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『国家総動員令』(ジオン軍組織編制)【設定】

2021-05-08 00:01:00 | 機動戦士ガンダム ジ オリジン
今日は『ジオン軍・組織編制』について、です。

『ファーストガンダム史』では、

『UC.0078年10月 「国家総動員令」発令。「宇宙攻撃軍(ドズル中将)」「突撃機動軍(キシリア少将)」「親衛隊(公王直轄・ギレン担当)」設立。』

とあります。

『オリジン』でも、だいたい共通の設定だと思うのですが、詳細に違和感を感じます。
私が感じる違和感は以下です。

①『ファーストガンダム』では、ドズルは『兵器としてのモビルスーツ導入に否定的』。

 ➡『オリジン』では、むしろドズル一人が率先してモビルスーツを推進している印象。


②『ファーストガンダム』では、黒い三連星は『突撃機動軍(キシリア少将)』所属。


 ➡『オリジン』では、むしろドズルがスカウトした直属パイロットの印象。


③「オリジン」のマ・クベは「地球方面軍」総司令で「中将」。しかし「ファーストガンダム」では「大佐」

④『親衛隊』は、誰が指揮しているのか。



それでは、①~④の疑問を個別に見ていきましょう。

①は映像化した『オリジン版』準拠で「ドズルはモビルスーツ運用に肯定的で積極的導入に貢献した」で良いと考えます。

ただ、「ファーストガンダム版」ではドズルではなくキシリアがモビルスーツ運用に積極的で、「教導機動大隊」も実質的にキシリアが運用していた設定になってます。

【教導機動大隊】
『ジオン公国軍がモビルスーツの操縦技術を研究・教育するために設立した訓練部隊が教導機動大隊である。
 U.C.0065年に成立したミノフスキー物理学は,近代戦の様相を一変させ,モビルスーツを誕生させた。0073年に第1号機がロールアウトした後,加速度的に進化を重ね,0075年についに実戦可能な「兵器」としてロールアウトするに至ったのである。
 モビルスーツの有用性を認識したキシリア・ザビ大佐(当時)は,ギレン・ザビ大将を説得し,この新型兵器のための実験的な部隊を0075年11月(異説として0076年5月説もある)編成させた。これが教導機動大隊である。
 MS-05《ザク》がロールアウトし,実際に戦闘可能なモビルスーツが生産され始めると,この「新型兵器」を運用するための様々なノウハウが必要となった。教導機動大隊の目的のひとつが,このモビルスーツを運用した戦術,戦法の開発だったのである。
 また,新兵器であるモビルスーツのパイロットの育成を行うための組織としての目的もあり,当初は後に名を残すパイロットも数多く所属していた。一例をあげると,特務小隊として名高い黒い三連星チーム(ガイア,マッシュ,オルテガの3名)や「赤い彗星」シャア・アズナブルなどがあげられる。
 本部隊は,キシリア大佐が発案しただけあり,後の突撃機動軍とほぼ同じ編成となっている。このため,部隊で発案された様々な戦術などは,突撃機動軍では,ほぼそのままの運用が可能であり,U.C.0077年7月の初陣(サイド6への軍事介入)以降,様々な戦果をあげることとなった。
 部隊編成上の当初配備機は,MS-05《ザク(Ⅰ)》であり,このMS-05の運用時に後のMS戦における様々な基本戦術のほとんどが完成したと言われている。だが,逆に言えば,この時期には様々なトラブルなどに見舞われた時期であり,貴重な人材と機材を数多く失った時機でもあった。
 しかし,MSそのもののブラッシュアップが進んだMS-06《ザクⅡ》が実戦配備されると,それまで蓄積されたデータが確実に活かされる状況となった。
 U.C.0079年1月3日,連邦に対して宣戦が布告されると従来の戦術体系から大きく逸脱した戦術を持つ教導機動大隊は,めざましい活躍を記録する。特に開戦からのいわゆる一週間戦争では,MSという新型兵器を活かし,各コロニーの制圧をほぼ完了するという大きな戦果をあげた。
 だが,その後のブリティッシュ作戦,俗に言うコロニー落とし作戦では,ザクが本来持つ機動性を殺してしまう戦術がとられた結果,多くの有能なパイロットを失い結果となった。その後,大隊の目的は新たな戦術の開発よりも新規パイロットの育成へとシフトしていくのである。』

この解説をみてると「オリジン版」では、キシリアの役割を、全てドズルが担っている状況です。

なので「オリジン版」でアニメ化されている時期(=一年戦争開戦前と直後)は、「教導機動大隊」の設定も、キシリアの部分をドズルに置き換えてしまい、ある時期にキシリアに運用・管理が変更されたことにすればいいのかなあ・・・と思います。
具体的には

・モビルスーツ運用はギレンの承認を得て、ドズルが推進。
・「教導機動大隊」もドズル発案で編成。
・「独立戦争」開戦。ドズルのモビルスーツ運用の功績で、ジオンは初戦で大勝。
・連邦に対し有利な条件を通し終戦とする見込みだったが、ギレンとキシリアの目論見で継戦となる。
・「地球侵攻作戦」の軍編成も、当初から継戦を目論んでいたキシリア主導で運用される。
・主戦場が地球となり、軍の主力も「宇宙」から「地上」へ移行。軍内派閥もドズル「宇宙攻撃軍」よりキシリア「突撃機動軍」に重点がおかれる。
・ジオン軍全体の運営を考慮し「教導機動大隊」管轄もドズルから、より重要なポジションのキシリアへ移行される。

・・・こういったところでしょうかね。


②については『オリジン』の『誕生 シャア・アズナブル』劇場パンフレットに、答えが書いてありました。

『黒い三連星』はシャアと同じく、ドズルの『宇宙攻撃軍』内『特別強襲大隊』所属となってました。
つまり「オリジン」では、「黒い三連星」は配属の設定も「キシリア」では無く、「ドズル」の部下なんです。

ですが、『オリジン』アニメ内で、シャアを他の部隊にスカウトされたように、『黒い三連星』もルウム戦役の功績で「ジオン十字勲章」授与された後に、キシリアにスカウトされて『突撃機動軍』に転属したんじゃないでしょうか?
(シャアはマ・クベのスカウトを断ってましたが。)
まあ、スカウトでなくとも制圧した拠点『グラナダ』防衛等で軍備増強が必要だったキシリアが、正式にドズルに優秀なパイロットの異動申請しても不思議じゃないです。
ドズルもキシリアから要請を受ければ、協力しそうですし。

要するに、『黒い三連星』は『赤い彗星』と同様、

『当初、『宇宙攻撃軍』だったが、戦時中に『突撃機動軍』に転属した』

って事でしょう。

③「マ・クベ」の階級が、「オリジン」の「地球方面軍」総司令で「中将」。しかし「ファーストガンダム」では「大佐」と相違する点について。



これはランバ・ラルと同じ理由ではないでしょうか。
ラルは「一年戦争」開戦時は「中佐」。
しかし「命令拒否」により「大尉」へ降格。
マ・クベも、「一年戦争」開戦時は「中将」。
しかし、何らかの理由で「大佐」に降格したという解釈です。
(コミック版「オリジン」では中将のままですが、それだとアニメ「ファーストガンダム」が成立しません。
「ガンダム設定はアニメが優先」の原則から、マ・クベの階級が「ファーストガンダム」の階級に戻る必要があります。
その補完を考えるものです。)

それでは「マ・クベ降格」の理由ですが、ズバリ「ガルマの戦死」でしょう。
「地球方面軍・総司令」として「ガルマ戦死」の責任をとる形で「中将➡大佐」の降格。
非常に説得力があります。

アニメ版「オリジン」ではキシリアがマ・クベに「地球方面軍・総司令」を依頼する際、
「地球侵攻軍を本国が見捨てないための人質として、ガルマを配下につける」
といった描写があります。
「ガルマ戦死」の責任をとる形の「降格」の裏には、
「降格受け入れを条件に、引き続き地球方面軍とマ・クベ個人を見捨てない」
とキシリアが提示したのかもしれません。

「ファーストガンダム」はテレビ版(16話)でも映画版でも、「マ・クベ」初登場時点で「大佐」ですが、「ガルマ戦死」の後(テレビ版10話)です。
辻褄が合います。



「オリジン」では「キシリア = 少将」、「マ・クベ = 中将」のため、キシリアもマ・クベに相当気を使ってますが、「ファーストガンダム」では「マ・クベ = 大佐」のため、完全にキシリアもマ・クベに対して上から目線です。



こういった「降格」による待遇の変化もあれば、大佐に昇格したシャアに対抗心を持つのも、心情として理解できます。

ということで、
「マ・クベは当初『中将』だったが『大佐』に降格した。」
で説明がつきますね。


④『親衛隊』は、ガンダムの設定が複雑なだけで問題は無いようです。

『親衛隊』は、そもそも「誰の親衛隊」かって事なんですが、

①『デギン公王』親衛隊は、キシリア直轄。『ファーストガンダム』で、ガルマ死去後のシャアに接触した連中。



②『ギレン総帥』親衛隊は、ギレン直轄で、『本国防衛隊』と同一。後のデラーズフリートの母体。




という事で、要するに2つ組織があるんですね。
だから『オリジン』だからとか『ファーストガンダム』だからとか、色々矛盾に見える点も、実はまるで問題無いようです。

余談ですが、この「親衛隊」の設定が解ってないと、このコミックが理解できないんですよね。


『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』(角川文庫)著・Ark Performance。全4巻。

このコミックには「ギレン親衛隊 = 本国防衛隊」として、この人が登場します。


『エリック・マンスフィールド』
『ジオン公国軍のエースパイロット。
ジオン本国防衛本隊所属で、階級は中佐。
グレーのロービジリティーパターンに塗装され、ブレードアンテナが側頭部に配置された高機動型ザクII(R-1A型)に搭乗していたことで知られる。

書籍『戦略戦術大図鑑』(1991年)では「1年戦争エースパイロット名鑑」に取り上げられた。
MS撃墜数156機、艦船撃墜数3隻とされ、これはジオン公国軍第4位の記録である。
搭乗機はザクI、ザクII S型、ゲルググS型とされた。

ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』(1996年)では、宇宙世紀0079年10月15日、地球へ降下するキシリア・ザビ少将が搭乗するザンジバル級機動巡洋艦の護衛任務に就いている。
風貌は細身の中年男性として描かれている。

漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』(2007-2010年)では、長髪の美青年として描かれた。
ギレン・ザビ親衛隊MS部隊隊長として、主に部隊の指揮と育成を任されていたようであり、本作ではMSに搭乗するシーンは描かれていない。

『MSV-R』(2013年)では、ザクII S型ではなくFS型が設定された。
少佐時代の搭乗機とされる。』

彼のコメントで以下が気になります。
『ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』(1996年)では、宇宙世紀0079年10月15日、地球へ降下するキシリア・ザビ少将が搭乗するザンジバル級機動巡洋艦の護衛任務に就いている。』

この内容を尊重すれば、「エリック・マンスフィールド」は「キシリア直轄」と解釈もできます。
だとすれば、「親衛隊」も以下だった可能性もあります。
「親衛隊は、そもそも『デギン公王』を守護する部隊でキシリア直轄だった。
デギン死去後、最高権力者が名実ともにギレンに交代。
そのため親衛隊も『ギレン総帥』を守護する任務に変更。
所属もキシリアからギレン直轄へ変更された。」
この解釈でも、コミック「ギレン暗殺計画」は成立しそうですし、「親衛隊」すらも「元キシリア直轄」だったから、セシリアの動機付けも強調されそうです。
ただ、「デラーズフリート」の母体という設定が弱くなります。

やはり「デギン親衛隊」「ギレン親衛隊」2部隊説でないと、辻褄が合わないですね。
結論、「親衛隊」は管轄別に2つあったということで、間違いないようです。

しかし「エリック・マンスフィールド」については矛盾が残ります。
彼は「ギレン配下」なのか? 「キシリア配下」なのか?

ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』を否定しなければ、答えは以下になります。

・10月15日時点で、キシリア配下だった。
・何らかの理由で配置転換され、ギレン直轄「本国防衛隊」へ編入された。

さらに「本国防衛隊 = ギレン親衛隊」ならば、彼は戦後「デラーズフリート」に合流していそうです。
しかし実際には「0083」で登場しません。
その理由を考えてみますと、以下のいずれかではないでしょうか?

・「ア・バオア・クー」かそれ以降の戦闘で、戦死した。
・画面に登場しないだけで、「デラーズフリート」で活躍していた。
・「アクシズ」や、他の残党と合流した。

今回は「ジオン軍組織編成」がテーマですので、このあたりで止めときます。

しかし、「エリック・マンスフィールド」については、別のテーマとして後日掘り下げたいですね。
フィーリウスはアナハイム➡カラバに行きましたが、エリック・マンスフィールドが生きて戦う道を選んでいたら、どうなっていたか?
「本国防衛隊」にMS-Xシリーズが配備されているとすれば、ザク系の「アクトザク」をパーソナルカラーに塗り搭乗したとか。
「デラーズフリート」に合流していれば、「MS-06F2」ベースを高機動型に改修して、パーソナルカラーにして戦っていたとか。
終戦当時のデラーズが「大佐」でエリックは「中佐」だから、昇級して艦隊司令兼パイロットに・・・は無いか。

おっと、妄想が過ぎました。

という事で、今回は以上です。
次回は、『ザクⅡ』について、です。
更新は来週15日、土曜日です。