、「耐核装備」を条件に製造された。
また、「一年戦争」開戦に間に合わせるべく急造した為、故障リスクが懸念された。
その為、特に重要な「頭部・センサー」等は、頭部・装甲板を3分割し「メンテナンス重視」の設計し故障に備えられた。

②「南極条約」締結により、戦争での「核兵器禁止」となった。
ジオン軍は「耐核装備」をオミットした「ザクⅡF型 (MS-06F)」を開発。
長期戦を想定。物量を意識し、「メンテナンス重視」から「生産スピード重視」へ設計方針が変更された。
これにより、「頭部・装甲板」は単一・装甲板となり、「胸・突起モールド」も、大半の機体はオミットされた。
「R6オプション」のようなオプション装備も「生産スピード重視」の為、基本的に装備しないタイプが大半を占めるようになる。
機体塗装も有視界戦闘で味方機体への誤射防止の意も含め、明るめのカラーが採用された。

こんなところでしょうか。


以上で本日は終了です。
次回は「MS-06S」について。
更新は来週22日、土曜日です。