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奥さまは魔女 [うさん臭い絶賛記事を書いてみた]

2005-09-07 01:10:56 | 映評 2003~2005
ニコールの執念とヤケクソと余裕と自信が奇妙に同居したようなある意味力作を前に、私はニコールにひざまずいて忠誠を誓いたい衝動にかられた。ニコールは圧倒的なスターのオーラで私に魔法をかけたのか?

ストーリーは地味な感じの俳優ウィル・フェレルが、スターのオーラをまるで感じない等身大の役を演じつつ、設定上はアクターズスタジオインタビューに出るほどの大物俳優でありながら今は落ち目という、そんな前提で進んでいく。
いろんな意味で素と演技と演出の境目が曖昧な彼だが、それはともかく、主人公は人気挽回のチャンスとして、「奥様は魔女」のリメイクで主役「ダーリン」役を射止めるが、肝心の「サマンサ」役には自分を食わない新人女優の起用を要求する
主役を食わない新人女優役を、38歳のニコール・キッドマンが演じる
主役を食わない新人女優役を、トップスターでオスカー女優のニコール・キッドマンが演じる
ニコールが演じるのは、魔女のイザベル。恋を知らないウブなイザベルは、結婚にあこがれ、結婚を控えたカップルが壁のペンキの色で口論するような、そんなリアル結婚を経験したいと願う。そんな役をリアル結婚どころか、泥沼のリアル離婚まで経験したニコールが演じるのである!!
普通に考えれば絶対あり得ないキャスティングだが、我らがニコールは果敢にも挑戦する。ニコール・キッドマンとウィル・フェレルなどという明らかに格の違う俳優の競演という企画にしてこの設定・・・・。にもかかわらず、ニコールの演技は企画の抱える矛盾も違和感もそっちのけで映画を一級の娯楽へと強引にぶっ飛ばしていく。

馬鹿な!!という我々の戸惑いなどおかまいなく、オスカー女優は見事な演技で15~16は年下の役をフレッシュに演じきるのだ!!
さすがのオスカー女優様は鼻ぴくぴくみたいな物理的演技なんてちょろいもんだ。そんなものより、もっとも難しい内面からの演技を観客に叩き付ける。
主役の男にブチギレたニコールが「このクソッタレ!!あんたは自分が目立つことばっかり考えて、作品のことを何も考えていない!!」みたいなニュアンスの台詞をド迫力でまくしたてる、あの痛快なシーン!!!。かつて私生活において、その台詞がものの見事に100%当てはまるような男(たしかトムクなんとかって名前のやつ。こないだ宇宙人に追われて逃げ回っていた)と結婚していたニコールならではの迫真の精神演技である!!
ああ、私が本当に魔女だったら、あのTCの野郎、あれやこれや散々な目にあわせてやれたのに!!キーーッ!!と思ってただろう・・・ってのは邪推のし過ぎか。
ともかく、ハル・ベリーに続きアメリカの二大映画賞(アカデミーと、ゴールデンラズなんとかって賞)制覇の可能性が出てきたニコール。エイジレスな魅力爆発であと10年はA級でもB級でも第一線で活躍可能と確信。

ニコールに負けじと、二大ベテラン・オスカー俳優、マイケル・ケインシャーリー・マクレーン「この程度やっときゃみんな満足だろう」と言わんばかりの余裕の演技を披露。
オスカー俳優たちに囲まれ、ほとんどピエロと化したウィル・フェレルのギャグ演技がまた、哀れみの笑いを誘い、とにかく楽しめる映画だ。
「奥様は魔女」ファンを喜ばすため、テレビ版のVTRチラ見せのサービスもあり。

全編、ダラダラ感、グデグデ感が蔓延した本作は、何もすることがない日曜の午後の暇つぶしに最適な、すばらしすぎる脱力系映画だ。(ただしニコールは全力)


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3 コメント

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奥さま~ (kossy)
2005-09-07 08:34:58
「このクソッタレ!!あんたは自分が目立つことばっかり考えて、作品のことを何も考えていない!!」トムク!

う~ん、いつもながらに笑える映画評を読ませていただきました。でも、ラジー賞はどうなんでしょうね?可能性があるとしたら、ウィル・フェレルなんでしょうけど・・・
返信する
爆笑! (こっちゃん)
2005-09-07 09:43:03
ありえない面白さです、この記事は。

「奥さまは魔女」の公式HPに掲載したいくらいだ(笑)

ニコール全力の脱力系映画、

旬のうちに皆様に楽しんでいただきとうございます。

リアル離婚は女優の肥やし。

おお、トムク・・・・・。



    こっちゃん
返信する
やっぱり違うなー (あかん隊)
2005-09-10 11:11:20
TBありがとうございます。

さすがの慧眼、文章力。違うなー。

ひと味もふた味も。溜飲がさがった気分。
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