ドイツ映画ということであるが、モンゴルに密着したドキュメンタリー。監督のビャンバスレン・ダバーとルイジ・ファロルニはミュンヘン映像映画大学の卒業制作としてこれを撮ったそうな。卒業制作が世界中で公開されているとは・・・なんてラッキーな人たち。
育児放棄された"子らくだ"と、育児放棄した"母らくだ"の話ということで、日本の社会状況が一瞬だぶるけど、もちろんそんな意図はこの映画にないし、物語的にも関係ない。
だが、自分をじゃけんに扱う母さんらくだを追って、とぼとぼ歩く子らくだの姿に一瞬とはいえ目が潤んだのは、その状況を人間社会に置き換えて観てしまったからです。
さて、らくだの飼い主たちは、なんとか母らくだと子らくだを仲良くさせようと、都会から音楽家を呼んでくることにします。馬頭琴というモンゴリアン・バイオリンみたいな楽器の奏者を連れてきて、音楽の力で母らくだが初産の苦しみのあまりにか忘れてしまった母性愛を取り戻させようとする。
そんなアホな・・・ファンタジーみたい・・・と思ってしまうところだが、実際にモンゴルではそのような事が昔から行われており、確実に成果を挙げているんだそうです。
その脅威のクライマックスはそんじょそこらのCGでラッピングされた映画が束になってかかってきてもかないません。
そんな動物と自然と人間と音楽が見事なバランスを保っているモンゴル。この映画を観るかぎり昔々全ユーラシア大陸を制圧しかけた国であることが信じられません。もしかしたらジンギスカン先生も音楽で中国やロシアを支配したのかもしれません。
ただし、そんなまさにスローライフなこの国の地方にも、確実に近代化の波が寄せてきていることをこの映画は臭わせています。テレビを食い入るように見る子供。広大な荒野を送電線に沿って県庁に向かっていく子供たち・・・
ところで、音楽家を連れてくるためらくだにのって都会に向かう、幼い兄弟の姿を見て、どうでもいい疑問がわいてきます。
映画のスタッフは何に乗って移動していたのか?
スタッフといったって、監督2人とカメラマンくらいかもしれませんが、それにしたって三脚もバッテリーも替えのフィルム(デジタル?)もいるだろうし、マイクだって必要でしょう。彼らも動物に乗って少年を追いかけたとは考え難い。車で追いかけたと考えるのが自然ですが、だったら少年たちに「よう、乗ってけよ」くらい言ってあげてもよさそうなもんです。
多分、相当あの牧畜業一家に密着して衝撃的ならくだ出産シーンや、らくだ親子の養育問題に直面、おまけに驚愕のラストまで撮ってしまったなんてすごいラッキーと言えますが、そこまで密着していながら全然一家の生活の手伝いをしているように見えない。もちろん数ヶ月の密着記録を90分程度で見せているのだから本編と関係ないエピソードはことごとくカットしたのだろうけど、被写体としての人間やらくだばかりでなく、監督と家族やらくだとの関係も見たかったな・・・てのは贅沢かな?
らくだのコブはぷにぷにしてそうで、見ていてさわりたくなった。首の毛もふかふかしてそうでくるまりたくなった。下あごを左右にスライドさせる独特の口の動かし方も可愛かった。やっぱり動物はいいなあ・・・
上映後に馬頭琴奏者のリ・ガ・スチントさんによる生演奏が行われ、美しい調べを楽しませてもらった。塩味ミルクティみたいなモンゴル茶もおいしかった。
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
育児放棄された"子らくだ"と、育児放棄した"母らくだ"の話ということで、日本の社会状況が一瞬だぶるけど、もちろんそんな意図はこの映画にないし、物語的にも関係ない。
だが、自分をじゃけんに扱う母さんらくだを追って、とぼとぼ歩く子らくだの姿に一瞬とはいえ目が潤んだのは、その状況を人間社会に置き換えて観てしまったからです。
さて、らくだの飼い主たちは、なんとか母らくだと子らくだを仲良くさせようと、都会から音楽家を呼んでくることにします。馬頭琴というモンゴリアン・バイオリンみたいな楽器の奏者を連れてきて、音楽の力で母らくだが初産の苦しみのあまりにか忘れてしまった母性愛を取り戻させようとする。
そんなアホな・・・ファンタジーみたい・・・と思ってしまうところだが、実際にモンゴルではそのような事が昔から行われており、確実に成果を挙げているんだそうです。
その脅威のクライマックスはそんじょそこらのCGでラッピングされた映画が束になってかかってきてもかないません。
そんな動物と自然と人間と音楽が見事なバランスを保っているモンゴル。この映画を観るかぎり昔々全ユーラシア大陸を制圧しかけた国であることが信じられません。もしかしたらジンギスカン先生も音楽で中国やロシアを支配したのかもしれません。
ただし、そんなまさにスローライフなこの国の地方にも、確実に近代化の波が寄せてきていることをこの映画は臭わせています。テレビを食い入るように見る子供。広大な荒野を送電線に沿って県庁に向かっていく子供たち・・・
ところで、音楽家を連れてくるためらくだにのって都会に向かう、幼い兄弟の姿を見て、どうでもいい疑問がわいてきます。
映画のスタッフは何に乗って移動していたのか?
スタッフといったって、監督2人とカメラマンくらいかもしれませんが、それにしたって三脚もバッテリーも替えのフィルム(デジタル?)もいるだろうし、マイクだって必要でしょう。彼らも動物に乗って少年を追いかけたとは考え難い。車で追いかけたと考えるのが自然ですが、だったら少年たちに「よう、乗ってけよ」くらい言ってあげてもよさそうなもんです。
多分、相当あの牧畜業一家に密着して衝撃的ならくだ出産シーンや、らくだ親子の養育問題に直面、おまけに驚愕のラストまで撮ってしまったなんてすごいラッキーと言えますが、そこまで密着していながら全然一家の生活の手伝いをしているように見えない。もちろん数ヶ月の密着記録を90分程度で見せているのだから本編と関係ないエピソードはことごとくカットしたのだろうけど、被写体としての人間やらくだばかりでなく、監督と家族やらくだとの関係も見たかったな・・・てのは贅沢かな?
らくだのコブはぷにぷにしてそうで、見ていてさわりたくなった。首の毛もふかふかしてそうでくるまりたくなった。下あごを左右にスライドさせる独特の口の動かし方も可愛かった。やっぱり動物はいいなあ・・・
上映後に馬頭琴奏者のリ・ガ・スチントさんによる生演奏が行われ、美しい調べを楽しませてもらった。塩味ミルクティみたいなモンゴル茶もおいしかった。
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この監督の新作、なんとかのナンサ(すみません、
名前忘れました)
を観たんですが、思いも他よかったので、
そういえば「らくだの涙」の感想がコチラに
あったな・・・と思い出し訪問いたしました。
「らくだの涙」は観てないんですが、どうやら
同じような映画みたいですね。
らくだ家族がゲル移動の牧畜家族になっただけ
なのかな???
ちょっと「らくだの涙」が気になります。
またこちらで、この映画が
>ミュンヘン映像映画大学の卒業制作
と知り、なんて幸運な映画だろうと吃驚してます。
大きな涙、でした。
なんとかのナンサ・・・私も興味あるんですが、こっちじゃやる予定ないんですね。
"らくだの涙"と似たような映画だとしたら、ビャンバスレン・ダバーって監督がちょっと面白いというか、何年か後にモンゴル映画界をしょってたってるかもしれませんよ
>rubiconeさま
たしかに不思議な味でした。
でもそのお茶をがぶがぶ飲みながら、大昔ジャパンに総攻撃を仕掛けたと考えると、悠久の歴史ロマンが・・・
ほんとによくもまあ、卒業制作で運良くあんな映像が撮れたものです・・・