今日は「MS-06R-1A」いわゆる『高機動型ザクⅡ』について、です。
『高機動型ザクⅡ』は「オリジン版」と「ファーストガンダム版」で開発時期が異なっています。
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<おことわり>
『オリジン版』は「パラレル」という概念がありますが、「パラレル」ではない事を前提に記事にしています。
『オリジン版アニメ化プロジェクト』が終了(安彦氏とカトキ氏が「オリジン劇場版パンフレット」で明言)した今、『ファーストガンダム』と物語が被らない(*1)となれば、他の外伝・サイドストーリー(*2)と立ち居地は一緒。
つまり、物語の理不尽な「上塗り否定」が少なく(*1)、多少の差異は他の映像化した外伝ガンダム同様に設定の改変で対応可能(*2)。
それであれば、『オリジン』『ファーストガンダム』の共生を「背景設定」をすり合わせて考えいていく・・・という見方です。
また、『オリジン』はアニメ以降も物語は「コミック版」で継続しますし、その設定もあります。
しかし、「ガンダム世界はアニメ版の設定が優先する」という大原則が、あります。
そのため「アニメ版オリジン」以降(「ガンダム大地に立つ」以降)の物語は、『アニメ版ファーストガンダム』が優先するので、その後の物語である『コミック版オリジン』設定は(ファーストガンダム版設定に抵触する部分は)無視します。
<*注釈>
*1 「ガンダム大地に立つ」以前が「オリジン」、以降が「ファースト」。物語の時期の住み分けができている、の意。
*2 「ガンダム外伝作品」による最も有名な「ファーストガンダム」設定改変の1つに「08小隊によるジム開発設定改変」がある。
「ファーストガンダム」では、
『ガルマ戦死し、ギレンが追悼演説。
その遙か後に、ジャブローにホワイトベースが到着。
その時期に「連邦軍の量産モビルスーツ・ジム」初登場』
の描写。
「ガンダムの量産型であるジム」も、「ホワイトベースで活躍するガンダムのデータをマチルダが持ち帰り、ジム開発にフィードバック」し、「ホワイトベースがジャブローに到着する直前にロールアウトし、ジャブロー攻略戦に初めて実戦投入」と「ファーストガンダム」放映当時は解釈された。
しかし、後年に制作された「ファーストガンダム」の外伝的作品である「08小隊」では、
『ガルマ戦死し、ギレンが追悼演説。
その遥か前に「ジム初期型」が登場』
の描写。
「ファーストガンダム」と「ジム初登場」時期が大きく乖離。
当時の解釈とも矛盾が生じる。
しかも、「ジム」のデザインが「ジム」の後継機である「ジム改(後にジムEと設定)」に酷似。
開発系譜にも矛盾が発生。
また「08小隊」では、「ジャブロー攻略戦」以前の「オデッサ作戦」以前から、「陸戦型ジム」が実戦配備される描写がある。
これらを踏まえ、アニメ映像化してしまった「08小隊」に合わせ、それまでの「連邦軍のジム開発時期」解釈を、大きく改変した設定を発表した。
「08小隊」による設定の改変以降、様々な「ガンダムの外伝作品」で、いろいろな「ジム」タイプのモビルスーツが「ジャブロー攻略戦」以前の各戦線で登場する事になる。
またガンダムは「後発で映像化した作品」に合わせ公式設定を改変する方針が生まれた。
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「オリジン版」の「高機動型ザクⅡ」はこちら。
『オリジン版・高機動型ザクⅡ(MS-06R-1A)』※以下、「オリジン公式HP」抜粋。
『ジオン公国軍の主力として活躍することになるMS-06 ザクⅡは、初期生産型となるC型、その後に登場するF型をはじめ、さまざまな戦況に合わせて運用可能な「汎用性」を求める形で開発が行われた。
独立戦争開戦に向けて、汎用性の高いC型の量産体制が整いはじめると、ジオン公国軍は特定の戦闘状況に特化した、局地戦対応のMS-06 ザクⅡの開発を始める。
その中で最も早い時期に完成したのが、MS-06R-1A 高機動型ザクⅡである。
この機体は、汎用性を排除し、宇宙空間での戦闘に特化すべく、より高い機動性を求めて改良が施されている。
背部の大型化したランドセル(バックパック)に大量に消費する推進剤をより多く積み込むことができるプロペラントタンクを増設。
脚部には増速用の大型スラスターを3基ずつ計6基設置し、機動力の増強を図っている。
この機体は、独立戦争初期の大規模艦隊戦となったルウム会戦において、かつてモビルスーツ開発にテストパイロットとして関わっていたガイア、オルテガ、マッシュら黒い三連星によって運用された。
彼らは対艦戦闘用のフォーメーションを組んだ三位一体の攻撃を得意としており、役割に応じて異なる兵装も特徴となっている。
チームを率いるガイア機は両肩にシールドを装備することで、バズーカの携行弾数が向上。
射撃能力に優れるマッシュの機体は中・長距離射撃が可能なMS用対艦ライフル ASR-78を装備。
そして、近接での格闘戦を得意とするオルテガの機体は、ガイア機とマッシュ機の攻撃の仕上げとして、ジャイアント・ヒート・ホークの直接攻撃でとどめを刺すという連携を行い、ルウム会戦において高い戦果を挙げることになる。 』
次に『ファーストガンダム(MSV)版』です。
『高機動型ザクⅡ・黒い三連星専用機(MS-06R-1A)』 ※以下、wiki抜粋。
『ザクII F型 (MS-06F) をベースとして、ザクIIの陸戦能力をほぼ完全に廃し、宇宙空間用に特化された高機動型。
背部・脚部以外は従来のザクIIとほぼ同じ形状だが、フレームやジェネレーターなどの内部構造は大幅な設計変更が加えられており、事実上別のMSとなっている。
当初は『試製高機動型ザクII(RP型)』が2機試作され、『R-1型』として量産開始。
『R-1型』の推進剤消費量の問題を解決するため、背部と脚部の燃料タンクを「チューブ式」から「カートリッジ式」に改修された「R-1A型」が開発された。
「R-1A」型として最も有名な機体が、「黒い三連星専用機」。
黒い三連星がドムとともに地球に降りる直前まで使用した機体で、ザクII S型からチームカラーとなった黒、紫、グレーの3色で塗り分けられている。
(「黒い三連星」は「ルウム会戦」時は「C型」を運用。)
右肩のシールドには黄色いパーソナル・エンブレムが描かれているが、これは本来は突撃機動軍章であるものの、黒い三連星のMS以外には使用されていないといわれる。
機体番号はガイアが「03」、マッシュが「02」、オルテガが「06」。
グラナダ工廠でR-1型の基礎フレームを用いて製造されており、ほかの同型機とは細部の意匠が多少異なる。
ガイア機は頭部にブレード・アンテナが装備されることもある。』
「運用時期」「開発系譜」等、設定、多数の相違があります。
次に外見的特長を比較していきます。
しかし、オリジン版(カトキ先生デザイン)」と「ファースト版(大河原先生デザイン)」では、頭身からスタイルから違い過ぎて比較ができません。
なんで、スタイルが今風でモールドも追加された『ファースト版(ガンプラRG)』と『オリジン版』で比較してみます。
左『オリジン版』、中央『ファースト版(ガンプラRG)』、右『ファースト版(大河原先生デザイン』です。
さて、違いですが、
まず、目を引くのが、左肩スパイクアーマーの大きさ。
これは、他の、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』でも見られる差(ザクⅠ等)なので、『スタイルの違い』として割愛します。
しかし『オリジン版』は解説にもありますが、
『ガイア機(03)は、両肩にシールドを装備』
と、「固定武装」装備が違う点は、明らかな相違です。
それを除いても『頭部・胸のモールドの違い』があります。
『設定の相違』、『固定武装』の相違、『頭部』『胸』モールドの差異と見逃せない違いがある事から、あきらかに別物です。
別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)
それでは、2種の違いを改めてみてみます。
(1)「外見」
①「ガイア機」の「ブレードアンテナ」の有(ファースト版)無(オリジン版)。
②「頭部2本モールド(装甲板)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
③「ガイア機」の「左肩シールド装備」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
④「胸・突起モールド(チ○ビモールド)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
(2)設定
①「オリジン版」は「C型」の局地戦対応として、最も早い時期に開発された機体。
「MSV版」は「F型」の宇宙空間用に特化された高機動型。「RP型」「R-1型」と開発され、その改善機として、「R-1A型」が開発された。
②「オリジン版のガイア機」は、「左肩に固定シールド装備」。
「MSV版のガイア機」は「ブレードアンテナ装備」する場合もある。
③「オリジン版の黒い三連星」は「ルウム会戦に「R-1A型」を運用」。
「MSV版の黒い三連星」は「ルウム会戦はC型を運用」。その後「S型」に乗り継ぎ、「R-1A型」を受領。
(3)特記事項
・「オリジン版」劇中描写で「黒い三連星・オルテガ」が「ブレードアンテナ」を羨ましがる描写がある。
・「オリジン版」では「黒い三連星」はドズル配下。「ファーストガンダム版」ではキシリア配下。
・U,C,0079.3「黒い三連星」は「教導機動大隊」で演習をしている。
これらの事を開発順に年表にすると以下のようになります。
ここで一つ疑問を感じます。
「ジオン十字勲章」授与される程の戦力である「黒い三連星」に、開戦3カ月と間も無い時期に
「教導機動大隊」で演習させるでしょうか?
強力な戦力であれば、もっと重要な戦線に送り込んだほうが、効率が良いと感じます。
勿論、新人パイロットの育成と士気高揚は大事ですが。
このあたりと「オリジン版」「ファーストガンダム版」の「黒い三連星」の所属の違いを結び付けて説明すると面白そうです。
例えば、
①開戦当初「黒い三連星」はドズル配下として戦果を上げ「ジオン十字勲章」授与。
②キシリアはグラナダ制圧に成功。
③当初より「継戦」を画策していたキシリアは「南極条約」締結後、ドズルに抜きんじて「地球降下作戦」の軍組織を主導。
④キシリアはドズルに比べ、この時点で配下のパイロットに突出した能力のある人材が不足している事を問題視。
⑤キシリアの要請により「地球降下作戦」指令となるマ・クベも同じ認識であり、優秀なパイロット補充の為、シャアへ引抜き勧誘するが、断られる。
⑥マ・クベを通じ水面下での交渉に失敗したキシリアは、「地球降下作戦」や制圧した「グラナダ」の防衛戦力不足を盾に、ドズルに人的支援を要請。
⑦ドズルには「ソロモン防衛」があるとはいえ、キシリアには「グラナダ防衛」もある上に大規模侵攻作戦となる「地球降下作戦」もあり、キシリアの要請に応じざるを得なかった。
まず、「人的資源」の支援の核として、パイロットを養成する「教導機動大隊」のキシリアへの譲渡を決定。
更に「人的支援」の目玉として、「ジオン十字勲章」授与した「黒い三連星」のキシリアへの転属という苦渋の決断をする。
⑧キシリアは「黒い三連星」を「単なるエースパイロット補充」で終わらせる事を良しとはせず、「教導機動大隊」の中核に据える事で「多数の優秀なパイロットの養成」を図る。
⑨「地球降下作戦」での負傷パイロット本国帰還増加により、「教導機動大隊」教官補充に目処がつき、「黒い三連星」は戦場復帰。
⑩一方、「黒い三連星」を失ったドズルは優秀なパイロット補強の意味もあり、「ランバ・ラル」の予備役からの復帰を認める。
⑪「ランバ・ラル」は「陸戦型デバイス」「格闘特化型戦術MS」の試験運用で開発協力していた「ラル専用ザクⅠ」の実績から、「プロトタイプグフ(戦術実証型)」開発に参加。
・・・なんてどうでしょう。
物語性もあって、面白いですよね。
もともと「オリジン版」では、ドズルがモビルスーツの原点から関わっていた為、自然に優秀なパイロットが集まったでしょうが、開戦当初のキシリアはそこが薄かったのは想像に難くありません。
「オリジン版」ではマ・クベがシャアを引き抜きしようとしたりしてましたから、ドズル以外の組織が優秀なパイロットを欲しがっていることは間違いないでしょうし。
そんなキシリアからすれば、優秀なパイロットをドズルから引き抜き、そのパイロットに他パイロットの指導をさせ、全体の底上げを図ると考えるのは自然な流れです。
以上をまとめ、詳細設定の解釈説明として、機体解説していきます。
『高機動型ザクⅡ Rタイプ』
①「C型」ベースの開発
『「ザクⅡC型」の局地戦対応として、最も早い時期に開発された機体。
開戦当初は「南極条約(戦争で「核使用禁止」等の条件を締結した条約)」締結前だった為、ジオン軍主力機にも「耐核装備」された『ザクⅡC型 MS-06C』が主力機として導入された。
「高機動型ザクⅡ MS-06R-1A」も、「耐核装備」された「C型」をベースとして開発された。
この機体は、汎用性を排除し、宇宙空間での戦闘に特化すべく、より高い機動性を求めて改良が施されている。
背部の大型化したランドセル(バックパック)に大量に消費する推進剤をより多く積み込むことができるプロペラントタンクを増設。
脚部には増速用の大型スラスターを3基ずつ計6基設置し、機動力の増強を図っている。
但し、「通信・索敵強化用のブレードアンテナ」は、当初「三位一体行動」する彼らには不要として取り付けられなかった。
この機体は、独立戦争初期の大規模艦隊戦となったルウム会戦において、かつてモビルスーツ開発にテストパイロットとして関わっていたガイア、オルテガ、マッシュら黒い三連星によって運用された。
彼らは対艦戦闘用のフォーメーションを組んだ三位一体の攻撃を得意としており、役割に応じて異なる兵装も特徴となっている。
チームを率いるガイア機は両肩にシールドを装備することで、バズーカの携行弾数が向上。
射撃能力に優れるマッシュの機体は中・長距離射撃が可能なMS用対艦ライフル ASR-78を装備。
そして、近接での格闘戦を得意とするオルテガの機体は、ガイア機とマッシュ機の攻撃の仕上げとして、ジャイアント・ヒート・ホークの直接攻撃でとどめを刺すという連携を行い、ルウム会戦において高い戦果を挙げることになる。
ちなみに型式番号『R-1A』は、「F型ベースのR型」の類似機体と同じ番号を後年付与されたもので、当時は単に『高機動型(一部では便宜上「R型」)』と呼称。
正式な型式番号が無かった上、『C型』の派生機だった事もあり、「黒い三連星」の「ルウム会戦」で運用されたモビルスーツが『C型』として伝わっている。
②『F型』ベースへの移行
『南極条約」締結に伴い、「耐核装備」が不要となり、同装備の無い『ザクⅡF型 (MS-06F)』が開発。
「高機動型ザクⅡ MS-06R-1A」も、「耐核装備」が外された「F型」をベースとして開発される事になるのだが、当時の「制宙権の大半を支配した」ジオン軍は「地球」が主戦場になると判断。
「F型ベースのS型」が優先して開発される事となり、「F型ベースのR型」開発は一旦凍結される。
「C型ベースのR型」搭乗パイロットも、先行して開発された「F型ベースのS型」を受領し乗り換える事なる。
「黒い三連星」も例外では無く、「C型ベースのR型」から「F型ベースのS型」へ乗り換えている。
UC.0079年4月、「F型ベースのS型」完成後に「F型ベースのR型」の試作機となる「高機動型ザクⅡRP型 (MS-06RP)」2機がロールアウト。
背部と脚部の燃料タンクを「C型ベースのR型」時の「カートリッジ式」から、燃料積載能力の高い「チューブ式」に改修される。
『頭部・装甲』もメンテナンス重視」「衝撃分散設計」だった『3分割・装甲板』を廃止し、「運用中の故障の激減」「重要なセンサー部の保護」の観点から、「剛性強化設計」の「単一・装甲板」へ変更。
運用試験も良好だった為、R型の量産機「R-1型」の量産が開始される。
但し、この時『黒い三連星』はキシリアの要請でドズルからキシリアへ配置転換されており、キシリア配下のパイロット技術の底上げとして「教導機動大隊」に着任。
UC.0079年3月より教導機動大隊の特別演習に参加し、パイロット教育に専念。
この時の「黒い三連星」は「雨の海海戦」で使用していた「MS-05A」のジェネレーターや外装を「MS-05B」へ改修。
「C型ベースのR-1A型」「F型ベースのS型」同様、黒、紫、グレー3色のパーソナルカラーへ塗り替え、指導に望んでいる。
これらの事情から「黒い三連星」は、「R-1型」を受領していない。
彼らに配備される事の無いまま、「R-1型」は運用パイロットからの「燃料補給効率の悪さ」を指摘され、生産を一度凍結。
最大積載量の高い「チューブ式・燃料タンク」から、当初の「C型ベースのR-1A」が採用していた燃料補給効率の高い「カートリッジ式」へ戻す形で「R-1A型」が開発される。
なお、「RP」「R-1」「R-1A」ともに、パイロットの要望によって『ブレードアンテナ(F型から移行したS型準拠)』を装備する機体も散見される。
頭部・装甲』も「単一・装甲版」へ変更している機体が多いが、一部「メンテナンス重視」した「3分離型・装甲版」を採用している機体もあった。』
③『黒い三連星専用機』
『「F型ベースのR-1A型」は「教導機動大隊」でのパイロット教育任務を終えた「黒い三連星」も受領。
「頭部・装甲」に以前の「C型ベースのR-1A」と違い、「一体型・装甲板」を採用。
「ガイア機の左肩」は「固定シールド」では無く、通常の「スパイクアーマー」が採用された。
「ルウム会戦」のような大規模戦闘では、「予備弾倉」装備も兼ねて「固定シールド」としていたが、通常戦闘を想定した為、格闘とのバランスも良い通常仕様にしたというい経緯である。
「黒い三連星」は地球に降りる直前まで本機を使用。
「C型ベースのR-1A型」「F型ベースのS型」同様、黒、紫、グレーの3色で塗り分けられている。
右肩のシールドには黄色いパーソナル・エンブレムが描かれているが、これは本来は突撃機動軍章であるものの、黒い三連星のMS以外には使用されていないといわれる。
機体番号はガイアが「03」、マッシュが「02」、オルテガが「06」。
グラナダ工廠でR-1型の基礎フレームを用いて製造されており、ほかの同型機とは細部の意匠が多少異なる。
ガイア機は頭部にブレード・アンテナが装備されることもある。』
この設定なら、『MSV設定』に大きな改変を加える事無く、「オリジン版R-1A型が一年戦争開戦時に別に存在した」と説明できます。
ただ、この作品まではカバーできなかったのが悔やまれます。
『ガンダムレガシー(1巻)』著・夏元雅人(角川書店)
こちらの『episode 01(1巻record 01) ルウムの影と光』では、ガッツリ「ルウムでの黒い三連星」を描いているため、「黒い三連星」がルウムで「(紫・黒の)パーソナルカラーではないザクⅡC型」に搭乗してるんですよね。
しかも「黒い三連星」が(紫・黒の)パーソナルカラーになるのは、ルウム以降「ザクⅡS型」受領から、と明言されています。
文字設定のみの「MSV」は私の説明で補完できましたが、「ビジュアル・台詞」付きのコミックは、アニメ版「オリジン」が「完全にルウム戦役を上塗り」している為、どうにもできません。
「ガンダム設定は、アニメ版が優先」定義により、完全に消されてしまいます。
夏元先生のコミックは大好きなだけに、無念です。
という訳で、今日は以上です。
今日の記事で「オリジン版」「ファーストガンタム版」の共生をテーマした「ジオン側」の記事に一区切りつけれます。
次回は「連邦側」で気になる点について。
更新は6月5日、土曜日です。
『高機動型ザクⅡ』は「オリジン版」と「ファーストガンダム版」で開発時期が異なっています。
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<おことわり>
『オリジン版』は「パラレル」という概念がありますが、「パラレル」ではない事を前提に記事にしています。
『オリジン版アニメ化プロジェクト』が終了(安彦氏とカトキ氏が「オリジン劇場版パンフレット」で明言)した今、『ファーストガンダム』と物語が被らない(*1)となれば、他の外伝・サイドストーリー(*2)と立ち居地は一緒。
つまり、物語の理不尽な「上塗り否定」が少なく(*1)、多少の差異は他の映像化した外伝ガンダム同様に設定の改変で対応可能(*2)。
それであれば、『オリジン』『ファーストガンダム』の共生を「背景設定」をすり合わせて考えいていく・・・という見方です。
また、『オリジン』はアニメ以降も物語は「コミック版」で継続しますし、その設定もあります。
しかし、「ガンダム世界はアニメ版の設定が優先する」という大原則が、あります。
そのため「アニメ版オリジン」以降(「ガンダム大地に立つ」以降)の物語は、『アニメ版ファーストガンダム』が優先するので、その後の物語である『コミック版オリジン』設定は(ファーストガンダム版設定に抵触する部分は)無視します。
<*注釈>
*1 「ガンダム大地に立つ」以前が「オリジン」、以降が「ファースト」。物語の時期の住み分けができている、の意。
*2 「ガンダム外伝作品」による最も有名な「ファーストガンダム」設定改変の1つに「08小隊によるジム開発設定改変」がある。
「ファーストガンダム」では、
『ガルマ戦死し、ギレンが追悼演説。
その遙か後に、ジャブローにホワイトベースが到着。
その時期に「連邦軍の量産モビルスーツ・ジム」初登場』
の描写。
「ガンダムの量産型であるジム」も、「ホワイトベースで活躍するガンダムのデータをマチルダが持ち帰り、ジム開発にフィードバック」し、「ホワイトベースがジャブローに到着する直前にロールアウトし、ジャブロー攻略戦に初めて実戦投入」と「ファーストガンダム」放映当時は解釈された。
しかし、後年に制作された「ファーストガンダム」の外伝的作品である「08小隊」では、
『ガルマ戦死し、ギレンが追悼演説。
その遥か前に「ジム初期型」が登場』
の描写。
「ファーストガンダム」と「ジム初登場」時期が大きく乖離。
当時の解釈とも矛盾が生じる。
しかも、「ジム」のデザインが「ジム」の後継機である「ジム改(後にジムEと設定)」に酷似。
開発系譜にも矛盾が発生。
また「08小隊」では、「ジャブロー攻略戦」以前の「オデッサ作戦」以前から、「陸戦型ジム」が実戦配備される描写がある。
これらを踏まえ、アニメ映像化してしまった「08小隊」に合わせ、それまでの「連邦軍のジム開発時期」解釈を、大きく改変した設定を発表した。
「08小隊」による設定の改変以降、様々な「ガンダムの外伝作品」で、いろいろな「ジム」タイプのモビルスーツが「ジャブロー攻略戦」以前の各戦線で登場する事になる。
またガンダムは「後発で映像化した作品」に合わせ公式設定を改変する方針が生まれた。
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「オリジン版」の「高機動型ザクⅡ」はこちら。
『オリジン版・高機動型ザクⅡ(MS-06R-1A)』※以下、「オリジン公式HP」抜粋。
『ジオン公国軍の主力として活躍することになるMS-06 ザクⅡは、初期生産型となるC型、その後に登場するF型をはじめ、さまざまな戦況に合わせて運用可能な「汎用性」を求める形で開発が行われた。
独立戦争開戦に向けて、汎用性の高いC型の量産体制が整いはじめると、ジオン公国軍は特定の戦闘状況に特化した、局地戦対応のMS-06 ザクⅡの開発を始める。
その中で最も早い時期に完成したのが、MS-06R-1A 高機動型ザクⅡである。
この機体は、汎用性を排除し、宇宙空間での戦闘に特化すべく、より高い機動性を求めて改良が施されている。
背部の大型化したランドセル(バックパック)に大量に消費する推進剤をより多く積み込むことができるプロペラントタンクを増設。
脚部には増速用の大型スラスターを3基ずつ計6基設置し、機動力の増強を図っている。
この機体は、独立戦争初期の大規模艦隊戦となったルウム会戦において、かつてモビルスーツ開発にテストパイロットとして関わっていたガイア、オルテガ、マッシュら黒い三連星によって運用された。
彼らは対艦戦闘用のフォーメーションを組んだ三位一体の攻撃を得意としており、役割に応じて異なる兵装も特徴となっている。
チームを率いるガイア機は両肩にシールドを装備することで、バズーカの携行弾数が向上。
射撃能力に優れるマッシュの機体は中・長距離射撃が可能なMS用対艦ライフル ASR-78を装備。
そして、近接での格闘戦を得意とするオルテガの機体は、ガイア機とマッシュ機の攻撃の仕上げとして、ジャイアント・ヒート・ホークの直接攻撃でとどめを刺すという連携を行い、ルウム会戦において高い戦果を挙げることになる。 』
次に『ファーストガンダム(MSV)版』です。
『高機動型ザクⅡ・黒い三連星専用機(MS-06R-1A)』 ※以下、wiki抜粋。
『ザクII F型 (MS-06F) をベースとして、ザクIIの陸戦能力をほぼ完全に廃し、宇宙空間用に特化された高機動型。
背部・脚部以外は従来のザクIIとほぼ同じ形状だが、フレームやジェネレーターなどの内部構造は大幅な設計変更が加えられており、事実上別のMSとなっている。
当初は『試製高機動型ザクII(RP型)』が2機試作され、『R-1型』として量産開始。
『R-1型』の推進剤消費量の問題を解決するため、背部と脚部の燃料タンクを「チューブ式」から「カートリッジ式」に改修された「R-1A型」が開発された。
「R-1A」型として最も有名な機体が、「黒い三連星専用機」。
黒い三連星がドムとともに地球に降りる直前まで使用した機体で、ザクII S型からチームカラーとなった黒、紫、グレーの3色で塗り分けられている。
(「黒い三連星」は「ルウム会戦」時は「C型」を運用。)
右肩のシールドには黄色いパーソナル・エンブレムが描かれているが、これは本来は突撃機動軍章であるものの、黒い三連星のMS以外には使用されていないといわれる。
機体番号はガイアが「03」、マッシュが「02」、オルテガが「06」。
グラナダ工廠でR-1型の基礎フレームを用いて製造されており、ほかの同型機とは細部の意匠が多少異なる。
ガイア機は頭部にブレード・アンテナが装備されることもある。』
「運用時期」「開発系譜」等、設定、多数の相違があります。
次に外見的特長を比較していきます。
しかし、オリジン版(カトキ先生デザイン)」と「ファースト版(大河原先生デザイン)」では、頭身からスタイルから違い過ぎて比較ができません。
なんで、スタイルが今風でモールドも追加された『ファースト版(ガンプラRG)』と『オリジン版』で比較してみます。
左『オリジン版』、中央『ファースト版(ガンプラRG)』、右『ファースト版(大河原先生デザイン』です。
さて、違いですが、
まず、目を引くのが、左肩スパイクアーマーの大きさ。
これは、他の、『オリジン版』『ファースト版(カトキ氏デザイン)』でも見られる差(ザクⅠ等)なので、『スタイルの違い』として割愛します。
しかし『オリジン版』は解説にもありますが、
『ガイア機(03)は、両肩にシールドを装備』
と、「固定武装」装備が違う点は、明らかな相違です。
それを除いても『頭部・胸のモールドの違い』があります。
『設定の相違』、『固定武装』の相違、『頭部』『胸』モールドの差異と見逃せない違いがある事から、あきらかに別物です。
別物である以上、別の種類の機体と考えるべきでしょう。
ガンダムMS設定の法則「あるある」ですね。
(かつての「ザクⅡF2」が、「ザクⅡF」の解釈違いでデザインした経緯だったのに、別機体として設定したように。)
それでは、2種の違いを改めてみてみます。
(1)「外見」
①「ガイア機」の「ブレードアンテナ」の有(ファースト版)無(オリジン版)。
②「頭部2本モールド(装甲板)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
③「ガイア機」の「左肩シールド装備」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
④「胸・突起モールド(チ○ビモールド)」の有(オリジン版)無(ファースト版)。
(2)設定
①「オリジン版」は「C型」の局地戦対応として、最も早い時期に開発された機体。
「MSV版」は「F型」の宇宙空間用に特化された高機動型。「RP型」「R-1型」と開発され、その改善機として、「R-1A型」が開発された。
②「オリジン版のガイア機」は、「左肩に固定シールド装備」。
「MSV版のガイア機」は「ブレードアンテナ装備」する場合もある。
③「オリジン版の黒い三連星」は「ルウム会戦に「R-1A型」を運用」。
「MSV版の黒い三連星」は「ルウム会戦はC型を運用」。その後「S型」に乗り継ぎ、「R-1A型」を受領。
(3)特記事項
・「オリジン版」劇中描写で「黒い三連星・オルテガ」が「ブレードアンテナ」を羨ましがる描写がある。
・「オリジン版」では「黒い三連星」はドズル配下。「ファーストガンダム版」ではキシリア配下。
・U,C,0079.3「黒い三連星」は「教導機動大隊」で演習をしている。
これらの事を開発順に年表にすると以下のようになります。
ここで一つ疑問を感じます。
「ジオン十字勲章」授与される程の戦力である「黒い三連星」に、開戦3カ月と間も無い時期に
「教導機動大隊」で演習させるでしょうか?
強力な戦力であれば、もっと重要な戦線に送り込んだほうが、効率が良いと感じます。
勿論、新人パイロットの育成と士気高揚は大事ですが。
このあたりと「オリジン版」「ファーストガンダム版」の「黒い三連星」の所属の違いを結び付けて説明すると面白そうです。
例えば、
①開戦当初「黒い三連星」はドズル配下として戦果を上げ「ジオン十字勲章」授与。
②キシリアはグラナダ制圧に成功。
③当初より「継戦」を画策していたキシリアは「南極条約」締結後、ドズルに抜きんじて「地球降下作戦」の軍組織を主導。
④キシリアはドズルに比べ、この時点で配下のパイロットに突出した能力のある人材が不足している事を問題視。
⑤キシリアの要請により「地球降下作戦」指令となるマ・クベも同じ認識であり、優秀なパイロット補充の為、シャアへ引抜き勧誘するが、断られる。
⑥マ・クベを通じ水面下での交渉に失敗したキシリアは、「地球降下作戦」や制圧した「グラナダ」の防衛戦力不足を盾に、ドズルに人的支援を要請。
⑦ドズルには「ソロモン防衛」があるとはいえ、キシリアには「グラナダ防衛」もある上に大規模侵攻作戦となる「地球降下作戦」もあり、キシリアの要請に応じざるを得なかった。
まず、「人的資源」の支援の核として、パイロットを養成する「教導機動大隊」のキシリアへの譲渡を決定。
更に「人的支援」の目玉として、「ジオン十字勲章」授与した「黒い三連星」のキシリアへの転属という苦渋の決断をする。
⑧キシリアは「黒い三連星」を「単なるエースパイロット補充」で終わらせる事を良しとはせず、「教導機動大隊」の中核に据える事で「多数の優秀なパイロットの養成」を図る。
⑨「地球降下作戦」での負傷パイロット本国帰還増加により、「教導機動大隊」教官補充に目処がつき、「黒い三連星」は戦場復帰。
⑩一方、「黒い三連星」を失ったドズルは優秀なパイロット補強の意味もあり、「ランバ・ラル」の予備役からの復帰を認める。
⑪「ランバ・ラル」は「陸戦型デバイス」「格闘特化型戦術MS」の試験運用で開発協力していた「ラル専用ザクⅠ」の実績から、「プロトタイプグフ(戦術実証型)」開発に参加。
・・・なんてどうでしょう。
物語性もあって、面白いですよね。
もともと「オリジン版」では、ドズルがモビルスーツの原点から関わっていた為、自然に優秀なパイロットが集まったでしょうが、開戦当初のキシリアはそこが薄かったのは想像に難くありません。
「オリジン版」ではマ・クベがシャアを引き抜きしようとしたりしてましたから、ドズル以外の組織が優秀なパイロットを欲しがっていることは間違いないでしょうし。
そんなキシリアからすれば、優秀なパイロットをドズルから引き抜き、そのパイロットに他パイロットの指導をさせ、全体の底上げを図ると考えるのは自然な流れです。
以上をまとめ、詳細設定の解釈説明として、機体解説していきます。
『高機動型ザクⅡ Rタイプ』
①「C型」ベースの開発
『「ザクⅡC型」の局地戦対応として、最も早い時期に開発された機体。
開戦当初は「南極条約(戦争で「核使用禁止」等の条件を締結した条約)」締結前だった為、ジオン軍主力機にも「耐核装備」された『ザクⅡC型 MS-06C』が主力機として導入された。
「高機動型ザクⅡ MS-06R-1A」も、「耐核装備」された「C型」をベースとして開発された。
この機体は、汎用性を排除し、宇宙空間での戦闘に特化すべく、より高い機動性を求めて改良が施されている。
背部の大型化したランドセル(バックパック)に大量に消費する推進剤をより多く積み込むことができるプロペラントタンクを増設。
脚部には増速用の大型スラスターを3基ずつ計6基設置し、機動力の増強を図っている。
但し、「通信・索敵強化用のブレードアンテナ」は、当初「三位一体行動」する彼らには不要として取り付けられなかった。
この機体は、独立戦争初期の大規模艦隊戦となったルウム会戦において、かつてモビルスーツ開発にテストパイロットとして関わっていたガイア、オルテガ、マッシュら黒い三連星によって運用された。
彼らは対艦戦闘用のフォーメーションを組んだ三位一体の攻撃を得意としており、役割に応じて異なる兵装も特徴となっている。
チームを率いるガイア機は両肩にシールドを装備することで、バズーカの携行弾数が向上。
射撃能力に優れるマッシュの機体は中・長距離射撃が可能なMS用対艦ライフル ASR-78を装備。
そして、近接での格闘戦を得意とするオルテガの機体は、ガイア機とマッシュ機の攻撃の仕上げとして、ジャイアント・ヒート・ホークの直接攻撃でとどめを刺すという連携を行い、ルウム会戦において高い戦果を挙げることになる。
ちなみに型式番号『R-1A』は、「F型ベースのR型」の類似機体と同じ番号を後年付与されたもので、当時は単に『高機動型(一部では便宜上「R型」)』と呼称。
正式な型式番号が無かった上、『C型』の派生機だった事もあり、「黒い三連星」の「ルウム会戦」で運用されたモビルスーツが『C型』として伝わっている。
②『F型』ベースへの移行
『南極条約」締結に伴い、「耐核装備」が不要となり、同装備の無い『ザクⅡF型 (MS-06F)』が開発。
「高機動型ザクⅡ MS-06R-1A」も、「耐核装備」が外された「F型」をベースとして開発される事になるのだが、当時の「制宙権の大半を支配した」ジオン軍は「地球」が主戦場になると判断。
「F型ベースのS型」が優先して開発される事となり、「F型ベースのR型」開発は一旦凍結される。
「C型ベースのR型」搭乗パイロットも、先行して開発された「F型ベースのS型」を受領し乗り換える事なる。
「黒い三連星」も例外では無く、「C型ベースのR型」から「F型ベースのS型」へ乗り換えている。
UC.0079年4月、「F型ベースのS型」完成後に「F型ベースのR型」の試作機となる「高機動型ザクⅡRP型 (MS-06RP)」2機がロールアウト。
背部と脚部の燃料タンクを「C型ベースのR型」時の「カートリッジ式」から、燃料積載能力の高い「チューブ式」に改修される。
『頭部・装甲』もメンテナンス重視」「衝撃分散設計」だった『3分割・装甲板』を廃止し、「運用中の故障の激減」「重要なセンサー部の保護」の観点から、「剛性強化設計」の「単一・装甲板」へ変更。
運用試験も良好だった為、R型の量産機「R-1型」の量産が開始される。
但し、この時『黒い三連星』はキシリアの要請でドズルからキシリアへ配置転換されており、キシリア配下のパイロット技術の底上げとして「教導機動大隊」に着任。
UC.0079年3月より教導機動大隊の特別演習に参加し、パイロット教育に専念。
この時の「黒い三連星」は「雨の海海戦」で使用していた「MS-05A」のジェネレーターや外装を「MS-05B」へ改修。
「C型ベースのR-1A型」「F型ベースのS型」同様、黒、紫、グレー3色のパーソナルカラーへ塗り替え、指導に望んでいる。
これらの事情から「黒い三連星」は、「R-1型」を受領していない。
彼らに配備される事の無いまま、「R-1型」は運用パイロットからの「燃料補給効率の悪さ」を指摘され、生産を一度凍結。
最大積載量の高い「チューブ式・燃料タンク」から、当初の「C型ベースのR-1A」が採用していた燃料補給効率の高い「カートリッジ式」へ戻す形で「R-1A型」が開発される。
なお、「RP」「R-1」「R-1A」ともに、パイロットの要望によって『ブレードアンテナ(F型から移行したS型準拠)』を装備する機体も散見される。
頭部・装甲』も「単一・装甲版」へ変更している機体が多いが、一部「メンテナンス重視」した「3分離型・装甲版」を採用している機体もあった。』
③『黒い三連星専用機』
『「F型ベースのR-1A型」は「教導機動大隊」でのパイロット教育任務を終えた「黒い三連星」も受領。
「頭部・装甲」に以前の「C型ベースのR-1A」と違い、「一体型・装甲板」を採用。
「ガイア機の左肩」は「固定シールド」では無く、通常の「スパイクアーマー」が採用された。
「ルウム会戦」のような大規模戦闘では、「予備弾倉」装備も兼ねて「固定シールド」としていたが、通常戦闘を想定した為、格闘とのバランスも良い通常仕様にしたというい経緯である。
「黒い三連星」は地球に降りる直前まで本機を使用。
「C型ベースのR-1A型」「F型ベースのS型」同様、黒、紫、グレーの3色で塗り分けられている。
右肩のシールドには黄色いパーソナル・エンブレムが描かれているが、これは本来は突撃機動軍章であるものの、黒い三連星のMS以外には使用されていないといわれる。
機体番号はガイアが「03」、マッシュが「02」、オルテガが「06」。
グラナダ工廠でR-1型の基礎フレームを用いて製造されており、ほかの同型機とは細部の意匠が多少異なる。
ガイア機は頭部にブレード・アンテナが装備されることもある。』
この設定なら、『MSV設定』に大きな改変を加える事無く、「オリジン版R-1A型が一年戦争開戦時に別に存在した」と説明できます。
ただ、この作品まではカバーできなかったのが悔やまれます。
『ガンダムレガシー(1巻)』著・夏元雅人(角川書店)
こちらの『episode 01(1巻record 01) ルウムの影と光』では、ガッツリ「ルウムでの黒い三連星」を描いているため、「黒い三連星」がルウムで「(紫・黒の)パーソナルカラーではないザクⅡC型」に搭乗してるんですよね。
しかも「黒い三連星」が(紫・黒の)パーソナルカラーになるのは、ルウム以降「ザクⅡS型」受領から、と明言されています。
文字設定のみの「MSV」は私の説明で補完できましたが、「ビジュアル・台詞」付きのコミックは、アニメ版「オリジン」が「完全にルウム戦役を上塗り」している為、どうにもできません。
「ガンダム設定は、アニメ版が優先」定義により、完全に消されてしまいます。
夏元先生のコミックは大好きなだけに、無念です。
という訳で、今日は以上です。
今日の記事で「オリジン版」「ファーストガンタム版」の共生をテーマした「ジオン側」の記事に一区切りつけれます。
次回は「連邦側」で気になる点について。
更新は6月5日、土曜日です。