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『ドアンとロラン』【ガンダムエース・2022年8月号】

2022-06-26 00:00:00 | 日記

月刊『ガンダムエース』8月号が発売されました。

 

劇場公開『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に関する記事も満載!

付録雑誌『ククルスドアンエース』には、おおのじゅんじ先生の『機動戦士ガンダム ククルスドアンの島 ドアンとロラン』が掲載!

当作は、TV版『機動戦士ガンダム』第15話の前日譚が描かれています。

TV版ベースなので、劇場公開『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』にアレンジされて登場したカーラが、TV版オリジナルのロランとして登場。

劇場版では20人いた島の子供たちもTV版ベースでロラン以外は、タチ・クム・チヨの3人のみ。

劇場版の物語には繋がりませんが、TV版のプロローグとして丁寧に描かれてます。

ドアンが無人島に子供達と暮らし初めてから1カ月超と設定していて、そこにも不自然さが無いように描写されていて、「ドアンと子供たちの無人島暮らし」にも説得力がありますね。

劇場版では20人もの子達の生活、特に「食」は自給自足では無理で、ドアンがボートで近隣の町にパン等を買い出しに行っている描写がありましたが、資金面での疑問がありました。

仮にドアンがジオン本国に貯蓄していたとして、戦時中の為替はどうなっているのか。

宇宙世紀だから全世界・共通通貨で、何処にいても通貨として引き出し可能という設定であれば、辻褄はあいますが、それにしても貯蓄だけで20人も養えるのか。

これらの疑問も、子供達の人数が少なければ、なんとかなりそうな気もします。

さて、おおのじゅんじ先生といえばコミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』です。

本作は、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』から派生したMSD[mobile suits descovery]をベースにしたものです。

連載当初は、劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が存在しなかった為、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(から派生したMSD)をベースとしながらも、TV版『機動戦士ガンダム』第15話に繋がる物語として立ち上げられたハズです。

そこで期待していたのが、

本作『機動戦士ガンダム ククルスドアンの島 ドアンとロラン』のドアンが『Y-02小隊出身』であるのではないか

・・・ということでした。

しかし、それを匂わせる描写はありません。

逆にザクはORIGIN版では無く、ファーストガンダムを意識したデザイン。

このドアンが「Y-02小隊出身のドアン」の可能性を完全否定するものではありませんが、あらゆる可能性を除き描かれている描写だけとすれば、本作はあくまで「TV版15話の前日譚」という事実しか無い事がわかります。

つまり本作『機動戦士ガンダム ククルスドアンの島 ドアンとロラン』は、『TV版 機動戦士ガンダム』の世界線にいるという事になります。

あくまで劇場版『機動戦士ガンダム ククルスドアンの島』とTV版ベースの『機動戦士ガンダム ククルスドアンの島 ドアンとロラン』は別の世界線で、もしかするとコミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』も『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(から派生したMSD)をベースとしながらも別の世界線。それぞれ3つのパラレル世界と考えるのが自然です。

そして、それら全てのパラレル世界を「公式」と捉えるのが今のガンダム世界。

前回の記事で、いずれも「同一の世界線」にできるよう屁理屈コネましたが、全てのパラレル世界がオフィシャルと受け入れる方が楽かもしれないですね。(このブログでは「それでも」と言い続けると思いますが)

閑話休題。

ガンダムエースでも紹介されてましたが『ROBOT魂<SIDE MS> 第08MS小隊オプションパーツセット03 ver. A.N.I.M.E.』の詳細が発表されてましたね。

『震える山(前編)』再現に全力投球な商品ですが、Ez8の腕・引きち切りを再現できるのは嬉しいです。

1/144公式商品では「初」の試みじゃないでしょうか。

他は「ほぼジェットコアブ」ですかね。

11月販売が楽しみです。

しかし、『Ez8』に付属する「降下パック」の陸戦型ガンダム用や、匂わせ情報のあった「06小隊用の小楯」はいつ商品化されるんだろう。まさか商品化されずに終了!?


『認めたくないものだな』【サンライズ公式設定】

2022-06-18 00:00:00 | 日記

絶好調の劇場公開『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

 

今日は以前予告してました

「同作とファーストガンダムを融合させた場合、公式年表はどうなるか」

という今更無粋なテーマを、いってみたいと思います。

※今回の記事は「劇場版・ククルスドアンの島」が、過去作「劇場版・哀戦士」との時系列の設定が違う中、その矛盾を解消し、どっちも正しい設定にしたい人向けの記事です。そのあたりを気にしない方はスルー下さい。

 

1.そもそも「何が問題」なの❔

機動戦士ガンダム・シリーズの『サンライズ公式設定』は、

『サンライズ公式設定、いわゆるガンダムワールドにおける真のオフィシャルは厳密に言うならば、映像化されたものと映像化作品の中に登場するものに限って認められると考えてもいい。』

と2004年当時のサンライズ企画開発室室長・井上幸一氏が語っており、他にも

「ガンダムの創造者である意味〝神〟である富野由悠季が執筆した小説は映像化されていないものの、皆が正史と捉えるのだから、オフィシャル扱いでないとするのもおかしな話だ」

として、富野由悠季の執筆した小説に関しては例外として、準公式ではなく公式設定とする意向を語っています。

また、

「サンライズが監修し出版許可を出した漫画や小説、ムックなどの書物やゲームに登場するオリジナル設定も広義的には準オフィシャルと言えるかもしれない」と語っており、

「言ってしまえば、サンライズ公式の他にもガンダムにおけるオフィシャルはいくつも存在している。」

とも語っています。

まとめると、

【サンライズ公式】『アニメ化作品』『富野氏小説』

【 〃  準公式】『サンライズ監修の漫画・小説・ムック等の書籍』>『ゲーム設定』>『サンライズ公式外のもののうちオフィシャルに認められそうなもの』

となり、サンライズは広く「ガンダムのオフィシャル」としての門を開けてくれている事が世間に広まりました。

そして、次々と発表されるガンダム作品同士で双方並び立たない矛盾する設定が発生していきます。

有名な設定の矛盾の例を挙げると、

「機動戦士ガンダム」では「ホワイトベースがジャブローに到着する頃に、ようやくガンダムの量産機ジムが登場」し、当時の設定ではジムの実戦投入もその頃と認識されていました。しかし「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」では、ガルマが戦死する時期に既に「4年後の機動戦士ガンダム0083にジムの改良型として登場するジムC型にそっくりなジム」が登場した事。

などでしょうか。

こういった矛盾を解決するため、いつからか世間では「ガンダムの宇宙世紀・公式設定」に相反する矛盾が発生した場合に限り、以下の優先順位で公式化されると認識されるようになりました。

①「劇場版アニメ」>「テレビ版アニメ」>「富野氏小説」

  上記・公式作品>『サンライズ監修の漫画・小説・ムック等の書籍』>『ゲーム設定』

  上記・準公式作品>『サンライズ公式外のもののうちオフィシャルに認められそうなもの』

②上記①で同ジャンル(例:2つの劇場版アニメ)で矛盾が発生した場合、「後発作品」が「先発作品」に優先する。

この優先順位に関しては井上氏が語った訳ではなく世論が一人歩きしたのですが、論理的に導かれた結論であり、広く受け入れられています。

 

さて、改めて『ファーストガンダム』と劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の時系列の差異を見てみます。

左列が『ファーストガンダム』、真ん中が劇場版『ククルス・ドアンの島』です。

『ファーストガンダム』の『濃い黄緑』は『劇場版アニメ』、『薄い黄緑』は『テレビ版アニメ』です。

一方、劇場版『ククルス・ドアンの島』はコミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の時系列をベースにしている為、真ん中の時系列で『濃い緑』のタイミングになります。

見てのとおり時系列が違う事で双方が並び立たない状態あります。

先の説明とおり「サンライズ公式設定」となれば、『劇場版 ククルス・ドアンの島』が「後発の劇場アニメ』で最優先の公式設定となりますが、当作品の前後の物語の時系列がコミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』。

しかしコミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 哀戦士」が「サンライズ公式設定」として優先する為、大きな矛盾が生じているのです。

 

 

2.問題点ごとの解説

 

(1)劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の時期

 

 劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は「後発の劇場アニメ」である為、最優先で「サンライズ公式設定」となります。

 本作では、スレッガー中尉が補充されている上、公式HPで明言されているので、「ジャブロー攻防戦」後の時期で、舞台は「大西洋上のアレクランサ島」でなければなりません。

 しかも、本作後のホワイトベースは(実際に到着したかは別として)「ベルファスト」に補給に向かう事でなければなりません。

 この時点でまだ「オデッサ攻略戦」はされていない事もポイントです。

 

(2)「オデッサ攻略戦」「ベルファスト襲撃」「ジャブロー降下作戦」の時期

 「オデッサ攻略戦」「ベルファスト襲撃」「ジャブロー降下作戦」が描かれているのは、劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」と「TV版 機動戦士ガンダム」ですが、「サンライズ公式設定」は「劇場アニメ」が優先する為、劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」がオフィシャル設定となります。

 その為、「オデッサ攻略戦」➡「ベルファスト襲撃」➡「大西洋(ミハル死亡)」➡「ジャブロー降下作戦」が、「サンライズ公式設定」の順番になります。

 ここにはコミック版でしか描いていない『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』が公式に入り込む余地はありません。

 

(3)「ジャブロー攻防戦」の矛盾

 ホワイトベースは、劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の到着前にジャブローに入港。

おそらくその時期にジャブローはジオンの襲撃を受けている事になりますが、劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の後に「オデッサ作戦」へ参加し、再びジャブローに入港。その時期にまたジャブローはジオンの襲撃を受ける事になります。

 つまり「ジオンのジャブロー襲撃は2度あった」事になります。

 また、ジャブローでシャア専用ズゴックとガンダムが対決したのは、劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」がオフィシャル設定である以上、「2度目のジャブロー襲撃時」という事になります。

 更にいえば、この「2度目のジャブロー襲撃時」にウッディ大尉はマチルダの死を口にした後に戦死。

 逆説的に「1度目のジャブロー襲撃時」にウッディ大尉はマチルダの死を知らないか、ホワイトベースのクルーと会っていない、もしくはマチルダが存命と考えられます。

 

 

 

(4)1回目の「ジャブロー襲撃」とはなにか

 こうなると劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」で描かれていない、1回目の「ジオンのジャブロー襲撃」とは何だったのか・・・という疑問が頭を出します。

 1回目のジャブロー襲撃を「第一次ジャブロー降下作戦」とした場合、2回目は「第二次ジャブロー降下作戦」となりますが、「第二次」が「哀戦士」とすれば「第一次」はそれ以外となります。

 「哀戦士」以外でジャブロー降下作戦を描いているエピソードとすれば、コミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のガルシア・ロメオ少将とスレッガー小隊のエピソードでしょうか。

 とすれば『第一次ジャブロー降下作戦』『第二次ジャブロー降下作戦』はそれぞれ以下となりますね。

 

【第一次ジャブロー降下作戦】

 シャアが「ギアナ高地」にある「ジャブロー・ゲート4」の入口をキシリアへリークした事から、ジオン内で「第一次ジャブロー降下作戦」が決定。

 

 ホワイトベースも「ジャブロー・ゲート4」へ入港。

 時を待たずにジャブロー攻撃軍指令・ガルシア・ロメオ少将は「ジャブロー・ゲート4」の入口から侵攻開始。

 ガルシア・ロメオは自ら「アッザム」へ乗りモビルスーツ主力部隊と共に、月夜の闇に乗じて「ギアナ高地」にある「ジャブロー・ゲート4」入口付近に降下。

 連邦側もスレッガー小隊を先方とした「先行型ジム部隊」で応戦。

 アムロもガンダムが修理中だたった為、「先行型ジム」で参戦。但しシャアとは会敵せず。

(ガルシア・ロメオの功名心から、シャアが、この作戦に不参加にさせられた可能性もある。)

 ガルシア・ロメオ率いるジャブロー攻撃軍・主力部隊は、「ジャブロー・ゲート4」から「ジャブロー・ゲート6」へ侵攻。

 しかし「ジャブロー・ゲート6」は新造中の工事区画で、連邦側に誘い込まれたもの。

 連邦側は「ジャブロー・ゲート4と6」から「ジャブロー・中枢部」通じるルートを全て閉鎖した上に、「ジャブロー・ゲート6」に誘い込まれたジオン侵攻部隊を天井崩落させる事で一網打尽した。

 「ジャブロー・中枢部」は(「哀戦士」の設定が優先する為)「アマゾン川流域の地下」にあり、ギアナ高地にある「ジャブロー・ゲート4と6」とは相当な距離がある。

 連邦はこの防衛戦に勝利したものの、「ジャブロー・ゲート4と6」から「ジャブロー・中枢部」通じるルートは壊滅状態となる。

 その為、ホワイトベースのクルーはジャブロー中枢部への往来が困難となり、結果としてジャブロー中枢部にいるレビル将軍とホワイトベース・クルーが会う事も無くなる。(カツ・レツ・キッカが子供施設に行く事も「ガンダム工場」を見る事も無くなる。)

 ホワイトベースやガンダムの修理も「ジャブロー・ゲート4」の素材のみで行う事となり、結果として「ORIGIN形状のホワイトベース」、「RX-78-02 中期型 形状のガンダム」として仕上がる。

 ホワイトベースの修理担当も「ジャブロー・中枢部」にいるウッディ大尉ではなく別な担当なため、アムロがウッディ大尉に会うことも無くなる。

 一方、ジオン側はジャブロー侵攻する戦力に壊滅的な打撃をうけ、中米・カラカスのジャブロー攻撃軍・基地から北米へと追いやられていく。

 また今後ジオンがジャブロー攻略する場合、「ジャブロー・ゲート4と6」から「ジャブロー・中枢部」通じるルートは壊滅状態となった為、「ジャブロー・中枢部」により近いゲートの発見が必要となる。

 余談ですが、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島」で白黒2機のガンダムが出るジャブロー降下作戦も、この「第一次ジャブロー降下作戦」でしょうね。

 

 

【第二次ジャブロー降下作戦】

 ホワイトベースを追跡していたシャアの功績で、アマゾン川流域の地下「ジャブロー・中枢部」により近いゲートが発見され、ジオン内で「第二次ジャブロー降下作戦」が決定。

 但し、この時点でジオンは劣勢を強いられており、北米キャリフォルニアベースから出せる最大限の戦力で作戦に向かうが、『第一次ジャブロー降下作戦』時と比べ戦力が明らかに不足した侵攻となる。

 以下、「哀戦士」と同じ。

 尚、この時のカツ・レツ・キッカが見た『ガンダム工場』にある「ジム」は、『ORIGIN版・初期型ジム』では無く、より量産しやすく改良された『ファーストガンダム版・ジム』となります。

 

 

 

(5)「第一次ジャブロー降下作戦」時までのホワイトベースの航路

 (4)の仮説からホワイトベースは「第一次ジャブロー降下作戦(防衛戦)」前に一度「ジャブロー・ゲート4」へ入港している事になります。

 「第一次ジャブロー降下作戦(防衛戦)」前までのホワイトベースの航路は、コミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』と劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 哀戦士」では下記のように相違します。

 

 (A)コミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN

    大気圏突入後、北米へ降下。中南米経由でジャブローへ入港。

 (B)劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」

    大気圏突入後、北米へ降下。アジア経由でジャブローへ入港。

 

 コミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』が、一年戦争開戦までしかアニメ化されてない以上、アジア経由の劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」が「サンライズ公式設定」として優先します。

 更に「第一次ジャブロー降下作戦」前にマチルダが戦死していないとすれば、ホワイトベースの航路は以下のようになりますね。

 

 ①SIDE7でガンダムを受領

 ②ルナツーへ入港

 ③大気圏突入。シャアの奇襲を受けジオン占領地の北米へ降下

 ④ニューヤークでガルマ撃破

 ⑤北米から西へ抜けアジアへ

 ⑥ラル隊やハモンの特攻を退ける

 ⑦ギアナ高地にある「ジャブロー・ゲート4」へ入港。「第一次ジャブロー降下作戦(防衛戦)」

 

 要するに「劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」でハモンの特攻を退けた後、黒い三連星ドムと会敵する前に、一度ジャブローに入港している事になります。

 

 

⑥スレッガー中尉の謎

 

 スレッガー中尉は「第一次ジャブロー降下作戦(防衛戦)」後にホワイトベースに補充されたとなれば、劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』との矛盾は解消しますが、劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」の「オデッサ作戦」「ベルファスト襲撃」のホワイトベース隊にスレッガー中尉が在籍していないので、そこに矛盾が生じます。

 スレッガー中尉に劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」と矛盾があるとすれば、「哀戦士」では描かれていない

彼のエピソードが必要になります。

 「哀戦士」以外でスレッガー中尉を描いているエピソードとすれば、コミック版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の「ジブラルタル前哨戦」のエピソードでしょうか。

 とすれば、劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』以降の物語は以下となりますね。

 

**********

 

 『アレクランサ島(ククルスドアンの島)』のアムロ捜索し出発に遅れたホワイトベースは、「オデッサ作戦」の前哨戦「ジブラルタル攻略戦」に間に合わなくなる。

 「ジブラルタル前哨戦」はホワイトベース不参加のまま連邦軍の勝利。

 しかし、ジオンが撤退した後の「ジブラルタル」にジオンのモビルスーツ1機が残置。その一機によりジム2個小隊が壊滅させられる事態が発生する。

 「ジブラルタル前哨戦」に不参加となったホワイトベースに、この「ジブラルタルに残置するモビルスーツ1機の掃討」する命が下される。

 ジム2個小隊が壊滅させられている事から本作戦を実行するホワイトベース隊に、「ジム1個小隊」のモビルスーツとパイロットが補充される。

 補充された「ジム1個小隊」はかつてのスレッガー中隊の面々で、「第一次ジャブロー降下作戦(防衛戦)」で先陣を切った「スレッガー小隊」が再結成され、討伐に向かう。

 しかしジオンのモビルスーツ残置1機はシャアのザクであり、「スレッガー小隊」か返り討ちに遭い全滅。

 アムロが救援に向かいシャアを退けたものの、スレッガー中尉は重症を負ってしまう。

 スレッガー中尉は治療の為、ホワイトベースを下りる。

 この時点で連邦軍のオデッサ侵攻はベルファストからヨーロッパ北部へ進んでおり、ホワイトベースはレビルのベルファストでの合流ができなくなった為、南西よりオデッサへ侵攻する部隊として進軍する。

 ホワイトベースはジブラルタルから独立部隊として黒海付近へ侵攻。

 ここでマチルダの補給部隊と合流し補給を受ける。

 この補給で、ホワイトベースはファーストガンダム版の形状に修復し、ガンダムは「ORIGIN版 RX-78-02 中期型」形状から、「ファーストガンダム版 RX-78-2」は戻った形となる。

 修復直後に黒い三連星ドムの強襲を受ける。

 以下、「哀戦士」と同じ。

 尚、「第二次ジャブロー降下作戦(防衛戦)」後、怪我から復帰したスレッガー中尉が、ホワイトベースに再補充される事になります。

 

 

 

⑦時系列の再編(まとめ)

 

 

 ここまでの整理で、「サンライズ公式設定」の時系列は以下(上の「表」)となる事がわかります。

 

 「SIDE7 ガンダム大地に立つ ~ ハモン特攻」(劇場アニメ「機動戦士ガンダム」~)

 

     ⇩

 「第1次ジャブロー降下作戦」 (コミック版「ORIGIN」の一部の物語)

     ⇩

 「ククルス・ドアンの島」   (劇場アニメ「ククルス・ドアンの島」)

 

     ⇩

 「ジブラルタル攻防」     (コミック版「ORIGIN」の一部の物語)

 

     ⇩

 「オデッサ作戦」       (劇場アニメ「哀戦士」)

 

     ⇩

 「ベルファスト~大西洋を血に染めて」 (劇場アニメ「哀戦士」)

 

     ⇩

 「第2次ジャブロー降下作戦」  (劇場アニメ「哀戦士」)

 

     ⇩

 「ホワイトベース、宇宙へ」   (劇場アニメ「めぐりあい宇宙」)

 

ところどころの劇中セリフに不自然な点は出ると思いますが、粗方の矛盾は解消出来たんじゃないでしょうか。


『それを消させて下さい。ククルスドアン』【ククルス・ドアンの島】ネタバレ感想

2022-06-11 00:00:00 | 日記

劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』公開から一週間経過したので、ネタバレ感想行ってみます。

*ネタバレ厳禁の方はここまで!鑑賞してから見て下さいね。

 

 

 

 

 

 

1.絵について

 

本作の私の感想を一言で表すと、

『現代技術で「めぐりあい宇宙」のような安彦リファインが味わえる』

でしょうか。

劇場版「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙」公開から今年はちょうど40周年。

40年前、「めぐりあい宇宙」公開時は、TV版「機動戦士ガンダム」の同作製作時期に安彦良和氏が病気欠席していた為、同作でTV版で参加出来なかった安彦氏が新作カットを多数盛り込み話題となりました。

本作「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」も、ベースとなるTV版「機動戦士ガンダム 第15話 ククルス・ドアンの島」に安彦氏がほぼ参加せずの外注製作だった為、同じように「安彦氏の新作カットで蘇る感動」が味わえます。

しかも現代アニメ技術により、とことんまで「安彦ガンダム」に拘った製作がされております。

例えば「キャラクターの線描写」

現代アニメではデジタルベースだからか「(線ごとの太さは違っても)1本の線の太さは均等」なんだそうです。

しかし本作では「安彦氏の描写」を再現させる為、「1本の線の太さが不均等」。

キャラクターの感情やシーンの意味に沿って変化する「安彦氏の表現」を線1本からトレースしています。

「モビルスーツの描写」も拘りがあります。

本作のモビルスーツは手書きでは無く、現代では主流の3DCG。

しかしベースとなる「絵コンテ」は安彦氏とイム副監督による手書き。

絵コンテから伝わる意図や「安彦ガンダムらしさ」を表現するため、姿形が変わるはずの無いモビルスーツの3DCGを場面ごとに変更しています。

ガンダムの顔が左右非対称になったり、モビルスーツが3DCGではあり得ない可動するようディフォルメしたりしています。

「ドアンザク」がカトキ氏中心の意見から「異形のザクとしてデザイン」されたのは有名ですが、モビルスーツ描写も「安彦ガンダム」らしい感情のあるような描写を3DCGで試みているのも凄いところですね。

 

2.物語について

安彦氏が「高畑氏(ジブリ等)のような生活描写に力を入れた」と語られていただけあり、本作はドアン島を中心とした子供の生活描写を中心に描かれています。

その効果か、作品全般に牧歌的な雰囲気が出、子供からお年寄りまで幅広い年代層の鑑賞向け作品のように仕上がっています。

しかし、その一方で物語導入部に何の説明も無いので、突然「ドアンザクがジムを蹂躙するシーン」に始まり、ホワイトベースのシーンへ。

ガンダム初見の方にしたら、「ゴーグル型ロボが次々と一つ目ロボに撃破された原因を調査に行く」くらいまで理解頂けたなら上等でしょう。

そのくらいの情報で物語が進行するので、一見さんにツライ導入です。

「富野ガンダム」の場合、劇中のセリフで乱暴に物語の状況を観客に理解させようとするんですが、本作にはそれも無く、「連邦とジオン」「ガンダムとザク」「アムロとホワイトベースの仲間」くらいは知ってる事を前提に話が進みます。

一方で「子供でも楽しめる作風」にしてるのに、物語導入で「みんなガンダム知ってるよね」なスタンスなので勿体ない作りです。

あの有名な「人類は増えすぎた人口を宇宙へ移民するようになって・・・」と「哀戦士の序盤解説」を現代3DCGバリバリ、永井氏ライブラリー出演でやっても良かったんじゃないかと感じます。

「宇宙戦争~コロニー落とし」で劇場ならではの壮大なスケール感の演出と世界観の説明し「ガンダム初見様」へのフォロー、BGMやナレーションを当時のものにする事で、一気に従来のファンをタイムスリップさせる二次効果も期待できます。

「哀戦士の序盤解説」のようなシーンを導入すればアムロやホワイトベースの仲間を説明できる上、ORIGINベースの時間軸変更もさりげなくフォローできます。

「ハサウェイ」で新規獲得したガンダム顧客を本作でも更に増やすチャンスでしたが、「ガンダムを知らない世代」には物語導入で壁にぶつかりそうです。

逆に、劇場版「機動戦士ガンダム 哀戦士」で削除された「TV版 機動戦士ガンダム」の「マ・クベによる核ミサイルのエピソード」を拾ってくれたのは良かったです。

古参ファンには嬉しいサプライズでしたし、劇場作品としてのスケール感を演出されていました。

また、安彦氏は「ガンダムはヒーロー」と語られていただけあり、その活躍も嬉しいものがありました。

ガンダムは「リアルロボットアニメのパイオニア」と言われていますが、ファーストガンダムのモビルスーツアクションは、ヒーローや時代劇を思わせる活躍や構図が良い演出として生きていました。

そういったポイントも外す事なく描かれていて、ファーストガンダムらしいアクションの快感も感じられました。

 

3.演技について

本作序盤からホワイトベースのクルーが登場。

アムロもそうですが、オリジナルキャストである古川氏が演じるカイが、ニヒルだけど根の温かい人柄が滲みでていて嬉しかったです。

序盤のドアン島でカイのガンキャノンに子供達が石を投げつけるシーン。

この収録で古川氏は「子供達が邪魔」という演技をしたそうですが、安彦氏に「カイはそうしない」と指摘され、「子供達に困惑する」演技に修正。

古川氏は、その指摘に恥じ入るとともに「安彦監督もカイを判っている」と嬉しく感じたそうです。

自分からこのエピソードを披露する古川氏の度量も素晴らしいですが、古川氏や安彦氏がカイを大事に丁寧に理解している点が嬉しいですね。

アムロは古谷氏ですが、小説を読んで心配していた場面がありました。

それは「踏みつけ」シーン。

しかし、キャラクターの表情と古谷徹氏の素晴らしい演技に助けられ、「この時期のアムロなら、このくらいしてしまうか・・・。」くらいにいは許容できました。

このシーンは戦争に染まってしまったアムロを的確に描写するシーンですが、主人公の残虐性を無駄に強調せずに描けるか、難しいシーンでもありました。

 

4.キャラクターについて

本作のドアンは「孤児の親を奪ったから、島で一緒に生活してる。」等、簡単に説明がありましたが、ドアンとサザンクロス隊との関係は「脱走したドアンを許さないセリフ」と「セルマの匂わせ演出」「ダナンの異常な憧れ」のみで、深くは語られませんでした。

このあたりやシャアの動向等は、『小説 機動戦士ガンダム ククルスドアンの島』に描かれているので、そちらを購読いただければ、より楽しめると思います。

今月発売の「ガンダムエース」には本作を記念した「ククルス・ドアンエース」が付録されるようですし、益々盛り上がっていきますね!


『ククルス・ドアンの島』【劇場公開】

2022-06-04 00:00:00 | 日記

遂に劇場公開しました『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』!

 

皆さんはもうご覧になられたでしょうか?

 

取りあえず、これからご覧になる方向けの『極力ネタバレ抜き』のご紹介!

 


【①魅力】

・『ファーストガンダム』生みの親の一人・安彦良和先生のキャラクター描写、芝居を感じられるシーン満載!

・THE ORIGINのような前日譚ではない『機動戦士ガンダム』が、劇場で見れる!

・『ファーストガンダム』テイスト満載の音楽・演出で、当時のガンダムを最新のアニメで!

・ベースとなる『テレビ版・機動戦士ガンダム 第15話』を知っていれば、オマージュを感じられる。

・劇場向けにアレンジされてるので、テレビ版を知らなくとも、シンプルな「劇場エンタメ」として楽しめる!

 

以下、本作を視聴した私見です。

 

 わかりやすくするため、最近のガンダム映画で比較してみました。

 「機動戦士ガンダム NT」        ・・・福井氏のニュータイプ論ベース。UCと地続き感。

                        福井氏理解の富野ガンダム的テンポ良く勢いある会話で進行。

 「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」  ・・・物語は富野小説まんまだが、スピーディーでスタイリッシュに描写。

                         最先端技術、才能・センスによる別次元の映像美。

 「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」・・・安彦氏のガンダム。漫画ORIGINと地続き感。

                         TVガンダム「第15話」を安彦がリファイン。

                         高畑氏(ジブリ)を意識した生活芝居がメイン。

                         エンタメとしてMS戦や政治戦を追加。

                         幅広い年代層の視聴意識。

 

劇場作品としては、「ハサウェイ」とベクトルがまるで違いますね。

 


【②鑑賞前の事前知識】

・『ファーストガンダム』を知ってる方は、時系列が本作では『ファーストガンダム』では無く『コミック版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ベースである事を知っておくと良いです。

 

 A.時系列の差異

 〈ファーストガンダム〉                      

  ・第13話『再会 母よ』(日本)/劇場版(カナダ)           

  ・第15話『ククルス・ドアンの島』(日本近海)

  ・第19話『ランバ・ラル特攻』(中央アジア(ゴビ砂漠・ソドン))

  ・第24話『迫撃!トリプルドム』(黒海周辺の森林)

  ・第25話『オデッサの激戦』(ウクライナ・南部)

  ・第26話『復活のシャア』(北アイルランド・ベルファスト)

  ・第29話『ジャブローに散る』(南米・ジャブロー)

 

〈THE ORIGIN〉  

  ・第19話『ランバ・ラル特攻』相当 (中央アジア(ゴビ砂漠・ソドン)) ➡ (南米)

  ・第24話『迫撃!トリプルドム』相当 (黒海周辺の森林) ➡ (南米)

  ・第29話『ジャブローに散る!』相当 (南米・ジャブロー) ➡ (ギアナ高地付近)

  ○第15話『ククルス・ドアンの島』本作 (日本近海) ➡ (大西洋・アレクランサ島)

  ・第26話『復活のシャア』相当 (北アイルランド・ベルファスト)

  ・第25話『オデッサの激戦』(ウクライナ・南部)

 

「ファーストガンダム」ではホワイトベースは、北米・ニューヤークでガルマ死後、アジア➡オデッサ作戦へ参加し、ヨーロッパ・ベルファストへと逃避行します。

一方ORIGINでは、北米➡アジア部分を南米へ置き換え「ジャブロー」へと南進直行するルートへと変更されています。

直行する事で描かれなかった「オデッサ作戦」「ベルファスト」は、「ジャブロー」の攻防後に「ベルファスト」➡「オデッサ作戦」と逆流する形で描かれました。

世界地図を見るとORIGINで改変されたホワイトベース航路のほうが、至極まっとうで安彦先生の変更も道理です。

ただ、その為に時系列も変わってしまいました。

本作「ククルス・ドアンの島」は、この改変後の時系列に沿って「ジャブロー」後に立ち寄る時期になっています。

 

 

 B.登場キャラクターの差異

  ・「A.時系列の変更」から、『ククルス・ドアンの島』前にホワイトベースがジャブローに到着。

   この時点でリュウは戦死し、スレッガーが補充され、本作に登場します。

   また、スレッガーと一緒にジムも配備されています。

 

 C.メカニックの差異

  ・ガンダム、ジム、ホワイトベース等、ORIGINでデザインや設定をリファインしています。

 

【劇場・限定品】

 劇場で発売されている『劇場・限定品』の中からピックアップして2つご紹介!

 ①『劇場・限定Blu-ray box』

  劇場の感動をご自宅でも楽しみたい人向けなBlu-ray。

  ただ、一般Blu-rayもあるので、鑑賞だけなら一般Blu-rayで充分です。

  しかし本商品は『絵コンテ』『サントラCD』同梱がポイント。

  『絵コンテ』は話題の『シャア専用高機動型ザクⅡ』がコンテ時点で『S型』だった事が判ったりします。

 

  何より、『THE ORIGIN』と違い漫画原作無い本作。

  過去の劇場版や漫画で取り上げられなかった本作の「安彦先生・絵コンテ」は嬉しいですよね。

 

 ②『数量限定・パンフレット』

  3部構成のパンフレット。

  1部はおそらく通常版の豪華仕様。他の2冊は以下。

  (A)『CGメイキング冊子』

     サザンクロス隊の高機動型ザクⅡ(陸戦用)等の3面図等、初見資料あり嬉しい内容。

  (B)『お疲れ様本』

     スタッフの皆様のメッセージ・イラスト寄書本。1人1ページかな。

     皆様『安彦先生の機動戦士ガンダム』に関われる嬉しさに溢れていました。

 

『ファーストガンダム』生みの親の一人・安彦先生による『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』。

先生のテイスト溢れる作品を、劇場でご覧になってはいかがでしょうか。

劇場には「劇場限定商品」も販売されており、映画鑑賞だけではない楽しみも待っていますよ!