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『国家総動員令』(ジオン軍組織編制)【設定】

2021-05-08 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は『ジオン軍・組織編制』について、です。

『ファーストガンダム史』では、

『UC.0078年10月 「国家総動員令」発令。「宇宙攻撃軍(ドズル中将)」「突撃機動軍(キシリア少将)」「親衛隊(公王直轄・ギレン担当)」設立。』

とあります。

『オリジン』でも、だいたい共通の設定だと思うのですが、詳細に違和感を感じます。
私が感じる違和感は以下です。

①『ファーストガンダム』では、ドズルは『兵器としてのモビルスーツ導入に否定的』。

 ➡『オリジン』では、むしろドズル一人が率先してモビルスーツを推進している印象。


②『ファーストガンダム』では、黒い三連星は『突撃機動軍(キシリア少将)』所属。


 ➡『オリジン』では、むしろドズルがスカウトした直属パイロットの印象。


③「オリジン」のマ・クベは「地球方面軍」総司令で「中将」。しかし「ファーストガンダム」では「大佐」

④『親衛隊』は、誰が指揮しているのか。



それでは、①~④の疑問を個別に見ていきましょう。

①は映像化した『オリジン版』準拠で「ドズルはモビルスーツ運用に肯定的で積極的導入に貢献した」で良いと考えます。

ただ、「ファーストガンダム版」ではドズルではなくキシリアがモビルスーツ運用に積極的で、「教導機動大隊」も実質的にキシリアが運用していた設定になってます。

【教導機動大隊】
『ジオン公国軍がモビルスーツの操縦技術を研究・教育するために設立した訓練部隊が教導機動大隊である。
 U.C.0065年に成立したミノフスキー物理学は,近代戦の様相を一変させ,モビルスーツを誕生させた。0073年に第1号機がロールアウトした後,加速度的に進化を重ね,0075年についに実戦可能な「兵器」としてロールアウトするに至ったのである。
 モビルスーツの有用性を認識したキシリア・ザビ大佐(当時)は,ギレン・ザビ大将を説得し,この新型兵器のための実験的な部隊を0075年11月(異説として0076年5月説もある)編成させた。これが教導機動大隊である。
 MS-05《ザク》がロールアウトし,実際に戦闘可能なモビルスーツが生産され始めると,この「新型兵器」を運用するための様々なノウハウが必要となった。教導機動大隊の目的のひとつが,このモビルスーツを運用した戦術,戦法の開発だったのである。
 また,新兵器であるモビルスーツのパイロットの育成を行うための組織としての目的もあり,当初は後に名を残すパイロットも数多く所属していた。一例をあげると,特務小隊として名高い黒い三連星チーム(ガイア,マッシュ,オルテガの3名)や「赤い彗星」シャア・アズナブルなどがあげられる。
 本部隊は,キシリア大佐が発案しただけあり,後の突撃機動軍とほぼ同じ編成となっている。このため,部隊で発案された様々な戦術などは,突撃機動軍では,ほぼそのままの運用が可能であり,U.C.0077年7月の初陣(サイド6への軍事介入)以降,様々な戦果をあげることとなった。
 部隊編成上の当初配備機は,MS-05《ザク(Ⅰ)》であり,このMS-05の運用時に後のMS戦における様々な基本戦術のほとんどが完成したと言われている。だが,逆に言えば,この時期には様々なトラブルなどに見舞われた時期であり,貴重な人材と機材を数多く失った時機でもあった。
 しかし,MSそのもののブラッシュアップが進んだMS-06《ザクⅡ》が実戦配備されると,それまで蓄積されたデータが確実に活かされる状況となった。
 U.C.0079年1月3日,連邦に対して宣戦が布告されると従来の戦術体系から大きく逸脱した戦術を持つ教導機動大隊は,めざましい活躍を記録する。特に開戦からのいわゆる一週間戦争では,MSという新型兵器を活かし,各コロニーの制圧をほぼ完了するという大きな戦果をあげた。
 だが,その後のブリティッシュ作戦,俗に言うコロニー落とし作戦では,ザクが本来持つ機動性を殺してしまう戦術がとられた結果,多くの有能なパイロットを失い結果となった。その後,大隊の目的は新たな戦術の開発よりも新規パイロットの育成へとシフトしていくのである。』

この解説をみてると「オリジン版」では、キシリアの役割を、全てドズルが担っている状況です。

なので「オリジン版」でアニメ化されている時期(=一年戦争開戦前と直後)は、「教導機動大隊」の設定も、キシリアの部分をドズルに置き換えてしまい、ある時期にキシリアに運用・管理が変更されたことにすればいいのかなあ・・・と思います。
具体的には

・モビルスーツ運用はギレンの承認を得て、ドズルが推進。
・「教導機動大隊」もドズル発案で編成。
・「独立戦争」開戦。ドズルのモビルスーツ運用の功績で、ジオンは初戦で大勝。
・連邦に対し有利な条件を通し終戦とする見込みだったが、ギレンとキシリアの目論見で継戦となる。
・「地球侵攻作戦」の軍編成も、当初から継戦を目論んでいたキシリア主導で運用される。
・主戦場が地球となり、軍の主力も「宇宙」から「地上」へ移行。軍内派閥もドズル「宇宙攻撃軍」よりキシリア「突撃機動軍」に重点がおかれる。
・ジオン軍全体の運営を考慮し「教導機動大隊」管轄もドズルから、より重要なポジションのキシリアへ移行される。

・・・こういったところでしょうかね。


②については『オリジン』の『誕生 シャア・アズナブル』劇場パンフレットに、答えが書いてありました。

『黒い三連星』はシャアと同じく、ドズルの『宇宙攻撃軍』内『特別強襲大隊』所属となってました。
つまり「オリジン」では、「黒い三連星」は配属の設定も「キシリア」では無く、「ドズル」の部下なんです。

ですが、『オリジン』アニメ内で、シャアを他の部隊にスカウトされたように、『黒い三連星』もルウム戦役の功績で「ジオン十字勲章」授与された後に、キシリアにスカウトされて『突撃機動軍』に転属したんじゃないでしょうか?
(シャアはマ・クベのスカウトを断ってましたが。)
まあ、スカウトでなくとも制圧した拠点『グラナダ』防衛等で軍備増強が必要だったキシリアが、正式にドズルに優秀なパイロットの異動申請しても不思議じゃないです。
ドズルもキシリアから要請を受ければ、協力しそうですし。

要するに、『黒い三連星』は『赤い彗星』と同様、

『当初、『宇宙攻撃軍』だったが、戦時中に『突撃機動軍』に転属した』

って事でしょう。

③「マ・クベ」の階級が、「オリジン」の「地球方面軍」総司令で「中将」。しかし「ファーストガンダム」では「大佐」と相違する点について。



これはランバ・ラルと同じ理由ではないでしょうか。
ラルは「一年戦争」開戦時は「中佐」。
しかし「命令拒否」により「大尉」へ降格。
マ・クベも、「一年戦争」開戦時は「中将」。
しかし、何らかの理由で「大佐」に降格したという解釈です。
(コミック版「オリジン」では中将のままですが、それだとアニメ「ファーストガンダム」が成立しません。
「ガンダム設定はアニメが優先」の原則から、マ・クベの階級が「ファーストガンダム」の階級に戻る必要があります。
その補完を考えるものです。)

それでは「マ・クベ降格」の理由ですが、ズバリ「ガルマの戦死」でしょう。
「地球方面軍・総司令」として「ガルマ戦死」の責任をとる形で「中将➡大佐」の降格。
非常に説得力があります。

アニメ版「オリジン」ではキシリアがマ・クベに「地球方面軍・総司令」を依頼する際、
「地球侵攻軍を本国が見捨てないための人質として、ガルマを配下につける」
といった描写があります。
「ガルマ戦死」の責任をとる形の「降格」の裏には、
「降格受け入れを条件に、引き続き地球方面軍とマ・クベ個人を見捨てない」
とキシリアが提示したのかもしれません。

「ファーストガンダム」はテレビ版(16話)でも映画版でも、「マ・クベ」初登場時点で「大佐」ですが、「ガルマ戦死」の後(テレビ版10話)です。
辻褄が合います。



「オリジン」では「キシリア = 少将」、「マ・クベ = 中将」のため、キシリアもマ・クベに相当気を使ってますが、「ファーストガンダム」では「マ・クベ = 大佐」のため、完全にキシリアもマ・クベに対して上から目線です。



こういった「降格」による待遇の変化もあれば、大佐に昇格したシャアに対抗心を持つのも、心情として理解できます。

ということで、
「マ・クベは当初『中将』だったが『大佐』に降格した。」
で説明がつきますね。


④『親衛隊』は、ガンダムの設定が複雑なだけで問題は無いようです。

『親衛隊』は、そもそも「誰の親衛隊」かって事なんですが、

①『デギン公王』親衛隊は、キシリア直轄。『ファーストガンダム』で、ガルマ死去後のシャアに接触した連中。



②『ギレン総帥』親衛隊は、ギレン直轄で、『本国防衛隊』と同一。後のデラーズフリートの母体。




という事で、要するに2つ組織があるんですね。
だから『オリジン』だからとか『ファーストガンダム』だからとか、色々矛盾に見える点も、実はまるで問題無いようです。

余談ですが、この「親衛隊」の設定が解ってないと、このコミックが理解できないんですよね。


『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』(角川文庫)著・Ark Performance。全4巻。

このコミックには「ギレン親衛隊 = 本国防衛隊」として、この人が登場します。


『エリック・マンスフィールド』
『ジオン公国軍のエースパイロット。
ジオン本国防衛本隊所属で、階級は中佐。
グレーのロービジリティーパターンに塗装され、ブレードアンテナが側頭部に配置された高機動型ザクII(R-1A型)に搭乗していたことで知られる。

書籍『戦略戦術大図鑑』(1991年)では「1年戦争エースパイロット名鑑」に取り上げられた。
MS撃墜数156機、艦船撃墜数3隻とされ、これはジオン公国軍第4位の記録である。
搭乗機はザクI、ザクII S型、ゲルググS型とされた。

ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』(1996年)では、宇宙世紀0079年10月15日、地球へ降下するキシリア・ザビ少将が搭乗するザンジバル級機動巡洋艦の護衛任務に就いている。
風貌は細身の中年男性として描かれている。

漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』(2007-2010年)では、長髪の美青年として描かれた。
ギレン・ザビ親衛隊MS部隊隊長として、主に部隊の指揮と育成を任されていたようであり、本作ではMSに搭乗するシーンは描かれていない。

『MSV-R』(2013年)では、ザクII S型ではなくFS型が設定された。
少佐時代の搭乗機とされる。』

彼のコメントで以下が気になります。
『ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』(1996年)では、宇宙世紀0079年10月15日、地球へ降下するキシリア・ザビ少将が搭乗するザンジバル級機動巡洋艦の護衛任務に就いている。』

この内容を尊重すれば、「エリック・マンスフィールド」は「キシリア直轄」と解釈もできます。
だとすれば、「親衛隊」も以下だった可能性もあります。
「親衛隊は、そもそも『デギン公王』を守護する部隊でキシリア直轄だった。
デギン死去後、最高権力者が名実ともにギレンに交代。
そのため親衛隊も『ギレン総帥』を守護する任務に変更。
所属もキシリアからギレン直轄へ変更された。」
この解釈でも、コミック「ギレン暗殺計画」は成立しそうですし、「親衛隊」すらも「元キシリア直轄」だったから、セシリアの動機付けも強調されそうです。
ただ、「デラーズフリート」の母体という設定が弱くなります。

やはり「デギン親衛隊」「ギレン親衛隊」2部隊説でないと、辻褄が合わないですね。
結論、「親衛隊」は管轄別に2つあったということで、間違いないようです。

しかし「エリック・マンスフィールド」については矛盾が残ります。
彼は「ギレン配下」なのか? 「キシリア配下」なのか?

ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』を否定しなければ、答えは以下になります。

・10月15日時点で、キシリア配下だった。
・何らかの理由で配置転換され、ギレン直轄「本国防衛隊」へ編入された。

さらに「本国防衛隊 = ギレン親衛隊」ならば、彼は戦後「デラーズフリート」に合流していそうです。
しかし実際には「0083」で登場しません。
その理由を考えてみますと、以下のいずれかではないでしょうか?

・「ア・バオア・クー」かそれ以降の戦闘で、戦死した。
・画面に登場しないだけで、「デラーズフリート」で活躍していた。
・「アクシズ」や、他の残党と合流した。

今回は「ジオン軍組織編成」がテーマですので、このあたりで止めときます。

しかし、「エリック・マンスフィールド」については、別のテーマとして後日掘り下げたいですね。
フィーリウスはアナハイム➡カラバに行きましたが、エリック・マンスフィールドが生きて戦う道を選んでいたら、どうなっていたか?
「本国防衛隊」にMS-Xシリーズが配備されているとすれば、ザク系の「アクトザク」をパーソナルカラーに塗り搭乗したとか。
「デラーズフリート」に合流していれば、「MS-06F2」ベースを高機動型に改修して、パーソナルカラーにして戦っていたとか。
終戦当時のデラーズが「大佐」でエリックは「中佐」だから、昇級して艦隊司令兼パイロットに・・・は無いか。

おっと、妄想が過ぎました。

という事で、今回は以上です。
次回は、『ザクⅡ』について、です。
更新は来週15日、土曜日です。




『ランバ・ラル専用ザクⅠ』(MS-05Bとオリジン)【設定】

2021-05-01 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は、『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)』と「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」について、です。


『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)』 ※wiki転載
『書籍『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』が初出で、ランバ・ラルが開戦当初に乗っていたとされる。
文字設定のみであるが、塗装は青とされる。
その後『機動戦士ガンダム ギレンの野望』のゲーム中のムービーおよびユニットとして登場したが、それぞれ塗り分けや仕様が異なっている。
ユニットの塗装は青を基調とするが、仕様は量産機と変わらない。
ムービーでは両肩にアーマーを装備し、胸部のデザインは『08小隊』版を踏襲、塗装は青を基調とするが胴体はグレー寄りに塗られている。
マスターグレードではムービー版でプラモデル化された。
また、アクションフィギュア『ZEONOGRAPHY』でもムービー版の仕様で立体化されたが、塗装はほぼグフを踏襲している。
宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠのバージョンをもとに、局地戦用MSの開発に並行して開発された陸戦用デバイスなどが試験的に装備されている。
さらに、受領に当たってはパイロットとなるラル少尉(当時)の意見を取り入れ、おもに前線での使用を考慮した防塵やメンテナンス機能が強化されている。
これにより多少の戦闘能力低下が見られるが、総合的な戦力は向上している。
一週間戦争終盤の0079年1月8日、サイド1の工業コロニーに立てこもる連邦駐留軍に対し、ゲリラ戦によって施設を無傷で制圧する。
これによりラルの評価はますます高まり、ドズル・ザビは戦場視察の名目で同コロニーで戦勝パレードを開催し、ラルの戦功をたたえたといわれる。
その後ルウム戦役を経て地球侵攻作戦に参加、ラルがグフに乗り換えるまでに良好な戦績を挙げている。
当初はザクI用のマシンガンを携行するが、のちにザクII用のものに持ち替え愛用している。
ドズル・ザビ専用ザクIIと同型の大型ヒート・ホーク (Type L2) も使用しているが、これはドズルが参考にしたという噂もある。
また、地球侵攻作戦終了後の戦勝パレードではパーソナル・エンブレムが左肩アーマーに描かれているが、戦闘の際にはふたたび青く塗り直されている。』



『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)』については、正直、この機体のカラバリという印象でした。


『ザクⅠ コロニー制圧戦仕様(MS-05B)』
『初出は『機動戦士ガンダム第08MS小隊』。第6話で「サイド2」内部に毒ガス散布する回想シーンに登場。ゲーム「ギレンの野望」ムービーシーンでは、シーマ・ガラハウも同機に搭乗している。』

外装はそっくりですし。
ZEONOGRAPHY版『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)』(MG版と色違い)には、オリジナル「核バズーカ」まで付いてましたし。
ぶっちゃけ、『Gガス』『核バズ』使用する嫌なイメージでした。

しかし、wiki情報にあるMG『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)』インストには、色々な設定が載っていて驚きました。
特に、

①『宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠのバージョンをもとに、局地戦用MSの開発に並行して開発された陸戦用デバイスなどが試験的に装備』
②『受領に当たってはパイロットとなるラル少尉(当時)の意見を取り入れ、おもに前線での使用を考慮した防塵やメンテナンス機能が強化』

などは、めっちゃカッコイイ設定!
『コロニー制圧』という名の『Gガス装備仕様』なザクじゃなくて、『陸戦用デバイスなどが試験的に装備』された機体だったんですね。
まあ、『陸戦型ザクⅠトップ専用機(MS-05B)』の胸部装甲を外すと、『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)』』と同じデザインになりそうですし、説得力もある設定です!


『陸戦型ザクⅠ(トップ専用機)』

ただ、『オリジン』の世界では、この時期のランバ・ラルは『ブグ(MS-04)』に搭乗。
カトキ・ハジメ氏によると
「『(パラレル扱いの)オリジン』世界では、「ブグ(MS-04)」が、『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』の代わりになります。「ブグ(MS-04)」の「機体番号 31は、ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』の名残です。」
と説明してました。

逆説的に『オリジン』がパラレル扱いでなければ、『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』の存在が消されてしまう!

そんなの嫌だ! (って、また子供が駄々こねるパターン)

って訳で、『オリジン』の世界を加味しても『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』が存在できないか、検討してみました。

それでは、設定ごとに見てみましょう。

①『ルウム戦役を経て地球侵攻作戦に参加、ラルがグフに乗り換えるまでに良好な戦績を挙げている。』

・・・これは、『オリジン』のランバ・ラルは、『コロニー落としを準備する「GGガス注入作戦」の直前に予備役』となっていて、少なくとも『ルウム戦役』には参加していないので、『オリジン』を尊重した場合、この設定は無かった事にするしかないです。

②『一週間戦争終盤の0079年1月8日、サイド1の工業コロニーに立てこもる連邦駐留軍に対し、ゲリラ戦によって施設を無傷で制圧する。
これによりラルの評価はますます高まり、ドズル・ザビは戦場視察の名目で同コロニーで戦勝パレードを開催し、ラルの戦功をたたえたといわれる。』

・・・これは、『オリジン』世界でも組み込める設定ではないでしょうか。

実際に開戦当初のスケジュールで、オリジンの物語を加味した上で、ラルが『UC.0079年1月8日、サイド1コロニー制圧作戦』に参加できたのか、検証してみます。

「ファーストガンダム」の開戦当初スケジュールをみてみます。
「ファーストガンダム」では、
1月10日 「コロニー落とし」実施。
・・・となっています。
しかし、その詳細は
・1月10日は「コロニーが阻止限界点を越えた日」。
・1月3日の「宣戦布告」と同時電撃的に「サイド2のコロニーの一つアイランドイフシュ(落とされたコロニー)」他サイド1、2、4各コロニーにGガスが注入。
・・・なんですよね。

この『ファーストガンダム』設定のスケジュールに「オリジン」の
「ランバ・ラルは、『コロニー落としを準備する「GGガス注入作戦」の直前に、ドズルの命令を拒否し予備役』」
という物語を重ねると、1月3日には「ラルは予備役」となり、「1月8日、サイド1コロニー制圧作戦に参加」することはできなくなります。

但し、ここでは「アニメ映像の設定優先」から、スケジュール日程も「オリジン」設定を採用できます。
「オリジン」では、以下に改変されています。

・1月3日の宣戦布告直後は、グラナダ制圧等が優先される。
・しばらくの間、小規模のコロニー制圧戦等が続いた後に、
『「GGガス」によるサイド2内のコロニー「アイランドイフシュ」の制圧、「コロニー落とし」実施する」』
という「ブリティッシュ作戦」がギレンより立案。
・「ブリティッシュ作戦」をドズルが内々にラルに指示。ラルはこれを拒否。予備役に。
・1月15日(「ファーストガンダム」設定より数日遅い)に「コロニー落とし」実施。

この「オリジン」スケジュールならば、「1月3日、開戦と同時に毒ガス注入」した訳ではなく、開戦後しばらくの間、ジオン軍は「月面(グラナダ等)と各コロニー制圧」している事になります。
しかも「コロニー落とし」は、1月15日。
1月10日あたりに「GGガス注入」し、「落下コロニーの移動開始」したとすれば、1月8日に「ラルがサイド1制圧」が「ラルが予備役になる前」と解釈可能です。

話が脱線しますが、この「オリジン」開戦スケジュールで、一つだけ気になるのが「一週間戦争」の定義です。
「一週間戦争」は、そもそも「開戦(1/3)から、コロニー落とし=阻止限界点・突破日(1/10)」と定義されています。
このスケジュールだと、「一週間」にならないんですよね。
なので、「オリジン」の「一週間戦争」は、「開戦(1/3)から、コロニー落とし=阻止限界点・突破日(1/15)」の12日間を、(7日間より多いが、誇張した表現で)「一週間戦争」と読んだとするしか、ないですかね。

話を戻します。

ラルが「1月3日にランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)で、サイド1制圧作戦に参加した」ことは、スケジュール上、無理なく組み込める事が証明できました。
しかし、この開戦時期「ブグ(MS-04)」に搭乗していたランバ・ラルが、何故『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』に搭乗したのか?
という疑問が残ります。

これは、以下の理由によると考えられます。

①『サイド1の工業コロニーに立てこもる連邦駐留軍に対し攻撃』しているので、「コロニー内の作戦」=「『陸戦用デバイス装備』ある『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』」が適任と考えられた。

②ランバ・ラルの意見として『防塵・現場メンテナンス』の意見が取り入れられた機体で、「地球降下作戦」以降の戦闘を見据えた機能を有した機体。
「コロニー内の戦闘」を地上戦と見立て、「地球降下作戦」前に、「実戦での使用感」を確認する目的があった。

③特徴的な装備「大型ヒートホーク」は、見た目からも「格闘強化」した装備。
また「ラル専用ザクⅠ」が、色設定以外「見た目類似」する「ザクⅠ(コロニー制圧戦仕様)」と外見の差異として確認できる「右ショルダーアーマー」や、通常より大きめの「左ショルダーアーマー」は、「タックルによる格闘強化を目指したMS」仕様といえます。
「コロニー内の戦闘」では「銃撃戦」は「コロニー自体に被害を及ぼす可能性が飛躍的に高まる」為、「射撃武装」を放棄(もしくは使用しない)で、「格闘特化」したMS仕様・武器装備で作戦に望む事をランバ・ラルが選択し立案。
その際に、「格闘強化」された『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』」が適任と考えられた。

通常、「ブグ(MS-04)」を利用していたラルですが、「コロニー内の戦闘」を考慮し、これらの理由から『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』を使用したとすれば、説得力があります。
以上から当時のランバ・ラルは、「宇宙空間」=「ブグ(MS-04)」、「地上・コロニー内」=『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』と使い分けていたと言えそうです。
「月面戦闘」だった「スミス海の虐殺」時を「地上戦」とも考えられそうですが、設定上この時期にはまだ『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』はロールアウトされてないですし、その点の理屈も通ります。
という訳で「オリジン」を加味しても、ランバ・ラルは『サイド1の工業コロニー内へのゲリラ作戦』に『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』で出撃したと考えて良さそうです。

とは言っても「オリジン」のラルは、「コロニー落としの直前に予備役」になっているから、「ブグ」と比べ『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』の搭乗頻度は低そうです。
しかし、「サイド1の工業コロニー内へのゲリラ作戦で、無傷制圧」という見事な戦果が「ジオン優勢の戦争情報」として、国民を戦意高揚させるプロパガンダに利用され、マスコミを通じ広く世間一般に広まった。
その結果、ラルの乗機が使用頻度の高い「ブグ(MS-04)」より、搭乗頻度の低い「ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)」の印象が世間で強く認知されていった・・・と考えると面白いですね。

『「ランバ・ラル専用ザクⅠ」がオリジン世界でも存在していた』
と結論したところで、この機体の開発経緯をみてみます。

まず、「ラル専用ザクⅠ」の開発コメントに、
「宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠのバージョンをもとに、局地戦用MSの開発に並行して開発された陸戦用デバイスなどが試験的に装備されている。」
とあります。
つまり「ラル専用ザクⅠ」は「宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠ」が基になっています。
この「宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠ」とは、どんな機体だったのでしょう?
そのヒントが、この時期に開発されていた次世代機「MS-06A」の設定にあります。


『初期量産型ザクⅡ (MS-06A)』
『ザクIの問題点を改修して完成したザクII。
反応炉を「ZAS-MI11」に換装している。
元々はザクIの改良型の「MS-05C」として設計されていたが、大幅な改良が行われたために新たに「MS-06」の型式番号が与えられることになった。
キシリア・ザビの提言により連邦軍のMSとの交戦を想定して近接戦用武装が取り入れられることとなり、近接戦用武装が無い当機は少数生産しかせず、C型に移行した。
C型開発以降は、大半が教導機動大隊での実習訓練機に使用された。
C型との大きな違いは、右肩のシールドと左肩のスパイクアーマーがなく、ザクIと同じ球形のアーマーを両肩に装備していたことである。』

この設定によると、
『初期量産型ザクⅡ (MS-06A)』は、元々はザクIの改良型の「MS-05C」として設計されていたが、大幅な改良が行われたために新たに「MS-06」の型式番号が与えられることになった。』
とあります。
「宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠ」とは、時期的にも「MS-05B」の量産後に開発されたMSでしょうから、ズバリ「MS-05C」になり損ねたザクⅠだったのではないでしょうか?

そして、この「MS-05C」がどんな機体だったかといえば、
「熱核反応炉を「ZAS-MI11」に換装したザクⅠ」
と説明されてます。。
ただし、より高出力の「熱核反応炉」の有効活用するため、伝導率向上する必要が発生。
機体外部に流体パルス伝達システム = 「動力パイプ」を設置した。
「動力パイプ」を外部設置したことで、「ザクⅠ」とはまったく違うMSになった為、「MS-06 ザクⅡ」となった。

逆説的に「宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠ」とは、「MS-05C」になり損ねたザクⅠ。
つまり、
『「熱核反応炉を「ZAS-MI11」に換装したのに、外部に「動力パイプ」を設置しなかったザクⅠ」で、「型式番号」も「MS-05B」のまま据え置かれた機体』
なんでしょう。
そして、「MS-05」の後に「C」がある以上、「耐核仕様」で「耐BC兵器・GGガス兵器仕様」だったのではないでしょうか?
この設定で類似するMSといえば、コチラ。


『ザクⅠ コロニー制圧戦仕様(MS-05B)』

結論、
「宇宙世紀0078年12月に生産されたザクⅠ」=『ザクⅠ コロニー制圧戦仕様(MS-05B)』
といえます。
そして、「ラル専用ザクⅠ(MS-05B)」は、
『ザクⅠ コロニー制圧戦仕様(MS-05B)』をもとに、局地戦用MSの開発に並行して開発された陸戦用デバイスなどが試験的に装備され、さらに、受領に当たってはパイロットとなるラル少尉(当時)の意見を取り入れ、おもに前線での使用を考慮した防塵やメンテナンス機能が強化された機体。』
と、なります。

これなら『ザクⅠ コロニー制圧戦仕様(MS-05B)』と「ランバ・ラル専用ザクⅠ」の外観が、色違いな点も設定として補完できます。

以上の「MS-05B ラル専用ザクⅠ」開発経緯と、ランバ・ラルの開戦後の行動をまとめると、以下のようになります。

①UC.0078年12月、
「熱核反応炉「ZAS-MI11」に換装し、「耐核仕様・耐BC兵器・GGガス兵器仕様」の「MS-05B ザクⅠ(コロニー制圧戦仕様)」を開発。
胸部に独特な形状をもつ機体として生産され、複数機が実戦投入された。
この『ザクⅠ コロニー制圧戦仕様(MS-05B)』をもとに、陸戦デバイスが装備され、ラルが監修した「ランバ・ラル専用ザクⅠ」が開発された。
「ランバ・ラル専用ザクⅠ」は局地戦仕様として陸戦デバイスが装備された最初のザクⅠであり、
後に開発される「陸戦型ザクⅠ」の基礎となった。
「陸戦型ザクⅠ」は、「ラル専用ザクⅠ」の胸部に装甲版を装備した形状として開発され、様々な派生機「MS-05 陸戦型ザクⅠ(トップ専用機)」「MS-05S ザクⅠS型(ゲラート・シュマイザー専用機)」を生み出す事となる。

②UC.0079年1月3日、独立戦争開始。
この時点では主戦場が宇宙空間の為、ラルは「MS-04 ブグ」を運用。

③UC.0079年1月8日、サイド1内の連邦駐屯軍に対し、ラルへ制圧指令。
コロニー内部の作戦だった為、『ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05)』に乗換え。
サイド1の工業コロニーに立てこもる連邦駐留軍に対し、ゲリラ戦で無傷制圧。

④コロニー外の連邦・宇宙航空残存戦力の制圧指令。
再度「ブグ(MS-04)」に乗り換え、コロニー外部からの制圧戦に参加。

⑤ラル、「サイド1」コロニー内外の連邦勢力制圧し、母艦「ワルキューレ」へ帰投。
『コロニー落とし』作戦をドズルから聞き、任務を拒否。『予備役』に。

ちなみに、『サイド1制圧ゲリラ戦』に参加できた「ランバ・ラル隊」メンバーを検証すると、

①「クランプ」
ムンゾ国防軍在籍時に、ラル指揮下にいた可能性あるが、その後はバーテンダーの為、常識的に「参加していない」と判断できます。
クランプはルウム直前でジオン軍へ入隊志願しますが、その時点でラルは「予備役」となっており、クランプを見送っています。
時系列的に、この時期のラルとクランプはすれ違ってるんですよねえ。
ただし「予備役」になる前の「サイド1連邦駐屯軍・制圧作戦」に、「ゲリラ作戦」のエキスパートだったクランプをスポット的にラルがスカウトし召集・・・なんて事が許されるなら、物語として面白いんですが。
民間人を軍隊にスポット招集なんて、そんなご都合展開は変だよなあ。
②「コズン」
この時点ではモビルスーツ部隊に志願してないが、「またご一緒できると思っていた」のセリフの解釈によっては、この作戦で一緒に作戦遂行していた?
③「タチ」
所属が違う為、流石に無理。
④「ゼイガン」
昔からのメンバーとすれば、この作戦にも参加した可能性有。
⑤「アコース」
昔からのメンバーとすれば、この作戦にも参加した可能性有。でも、コズン程「昔なじみ」の雰囲気は無いかなぁ。
⑥「ゲラート・シュマイザー」
別所属・別部隊だから、協力はできても、参加は無い。
⑦「ステッチ」
私が言うのも何ですが、彼なら作戦に参加した可能性がありますかね。
でも、ラル隊の「馴染み感」が低いんですよね。
「迂闊な奴」ですし。

以上で、本記事は終了です。

次回「ジオン軍内組織」について。
更新は来週。
8日土曜日です。

『MS-05S』(「S型ザクⅠ(MS-05S)」と「初期量産型ザクⅡ(MS-06A)」)【設定】

2021-04-24 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は「S型ザクⅠ(MS-05S)」と「初期量産型ザクⅡ(MS-06A)」について、です。

まず、オリジンに登場した『モビルスーツ ザクⅠシャア専用機 (MS-05S)』について。


『モビルスーツ ザクⅠシャア専用機 (MS-05S)』 ※公式HPより抜粋
『MS-05 ザクⅠの問題点を洗い出し、急ピッチで開発されていた発展型であるMS-06 ザクⅡ用を想定し開発された「MS-05 ザクⅠ」の改善機。
MS-06 ザクⅡの本格的な量産が開始される直前にジオン独立戦争が開戦してしまったため、一部のMS-05 ザクⅠにはこれらのMS-06 ザクⅡ用の装備を取り付けた特別機が戦場に投入され、そのうちの1機をシャアが愛機として使用していた。』

この機体が活躍した時期「UC.0079年1月 初頭」には、すでに「ザクⅡ MS-06」開発済みでした。
但し、「ザクⅡ MS-06」の量産は間に合わず、『初期量産型ザクⅡ (MS-06A)』のみがロールアウト。
それにしても何故シャアは、この時期に生産されていた次世代機種『初期量産型ザクⅡ (MS-06A)』では無く、『モビルスーツ ザクⅠシャア専用機 (MS-05S)』に搭乗していたんでしょうか。 


『初期量産型ザクⅡ (MS-06A)』
『ザクIの問題点を改修して完成したザクII。
反応炉を「ZAS-MI11」に換装している。
元々はザクIの改良型の「MS-05C」として設計されていたが、大幅な改良が行われたために新たに「MS-06」の型式番号が与えられることになった。
キシリア・ザビの提言により連邦軍のMSとの交戦を想定して近接戦用武装が取り入れられることとなり、近接戦用武装が無い当機は少数生産しかせず、C型に移行した。
C型開発以降は、大半が教導機動大隊での実習訓練機に使用された。
C型との大きな違いは、右肩のシールドと左肩のスパイクアーマーがなく、ザクIと同じ球形のアーマーを両肩に装備していたことである。』

『初期量産型ザクⅡ (MS-06A)』と比較して、『モビルスーツ ザクⅠシャア専用機 (MS-05S)』の優位性はズバリ『右肩のシールドと左肩のスパイクアーマー』。
将来の次世代量産機「ザクⅡC型(MS-06C)」に装備される武装が、『初期量産型ザクⅡ (MS-06A)』には無いんですよね。
これからの実戦では開発されたばかりで不安ある次世代初期量産機より、従来の旧機種に最新の武装を装備した機体が選ばれたというところでしょう。

ちなみに『MS-05S』といえば、このモビルスーツもそうですね。



『ザクⅠゲラートシュマイザー専用機 (MS-05S)』
『ジオニックフロント』に登場。闇夜のフェンリル隊隊長のゲラート・シュマイザー少佐が搭乗する機体。
独自のセンサーを導入したMS戦術とともに、視神経に戦傷の後遺症を抱えたシュマイザー用に音響センサーを増設したカスタム機。
塗装はザクIIと同様の塗り分けだが、緑色は一段薄い。
頭部にブレード・アンテナ、両肩にショルダー・アーマーを装着する。
スモークなどによって敵を欺き、ガンダム6号機を撃破する。
グフのヒート・サーベルとシールドを装備し、火器はドム・トローペンのラケーテン・バズなどを携行する。小説版では肩にバズーカ砲を固定装備として搭載している。』

この機体は、型式番号こそ一緒ですが機体設定や背景から「別モノ」。
でも、こういうデザイン見ると、『ザクⅠシャア専用機 (MS-05S)』にもブレードアンテナ付けても良かったんジャマイカン・・・と思ったりします。

余談ですが、ギャビー・ハザードも『戦略戦術大図鑑』では、『MS-05S』搭乗記録があるようです。
こっちは、もしかしたら『モビルスーツ ザクⅠシャア専用機 (MS-05S)』と色違いの同系機体かもしれません。
こういう仮説って、ガンプラやってるなら、ネタになりそうですね。

という訳で本日は以上です。
次回は、いよいよ「ランバ・ラル専用ザクⅠ(MS-05B)」と「オリジン」について、です。
個人的には、どうしても書いておきたいテーマの一つ。
更新は来週5月1日、土曜日を予定!
「俺は、イジメと人殺しがだーい好きなんでなぁ!
たのっしみになぁぁぁ、ヒャラハッハッハッ!」 ※SPTレイズナー・ゴステロ(OVA1巻)予告っぽく。(ラルさん声優つながりって事で。)

『旧ザク』(ザクⅠ MS-05)【設定】

2021-04-19 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は、「ザクⅠ MS-05」について、です。


『ファーストガンダム版ザクⅠ』

私的に、
『ザクⅠ』=この『ファーストガンダム版ザクⅠ』=『旧ザク』
です。

では「オリジン版」は、というと、↓になります。


『オリジン版ザクⅠ』

いやあ、頭身からスタイルから何から何まで違うので、「見た目」的に別物です。
しかし、比較するのに差がありすぎても酷いので、『オリジン版ザクⅠ』デザイナーのカトキ・ハジメ先生の『ファーストガンダム版ザクⅠ』を提示してみます。


『ジオノグラフィー 黒い三連星専用ザクⅠ』

うーん、もとの画像が小さいからピンボケですねぇ。
せめて、「オリジン版」も「黒い三連星」にして、並べてみますか。



とりあえず、設定の相違から色が違う(オリジン版は「開戦前」、ジオノグラフィは開戦後「教導機動大隊」時か?)のは無視します。
だいぶ寄せられましたが、寄せられた故に、違いもハッキリしてきます。
「オリジン版」の方がマッシヴですねぇ。
肩幅は広いのに、左肩アーマーは小さい。お腹は丸い。
まあ、「お腹の丸み」は「ガンプラ HGUC 黒い三連星専用ザクⅠ」では、大分「丸い」解釈で造形されてますから、スタイルには目をつぶりますか。
モールドで言えば頭部の2線モールドも、ジオノグラフィ版は無いですが、これも「ガンプラ HGUC 黒い三連星専用ザクⅠ」には有るので無視で。
しかし、上腕のモールドや腹部の装甲は、無視できない程の完全な別物です。


(『赤丸の部分』がまったくの別デザイン。)

別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)

設定について、まず明確なのが、『オリジン版ザクⅠ』。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式HPにおいて、『黒い三連星用』や『シャア用』いずれも『ザクⅠ』について、『初期量産型』と紹介されています。
『ファーストガンタム』上の『ザクⅠ 初期量産型』は、『MS-05A』。
つまり、『オリジン版ザクⅠ』は、『MS-05A』という事になります。
そうすると必然的に、『ファースト版ザクⅠ』は、『MS-05B』。

2つの違いとすれば『ファースト版ザクⅠ(MS-05B)』は、『オリジン版ザクⅠ(MS-05A)』に比べ、

①『前腕モールド本数が少ない。』
②『腹部装甲が簡略化されている』

という特徴があります。

①「モールドが少ない」=「装甲板の分割が大雑把になった」という事。
②も「装甲板」が簡略化している

と、共通した変更です。
つまり「MS-05A」から「MS-05B」への変更は、

①「細かい装甲分割では無い」=「装甲を細かく開放する必要性が減った」=「故障によるメンテナンス」がほぼ不要になった。
②「「装甲板」の簡略化」=「製造・組立て時の工程が減る」=「量産スピードが上がる」
③「装甲板の分割・細分化」=『実体弾の被弾時の衝撃を吸収』する設計から、『腹部(中枢)』のような重要な箇所等を限定して、「装甲板の一体・簡略化」=『装甲の剛性が強化』する設計へと装甲板への設計コンセプトを変えた。

見方を変えれば、

○「故障時のメンテナンス重視」だったMSが、安定してきたので、「量産スピード」重視に転じた。
○重要なパーツ限定で『衝撃分散設計』だった装甲板を『剛性強化設計』へ変更した。

・・・というところでしょう。

ただし「ファースト版ザクⅠ」の設定には、
「ザクⅠ実戦型「MS-05A」ロールアウト。総製造数は27機。」
という設定があります。
しかし、「オリジン版ザクⅠ」=「MS-05A」とした場合、「総生産数 27機」は描写を見る限り、少なすぎます。
「ルウム戦役」で登場する「デニム機ザクⅠ」「スレンダー機ザクⅠ」も「オリジン版ザクⅠ」ですし、言えば「オリジン」に登場するザクⅠは全て「オリジン版ザクⅠ」でしょうから。
そうすると、「ファースト版ザクⅠ」の設定にある
「ザクⅠ改善型「MS-05B」ロールアウト。総製造数は793機。」
のうち、半数くらいは「オリジン版ザクⅠ=MS-05A」と同じ装甲板を使った、外見は「MS-05A」と同じ中身だけ改善された「MS-05B」というのが存在したのかもしれません。

『マスターアーカイブ モビルスーツ MS-06 ザクII』によると、


『マスターアーカイブ モビルスーツ MS-06 ザクII (マスターアーカイブシリーズ)GA Graphic・著』

ザクⅠ「MS-05A」と「MS-05B」の違いは
「外見上に大きな差異は無く、「小型熱核反応炉」がZAS社からH&Y社に改善された事が大きい。」
とあり、本来の設定ではMS内部の変更による差のようですし、外部装甲が「MS-05A」のままの「MS-05B」が存在しても不思議ではありません。

ちなみに、「MS-05A」に先駆け、民間用「作業モビルスーツ」として発表された「YMS-05」は、「デベロッパーズ」を見る限り「ファーストガンダム版」=「MS-05B」と同じデザイン。


(コミック『デベロッパーズ』(カドカワ)山崎峰水氏・著)

それらをまとめると、

①ザクⅠの祖先「YMS-05」は、「ファーストガンダム版」と同じボディデザインで商品化。
「YMS-05」が「ファーストガンダム版」と同じボディデザインで発表した理由は、「MS-05B」時と同じで「生産性」と「コスパ」重視した結果。
②軍事用として統合した「MS-05A」の際に、「オリジン版」のボディデザインに改変。
「オリジン版」ボディデザインへ変更した理由は「メンテナンス性」を重視した結果。
③ツィマット社「ヅダ」との競合時は、「試作機同士でのコンペ」という条件だった為、「YMS-05」を使用。但し「商業用の小型熱核反応炉」だった為、コンペ主催者へ申請し「(MS-05Aと同じ)軍事用の小型熱核反応炉」に乗せ換え、コンペに参加。
④「MS-05B」へ改変後に、メンテナンス性から生産性・剛性へ重視する改善を図る為「ファーストガンダム版」と同じデザインで「YMS-05」が採用していた外装へ戻す。

といった事が「ザクⅠ」の外装遍歴だったって事でしょう。

という事で今回は以上です。
こういうデザインの差異は「ガンプラ」作ってる人が得意そうな話題ですよね。
次回は以前「記事にする」話題にしていながら放置していた
『「ザクⅠ MS-05S」と「MS-06A」について』です。
更新は週末24日、土曜日を予定してます。


『クラブマン』(モビルスーツ誕生)【設定】

2021-04-18 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は、モビルスーツ開発・誕生について、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(映像版)」と「ファーストガンダム」での設定比較についての記事です。

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(映像版)」では、モビルスーツの原初として「モビルワーカー MW-01 01式」が設定されました。



一方、「ファーストガンダム」では、モビルスーツの原初として「クラブマン ZI-XA3(MS-01)」が設定されてます。



言えば、この「クラブマン」をオリジン連載に当たり大河原先生が、「モビルワーカー」として独自にデザインしたって事なんだろうけど、両者デザインや設定が違うだけに「どちらも同じ世界にあった」としたいところ。
「クラブマン」を否定すると「MS.ERA」も否定する事になるし。


(『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』(バンダイ)。1990年発売。いわゆる「戦場写真集」的な切り口のムック本です。ガンダム好きなら、一度は手にとって欲しい逸品。)


それでは、、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(映像版)」と「ファーストガンダム」を年表で比較してみます。



①開発時期は、ほぼ一緒。
②「型式番号(MSとMW)」が違うので「別の商品・兵器として開発していた」と判別可能。

ただ、「モビルワーカー」は「作業ロボット」として偽装している「兵器」で、「ダークコロニー」というコロニー1つ使って「隔離」して開発。完全に作業目的で開発された類似モデルが存在しており、そのモデルに偽装している。
「クラブマン」は「秘密」としながらも、工業地区で「作業ロボット」として、開発。

という点が設定としての相違。

言い換えれば、「作業ロボとして偽装した兵器」と「(将来、兵器転用を内緒で見据えてる)商業販売目的の作業ロボ」の違いで、完全に別物。

「クラブマン ZI-XA3(MS-01)」と「モビルワーカー01式(MW-01)」は、別物として同じ世界に存在した」って結論が出せます。

そして、「モビルワーカー」の延長上に「ヴァッフ」「ブグ」があり、「クラブマン」の延長上に「プロトタイプザク」がある。
この2つの線は「MS-05 ザクⅠ」に統合。

って事ですね。

あれ、今回は相違点も無いし、簡単に終わっちゃいましたね。
それではまたお会いしましょう。
次は明日の予定です。
次回、「商業用」と「軍事用」が統合されたと推論された「MS-05 ザクⅠ」についてですよ!