国内作曲界の大御所で、「ゴジラ」など映画音楽の作曲家としても知られる伊福部昭(いふくべ・あきら)氏が、8日夜、亡くなった。91歳。告別式の日取りと喪主は未定。自宅は東京都世田谷区尾山台2の7の7。
北海道釧路市生まれ。10代前半から独学で作曲を始め、北海道大林学科在学中に作曲した管弦楽作品「日本狂詩曲」が、1935年にパリで開かれた作曲コンクール「チェレプニン賞」で第1席となり、国際的に高く評価された。
(読売 2月9日)
***********
ジェームズ・ホーナーに出会うまでは、映画音楽と言えばゴジラであり、ゴジラといえば伊福部昭だった。
今頃キングギドラの背中に乗って飛んでってるのかな?
武満徹や佐藤勝なんかにごめんごめん待った?とか言ってるのかな?
東宝怪獣以外にも、大映の大魔神とか、熊井啓作品、谷口千吉作品、とかあれやこれや
黒澤の「静かなる決闘」も伊福部だ。
映画音楽(サントラ)のアルバムを販売するという発想を定着させるのに貢献したのではないだろうか。そういう意味で日本の映画音楽のパイオニアだった。
遺作は「ゴジラvsデストロイア」ってことになるのかな?
怪獣音楽の後継者なら、大谷幸とか大島ミチルとかいいのが育ってます。
独断と偏見の伊福部昭ベスト5
「地球防衛軍」
モゲラの進撃、自衛隊の迎撃、そのときかかるあのマーチ。燃えた
「宇宙大戦争」
オープニングの映像の変化とばっちりシンクロした音楽(伊福部にしてはめずらしい)が、ハリウッドの映画音楽を彷彿させる。ラブテーマの美しさ、月面の冒険での雄大、勇壮な曲。そして戦闘シーンにかかる伊福部マーチの最高傑作
「キングコング対ゴジラ」
原住民のコーラス、ゴジラ進撃のテーマ、大ダコvsコングの曲、コングvsゴジラの躍動的な音楽、コング輸送作戦のマーチ、名曲ばかりなのです
「モスラ対ゴジラ」
干拓地から出現するゴジラ、ぶるぶるっと体をふるわせて砂を払い落とす。そのときかかるゴジラのショートモチーフ。かっこいい。
成虫モスラ対ゴジラ、および幼虫モスラ対ゴジラのシーンでかかる、モスラテーマとゴジラテーマ組み合わせた曲は文句なしの名曲
「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
いつもあまり役に立たない自衛隊だが、この映画では人食い怪獣ガイラが可哀想になるくらい、メーサー殺獣砲の猛攻撃を浴びせて大活躍。その時かかるメーサーマーチの華々しいこと。この曲かかったらガイラに感情移入して早く逃げろとか思っちゃう。
「ラドン」「ドゴラ」「海底軍艦」「三大怪獣地球最大の決戦」「キングコングの逆襲」などもよかったです。平成の「ゴジラVSメカゴジラ」も
それから、伊福部昭SF交響ファンタジー第1番~第3番はファンなら絶対持ってる方がいい(私はLPでしか持ってません。CD欲しい)。
************
なお有名な「怪獣大戦争マーチ」は伊福部の現代音楽の焼き直しです。出だしの有名なフレーズは「ゴジラ」(フリゲート艦出航の時)、「宇宙大戦争」(前述の戦闘シーン)、でも使われています。怪獣大戦争マーチ自体はいい曲ですが、音楽予算が減ったのか演奏に厚みがなく、地球防衛軍や宇宙大戦争のマーチの方が魂を揺さぶられる様に感じます。(宇宙大戦争のマーチも「バラン」からの流用ですが・・)
それから、有名なゴジラ第一作のメインタイトルバックの曲について、言わせてもらいます。
ネットを観てると「印象的なフレーズの繰り返しで怪獣の恐ろしさを表現し云々」などという記載を散見しました。
ちゃんと「ゴジラ」を観た上で書いているのでしょうか? 平成ゴジラだけしか観てないのでは?
あの曲は本来はゴジラと戦う自衛隊のテーマ曲でして、劇中でかかるのはメインタイトルと勝鬨橋での攻防シーンだけのハズです。さらに言えばその後続くゴジラシリーズであの曲が使われるのは「メカゴジラの逆襲」まで待たねばなりませんし、その時は「(正義の怪獣)ゴジラのテーマ」として使用されています。
昭和のゴジラシリーズでは、あの曲は一度も「恐ろしさの表現」のためには使われていません。
書くなら、以下のようにして欲しいです。
『ゴジラ迎撃のテーマが、あまりにもかっこよかったため、いつの間にか破壊王ゴジラそのもののテーマとして人々の記憶が差し替えられていき、伊福部自身も後にその曲をゴジラのテーマとして使うようになった』
************
ともかく、伊福部先生、今までありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
**********
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
北海道釧路市生まれ。10代前半から独学で作曲を始め、北海道大林学科在学中に作曲した管弦楽作品「日本狂詩曲」が、1935年にパリで開かれた作曲コンクール「チェレプニン賞」で第1席となり、国際的に高く評価された。
(読売 2月9日)
***********
ジェームズ・ホーナーに出会うまでは、映画音楽と言えばゴジラであり、ゴジラといえば伊福部昭だった。
今頃キングギドラの背中に乗って飛んでってるのかな?
武満徹や佐藤勝なんかにごめんごめん待った?とか言ってるのかな?
東宝怪獣以外にも、大映の大魔神とか、熊井啓作品、谷口千吉作品、とかあれやこれや
黒澤の「静かなる決闘」も伊福部だ。
映画音楽(サントラ)のアルバムを販売するという発想を定着させるのに貢献したのではないだろうか。そういう意味で日本の映画音楽のパイオニアだった。
遺作は「ゴジラvsデストロイア」ってことになるのかな?
怪獣音楽の後継者なら、大谷幸とか大島ミチルとかいいのが育ってます。
独断と偏見の伊福部昭ベスト5
「地球防衛軍」
モゲラの進撃、自衛隊の迎撃、そのときかかるあのマーチ。燃えた
「宇宙大戦争」
オープニングの映像の変化とばっちりシンクロした音楽(伊福部にしてはめずらしい)が、ハリウッドの映画音楽を彷彿させる。ラブテーマの美しさ、月面の冒険での雄大、勇壮な曲。そして戦闘シーンにかかる伊福部マーチの最高傑作
「キングコング対ゴジラ」
原住民のコーラス、ゴジラ進撃のテーマ、大ダコvsコングの曲、コングvsゴジラの躍動的な音楽、コング輸送作戦のマーチ、名曲ばかりなのです
「モスラ対ゴジラ」
干拓地から出現するゴジラ、ぶるぶるっと体をふるわせて砂を払い落とす。そのときかかるゴジラのショートモチーフ。かっこいい。
成虫モスラ対ゴジラ、および幼虫モスラ対ゴジラのシーンでかかる、モスラテーマとゴジラテーマ組み合わせた曲は文句なしの名曲
「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
いつもあまり役に立たない自衛隊だが、この映画では人食い怪獣ガイラが可哀想になるくらい、メーサー殺獣砲の猛攻撃を浴びせて大活躍。その時かかるメーサーマーチの華々しいこと。この曲かかったらガイラに感情移入して早く逃げろとか思っちゃう。
「ラドン」「ドゴラ」「海底軍艦」「三大怪獣地球最大の決戦」「キングコングの逆襲」などもよかったです。平成の「ゴジラVSメカゴジラ」も
それから、伊福部昭SF交響ファンタジー第1番~第3番はファンなら絶対持ってる方がいい(私はLPでしか持ってません。CD欲しい)。
************
なお有名な「怪獣大戦争マーチ」は伊福部の現代音楽の焼き直しです。出だしの有名なフレーズは「ゴジラ」(フリゲート艦出航の時)、「宇宙大戦争」(前述の戦闘シーン)、でも使われています。怪獣大戦争マーチ自体はいい曲ですが、音楽予算が減ったのか演奏に厚みがなく、地球防衛軍や宇宙大戦争のマーチの方が魂を揺さぶられる様に感じます。(宇宙大戦争のマーチも「バラン」からの流用ですが・・)
それから、有名なゴジラ第一作のメインタイトルバックの曲について、言わせてもらいます。
ネットを観てると「印象的なフレーズの繰り返しで怪獣の恐ろしさを表現し云々」などという記載を散見しました。
ちゃんと「ゴジラ」を観た上で書いているのでしょうか? 平成ゴジラだけしか観てないのでは?
あの曲は本来はゴジラと戦う自衛隊のテーマ曲でして、劇中でかかるのはメインタイトルと勝鬨橋での攻防シーンだけのハズです。さらに言えばその後続くゴジラシリーズであの曲が使われるのは「メカゴジラの逆襲」まで待たねばなりませんし、その時は「(正義の怪獣)ゴジラのテーマ」として使用されています。
昭和のゴジラシリーズでは、あの曲は一度も「恐ろしさの表現」のためには使われていません。
書くなら、以下のようにして欲しいです。
『ゴジラ迎撃のテーマが、あまりにもかっこよかったため、いつの間にか破壊王ゴジラそのもののテーマとして人々の記憶が差し替えられていき、伊福部自身も後にその曲をゴジラのテーマとして使うようになった』
************
ともかく、伊福部先生、今までありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
**********
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
伊福部昭氏は、特撮映画を見て育った僕にとってかけがえのない存在でした。
謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。
本当に今まで、お疲れ様でした。
新聞配達でお金ためてゴジラのサントラLP買ったりしたものです。
また、一つ、時代が終わりました
黄金時代の映画人がまた一人逝ってしまいました。
間違いなく昭和を代表する巨匠でしたね。
東宝特撮映画を見てきた私にとって伊福部昭氏は何よりの存在でした。
作品以上に曲が好きでしたから・・「怪獣総進撃」「大怪獣ラドン」のいずれもオープニングテーマが特にお気に入りです。