r.i.p. ロバート・タウン
脚本家のロバート・タウンが亡くなった
私の生涯ベストテンに入る映画『チャイナタウン』の脚本家だ。
『チャイナタウン』ではアカデミー賞の脚本賞を受賞し彼の代表作と言っていい。
しかし『チャイナタウン』のプロデューサーロバート・エバンスの自伝「くたばれハリウッド」を読むと、非常に複雑な事情があったことがわかる
『チャイナタウン』のタウンによる最初の脚本はエバンスにも、ニコルソンにもポランスキーにも、誰にもさっぱり理解できないものだったという。タウンによるとロサンゼルスがいかにして水を手に入れたか、という物語だったそうだ。監督ポランスキーはタウンの脚本を独自の解釈で愛憎劇に重きを置いて撮った。タウンは認めなかった。
しかしエバンスとニコルソンはポランスキーを支持し、ポランスキーの映画として完成した。
タウンは不満たらたらだったが、果たして完成した映画は大ヒットし、アカデミー賞では作品、監督、主演男優など11部門でノミネートされた。
ところが受賞できたのはタウンの脚本賞だけだった。脚本をめちゃめちゃにされたと撮影中は激怒していたタウンだったが、結局そのおかげで彼はオスカーホルダーとなり、有名になった。
そんなことを読むと自分はどこまでタウンを評価していいのかわからなくなるが、エバンスも相当「盛って」書いてると思うので、とにもかくにも大好きな映画『チャイナタウン』の生みの親の1人を悼みたい。
それから20年くらいたってジャック・ニコルソンが監督兼主演で『チャイナタウン』の続編『黄昏のチャイナタウン』を作ったが、この脚本もタウンが手がけている。
ちなみに、ある脚本の書き方についての本で、『チャイナタウン』の脚本は映画史上最高の脚本の一つとして紹介しており、脚本テクニックの教本の如くあちこちで引用していた。
90年代以降のタウンはトム・クルーズのおかかえ脚本家としてトム映画の多くを手がけた。その頃のトム映画はどれも大好きではあるが、正直言って『チャイナタウン』の脚本家としてのキレは感じなかった。
タウンが監督した『テキーラ・サンライズ』も結構面白かった。メルギブソンとカートラッセルとミシェルファイファー主演、なんかオシャレなクライムムービー。オシャレ感はコンラッド・ホールの撮影とデイブ・グルーシンの音楽のおかげも大きい。あんま内容覚えてないけど。
r.i.p.ロバート・タウン
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