木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

ウクライナ紛争で思い出すトルストイの「コサック物語」

2022年03月26日 | Weblog

今日は一日雨模様
お隣千曲市では今日から「杏まつり」だというが、これでは誰も来ないのでは?

行政に詳しい研究者新藤宗幸氏が死去。75歳。肺がんだったという。私はこの人の新聞などで発表する意見に深くうなづくところが多くて信頼していただけにもう少し長く生きていてほしかった。
これより前に経済評論家の内橋克人氏も亡くなった。こちらは89歳だったからしかたないかもしれないが、80年代後半から世界中を席捲した「新自由主義資本主義」に警鐘を鳴らしていていた姿が印象深い。
さてウクライナだが、マスごみの論調はプーチン悪者、ゼレンスキー正義となっているが、専門家として長年ロシアを研究してきた研究者は必ずしもそうは見ていない。
ソ連、ロシア、冷戦史研究の下斗米伸夫氏は「ウクライナは主権宣言以来、2019年に憲法にNATO加盟を書くまでは中立が国是だった。だが兄弟(ロシア)よりもNATOを選んだ結果、ロシアによる「兄弟殺し」という局面に入ったと指摘している。(信毎3月24日付け)。ここに問題の本質が隠されている。今頃になってゼレンスキーは「国民投票」をするなどと言っているが、順序が逆でしょう。
侵攻したロシア・プーチンはよくないが、ゼレンスキー政権に全く非がないかというとやや軽率の感がある。
ところで私は少女時代、トルストイが書いた「コサック物語」をとても気に入っていて何度も読み返した。訳者が少年・少女向けに訳したもので原作の題名は違うかもしれないが、トルストイのほぼ実体験の基づいた作品だ。
都会生活に飽きた青年貴族オレーニンがコーカサスの農村に赴く。そこで素朴な農民や村の娘に惹かれるが、そこはまたチェチェン人と争う場でもあった。村の勇敢で鳴らす青年ルカーシュカは先頭に立ってチェチェン人との対決に向かうが敵に撃たれ瀕死の重傷を負う。
オレーニンが来るまではフィアンセと言っていい仲だった娘マリヤ―ナとルカーシュカ。ルカーシュカの不幸はオレーニンのせいではないが、このままマリヤ―ナと一緒になるわけにはいかない。オレーニンはモスクワに去っていく。所詮都会の貴族青年が農村に埋もれるわけにはいかないのだ。青年トルストイの青春の書である。





 

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