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愛についてのキンゼイ・レポート [もしかしてこれこそ純愛なんじゃないか]

2005-09-21 20:51:53 | 映評 2003~2005
チケットを買うと、入場者プレゼントとしてインターネット調査による日本人の恋愛観や性癖、性の履歴についての意識調査がまとめられた冊子がついていた。
鑑賞前は読まなかったが、観賞後にそれを観ると・・・キンゼイ博士があれほど批判され軽蔑され身も心も削られながら調べ上げた内容が、今やインターネットでさくっと調べ、ただでばらまける時代になったのか・・・と。
キンゼイ博士、あなたの調査は無駄ではなかったです。確実に世界は変化しました。

これは面白かった。
テーマに反して、作風が生真面目すぎる気もするが、ふざけすぎるよりはずっといい。
性の話題がまだタブー視されていた時代、人々が自分の性癖や恋愛観を知る術がないからと、純粋に人々のため世の中のためと、性の意識調査を行う科学者。
キンゼイ博士は生物学の教授。10万匹ものタマバチを採集する、蜂マニアというか蜂オタクというか。現実社会にとけ込まず、自分だけの世界に閉じこもっているかのような生活。僕がイメージする理系の大学教授そのまま。
アメリカ中のセックス話をまとめて出版しようなんぞという、無謀で、ふざけていると取られかねない話を、真面目に真剣にそして純粋な探究心から、実行する。科学者にして世間知らずという人物描写がツカミでしっかりできているから説得力がある。
そんな人物をリーアム・ニーソンがうまく演じきる。といってもシンドラーやマイケル・コリンズと同じ演技に見えるのだけど、でもやっぱ上手い。妻役のローラ・リニーも上手い。このいい歳した2人の童貞&処女初体験シーンは観てるこっちが恥ずかしくなるほど面白い
性というパンドラの箱を開けてしまったキンゼイ夫妻とそのチームは、そのため散々な目に遭い、しかし破滅のピンチも2人はなんとか乗り越えていく。老齢となった2人が寄り添い求め合い支え合い理解し合ってる姿はマジ泣ける。

女の子が死ねば、はい純愛、泣きましょう・・・っていう妙な風潮の昨今の映画界であるが、性の本能の中にどっぷり浸かって、2人で落ちるとこまで落ちてなお生き残り、愛を確かめ合うキンゼイ夫妻の方がずっとずっと深いもの感じるゾ。最後に2人に残ったものはただ愛だけだったんだ

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2 コメント

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わたしも・・・ (RIN)
2005-09-22 10:40:11
キンゼイ夫婦の初体験シーンには、オイオイ・・・

と笑ってしまいましたが、あの経験があったから

こそ、「キンゼイ・レポート」は完成したのですよね・・・。

あの初体験+博士の徹底的調査しないと気がすまない

人物像=キンゼイレポートの完成!

人物設定もしっかりしており、満足度大の一本でした。
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>RINさま (しん)
2005-09-30 01:41:41
性についてのレポートかと思ったけど、初体験+徹底調査→レポート→愛、という感じで、最終的には愛についてのレポートでした

ああいう演技で真面目に演じるリーアムとリニーは、ほんと堅物というかマジメな人たちなんでしょうね

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