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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

第80回アカデミー賞・・・の結果

2008-02-26 01:02:28 | 映画賞
本番2日前に書いた予想記事は→[こちら]

肝心の作品賞は予想外したけど、監督と演技部門全部とオリジナル脚本は当てたぞ。
全24部門中14部門で予想的中。ほとんど観てないのに

改めて、全部門の私の予想と結果を・・・

作品賞
『Atonement/つぐない』
『Juno/ジュノ』
『Michael Clayton/フィクサー』
『No Country for Old Men/ノーカントリー』[☆受賞]
『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(◎予想)
**解説**
コーエン祭りだろうとは思っていたのだけど、暴力的猟奇的作品は難しいだろなあ・・・と思っていたけど、考えてみりゃ「羊たちの沈黙」が獲ったりもしたしなあ。

監督賞
ジュリアン・シュナーベル『The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る』
ジェイソン・ライトマン『Juno/ジュノ』
トニー・ギルロイ『Michael Clayton/フィクサー』
イーサン&ジョエル・コーエン『No Country for Old Men/ノーカントリー』[☆受賞](◎予想)
ポール・トーマス・アンダーソン『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
**解説**
去年お情け受賞みたいだったスコセッシだが・・・それでもスコセッシからコーエン兄弟へオスカーが渡されるのはなんともいい画だった。
脚色賞のスピーチで「サンキュー」しか言わなかったイーサンは、監督賞のスピーチで「言うべきことは言い尽くしたので」と言って会場を笑わせる。なるほどトーク担当はジョエルの方なのねん。

オリジナル脚本賞
ディアブロ・コディ Juno/ジュノ[☆受賞](◎予想)
ナンシー・オリバー Lars and the Real Girl/ラース・アンド・ザ・リアル・ガール
トニー・ギルロイ Michael Clayton/フィクサー
ブラッド・バード Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
タマラ・ジェンキンス The Savages/ザ・サベージ
**解説**
去年の「リトル・ミス・サンシャイン」と同じ、健闘した若者向け低予算作品を讃える感じ。元ストリッパーでブログに目をつけたプロデューサーから脚本書いてと持ちかけられた・・・というのは世界中のブロガーに希望を与えるいい話だ。
舞い上がって目に入ってないのか、興味ないのか、プレゼンターのインディ・ジョーンズから封筒をひったくる姿が微笑ましかった。

脚色賞
クリストファー・ハンプトン Atonement/つぐない
サラ・ポーリー Away from Her/アウェイ・フロム・ハー~君を想う
ロナルド・ハーウッド The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る(◎予想)
ジョエル&イーサン・コーエン No Country for Old Men/ノーカントリー[☆受賞]
P.T.アンダーソン There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
**解説**
意外とコーエン兄弟とアンダーソンの対決で漁父の利受賞が起こるのでは・・・と思っていたら、コーエン祭りのボルテージは想像以上に高かった。監督賞の解説にも書いたけど、シャイなのか、冷めてるのか、受けを狙ってるのか、一言サンキューだけのイーサンが面白かった。

主演女優賞
ケイト・ブランシェット『Elizabeth: The Golden Age/エリザベス~ゴールデン・エイジ』
ジュリー・クリスティ『Away From Her/アウェイ・フロム・ハー~君を想う』
マリオン・コティヤール『La Vie En Rose/エディット・ピアフ~愛の讃歌』[☆受賞](◎予想)
ローラ・リニー『The Savages/ザ・サベージ』
エレン・ペイジ『Juno/ジュノ』
**解説**
残念ながら祭りの神輿は「コーエン兄弟」だけ。ケイブラ神輿は担がれなかった。毎年英国女王に賞あげるわけにもいかんかったか。しかしVTRのケイブラは思わず惚れてしまうくらいかっこよかった。
ジュリー・クリスティは66歳だなんて信じらんないくらい美しかった。
いくらなんでもエレン・ペイジはないだろうと思っていたけど、逆にノミネート止まりで中途半端なハクがつくと、酒とドラッグとセックスに溺れていきそうで将来が心配である。
日本での評判はそれほどでもなかった「エディット・ピアフ」だけど観てないのが予想的中に繋がった?
実はマリオン・コティヤールさん、てどんな人か全く知らなかったので、老けメイク姿のポスターしか観てなかったからベテラン女優なのかと思ってた。若くて可愛い人だった。アメリカ映画のオファーが増えるだろう。ボンドガールになりそう。

主演男優賞
ジョージ・クルーニー『Michael Clayton/フィクサー』
ダニエル・デイ・ルイス『There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』[☆受賞](◎予想)
ジョニー・デップ『Sweeney Todd/スウィーニー・トッド』
トミー・リー・ジョーンズ『In the Valley of Elah/告発のとき』
ヴィゴ・モーテンセン『Eastern Promises/イースタン・プロミセズ』
**解説**
いつも思うのだが、ダニエル・デイ-ルイスの声は聞くだけでうっとりさせられる。
プレゼンターのヘレン・ミレンに跪いてオスカーを受け取る姿にイギリス人同士の仲の良さを見る想いだった。
WOWOWでも言ってたけど、演技部門はイギリス人(2人)とフランス人とスペイン人。来年から俳優部門の発表だけロンドンでやってはどうでしょう。

助演女優賞
ケイト・ブランシェット『I'm Not There/アイム・ノット・ゼア』
ルビー・ディー『American Gangster/アメリカン・ギャングスター』
セルシャ・ローナン『Atonement/つぐない』
エイミー・ライアン『Gone Baby Gone/愛しき者はすべて去りゆく』
ティルダ・スウィントン『Michael Clayton/フィクサー』[☆受賞](◎予想)
**解説**
ケイブラの二個目のオスカーは絶対主演賞だと思ってたので、あえて予想から外した。
で、あとは全く予測がつかなかったのでoscar.comの写真の中から一番、「疲れて見える」人を選んだのである。見事に当たっちゃった。

助演男優賞
ケーシー・アフレック『The Assassination of Jesse James/ジェシー・ジェームズの暗殺』
ハビエル・バルデム『No Country for Old Men/ノーカントリー』[☆受賞](◎予想)
フィリップ・シーモア・ホフマン『Charlie Wilson's War/チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
ハル・ホルブルック『Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド』
トム・ウィルキンソン『Michael Clayton/フィクサー』
**解説**
まあ、ガチガチの本命だったし
「海を飛ぶ夢」とは全く違う雰囲気でびっくり。しかも演技していない素の彼はとってもセクスィー。スピーチの最後に母親へのメッセージをスペイン語で喋る。お母さん大感動だろう。観衆の心をつかむうまい手だ。いつか俺がオスカー獲ったら、家族へのメッセージを日本語で言おう(笑)。

アニメ作品賞
『Ratatouille/レミーのおいしいレストラン』[☆受賞](◎予想)
『Persepolis/ペルセポリス』
『Surf's Up/サーフズ・アップ』
***解説****
「ペルセポリス」ってすごく面白そう。劇場で観たいなあ。

外国語映画賞
Beaufort/ボーフォート~レバノンからの撤退(イスラエル)
The Counterfeiters/ヒトラーの贋札(オーストリア)[☆受賞]
Katyn/カティン(ポーランド)
Mongol/モンゴル(カザフスタン)
12(ロシア)(◎予想)
***解説****
すでに東京では公開済み。なんか最近、ドイツ語圏(オランダ含む)の映画が好調だね。それとも単なるユダヤもの贔屓?

撮影賞
ロジャー・ディーキンス The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford/ジェシー・ジェームズの暗殺
シーマス・マクガーヴェイ Atonemen/つぐない
ヤヌス・カミンスキー The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る
ロジャー・ディーキンス No Country for Old Men/ノーカントリー (◎予想)
★ロバート・エルスウィット There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド[☆受賞]
***解説****
ここは自信あったのになあ
なんとか「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」が面目を保ったというところか

作曲賞
ダリオ・マリアネッリ Atonement/つぐない[☆受賞](◎予想)
アルベルト・イグレシアス The Kite Runner/君のためなら千回でも
ジェームズ・ニュートン・ハワード Michael Clayton/フィクサー
マイケル・グラッチーノ Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
マルコ・ベルトラミ 3:10 to Yuma
**解説**
個人的に最も注目株な作曲家が予想通り受賞して嬉しい。この人は生涯にあと2回くらいはオスカー獲るだろう。
故ゴールドスミスの跡継ぎと勝手に思っている人。ジョン・ウィリアムズ、ゴールドスミス、ジェームズ・ホーナー・・・という古典的正統派映画音楽家の系譜に位置する人。
ただ個人的には昔から大好きなJ.N.ハワードがついに念願のオスカーを獲るところも観たかったし、アルモドバル映画を彩ってきたイグレシアスがオスカーもらって喜ぶところも見たかった。
受賞の前に、プレゼンターが
「『ジョーズ』と言えば・・・」(例の曲がかかる)
「『未知との遭遇』と言えば・・・」(例の曲がかかる)
・・・とジョン・ウィリアムズの有名曲2曲をつづけた後
「ロッキーがフィラデルフィアで誇り高く両手を挙げると・・・」(ロッキーテーマの冒頭部分のファンフーレが鳴る)
授賞式の音楽監督は例年通りビル・コンティ(代表作「ロッキー」)。
ジョンのばっかじゃなくてさ、俺の曲も披露させてよー・・・とねだったのかなあ

衣装デザイン賞
Across the Universe/アクロス・ザ・ユニバース
Atonement/つぐない
Elizabeth: The Golden Age/エリザベス~ゴールデン・エイジ[☆受賞](◎予想)
La Vie en Rose/エディット・ピアフ~愛の讃歌
Sweeney Todd The Demon Barber of Fleet Street/スウィーニー・トッド
**解説**
アカデミーの衣装デザイン賞獲りたかったら、歴史劇をやりなさい

編集賞
The Bourne Ultimatum/ボーン・アルティメイタム[☆受賞](◎予想)
The Diving Bell and the Butterfly/潜水服は蝶の夢を見る
Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド
No Country for Old Men/ノーカントリー
There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
**解説**
カットの細かい映画(主にアクション映画)って、うわー編集すげーなー、大変だろうなー・・・ってわかりやすいものね。
でもカット多くて、テンポいいだけが編集の良さではない。本当にすごい編集とは90年代の北野武のような間の巧さだと思っている。

歌曲賞
Falling Slowly『Once/ダブリンの街角で』[☆受賞]
Happy Working Song『Enchanted/魔法にかけられて』
Raise It Up『August Rush/オーガスト・ラッシュ』
So Close『Enchanted/魔法にかけられて』(◎予想)
That's How You Know『Enchanted/魔法にかけられて』
***解説****
久々のアラン・メンケンがまた賞をもってくかと思ったら・・・(まあ、もう8個もオスカー持ってる人にまた一つ増やさなくてもいいとは思うけど)

メイクアップ賞
La Vie en Rose/エディット・ピアフ~愛の讃歌[☆受賞]
Norbit/マッド・ファット・ワイフ
Pirates of the Caribbean: At World's End/パイレーツ・オブ・カリビアン~ワールド・エンド(◎予想)
**解説**
オーランド・ブルームをフジツボびっしりの怪人にしてやりゃ結果は変わってたかもね

音響賞
The Bourne Ultimatum/ボーン・アルティメイタム[☆受賞](◎予想)
No Country for Old Men/ノーカントリー
Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
3:10 to Yuma
Transformers/トランスフォーマー

音響編集賞
The Bourne Ultimatum/ボーン・アルティメイタム[☆受賞]
No Country for Old Men/ノーカントリー
Ratatouille/レミーのおいしいレストラン
There Will Be Blood/ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
Transformers/トランスフォーマー(◎予想)
**解説**
すいません。どなたか教えてください。
「音響賞」(Sound Mixing)と「音響編集賞」(Sound Editing)の違いって何ですか?
私は勝手に、音響賞は現場でマイク持ってる人たちの賞で、音響編集が効果音の賞だろう・・・と解釈していたのですが、音響賞に「レミーのおいしいレストラン」か候補になるってことは、マイク持ちのための部門ではなさそうだぞ・・・?
VTRでは「音響賞」の紹介の際にミキサーをいじってる画が映されていたからミキシング作業の巧さに対する賞なのだろうかと思うけど、じゃあ音響編集って何?
で、どっちも「ボーン・アルティメイタム」だし、ドカン!バゴーン!ズゴッ!ボゴォォォォ!!って鳴り響かせりゃ両方もらえるってことなのかしらん。伝統的に両部門ともSFアクション系映画が獲ってるし・・・

視覚効果賞
The Golden Compass/ライラの冒険~黄金の羅針盤[☆受賞]
Pirates of the Caribbean: At World's End/パイレーツ・オブ・カリビアン~ワールド・エンド(◎予想)
Transformers/トランスフォーマー

ドキュメンタリー賞
No End in Sight
Operation Homecoming: Writing the Wartime Experience
Sicko/シッコ
Taxi to the Dark Side[☆受賞](◎予想)
War/Dance

ドキュメンタリー短編賞
Freeheld[☆受賞](◎予想)
La Corona (The Crown)
Salim Baba
Sari's Mother
**解説**
ドキュメンタリー短編賞はトム・ハンクスがバグダッドの米兵を紹介し、彼らが受賞作を発表。
長編部門はトム・ハンクスが発表。
けど、イラクネタの候補が多かったのは、長編の方なんだけどなあ・・・
戦争批判っぽい作品の受賞で、バグダッドの米兵が逆に可哀想に見えたりして
短編ドキュメンタリーに関してはoscar.comの写真から予想。いかにも「障害者ものです」って感じの写真から、これに違いないと、冷ややかな予想立てたら、その通りだった。

実写短編賞
At Night
Il Supplente (The Substitute)
Le Mozart des Pickpockets (The Mozart of Pickpockets)[☆受賞](◎予想)
Tanghi Argentini
The Tonto Woman
**解説**
当然、候補作全て内容など知るはずもなく、英語以外のタイトルの作品からエイヤッで選んだら、その通りだった。

アニメーション短編賞
I Met the Walrus
Madame Tutli-Putli
Meme Les Pigeons Vont au Paradis (Even Pigeons Go to Heaven)
My Love (Moya Lyubov)(◎予想)
Peter & the Wolf[☆受賞]
**解説**
にしても、短編部門の受賞作や候補作ってまとめてDVDにしてレンタルしてくんないかしらん。観たいなあ


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2 コメント

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闇へ (kossy)
2008-02-26 08:43:07
3月1日にNHKのBS1でドキュメンタリー賞受賞作「闇へ」が放送されるみたいですね~
TV版となってるから、劇場版よりは短いんだろうけど。
返信する
コメントどうもです (しん)
2008-03-01 13:05:41
>kossyさま

おお、それは観たい
返信する

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