しばらく映評を書かずに放置しておりましたが、日本で何がおころうとも映画ファンなら映画を語るのが勤めなのかもしれない・・・などと思い、映評を記す事を再開。映画館で見た映画は意地でも全部書こうと思う。節電節約は気にかけつつ・・・
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個人的評価: ■■■■■□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]
「こまったことになったわ。どっちと先にキスをしたらいいのか・・・」
「僕だよ」
トニー史上最薄。あの「トップガン」が深い話に思えるぐらい。しかしシンプルに、ユーモアたっぷりで、働く庶民を讃えながら、暴走列車と同じように映画はシンプルにまっすぐ突き進んで行く。ああ面白かったと感動し、やっば自分にとってトニーは愛する作家だと再認識。止め方あっけなさ過ぎなのがちと残念ではあるが・・・
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誰もいない機関車が動き出した。止めろ。というそれだけのシンプルな物語。
止め方のあっけなさがもったいないが、深刻ぶらないただそれだけの2時間の空騒ぎとして悪くない。
暴走する機関車を止めようというそれだけの物語に、色んな人物の立場や性格や能力が現れてくる。
惨事より株価を気にする経営者、損害額が何より気になる管理職、そして現場で油にまみれて働く機関士たちが採算も危険も度外視して長年培われてきた勘を頼りに、機関士としての誇りにかけて機関車を止めに行く。
緊急事態に際して通常時と同じようにプランニング、リスクコントロール、指揮系統の確認などなどやっている場合ではない。ビジネスで機関車を動かす人たちと、実際にうん百トンの鉄の塊を100km/h以上のスピードで動かす人たちとの感覚のズレが露になる。普段は前者の言うことが大体のところは正しいが、緊急時では後者の言うことが圧倒的に正しい。
そうした現場でストレスをためてきた労働者たちの「どうだ見たか」という爽快感がラストの能天気なほどのハッピーエンドに滲み出す。経営上の都合で解雇通告をされていたという主人公の設定がまたラストの爽やかさを引き立てる。
スペックしか見ていない奴らの立てた作戦がことごとく失敗するのを、(やや自信なさげではあったが)どうせ失敗するに決まっていると予見する機関士の姿も、働き現場を知るものたちをかっこよく描く。
そして中間的な位置にいる管制室の女性がまたいい。常に現場と直に話をしている彼女の機関士たちへの信頼と、自身の仕事に対するプライドが丁度良くあわさり、ここもまた感情移入の対象として充分すぎるほど機能する。
なんつってもラストのエピローグがいい。にやにやさせまくりの登場人物たちのその後。
悪い奴は罰せられ、いい奴にはご褒美。この単純さがたまらん
「なぜ脱線装置が効かなかったんだ。」
「重すぎたからさ」
そんくらいわかるだろ!!とか突っ込みながら観るのも一つの楽しみ。
********
ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン
↑この度、「ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン」を選出しました。映画好きブロガーを中心とした37名による選出になります。どうぞ00年代の名作・傑作・人気作・問題作の数々を振り返っていってください
この企画が講談社のセオリームックシリーズ「映画のセオリー」という雑誌に掲載されました。2010年12月15日発行。880円
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
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「こまったことになったわ。どっちと先にキスをしたらいいのか・・・」
「僕だよ」
トニー史上最薄。あの「トップガン」が深い話に思えるぐらい。しかしシンプルに、ユーモアたっぷりで、働く庶民を讃えながら、暴走列車と同じように映画はシンプルにまっすぐ突き進んで行く。ああ面白かったと感動し、やっば自分にとってトニーは愛する作家だと再認識。止め方あっけなさ過ぎなのがちと残念ではあるが・・・
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誰もいない機関車が動き出した。止めろ。というそれだけのシンプルな物語。
止め方のあっけなさがもったいないが、深刻ぶらないただそれだけの2時間の空騒ぎとして悪くない。
暴走する機関車を止めようというそれだけの物語に、色んな人物の立場や性格や能力が現れてくる。
惨事より株価を気にする経営者、損害額が何より気になる管理職、そして現場で油にまみれて働く機関士たちが採算も危険も度外視して長年培われてきた勘を頼りに、機関士としての誇りにかけて機関車を止めに行く。
緊急事態に際して通常時と同じようにプランニング、リスクコントロール、指揮系統の確認などなどやっている場合ではない。ビジネスで機関車を動かす人たちと、実際にうん百トンの鉄の塊を100km/h以上のスピードで動かす人たちとの感覚のズレが露になる。普段は前者の言うことが大体のところは正しいが、緊急時では後者の言うことが圧倒的に正しい。
そうした現場でストレスをためてきた労働者たちの「どうだ見たか」という爽快感がラストの能天気なほどのハッピーエンドに滲み出す。経営上の都合で解雇通告をされていたという主人公の設定がまたラストの爽やかさを引き立てる。
スペックしか見ていない奴らの立てた作戦がことごとく失敗するのを、(やや自信なさげではあったが)どうせ失敗するに決まっていると予見する機関士の姿も、働き現場を知るものたちをかっこよく描く。
そして中間的な位置にいる管制室の女性がまたいい。常に現場と直に話をしている彼女の機関士たちへの信頼と、自身の仕事に対するプライドが丁度良くあわさり、ここもまた感情移入の対象として充分すぎるほど機能する。
なんつってもラストのエピローグがいい。にやにやさせまくりの登場人物たちのその後。
悪い奴は罰せられ、いい奴にはご褒美。この単純さがたまらん
「なぜ脱線装置が効かなかったんだ。」
「重すぎたからさ」
そんくらいわかるだろ!!とか突っ込みながら観るのも一つの楽しみ。
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ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン
↑この度、「ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン」を選出しました。映画好きブロガーを中心とした37名による選出になります。どうぞ00年代の名作・傑作・人気作・問題作の数々を振り返っていってください
この企画が講談社のセオリームックシリーズ「映画のセオリー」という雑誌に掲載されました。2010年12月15日発行。880円
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観たときは考えもしなかった津波で狂った原発が、悪魔の意思を貫こうとしているかのようです。
映画創りを生業にしながら山を愛するとは、ロマンチックすぎて、展開が出来すぎています。
iinaは、単に映画鑑賞が好きです。
生きれる限りロマンチックに生きてみようと思います。そのために映画を観ることを犠牲にせざるをえないのが痛いところですが・・