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『あれがジオンのザク・・・。』(MS-06ザクⅡ開発時期)【設定】

2021-04-17 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は「MS-06 ザクⅡの開発時期」について、です。

「ファーストガンダム史」上は、

「UC.0077 ザクⅡ YMS-06 ロールアウト」

となってます。
しかし、「オリジン」に登場するこのモビルスーツには、以下の解説が公式HPで付されています。


『モビルスーツ ザクⅠシャア専用機 (MS-05S)』 ※公式HPより抜粋
『MS-05 ザクⅠの問題点を洗い出し、急ピッチで開発されていた発展型であるMS-06 ザクⅡ用を想定し開発された「MS-05 ザクⅠ」の改善機。
MS-06 ザクⅡの本格的な量産が開始される直前にジオン独立戦争が開戦してしまったため、一部のMS-05 ザクⅠにはこれらのMS-06 ザクⅡ用の装備を取り付けた特別機が戦場に投入され、そのうちの1機をシャアが愛機として使用していた。』

この設定コメントを見る限り、『ザクⅠシャア専用機(MS-05S)』登場時には『ザクⅡ(MS-06)』の本格的量産が開始されていなかった事になります。

映像で確認できるのは
『UC.0079年1月3日 ジオン公国軍 宣戦布告』
その後にキシリア配下の親衛隊『ザクⅠ(MS-05)』が、グラナダ制圧。


『モビルスーツ ザクⅠ キシリア部隊機(MS-05)』

同時期に、くだんの「シャア専用ザクⅠS」が登場する。
(この時期の主力MSは「MS-05」という描写)

「ブリティッシュ作戦」はコミック版「オリジン」によると、「UC.0079年1月15日」。
「コロニー落とし」であるこの作戦前の地ならしの戦闘で、既に「ザクⅡ MS-06」が多数散見される事から、
「ジオン軍は「宣戦布告」時は「ザクⅠ(MS-05)」を主力MSとし、その後の数日のうちに新量産機「ザクⅡ(MS-06)」を急増」
させた事になります。

しかし、「ククルスドアンの島(2巻)」に、以下の事が描かれています。


(※『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島(2巻)』(カドカワ)おおのじゅじ・著。オリジン世界の一年戦争をサイドストーリーとして見事に描いています。)


『UC.0079年12月25日 Y-02小隊「ザクⅡR-1A」テスト運用』

つまり、シャアが「UC.0079年1月3日 ザクⅠS型」を実戦で運用していた時点で、「ザクⅡ (MS-06)」は開発済。
その発展型である「高機動型ザクⅡ (MS-06R-1A)」も開発済で、テスト運用していた。
ただし、「公式HP」のコメントもあるので、
「ザクⅡは(とっくに完成・先行量産し高機動型まで開発していたものの)、本格的量産が(急ピッチで製造していたにもかかわらず)開戦時には間に合わなかった。」
といったところでしょうか。
まあ、先行量産していた「ザクⅡ」は「MS-06 A型」でしょうから、実戦に参加したのは左肩に盾・右肩にスパイク装備の実戦装備した「MS-05S」の方が優先されたんでしょうね。
(この当たりの話は、また後日記事にします。)

まとめると、
『UC.0079年12月25日以前から、ザクⅡ (MS-06)の本格的量産を開始していたが、UC.0079年1月3日開戦には、本格的量産の完成品は間に合わず、導入できなかった。』

といったところでしょう。

但し、流石に「ザクⅡ MS-06F」開発の必要性は無い為、スケジュールから見ても(開発自体はしていても)「南極条約」を受けて本格量産開始したってところだと思います。

これらを考慮すれば、「MS-06 ザク」の開発時期は以下のイメージに変更するしかないでしょうか。



このスケジュールなら、様々な問題が解決します。
もちろん、以前記事にした「スミス海の虐殺(MS-05の実戦)」時点でも「MS-06」は開発されてない事になりますし、開戦直後の「グラナダ制圧」時も「MS-06」の本格的な量産は完了していない事になります。
しかも、開戦前から「MS-06」は開発完了し、先行量産はしていた事になります。
いろいろと「オリジン」「ファーストガンダム」共存としての辻褄が合うわけです。

「ファーストガンダム」設定を上塗りし塗りつぶすのは気が引けますが、「ファーストガンダム」と「オリジン」の共存の為の被害と考えると「止む無し」という思いです。
(個人的には、このくらいの変更なら、過去の外伝やらでやってるでしょうし。)

改変年表には解説不足の点も多々ありますが、(「国家総動員」とか、「MS-06S」「MS-06R-1A」開発改変とか)別の記事で詳細を説明していきますので、ご安心下さい。

以上で「MS-06開発時期について」は終わりです。
ただ、ここ数日の記事は「MS開発」に関わるテーマなので、モビルスーツ開発当初から考えるべき内容でもあります。
という訳で、次回は「「MS-01 クラブマン」と「MW-01 モビルワーカー」について、です。



『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』(人類初MS戦)【設定】

2021-04-16 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』について、です。




『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』 ※当ブログ過去記事より抜粋
『『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より、宇宙世紀0078に月面でのミノフスキー博士の亡命を巡り発生した戦い。
『青い巨星』ランバ・ラルを指揮官とした『黒い三連星』や『赤い彗星』シャア・アズナブルといった後のジオンエースパイロットで編成されたモビルスーツ隊と連邦MS部隊との史上初のモビルスーツ同士の戦闘。
ランバ・ラル指揮下のモビルスーツ部隊は1機のMS-04を含む5機で、ガンキャノン初期型2個中隊(12機)を一方的に全滅させる大勝利を収めた。
連邦側ではこれらの惨敗から『雨の海海戦』を「スミス海の虐殺」と呼称した。
これは、ランバ・ラル、シャア・アズナブル、黒い三連星といった後のエースパイロットたちによって隊が編成されていたことも大きな勝因だが、他の兵器を火力支援することを目的に設計されたガンキャノンに対し、同じMSを接近戦で駆逐することを目的としたザクの設計思想の勝利でもあった。
なお映像作品では逆で、むしろザクの方がMS以外の敵と戦うことを想定して設計されている。』


このオリジンにおけるこの歴史的事件で、「黒い三連星」や「シャア」が「ザクⅠ」に搭乗し、地球連邦軍「RCX-76 ガンキャノン初期型」と「人類史上初のモビルスーツ同士による実戦」に挑んでいます。
この『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』には、「ファーストガンダム史」上、以下の2つの矛盾が孕んでいます。

(A)「人類史上初のモビルスーツ同士による実戦」は、「ファーストガンダム史」では「サイド7でアムロ・レイによって起動されたガンダムが、ジーンのザクと交戦した記録」となっている。
(B)「ファーストガンダム史」上の「MS-06」開発スケジュールに矛盾がある。

まず(A)については、「ファーストガンダム史」と、いくつか矛盾があります。
というか、「ファーストガンダム」の設定ではなく「映像」上で表現されている点と矛盾があるのです。
その点で、「オリジン」と「ファーストガンダム」では最も大きな違和感の1つと言えるでしょう。
「ファーストガンダム」では、「人類史上初のモビルスーツ同士による実戦」は、「サイド7でガンダムが、ザクと交戦した記録」となっている背景に、以下の描写があります。

①「ガンダム」登場以前、「地球連邦軍」に「モビルスーツ」は存在していないような描写が多数。
②「機動戦士ガンダム 第3話」でシャアがガデムに「始めてのモビルスーツ戦だったんだぞ」と言っている。

これら「ファーストガンダムの事実」と「オリジン」の『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』を両立させるには、『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』が「歴史上、無かった」事にする以外、矛盾を解消する方法がありません。

『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』は、『UC.0079年1月3日 ジオン公国が地球連邦軍に宣戦布告』した前の『UC.0078年 初頭』に発生しています。
「正式な宣戦布告前の戦闘」で、「極秘裏にミノフスキー博士の亡命する」政治的背景ある戦闘である『スミス海の虐殺(雨の海開戦)』。
更に、連邦からすれば「歴史的惨敗」。
世界の大勢である連邦陣営で「歴史上、無かった」事にしたのは、想像に固くありません。
ジオン側も「宣戦布告」前の戦闘で、大義名分が無い為、同じく「歴史上、無かった」事にしたのは容易に想像できます。

また、ジオンからすれば

『「ジオンMS4機」で、「連邦軍MS大部隊を全滅」』

『連邦軍MSは戦力外レベル』しかし、『宣戦布告前の規定違反であり、事実を公表できない』

ミノフスキー博士の亡命阻止した事で、連邦のMS開発は大幅に遅延する事を予想。
『連邦にはMSは存在しない。恐れるに足りず』と連邦MSを表現。

と喧伝していた可能性もあります。
実際、「オリジン」では、「スミス海の虐殺」以降(「ルウム戦役」等で)、連邦側にMSが配備されている描写はありませんでした。
連邦からすれば、初戦で「MS同士の戦闘で歴史的大敗」を喫した訳ですから、「兵器としてのMS」は戦力外。
、「スミス海の虐殺」以降(「ルウム戦役」等)では「宇宙航空戦闘機(セイバーフィッシュ)」へ配備を戻したんだと推測できます。
逆に、ジオン側からすれば、『スミス海の虐殺(雨の海開戦)は記録上、抹消』『ルウム戦役で連邦軍はMSの配備をしていなかった』事実を逆手にとって、
「相手の連邦は「MSは無い」。戦争しても勝てる」
という情報操作により、自軍の士気高揚の一助にしていた可能性もあります。
そして、これによりジオン軍内部で
『「地球連邦軍」に「モビルスーツ」は存在していない。』
が定説化してしまったのだとすれば、「ファーストガンダム」設定や映像も、つじつまが合います。

次に、
『「機動戦士ガンダム 第3話」でシャアがガデムに「始めてのモビルスーツ戦だったんだぞ」と言っている。』件ですが、「オリジン」で「スミス海の虐殺」映像シーンを確認すると、シャアの機体だけ連邦の「ガンキャノン初期型 RCX-76」と交戦する描写が無いんですよね。
連邦のMS輸送艦は撃墜してますが、その後はMS戦を傍観している様子でした。
つまり、シャアがガデムへ言った、

「始めてのモビルスーツ戦だったんだぞ」

は、「スミス海の虐殺」を加味しても、矛盾しないセリフという事になります。

今回の記事は以上です。
次回は、『「MS-06 ザクⅡ」開発時期』について、です。
更新は明日予定!
『君は生き残る事ができたら、明日はどっちだ!』(島本和彦先生っぽく)


『ブグ MS-04』(「ブグ」開発時期)【設定】

2021-04-15 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は「モビルスーツ ブグ」の(ファーストガンダム史も踏まえた)開発時期について、です。


(※『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島(2巻)』(カドカワ)おおのじゅじ・著。オリジン世界の一年戦争をサイドストーリーとして見事に描いています。)

コミック「ククルス・ドアンの島(2巻)」によると「UC.0077年6月」が「ブグがア・バオア・クー宙域でテスト運用」した時期のようです。

ここでガンダム年表です。



「MS-04ブグ」が、「MS-05A ザクⅠ」が開発された「UC.0074年8月」以前に開発されたとするなら、約3年も経過した「UC.0077年6月」にテスト運用するでしょうか?

1つの可能性として、「モビルスーツ兵器開発」を秘匿とするため、「テスト運用」は基本「ダークコロニー」内部限定で行っており、宙域での「テスト運用」していなかった為、「UC.0077年6月」に初めて「宙域テスト」をしたという考え。

ただ、この考えには2つ疑問が残ります。

①今まで「情報秘匿」としてきたのに、何故この時期に解禁したのか。
②テスト運用を最新型の「ザクⅠ」にせず、何故「ブグ」を使ったのか。


①は、
「ジオン軍が、開戦を意識して「情報秘匿」より「兵器運用」を優先するよう方針転換してきたから」
で説明がつきますね。
②は、
「MS-05」が「商業ベースの作業用MS」という「表」の顔のイメージダウンを懸念した事と、この時期に開発着手していた「YMS-06 ザクⅡ」と、ハイスペックな高コスト機である「ブグ」の
スペックが近い能力の為、「YMS-06」の仮想機として運用された。
と考えると妥当な感じもします。


『モビルスーツ ブグ(MS-04)』 ※公式HPより抜粋
『YMS-03 ヴァッフで集めたデータをもとに、兵器としての機動性や運動性、生産性などを考慮した設計を行うことで、初の本格的な戦闘にも対応可能な機体としてMS-04 ブグが完成する。
機動性の向上に直結する流体パルスシステムのエネルギー伝達用の動力パイプを装甲の外に配置し、四肢の関節駆動に使用するエネルギー量が多くなることで、高い運動性を獲得する。
しかし、高性能な試作機の開発時にありがちな話だが、生産性を度外視した設計により、機体の生産コストが高く量産に向いていないため、制式量産機の座は再設計によって誕生したMS-05 ザクⅠに譲ることになる。』

『ブグ』はコスト度返しの高性能機なんですよね。
それに対し『ザクⅠ』は量産の為、コスト重視したモデル。
ちょうど『ガンダム』と『ジム』の関係に似てます。
そして、この『ブグ』の解説にある
『機動性の向上に直結する流体パルスシステムのエネルギー伝達用の動力パイプを装甲の外に配置し、四肢の関節駆動に使用するエネルギー量が多くなることで、高い運動性を獲得する。』
は、正に「ザクⅠ(MS-05)の欠点を改善したザクⅡ(MS-06)」と同じコンセプトですし、開発中の「ザクⅡ(MS-06)」の仮想機として「ブグ(MS-04)」を利用するのは、現実的てすよね。

「ザクⅠ(MS-05)の欠点を改善したザクⅡ(MS-06)」については、こちらの書籍が詳しいです。

『マスターアーカイブ モビルスーツ MS-06 ザクII (マスターアーカイブシリーズ)GA Graphic・著』

しかし、この開発スケジュールで問題となるのが「UC.0078初頭 スミス海の虐殺(雨の海開戦)」です。
また、「スミス海の虐殺(雨の海開戦)」には「ファーストガンダム」との矛盾点もあります。
これについては次回とします。
次回更新は明日です。
「君は生き延びる事ができるか」 (故・永井一郎氏っぽく。)

『モビルスーツ ヴァッフ』(MS始祖・開発時期)【設定】

2021-04-14 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は「ファーストガンダム」と「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の整合性を図った場合の、『ヴァッフ』の開発時期について、です。

『ヴァッフ』については『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式HP』のコメント



『モビルスーツ ヴァッフ(YMS-03)』(公式HPより抜粋)
『宇宙世紀0074年において、試作実験機であるモビルワーカー01式 最後期型では最大の懸念事項であった動力用融合炉の小型化が実現できずにいた。その結果、兵器開発の最高権限を持つギレン・ザビによってモビルスーツ(以下MSと表記)開発計画は中止の危機に直面する。そうした状況を打破し、モビルスーツ開発計画の継続を決定づけたのが、トレノフ・Y・ミノフスキー博士が提案した試作機YMS-03 ヴァッフの存在であった。YMS-03 ヴァッフは、ミノフスキー粒子を用いた技術を採用することで、動力用融合炉の小型化と流体パルスシステムを応用した駆動性能の向上を実現。その結果、宇宙空間での自在な機動性を獲得し、宇宙戦闘用の艦船や誘導兵器を凌駕する機動兵器としての可能性を提示した。
事実上MSの始祖的な存在となるYMS-03 ヴァッフは、ごく少数が試作機として生産されるが、その後、時をおかずに、より実戦的な後継機体の開発も行われていたため、兵器として制式採用されることはなかった。
機体名称となっている“ヴァッフ”は、“武器=武具”を指している。』

以上のコメントから、『YMS-04 ヴァッフ』はミノフスキー博士がギレンに『動力用融合炉の小型化が問題』解決として提示した『小型熱核反応炉』と同時に提案された事になってます。
そして、『MS-04 ブグ』は『YMS-03 ヴァッフ』試作機の完成後に、時をおかずに開発開始された事がわかります。

実際に、「ファーストガンダム」と「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の年表を並べてみます。



まず、

「UC.0074年2月 ザクⅠ試作機「YMS-05」ロールアウト。」

とあります。
これは、(昨日13日)の記事の検証で
「プロトタイプザクの後継として、「商業ベース」での作業用MSとしてザクⅠを完成」
させたものと判断しました。

なので、「ザクⅠ(YMS-05)」は「商業用一般作業モビルスーツ」開発していたものなので、「ヴァッフ(YMS-04)」や「ブグ(MS-04)」のような「軍事用として独自に隔離して開発」された兵器の後では無くとも良い事になります。

但し次の、

「UC.0074年8月 ザクⅠ実戦型「MS-05A」ロールアウト。総製造数は27機。」

は問題です。
「ザクⅠ実戦型」とある点からも、同じ「ザクⅠ」でも、これは「軍事用モビルスーツ」です。


(※『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より、「ザクⅠ(シャア専用)」。
この機体も「ザクⅠ」初期生産型(MS-05A)となってます。 )

「ファーストガンダム」と「オリジン」設定を共存させるなら、型式番号「YMS-04 ヴァッフ」や「MS-05 ブグ」が、同じ軍事用モビルスーツである型式番号「MS-05A ザクⅠ」より兵器として開発された時期は早い事にならなければなりません。
具体的には、「YMS-04 ヴァッフ」や「MS-05 ブグ」のロールアウト時期は、「UC.0074年8月 ザクⅠ実戦型「MS-05A」ロールアウト」より以前となります。

しかし、ここで問題となるのは、コミック版「ククルスドアンの島(2巻)」の記述です。

これについては、「YMS-04 ヴァッフ」より「MS-05 ブグ」に絡む矛盾になるので、次回としたいと思います。

次回「ブグ MS-05」、ニュータイプの修羅場が見れるぞ!(ジュドーっぽく)


『プロトタイプザク』(MS-04設定相違)【設定】

2021-04-13 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は、モビルスーツ『MS-04』の、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(映像版)」と「ファーストガンダム」での設定相違についての記事です。

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN(映像版)」では、「モビルスーツ『MS-04』」として『ブグ』が設定されました。



一方、「ファーストガンダム(M-MSV)」では、、「モビルスーツ『MS-04』」として『プロトタイプザク』が設定されています。



同じ「型式番号のモビルスーツ(以下、MS)」が、2つ存在してしまっています。
この点について、カトキハジメ氏が以下のように語っています。
「ブグは、従来のプロトタイプザクにあたるMSで、(パラレル扱いの)オリジンで新たに設定されたものです。」
逆説的に「オリジン」をパラレル扱いしない場合、「プロトタイプザク」は消えてしまう事になります。

そんなの嫌だ!

だって、コミック「デベロッパーズ」も無かった事になってしまうじゃないですか!



※「デベロッパーズ(カドカワ)山崎峰水氏・著」。MS-04開発については生き生きと描いたコミックです。

で、「ブグ」「プロトタイプザク」両方を共存できないか、考えてみました。

まず、「ファーストガンダム(デベロッパーズ含む)」と「オリジン」の年表を並べてみます。



「デベロッパーズ」では、
「UC.0073年4月 MS-04に搭載予定の「小型熱核反応炉」の安全性問題から、下請けの「ホシオカ」にジオニック社が開発の一部を委託」
「オリジン」では、
「UC.0074年   MW-02の重量問題を、ミノフスキー博士考案の「小型熱核反応炉」により、改善。
MS開発本格稼動。YMS-03(ヴァッフ)、MS-04(ブグ)へと開発が進む。」
となっており、時期や開発MSが相違してます。

これはもう、「デベロッパーズ(M-MSV発祥)」の「プロトタイプザク」と、オリジンの「ブグ」は違うMSと考えるべきです。(カトキ先生ゴメンナサイ)
では何故「型式番号「MS-04」が同じなのに、違うMSが発生」するのか。
それは、「デベロッパーズ」のラストに登場する「MS-05 ザクⅠ」に鍵があります。
「デベロッパーズ」の「MS-05 ザクⅠ」は、

「UC.0074年2月 作業用MSとしてザクⅠを発表」

とあります。

つまり、

①「プロトタイプザク」や「(発表当初の表面上の)ザクⅠ」は、対マスコミ(対・地球連邦政府)の情報として、あくまで「商業用に開発された作業MS」。
②「YMS-03 ヴァッフ」や「MS-04 ブグ」は、「軍事用MS」として極秘裏に「ジオニック社内部限定で開発・テスト」された兵器。


(※「モビルスーツYMS-03 ヴァッフ」オリジンで登場。「小型熱核反応炉」実用により開発された機体。試作機の生産にとどまり、すぐに「ブグ」の開発に移行した。)

なんだと思います。
こう考えると「小型熱核反応炉」の提案時期が相違する(デベロッパーズではUC.0073年4月、オリジンでは翌年)のも、頷けます。
あくまで「商業用」の重量問題と、「軍事用兵器」の重量問題では、「小型熱核反応炉」に求められるスペックが全然違うハズです。
「大きさ・重さ」の規格も、「軍事兵器」にはより高いスペックが要求されるでしょうし、「出力」に関しては桁外れな能力が必要でしょう。
つまり「商業用の基準」で「小型熱核反応炉」を実用化成功したのが、「UC.0073年1月」。
「軍事用の基準」で「小型熱核反応炉」を実用化成功したのが、「UC.0074年」。

「軍事用」の「小型熱核反応炉」開発はMS兵器開発上の大問題で、「オリジン」ではミノフスキー博士自らが解決策をプレゼンしたのではないでしょうか。

ただ、「デベロッパーズ」で開発された「プロトタイプザク」は(コミックの描写からも)、ジオニック社の想像を遥かに超える性能だった為、実際の兵器となる「ブグ(もしくはヴァッフ)」にも転用・フィードバックされたと言えそうです。

実際、ジオニック社が評価しUC.0074年12月に実施された公開コンペにも勝ち抜いた「プロトタイプザク」は相当な性能だったと言えます。
おそらく、そのまま「小型熱核反応炉」を兵器基準のものに変更するだけで、軍事転用も可能なレベルだったのかも知れません。


(っていうか武装設定まであるから、小型熱核反応炉」を兵器基準のものに変更して実際に軍事転用の試作機として数機製造してたのでしょうね。)

そして、これら2種の「MS-04」を、「商業用」として成功した「MS-05 ザクⅠ」に、「軍事用の小型熱核反応炉を積載」し「統合」したと考えるとすっきりします。
そうして軍事用として量産されたのが、

「UC.0074年8月 ザクⅠ実戦型「MS-05A」ロールアウト。総製造数は27機。」

の記録なのでしょう。

さて、以上の事をまとめると、
・「ブグ」は、「UC.0074年8月」以前に開発。
・但し、開発は「秘匿」としていたため、「表」向きの「MS-04」は、「商業ベース」での「プロトタイプザク」。(少なくともUC.0077年6月迄は「ブグ」は秘匿とされ、「表」に出ていない。)

余談ですが、世間的には「MS-04 = プロトタイプザク」(一般商業用として世間の目に留まっていた)の為、後世にも情報として残るのは「プロトタイプザク」が主流だったと考えられます。
もしかしたら、「ブグ」が秘匿性が高かった為に、この時期のランバ・ラルの乗機として知れ渡っているのが、「ブグ」ではなく「ザクⅠ」なのかもしれません。


(※ガンプラMG「ザクⅠランバ・ラル専用機」。この機体とオリジンについは、別の記事で書きたいと思います。)


次回はもうひとつの「MS-04 ブグ(オリジン)」の話の前に、その前身となる「ヴァッフ MS-03(オリジン)」について整理していきます。
更新は明日です。
『君はまだ、本当のガンダムを知らない。』(逆シャア予告っぽく。)