日本映画個人賞
それでは賞レースでの個人賞を振り返ってみましょう
(日本映画批評家大賞が3/27に発表されましたので、記事にその内容を反映しています。)
(日本映画プロフェッショナル大賞が6/29に発表されましたので、記事にその内容を反映しています。)
監督賞
西川美和「ゆれる」 6冠
(ヨコハマ映画祭/高崎映画祭/東京スポーツ映画大賞/ブルーリボン賞/日本インターネット映画大賞/日本映画プロフェッショナル大賞)
根岸吉太郎「雪に願うこと」 4冠
(報知映画賞/日刊スポーツ映画賞/毎日映画コンクール/キネマ旬報)
李相日「フラガール」 3冠
(高崎映画祭/キネマ旬報読者選出/日本アカデミー賞)
井口昇「猫目小僧」「卍」「おいら女蛮(スケバン)」 1冠 (この映画がすごい)
大森一樹「悲しき天使」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
奥田瑛二「長い散歩」 1冠 (日本映画批評家大賞)
主演女優賞
中谷美紀「嫌われ松子の一生」ほか 6冠
(報知映画賞/毎日映画コンクール/キネマ旬報/日本インターネット映画大賞/日本アカデミー賞/日本映画プロフェッショナル大賞)
蒼井優「フラガール」ほか 5冠
(山路ふみ子映画賞/ヨコハマ映画祭/高崎映画祭/東京スポーツ映画大賞/ブルーリボン賞)
壇れい「武士の一分」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
深津絵里「博士の愛した数式」 1冠 (日本映画批評家大賞)
松雪泰子「フラガール」 1冠 (日刊スポーツ映画大賞)
助演女優賞
蒼井優「フラガール」ほか 5冠
(報知映画賞/毎日映画コンクール/キネマ旬報/日本インターネット映画大賞/日本アカデミー賞)
富司純子「フラガール」ほか 3冠
(日刊スポーツ映画大賞/東京スポーツ映画大賞/ブルーリボン賞)
本上まなみ「紙屋悦子の青春」 2冠 (おおさかシネマフェスティバル/高崎映画祭)
樹木希林「赤い鯨と白い蛇」 1冠 (日本映画批評家大賞)
永作博美「好きだ」 1冠 (高崎映画祭)
中村優子「ストロベリー・ショートケイクス」 1冠 (ヨコハマ映画祭)
吹石 一恵「雪に願うこと」 1冠 (ヨコハマ映画祭)
フラガールズ「フラガール」 1冠 (日本映画批評家大賞)
主演男優賞
渡辺謙「明日の記憶」 5冠
(報知映画賞/日刊スポーツ/ブルーリボン賞/キネマ旬報/日本アカデミー賞)
オダギリジョー「ゆれる」ほか 2冠
(高崎映画祭/日本インターネット映画大賞)
香川照之「ゆれる」ほか 2冠
(高崎映画祭/ヨコハマ映画祭)
桂春團治「そうかもしれない」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
木村拓哉「武士の一分」 1冠 (東京スポーツ)
佐藤浩市「雪に願うこと」 1冠 (毎日映画コンクール)
沢田研二「幸せのスイッチ」 1冠 (日本映画批評家大賞)
豊川悦司「やわらかい生活」ほか 1冠 (日本映画プロフェッショナル大賞)
助演男優賞
香川照之「ゆれる」ほか 5冠
(報知映画賞/ブルーリボン賞/キネマ旬報/東京スポーツ/日本インターネット映画大賞)
笹野高史「武士の一分」ほか 4冠
(ヨコハマ映画祭/毎日映画コンクール/キネマ旬報/日本アカデミー賞)
大沢たかお「地下鉄に乗って」 1冠 (日刊スポーツ)
加瀬亮「花よりもなほ」 1冠 (高崎映画祭)
豊川悦司「フラガール」ほか 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
井原剛志「硫黄島からの手紙」 1冠 (日本映画批評家大賞)
脚本賞
加藤正人「雪に願うこと」 1冠 (毎日映画コンクール)
西川美和「ゆれる」 1冠 (キネマ旬報)
安田真奈「幸福のスイッチ」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
李 相日・羽原 大介「フラガール」 1冠 (日本アカデミー賞)
*****
2006年は蒼井優の年だった。主演女優については主だった映画賞が中谷美紀を賞したけれども、ややマイナーな映画賞も含めると、中谷vs蒼井は6対5で中谷は僅差で勝利したにすぎない。蒼井は助演も含めると10冠。ちなみに中谷を主演賞に選出した6つの映画賞のうち5つは助演賞を蒼井としている。
「フラガール」を助演と言われるのは可哀相な気もするけど「虹の女神」も「大和」もあるし(「ドクターコトー」も??)、助演として活躍したのも事実で、中谷と蒼井の両方に賞を与えようとすると、蒼井は助演になるのだろうか。堂々と主演ですと言い切るヨコハマ映画祭などをほめたい。
同じような現象は香川照之にも言える。
助演を5つ獲っているが、対象作である「ゆれる」ではオダギリジョーと登場時間も役どころの重要さも変わらず、主演としてもいいくらい。堂々主演での受賞も2つあり(ヨコハマと高崎。両方とも主演女優に蒼井を選出している)あわせて7冠。
主演は「硫黄島」との連結効果もあってか、渡辺謙が圧倒しているし、助演でも笹野高史が4冠で香川に肉迫しているけれど、影の王者は香川と言えるのかも知れない
監督賞は西川美和と根岸吉太郎の争い。
作品的には「フラガール」が圧倒しているのに、なぜだか李相日に監督賞をという声が上がらない。どうにか三つはとってるので、残りの映画賞の結果次第では逆転も有り得るが・・・
なんにせよ、邦画バブルの2006年に低予算小規模公開の「ゆれる」「雪に願うこと」と、比較的大規模公開ながらメジャーの後ろ盾がない「フラガール」が評価されているところが、今年の数と満足度が比例しない状況が現れているように感じる。
それから、女性監督がこれだけ評価されたのも、多分日本の映画史で始めてのことである。そのことくらいは覚えておきたい。
日本映画は変わっていくかもしれない。評価と知名度がいまのとこ結びついていない監督たちと、渡辺・中谷・蒼井・香川ら才能ある俳優が結びつけば、ものすごいことが起こりそうな気がする。
*****
2006年度国内映画賞一覧
2006年度映画賞総括 作品別篇
*******
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
それでは賞レースでの個人賞を振り返ってみましょう
(日本映画批評家大賞が3/27に発表されましたので、記事にその内容を反映しています。)
(日本映画プロフェッショナル大賞が6/29に発表されましたので、記事にその内容を反映しています。)
監督賞
西川美和「ゆれる」 6冠
(ヨコハマ映画祭/高崎映画祭/東京スポーツ映画大賞/ブルーリボン賞/日本インターネット映画大賞/日本映画プロフェッショナル大賞)
根岸吉太郎「雪に願うこと」 4冠
(報知映画賞/日刊スポーツ映画賞/毎日映画コンクール/キネマ旬報)
李相日「フラガール」 3冠
(高崎映画祭/キネマ旬報読者選出/日本アカデミー賞)
井口昇「猫目小僧」「卍」「おいら女蛮(スケバン)」 1冠 (この映画がすごい)
大森一樹「悲しき天使」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
奥田瑛二「長い散歩」 1冠 (日本映画批評家大賞)
主演女優賞
中谷美紀「嫌われ松子の一生」ほか 6冠
(報知映画賞/毎日映画コンクール/キネマ旬報/日本インターネット映画大賞/日本アカデミー賞/日本映画プロフェッショナル大賞)
蒼井優「フラガール」ほか 5冠
(山路ふみ子映画賞/ヨコハマ映画祭/高崎映画祭/東京スポーツ映画大賞/ブルーリボン賞)
壇れい「武士の一分」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
深津絵里「博士の愛した数式」 1冠 (日本映画批評家大賞)
松雪泰子「フラガール」 1冠 (日刊スポーツ映画大賞)
助演女優賞
蒼井優「フラガール」ほか 5冠
(報知映画賞/毎日映画コンクール/キネマ旬報/日本インターネット映画大賞/日本アカデミー賞)
富司純子「フラガール」ほか 3冠
(日刊スポーツ映画大賞/東京スポーツ映画大賞/ブルーリボン賞)
本上まなみ「紙屋悦子の青春」 2冠 (おおさかシネマフェスティバル/高崎映画祭)
樹木希林「赤い鯨と白い蛇」 1冠 (日本映画批評家大賞)
永作博美「好きだ」 1冠 (高崎映画祭)
中村優子「ストロベリー・ショートケイクス」 1冠 (ヨコハマ映画祭)
吹石 一恵「雪に願うこと」 1冠 (ヨコハマ映画祭)
フラガールズ「フラガール」 1冠 (日本映画批評家大賞)
主演男優賞
渡辺謙「明日の記憶」 5冠
(報知映画賞/日刊スポーツ/ブルーリボン賞/キネマ旬報/日本アカデミー賞)
オダギリジョー「ゆれる」ほか 2冠
(高崎映画祭/日本インターネット映画大賞)
香川照之「ゆれる」ほか 2冠
(高崎映画祭/ヨコハマ映画祭)
桂春團治「そうかもしれない」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
木村拓哉「武士の一分」 1冠 (東京スポーツ)
佐藤浩市「雪に願うこと」 1冠 (毎日映画コンクール)
沢田研二「幸せのスイッチ」 1冠 (日本映画批評家大賞)
豊川悦司「やわらかい生活」ほか 1冠 (日本映画プロフェッショナル大賞)
助演男優賞
香川照之「ゆれる」ほか 5冠
(報知映画賞/ブルーリボン賞/キネマ旬報/東京スポーツ/日本インターネット映画大賞)
笹野高史「武士の一分」ほか 4冠
(ヨコハマ映画祭/毎日映画コンクール/キネマ旬報/日本アカデミー賞)
大沢たかお「地下鉄に乗って」 1冠 (日刊スポーツ)
加瀬亮「花よりもなほ」 1冠 (高崎映画祭)
豊川悦司「フラガール」ほか 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
井原剛志「硫黄島からの手紙」 1冠 (日本映画批評家大賞)
脚本賞
加藤正人「雪に願うこと」 1冠 (毎日映画コンクール)
西川美和「ゆれる」 1冠 (キネマ旬報)
安田真奈「幸福のスイッチ」 1冠 (おおさかシネマフェスティバル)
李 相日・羽原 大介「フラガール」 1冠 (日本アカデミー賞)
*****
2006年は蒼井優の年だった。主演女優については主だった映画賞が中谷美紀を賞したけれども、ややマイナーな映画賞も含めると、中谷vs蒼井は6対5で中谷は僅差で勝利したにすぎない。蒼井は助演も含めると10冠。ちなみに中谷を主演賞に選出した6つの映画賞のうち5つは助演賞を蒼井としている。
「フラガール」を助演と言われるのは可哀相な気もするけど「虹の女神」も「大和」もあるし(「ドクターコトー」も??)、助演として活躍したのも事実で、中谷と蒼井の両方に賞を与えようとすると、蒼井は助演になるのだろうか。堂々と主演ですと言い切るヨコハマ映画祭などをほめたい。
同じような現象は香川照之にも言える。
助演を5つ獲っているが、対象作である「ゆれる」ではオダギリジョーと登場時間も役どころの重要さも変わらず、主演としてもいいくらい。堂々主演での受賞も2つあり(ヨコハマと高崎。両方とも主演女優に蒼井を選出している)あわせて7冠。
主演は「硫黄島」との連結効果もあってか、渡辺謙が圧倒しているし、助演でも笹野高史が4冠で香川に肉迫しているけれど、影の王者は香川と言えるのかも知れない
監督賞は西川美和と根岸吉太郎の争い。
作品的には「フラガール」が圧倒しているのに、なぜだか李相日に監督賞をという声が上がらない。どうにか三つはとってるので、残りの映画賞の結果次第では逆転も有り得るが・・・
なんにせよ、邦画バブルの2006年に低予算小規模公開の「ゆれる」「雪に願うこと」と、比較的大規模公開ながらメジャーの後ろ盾がない「フラガール」が評価されているところが、今年の数と満足度が比例しない状況が現れているように感じる。
それから、女性監督がこれだけ評価されたのも、多分日本の映画史で始めてのことである。そのことくらいは覚えておきたい。
日本映画は変わっていくかもしれない。評価と知名度がいまのとこ結びついていない監督たちと、渡辺・中谷・蒼井・香川ら才能ある俳優が結びつけば、ものすごいことが起こりそうな気がする。
*****
2006年度国内映画賞一覧
2006年度映画賞総括 作品別篇
*******
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
hs1715と申します。
>女性監督がこれだけ評価されたのも、多分日本の映画史で始めてのことである。そのことくらいは覚えておきたい。
本当にそうだと激しく共感させていただきました。「フラガール」も良かったのですが、日本アカデミー賞が「ゆれる」をほぼ無視したことに悲しさを感じてしまいました。
西川美和監督は凄い監督ですよ。